小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

ノーベル文学賞作家、コロンビアのガルシア=マルケス氏の短編小説を読んでいたら、やけどに卵の白身を塗るシーンが出てきました。

『やけどに白身を塗る』

これ、南米で広まっている民間治療で、米国の知人からも聞いた事があります。

「卵の白身が乾燥して皮膚を守り再生させるんだよ。」というのがその知人Mさんの主張。

実際のところ、どうなのでしょう……!?

結論から言うと、これはウソなんです。

やけどにはとにかく水などで冷やすことが重要

白身を塗る事の効果は薄いようです。

 

やけどはムリでも……

実は、

ホントに効果があるのは、

「切り傷」

『切り傷に白身を塗る』事で、直りが早くなります。

卵の白身にはリゾチームという菌を殺す作用のある物質が含まれており、また乾燥して被膜を作る事で傷をコーティングし、ばんそうこうの役目を果たします。

これはいくつかの実証データがあり、震災の応急処置マニュアル特集で紹介されたこともあります。

また、「卵の薄皮」も切り傷に大きな効果があるんですね。

傷口に卵の薄皮をペタっと貼っておくと、細胞の増殖・治癒速度が高まり、キズの治りが格段に速くなります。

これは江戸時代より特効薬として相撲取りの間で伝わっていた治療法で、また近年は粉末化することで傷薬として製品化もされています。

ぜひ、ケガをして薬が無い時には卵の白身を使ってみて下さいませ!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまごの薄皮に美肌効果が!-たまごのソムリエ面白コラム

(関連:【たまごの都市伝説】一生脳卒中にならなくなる謎の「たまごドリンク」-たまごのソムリエ面白コラム

(関連:【たまごの都市伝説】1卵+2携帯電話=??- たまごのソムリエ面白コラム

(参照:ガルシア=マルケス全短編 創土社)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2020年07月10日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

メディアでのご紹介もあり、沢山のご注文を賜っております。

本当にありがとうございます。

その日その日の新鮮なもののみを送付しております、楽天などのご予約商品によってはお待ちいただいたり現状ご予約をストップさせて頂いている商品がございます。

ご迷惑おかけしますが、少しお待ちいただけましたら幸いです。

皆さまのステキな一日の一助となります様、頑張って参ります。

よろしくお願い申し上げます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2020年07月10日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

卵と偉人・有名人のエピソード第21弾

今回は、伝説のロックミュージシャン、エルビス・プレスリーと料理評論家ゲイル・グリーンさん。

この2人のロマンスと一つの目玉焼きサンドイッチが、ニューヨークをクールな食の街に変えた。そんなお話です。

プレスリーさんは言わずと知れたロックンロールの帝王、世界のレコード・CD総販売数は6億枚以上、「彼がいないとビートルズもマイケルジャクソンもいなかった」なんて言われるくらいスゴイ人。死後40年経っていますが「彼はまだ死んでいない」と信じているファンが今だ数十万人もいるのだとか。

ゲイル・グリーンさんは日本ではあまり知られていませんが、米国では超有名なレストラン評論家。「ニューヨークマガジン」という有名誌でずっと寄稿をされていまして、1968年・33歳でレストラン評論家に就任した当時ニューヨーカーのほとんどが食に詳しくなく、名前を知っているシェフもほとんどいなかった時代から40年間、ニューヨークとアメリカ食文化の高まりを発信し続け、多くの料理人さんにインスピレーションを与え続けた草分けの方です。

さて、

そんなグリーンさんは若い頃からとにかく思い立ったら即行動、情熱の人でして、二十歳ごろに2歳年上の大スター、エルビスプレスリーの大大大ファンになってしいます。

「何とかしてお近づきになりたいな。」

他のファンの子はコンサートでキャーキャー言ったり、テレビ局やラジオ局の出口待ちをする、なんて今も昔も変わらない行動を取っていたわけですが、彼女はちょっと違いました。

当時のグリーンさんは大学を出たばかりで就職活動中。

まず、プレスリーのプロデューサーだったパーカー氏に手紙を書きコンタクトを取ります。

「エルビスと一日一緒にすごして、それを記事にさせてください!」

例えるなら無職がAKBアイドルの独占取材を秋元康にお願いするようなもの。

うーん、すごい行動力ですね。

残念ながらそれはかなわず、プレスリー公式記者会見の招待状が返ってきて彼女は憤慨します。それでも充分凄いんじゃないでしょうかね…。

そして、全くへこたれることなく、

その後プレスリーの活動予定をすべて把握、

コンサート会場のセキュリティ体制を調べ上げ、

警備の担当者を懐柔し、

ステキなドレスを着てプレスリーと自然に出会える状況を画策、「私はあなたのものよ。」と艶のある黒髪を後ろに流しながらウィンクし、とうとうプレスリーさんの心を射止めお忍びで一夜を共にすることに成功します。

うーん、まるでルパン三世のヒロイン峰不二子ですね(笑)

さて、

情熱的なひとときを過ごした後

プレスリーがふと、目玉焼きサンドが食べたいと言ったのだそうです。

グリーンさん後年の回顧録によると、

『さよならのキスをしようかと思いながら財布を取っていると、エルビスが目を開けてまばたきをしました。彼は電話に向かって肩をひねり、ふと

「ルームサービスに電話して目玉焼きサンドを注文してくれないか?」

エルビスとどんな時間を過ごしたのかは覚えていません、でも、その目玉焼きサンドイッチは忘れたことはないのです。そう、トーテムポールみたいな目玉焼きサンド。その瞬間、私はレストラン評論家になるために生まれてきたのだと気づいたのです。』

と振り返っています。

つまり、グリーンさんがニューヨークを『カッコいい最先端の食の街』として知らしめる先駆的な「食通」になったきっかけが、この目玉焼きサンドだったのですね。

目玉焼きサンドイッチは米国では非常に人気で、いろんなダイナーやホテル、レストランで、それこそ高級なものから大衆的なものまで非常にバリエーションも多い玉子料理です。

グリーンさんの中で「神様」だったエルビス・プレスリーさんが目玉焼きサンドイッチを頼む姿を見て、彼もまた日常を持つ人間であり、またどんな人にも「食」はこだわりと幸せを運ぶ存在だと気づいたのかもしれません。

25年ほど前、僕はアメリカで貧乏旅行をしていた時にプレスリーの生まれ故郷メンフィスにあるプレスリー邸「グレースランド」を訪れた事があります。

邸宅の裏にプレスリーさんが眠る墓所があるのですが、死後二十数年経つのに供えられる花束が山のようでした。いやもう、ファンにとっての永遠の『神様』なんだな、という事がすごく伝わってきました。

そんな“神”ではなく「人としてのプレスリー」に興味を持てるきっかけが目玉焼きサンドだった……なかなか興味深いです。

この目玉焼きサンドが無ければ、

ゲイルさんは全米一のレストラン評論家になることはなく、

ニューヨークに77件もの星を持つほどの百花繚乱有名シェフのレストランが立ち並び、パリやフィレンツェと並ぶ「美食の街」になることも無かったのかもしれません。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:“Insatiable” Gael Greene著)

(関連:100ドル(一万円)のたまごサンドイッチ、リッツカールトンホテルで登場-たまごのソムリエ面白コラム

(関連:卵一個が大トラブル!760万円のサンドイッチ代の行方は・・・!?-たまごのソムリエ面白コラム

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

ちばぎん総合研究所発行のビジネス誌マネジメントスクエア誌に、当社の取組をご紹介いただきました。

『料理別に最も美味しいたまごを追求し、革新しながら代々の想いは引き継ぐ』という事で、スタッフとの最近の取り組みのほか、先代や創業者からの取り組みまで丁寧にご紹介頂いております。

本当にありがたいです。

更に精進をしてまいります!

カテゴリー | ソムリエ日記 , 取材・掲載・ご紹介 2020年06月19日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

米国ライス大学が今月発表した研究によると、

卵で作ったバイオコーティングで新鮮野菜に膜を張ることで、飛躍的に野菜の賞味期限を延ばすことに成功したのだそうです。

発表によると、1ミクロンの厚さの卵でできたコーティング膜を果物や野菜に塗ったり吹き付けたりしたところ、劇的に鮮度を保つ期間が延び、また水分を保持して熟れるのを遅らせる効果がみられました。

成分的には卵が70%、そこに木材由来のバイオセルロースを混ぜているのだとか。

すごいですね。

もともと卵の白身には溶菌作用という菌を溶かして殺す作用があります。

また、卵たんぱくは乾く事で薄いシート状になることも知られていました。

考えてみれば確かに、保存性向上に向いているのかもしれません。

 

この研究がスタートしたきっかけは、

「市場に届かない卵がもったいない」から。

卵は一定の割合で微細なヒビのある卵が出ます。

当社でも、『打音型ヒビ卵検知器』という装置で全たまごを検査し、何%かが除去されます。

一般的には、そんなヒビ卵は新鮮なうちに割卵され、業務用として大量使用されることが多いのですが、割卵した“液卵”は非常に賞味期限が短くなりますので、エリアの広い米国では使い切れずに破棄される事も多いのだとか。

発表によると、年間で2億個以上のたまごが使い切れずに破棄されているのだそうで、たしかにそれはもったいないですね……!

さて、この卵バイオコーティングは化学合成物じゃないですから、

環境負荷も低く、

また人体にも悪影響はありません。

卵アレルギーの人はダメですが、

そんな人はコーティングを水で洗い流せば影響ないのだとか。

研究ではイチゴ、バナナ、リンゴなどすべての果物で鮮度維持、水分保持、熟成防止ができていて、圧縮試験でも硬くてみずみずしいままだったそうです。

研究をしたピュリケル・アジャヤン氏いわく、

“コロナ禍前でも、世界中で生産される食品の3分の1が無駄になっていました。遺伝子組み換えや食べられないコーティング、化学添加物を使用しない方法で食糧不足を減らすことは、持続可能な生活のために重要なんです 。”

とのことで、

上手く行けばこの「余ったたまご」によって劇的に世界の食糧事情を変えるチャンスになるのかもしれません。

うーん、ワクワクしますね!

ニワトリさんは生き物ですので、日々のコンディションの中で品質が変わる事があります。お客様に良いたまごをお届けしようとすると、目利きは厳しくなり、わずかな差であっても妥協せずはじかなくてはならない卵が出てくるんですね。

当社では幸いにもそうった卵も活用してくださる方がいらっしゃいますが、こういった規格外卵はなかなか悩ましい問題でもあります。

僕たち提供側にもプラスになり、

お客様にも美味しく長持ちし、

環境にも優しい。

三方よしのたまご技術、ぜひ今後の普及に期待です!

ここまでお読みくださってありがとうございます。

(参照:Egg-based coating preserves fresh produce: Protein coating extends shelf life of perishable fruits and vegetables — ScienceDaily)

(関連:ふりかけるだけで卵の保存性を劇的に伸ばすバイオシールドが開発される!?【インド】-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2020年06月17日

こんにちは。たまごのソムリエ・こばやしです。

コロナ禍で「安心」できる伝え方がすっごく重要になってきています。

「安心安全」って言いますよね。

飲食店を営む皆さまは、調理の場、ホール、どの場面でも大事にされている言葉かと思います。

でもこの「安心」と「安全」って…

本来はそれぞれ別に考えるべきなんですよね。

そもそもこの2つはどう違うんでしょう?

 

安全でも安心じゃない!?

ざっくり言うならば、

安全は「そんな状態」で安心は「そんな気持ち」です。

「安全」ならば『安全な状態』のこと。

そして「安心」ならば『安心だなぁと感じられる』こと。

ぼくたち卵屋でしたら、

卵が次亜塩素酸ナトリウム水で殺菌され菌が無い状態、

工場に異物が侵入しない状態、

商品表示で賞味期限や生産ロットが判る状態、

機器が倒れてケガしない状態……

こんな“状態”が「安全」になります。

そして、「これだけシッカリしてくれていれば、安心だね。」

……と思ってもらえること、それが“安心”。

感じる気持ちですね。

例えば棚が見えないところでシッカリ固定されていて「安全」でも、見た目に危なっかしいなら「安心」できないわけですし、どれだけ殺菌していても不潔そうな担当者ならば安心できないのです。

そして、両方とも取り組み方が違ってきます。

 

〇コロナで「目立つ安心」が大事になってくる

安全にすること、これはもちろん大事です。

今回のテーマは「安心」

安心って、安全なことを「伝えないと伝わらない」のです。

例えば耐震工事でも、補強した梁鉄骨が赤いペンキで目立つように塗られていたり「耐震補強済み」なんてでっかく表記してあったりしますよね!? これって「安心」のためなんです。

今、コロナ禍の中で少なくないお客様が飲食店での食事に不安を感じています。

「せまい飲食店で食べて大丈夫かな?」

「外出してうつらないかな……?」

みたいな。

なので、意外と当たり前にやっている事でも、積極的に「伝えて」安心へのアプローチをすること。これが重要なんじゃないかと思います。

例えば、感染リスクを下げるため店内に殺菌水の噴霧器を置くお店も多くあります。

また、店頭に手を消毒するアルコールを置いてあるお店も多いです。

でも、

噴霧器って目立たない色とカタチなんですね。

白とか黒とかでコンパクト。

場所も、カウンターや部屋の隅など邪魔にならない場所に置いてある事が多いです。

ですが、これからはそれじゃぁもったいない!

より「安心」してもらうため、目立たせないといけないのです。

具体的には、

でっかくて、目立つ場所にあってハデな色で、すぐに気づく、どうせならそんな状態の噴霧器にしないと「安心」が増えません。

繰り返しますが、

以前であれば「安全」のためにやっていれば良かったのですが、

コロナ禍後は安心のニーズが以前よりずっと増えています。

あなたのお店で当たり前のようにやっている「安全」の取り組みは、余さずどんどん伝えて行くべきです。

テーブルの拭き掃除も、以前はお客様がいない時にされていたのが、逆に混雑中こそ拭き掃除することが「目立つ安心」になります。

たとえば……

・店頭のアルコール消毒のスプレーはよりでっかいボトルに変えて、「殺菌用アルコールです!」と大きく表示する。

・噴霧器は黄色に塗って店のド真ん中に置いて、「殺菌のため噴霧中」とでっかくパネルを付ける

・お客様がいても10分おきにカウンターを拭き掃除する&「定期的に拭き掃除しています、ご了承ください」とでっかく表示

・調理される方の服装を変える。白衣っぽい服にする、目立つ色のゴム手袋にする

などなど……

「そんな病院みたいなこと、イメージが崩れるんじゃ・・・」

と思われるかもしれません。

でも、少なくとも今(2020年6月時点)は、

以前お店の雰囲気と調和のため目立たせずやっていたことを、ガラッ!と変えて目立つ伝え方にしなくてはいけない、そんな世の中になっています。

「これなら安心だね。」

…と思えることのニーズ増大を、ぜひお店の戦略に取り入れるべきではないでしょうか。

ここまでお読みくださってありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 安心安全 2020年06月15日