小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

この美味しそうなたまごの絵が入った商品、いったい何だと思いますか?

コレ実は、ホームセンターで売っている炊飯器の外箱なんです。

良く売れているんだそうです。

以前少し書きましたが、卵の黄身を見せることで、人は目を惹きつけられます。

店舗での写真を載せたメニューイングには、積極的に黄身のシズルを取り入れるべきです。


〇日本人は世界トップクラスの卵好き

意外と意識されていない

「卵の魅力」が

黄身の「色」と「形」です

あの黄色、あの丸みを見るとどうしても目が行ってしまうんですね。

世界トップ3に入る卵消費国の日本。

食文化的にも生卵としての黄身を見慣れていてよく食べますので、「見た目」の誘因効果としても機能しやすいんですね。

例えば下の商品メニュー。

もし黄身が無ければ、絵的にとっても地味な商品になりますよね。

こちら↓の2商品なんて『肉炒めの素』『のり』ですからたまごは入ってませんし関係無いですよね。なのに、たまごが主役級に目立っている……。

こんな風に、街中でよく見るとあちこちに「黄身」で目を惹きつける商品やメニューがあります。

冒頭の紹介のように、電化製品まで「黄身のシズル効果」を使うようになってきていますが、

それだけ「効果的」だということです。

じゃあ、なんで黄身が効果的なのかといいますと、2つ理由があります。

〇丸い形状に惹かれる

人は心理学的に丸いものに惹かれます。

人間の攻撃欲求は丸いモノを見ると弱まるのだそうで、子供のキャラクターなんかも全て丸っこくなっていますよね?

特に日本人は丸いカタチが好きな傾向があるそうで、

和菓子・茶道の影響や日本国旗など様々な様式で「〇」形が取り入れられていて、自然と丸い形状に触れていることも大きいんじゃないか、ともいわれています。

 

〇たまごの色味にヒトは惹かれる

また、黄身の明るいオレンジ色は心理学的に「開放感」を掻き立てます。

ビタミンカラーとも言われるこの色味は、元気さの象徴でもあります。

○の形状とオレンジ色

この両方を併せ持つ黄身は、シズルとして人の目を引くベスト食材なんですね!

実際僕達のお客様でも、和風パスタに黄身を乗せ写真をメニューで見せたところ、

100円UPしたにもかかわらず出数は2割もアップしました。

お客様の目を引く、

粗利のとれるメニューシズルにぜひ「黄身の写真」を活用してみてはいかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2021年02月3日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第65弾、今回は中国から。

<王述擲卵(おうじゅつてきらん)>

カッとなって愚かな事をする、というような意味です。


昔々、東晋という国に、王述さん、という方がいました。

この方、めっちゃくちゃ短気でせっかちな人で、

ある時、ゆでたまごを食べようとしたところ、

ツルン!と箸から逃げた。

思わずカッとして手でつかんで床へ投げつけたところ、

どこまでもコロコロと転がっていく……

その転がるたまごを追いかけてゲタの歯で踏みつけようとしたら、

またまたツルン!とすべってあちこち転がり続ける

さらに激怒した王述さんはその玉子を手づかみにして口に入れ噛み潰し、即座に口から吐き出した。

そのハナシを聞いて、王羲之さんは大笑い。

「あの才覚あった親父(王承)がもしおんなじことをやってたら、今頃あんな富ある名家にはなってなかっだろうね。ましてやあのボンボン息子の王述がするなんて(笑)」


というお話。

この王述さんのお父さん(王承)は晋の国で出世し名門貴族となった方で「とにかくすごい立派な人物だ。」という評判でした。息子の王述さんもそれなりには優秀な方だったようですが、とにかく癇癪持ちで「親父はすごかったのに。」と言われがちなポジションの人。あと『王義之さんと仲が悪かったこと』で有名です。

最後に出てきた王羲之(おうぎし)さんはとんでもない大人物です。大将軍で超有名書家、皆さんのパソコンにも入っている行書・楷書・草書の書体を作った方。

なにせ遠く離れた日本ですら、奈良時代~近代に至るまで王羲之さんの書がずーっと字のお手本だった。それくらい超メジャーな人。

じつは怒りんぼの王述さんは、役人だった若い頃の王羲之さんの失礼な態度に腹を立て、上司(州知事)の立場からパワハラをかけ王義之さんを辞職&隠遁させたという過去があったのです。

王羲之さんからすると、アノこんちくしょう「笑い倒してやれ!」という気持ちがあったのでしょうね。

なんだかいろんな意味で小っちゃいエピソードですが、

結局のところ、このお話が現代まで残っているのは、

現代で言うならば『有名人が自分の持ち番組で、気に入らないヤツの失敗を笑い飛ばした』みたいなものでしょうか。

「あの」王羲之サンがそう言った……という事が、1600年未来の現代までエピソードを残したのです。

このお話が書かれた書物『世説新語』では、

ゲタの歯で踏むのを失敗したシーンや、卵が転げて止まらない様子も、不必要なくらい目に浮かぶようにかなり詳しく描写されています。

当時も、巷で面白おかしく広まっていたのかもしれません。

とはいえ千年以上も残る『ことわざ』にされてしまうなんて…書物の影響・メディア(?)の力おそるべしですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:ニワトリさんは見飽きた!?【たまご鶏のことわざ】その30 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2021年01月19日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日は卵のジョークご紹介です。


妻「ねえ、わたしの作ったオムレツ、どうかしら?」

夫「愛してるよ!」

妻「料理の味のことを聞いてるのよ?」

夫「食べたから言ってるのさ。それでも愛してるよ!」


 

なかなか辛辣ですね(笑)

実際、オムレツって難しいんですよね。

頑張って練習して、ちょっと上手になっても、しばらく作ってないと途端に……またうまく作れなくなっちゃいます。

定期的に作ってみて楽しみ、

回数を重ねておくしかないですよね~。

個人的には、オムレツを上手に焼くコツの第一歩は、

「まず卵一個から始める」

包んでひっくり返すコツを小さめのサイズで訓練して、そこからサイズアップすると良いんじゃないでしょうか。

なんにせよ作らない事には上達しませんですから、

上記のジョークのように、心広く受け止めてくれる家族がいてこその料理上手への一歩が踏み出せるんですよね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまごのソムリエ面白コラム-「食べ物ジョーク」

カテゴリー | ソムリエ日記 , 食べ物ジョーク・おもしろ 2021年01月15日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

帝政ローマ時代の博物学者で軍人のプリニウスさんという人が書いた「博物誌」という本、そこに「3スパン人」という小人のお話が出てきます。

スパン、とはローマ時代の単位で、手を広げた親指から小指の先までの長さ。1スパンだいたい9センチくらいですね。

3スパンだから……27センチの背の高さになります。

ちいさい!

博物誌の記述を要約すると、

インドの山奥に3スパンより小さい小人族がおり、鶴に取り巻かれている。春になるとヤギにまたがり全員で隊列を組んで海まで下って行き、弓と矢で3ヵ月間ツルと戦う。ツルの卵を食べ、泥と羽毛と卵のカラの家に住む。

のだそうです。

ちなみに頭が大きくて体はムキムキなんだとか。

卵を食べ、ヤギに乗ってツルと戦い続ける小人。うーん、なかなか面白いイメージですね。

この「博物誌」はドラゴンやユニコーンなど現代でも知られる幻獣が多数紹介されている超有名な伝承本ですが、「鶴と戦い卵を食べる小人族」はその他にも、トロヤ戦争を描いたホメロス著「イーリアス」や哲学者アリストテレスさんの著述にもが登場しています。

卵の家…、どんなカタチだったのでしょうね。とても気になります。

〇日本でも食べられていた食材、鶴のたまご

ちなみに日本でもツル肉ツルのたまごは普通に食べられていました。

江戸時代の食材について細かく記された『本朝食鑑』(1697年)には、上品な風味の高級食材としてツルの肉やツル卵が紹介されています。

鶴は百病に効く、と信じられていたのだとか。

なにせ江戸時代に「三鳥二魚」と呼ばれた代表的な珍味のひとつが鶴でして、割とメジャーな食材だったようで解体方法を記した料理本がいくつか残っています。

鶴のたまご…うーん、どんな味なんでしょうね。卵屋としてはとても気になります。

現代ではもちろん法で禁じられておりまして、鶴のたまごを食べることはできません。

鶴は植物食嗜好の強い雑食性で、果肉や種子・葉のほか魚などをバランスよく食べるそうです。

現代の養鶏配合飼料も同じようなバランスを考えた配合になっていますので、意外と鶴の卵は「現代の鶏卵」に近い美味しさがあるかもしれません。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2021年01月12日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

毎年書いてます、干支と卵の豆知識です。

牛ステーキの肉汁したたる濃厚な旨味、大好きな方も多いかと思います。

レア、ウェルダン、いろんな焼き方がありますよね。

実はこれ、そもそもは『ゆでたまごの茹で加減』を表す言葉。

レア(rare)は半熟卵を表す古い英単語で、ウェルダン(well-done)は固ゆで玉子を表す英単語でした。

それがいつしかお肉の焼き加減に・・・

英語辞書にもちゃんと載っています↓

面白いですね~。

半熟とろとろ玉子も、『レアたまご』と呼ぶとなんだか格調高いような気も……しますね。

『ウェルダンエッグのサラダ』なんてメニューに書いてあると、ちょっと興味を惹きます。

僕ならまず頼んでみます。

そして注文してみたら、何のことはないゆでたまごが乗っているサラダ・・・

ちなみにこの情報を知ったのは、農林水産省のサイトから。(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2009/spe1_01.html)

意外といろんな食のこだわり情報が載っていて、あなどれないです。

ここまでお読みくださってありがとうございます。

(関連:鼠と卵の惜しい関係 | たまごのソムリエ面白コラム

(関連:犬とたまご鶏のコラム | たまごのソムリエ面白コラム

あけましておめでとうございます!たまごのソムリエ・こばやしです

昨年は子(ね)年で「子だくさんに色々増える年」と言われていたわけですが

とんでもないものが世界中で増えてしまったものです…

今年はウシ年ですから、のんびり安心の一年であってほしいですね~

「丑(うし)」という字はもともとギュッと指を握り曲げたようすを表すのだそうですね

私共もこぶしを握り強い意志を以て

歩みはゆっくりでも時世に合わせた

御繁盛のお役立ちとなれますように

今年一年精進してまいります

本年もよろしくお願い致します!

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2021年01月5日