小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

報道でも出ていますが、今年は鳥インフルエンザが国内で多く発生しておりまして、まだ冬の入り12月だというのに12県30農場で感染・殺処分という大変な年になっております。

私共の出荷拠点がある四国・徳島でも先日発生し、当社にても要注意・厳戒態勢がつづいております。

そして、お客様から「僕達が食べても大丈夫なの?」というお問合せを頂くことがあります。

結論から言いますと、

「卵や肉を食べてヒトが鳥インフルエンザに感染する可能性はゼロ」です。

内閣府・食品安全委員会の発表でも、ハッキリと明言されています。(https://www.fsc.go.jp/sonota/tori/tori_infl_ah7n9.html)

でも、なんでうつらないの……?という事ですが、下記のような理由があります。

理由①コンセントが違うので、エネルギーが取れない

『ウイルス』とは、そもそも生き物として不完全で、取りついた生体エネルギーが無いと活動することも増えることもできません。いわば、生体から電源を取って充電したバッテリーで動くロボット。アニメ「エヴァンゲリオン」では、電源でつながって戦う巨大ロボットが、電源コードが切れると数分動いて活動限界で停止するシーンがありましたが、あんなカンジです。

そして、ウイルスは生き物の体内に入るとまず電源を取ろうとする(結合)のですが、鳥とヒトでは、コンセントの規格(受容体)がまったく違うのです。

ですので、鳥インフルエンザウィルスが人の体内に入っても、バッテリーで動ける間は活動しますが、人の体内からエネルギーもパーツも取れないのでしばらくすると、そのまま停止してしまうんです。

大事なポイントですが、「増殖」もできません。

たとえ100個のウィルスが人体に入っても、その数以上にはならないのです。

対して、ヒトインフルエンザウイルスの場合は、100個体内に入ったら、それが増殖して一千億個にも一兆個にもなって悪さをします。これが、「症状がでる」ということなんですね。

※世界でみると、「鳥インフルエンザが人に感染!」というニュースが出る事があります。

それは、体内で増えたわけではなく、最初から数千億個のウィルスを吸い込んで、それがバッテリーが切れるまで体で暴れまわったからです。 なので発症者は、農場で気づかずに吸い込んでしまった養鶏従事者がほぼ100%。そこから他のヒトにもうつりません。

ここを混同したり意図的に伝えずに、「鳥インフルは人にもうつる!コワイ!!」とあおるメディアが時々ありますが、これはデタラメ、ひどい話です。

繰り返しますが、

体内で増える → 別の誰かに乗り移る → そこでまた増える

こうやって増えるからウィルスはコワイのです。ですが、鳥インフルエンザウィルスが人体に入ってもそうなりません。

鳥インフル → ヒトの体内に入る → ほどなく活動停止

こういう構図ですので、

卵や鶏肉を食べても100%安全なのですね。

(ちなみにもちろん逆も言えまして、ヒトのインフルウィルスも鳥の体内では増えません。)

そして鳥インフルエンザ発生でなぜ殺処分を行っているのかというと、

鳥インフル → 鳥の体内に入る → 増える → さらに別の鳥に感染

となる、鶏→鶏の増殖を防ぐため。あくまで『家畜防疫』の観点からです。

 

理由② 胃酸で100%死ぬ

鳥インフルが人体に影響しないもう一つの理由として、酸にめっぽう弱いことが挙げられます。ヒト体内の胃酸などで消化されてしまうんですね。

まぁ、そもそも人体に入っても問題とならないので、だから何だという話ではありますが…

以上の2つの理由により、

卵や鶏肉を食べても人体に感染する可能性はゼロ、と明言されているわけです。

鳥インフルエンザのまん延は、小さくは僕たちの業界にとっての緊急事態でですが、マクロの観点では日本の食料自給率にも関わる重要な問題です。

大事な鶏さん達には絶対に健康でいてもらえるように万全を尽くします。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:鳥インフルエンザの怖くない話 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2020年12月21日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日14日発売のプレイボーイ誌に、「温泉玉子の特集」として小林の温玉話が載ります!

さて、温泉玉子ですが、最近特にいろんなメニューで使われるようになりました。

ピザやパスタ、サラダ、ハンバーグやカレー……、

黄身と白身のとろみ食感が味をまろやかにしてくれますし、見た目にも映え、より美味しそうに料理を演出できます。

ご取材の際に調べていて
ふと気づいたのが、

温泉玉子は
「ビスマルク風料理」の
日本風ヘルシー代替なのでは

ということ。

ビスマルク風とは、ハンバーグやピザ、アスパラソテーなどいろんな料理に目玉焼きを添えたものを言います。

ドイツの鉄血宰相、ビスマルクさんが好んで食べた料理方法ですが、欧米では根強い人気があります。

(鉄の宰相、ビスマルクの目玉焼き愛 【ビスマルク風料理】 | たまごのソムリエ面白コラム)

そして、油を使ってひと手間かかるビスマルク風料理の目玉焼きから、

「よりヘルシー」

「手軽に割り込むだけ」

……の『温泉玉子乗せ料理』に、
日本では独自進化した
そんな流れが見てとれます。

実は、世界的に見ると、温泉玉子を食べるのは日本人だけなんです。英語でも温泉玉子は「onsen tamago」。

海外の方にはあの白身の食感が受け入れられない様ですが、日本では大人気のたまご料理です。

「こっちのほうがいいじゃん。」

となるのは自然な発想かもしれません。

 

〇健康にも有利!“温泉玉子”

以前ご紹介しましたが、野菜から採れるカロチノイド系のビタミンは、卵と一緒に食べることで吸収率が5倍ほど上がります。

温泉玉子は食感・味ともにサラダと相性が抜群なのですが、健康の面からもメリットが大きいです。

シーザーサラダなんかは有名ですが、和風のじゃこや海藻と組み合わせた和風温玉サラダも根強い人気ですよね。

視覚的な誘引力も比較的高く、温玉トッピングで価格を上げても写真などでシズル感を出すことで、2割売り上げがアップした例もあります。

店舗メニューにての粗利獲得にもメリットが大きいです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまごとサラダでビタミン吸収がめっちゃ良くなる!【米国研究】 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2020年12月14日

雀卵斑(じゃくらんはん)ってご存知ですか?

スズメのたまごの模様」という意味ですが、

これ、「そばかす」の事なんです。

なんでこんな名前なのかというと、

雀の卵の模様がそっくりなんですね。

雀のたまごは、うずら卵と殻の色目が似ていますが、

模様がより淡く細かいので、

たしかにお肌のそばかすっぽさがあります。

日本人はそばかすが出る人がさほど多くないですが、そばかすの方が多い欧州では「かわいい」の代名詞なんだとか。

そういえば、日本では江戸の昔からツルツル肌をたとえるのに「卵肌」、つまり「ゆで玉子」と評しています。

なにかと卵はお肌の表現の対象になってますね~。

ちなみに卵は肌に理想的なアミノ酸を含み、高い抗酸化作用も持つ、美肌フードです。卵の薄皮、“卵殻膜”に多く含まれる「シスチン」も、肌に高い効果があるとのことで近年注目されています。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連)たまごの〇〇に美肌効果が! | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2020年12月11日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

12月3日は、ワン・ツー・スリーでマジックの日です。

今回は第7回目!「世界の卵マジック」をご紹介します。(その1)(その2)(その3(その4)その5(その6)

 

〇生卵とミルク缶のコメディマジック

「説明書」に書いてある通りに缶を使ってやるよ!

まず、たまごとミルクを入れて頭の上に。次に「さかさまにして!」と…え~~!

かなり盛り上がるたのしいマジックです。

観ている方もかなりドキドキしますが、楽しさがあって良くできています。パーティなんかでやっても楽しいでしょうね~。

こういうお客さん参加のマジックはいろいろありますが、観ているだけよりもずっと楽しい想いでになります。

 

〇 ゆでたまごの賭け


6つのたまごを好きなように並べ替え、サイコロの順番に割っていきますが……

これまたハラハラするたまごマジックです。これ見せ方が上手いのですごく不思議です。

この前提として、eggbet(卵の賭け)という遊びがありまして、茹で玉子の中にひとつ生卵を混ぜて、一つずつ手に取って自分の額にぶつけて割っていく、言うなれば「ロシアン卵」です。負けたら卵まみれ。欧州ではお祭りなんかでたまご対決大会になることも。

それくらい外からでは茹でと生の見分けはつきません。なのに不思議ですよね~。

たまご屋としては、もう少し丁寧に割って欲しいですね(笑)

いかがでしたでしょうか!?

また来年の12月3日をお楽しみに!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること , マジック 2020年12月4日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

ゆでたまごをミンチ肉で包んであげた英国の伝統料理「スコッチエッグ」。美味しいですよね~。

以前に、「スコッチエッグはオヤツだ。」として英国のある小学校が弁当に入れるのを禁止をしたことから大論争になったニュースをご紹介しましたが、コロナ禍でふたたび「スコッチエッグはおやつかオカズか問題」が再燃しています。

コロナ禍中に揺れる英国は今、コロナ患者の発生比率に応じて3つのエリアに分けられており、

1段階…10万人あたり感染者100人以下

2段階…10万人あたり感染者100人以上

3段階…感染者急増

このどのエリアそれぞれで、厳しい禁止事項や移動制限が課されるロックダウンが検討されています。

ロンドンなど大都市は「2段階目」のエリアに入ってまして、『屋内での交流』や『食事以外のドリンク販売』が禁止になる事に……。

「食事ならしょうがないけど、気軽に飲み歩きするのはダメ!」としてパブやバーなどに人が集まるのを禁止するんですね。

感染拡大をふせぎたい政府の考えは良く分かりますが、規制されるお店や酒好きロンドンっ子からしたらたまりません。

適切な食事を出す店 → 開店してオッケー

軽食(おやつ・つまみ)だけを出す店 → 店を開けちゃダメ

となりますので、

「じゃあ、ウチはスコッチエッグを出しているけど、これはゴハンなの?オヤツなの?」

という議論が出ているわけです。

もちろんネットでも論争となっていまして、

先週LBCニュースの取材に対して、ジョージ・ユースティス環境大臣が正式な回答をするまでの騒ぎになっています。

気になる大臣の回答は、

「スコッチエッグはごはん」

との事でした。

もともとは「おやつ」だったよね。

でも、今はフライドポテトやサラダと一緒に提供されている店も多いんだから、

これってもう「食事」って言ってもいいよね。

……というコメント。

かくして、スコッチエッグはおやつかごはんか論争にも一応の決着がつき、

ロンドンっ子は美味しいスコッチエッグ料理にひきつづき舌鼓をうつことができるようになったわけです。

 

◆ロンドンっ子のゆずれないソウルフード

それにしても、なぜスコッチエッグなのか?思われるかもしれません。

スコッチエッグは英国で280年の伝統がありまして、ロンドンにあった百貨店「フォートナム&メイソン」で出されたのがはじまり。

その後英国中に広まり「英国最高のつまみ」と評されることもあるくらい、いろんなこだわりの味を楽しめる国民食になっています。

英国人、とくにロンドンっ子にとっては「スコッチエッグだけはゆずれねェ!」というソウルフードなんです。

そして、「スコッチエッグはおかずかオヤツか」の議論はずいぶん前からありまして、

そもそもは大英帝国領だったインドで旅人が腰にぶら下げて運ぶ『携帯食』だったと考えられていることや、それぞれのパブの自慢のつまみメニューになっていることなんかが、論争の根っこになっているんですね。

なんでしょうね?……日本で言うならさしずめ

『たこやきはごはんかオヤツか?』

みたいな議論でしょうか。

うーん、そう考えると、揉めるのもなんだか分かる気がしますね(笑)

そういえば、スイスでは「チーズフォンデュはコロナ禍で安全か」の激論がされており、「加熱しているので安全」という見解を専門家が出しています。いろんなお国柄がでますね。(チーズフォンデュは安全か? スイスで議論 国際ニュース:AFPBB News)

いずれにせよ、コロナ禍が去ってそんなことを気にせずゆっくり食事ができる世の中に、はやくなってほしいものです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:Scotch egg to the rescue: minister says it can be ‘substantial meal’ | World news | The Guardian

(関連:伝統的スコッチエッグの作り方 【おススメレシピ その1】 | たまごのソムリエ 面白コラム

(関連:イギリスで「最高のつまみ」と評された卵料理『スコッチエッグ』 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2020年12月2日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ第64弾、
今回はイギリスの慣用句。

<闘鶏のニワトリのように暮らす>

(To live like fighting cocks)

『めっちゃ気力体力ともに
充実した暮らし』
のことです。

 

闘鶏のニワトリって、
気力と持久力を増すために、
たっぷりの栄養と運動で
超健康的に養われているんです。

 

なかなか良いたとえですね~。

闘鶏のように暮らす!

そうありたいものです。

 

コロナ禍で外出が減り、
むしろ

『フォアグラ鴨のように
暮らしてるよ……』

なんて人も多いのでは!?

 

ちなみに闘鶏向けのニワトリ、
日本でも軍鶏(しゃも)という
種ががいますが、

でっかいだけじゃなく、
背筋もスラっと伸びていて
目つきも鋭い、
ホントカッコいいです。

ちょっと壁にでも
写真を貼って、
目指す姿にしなくちゃ
いかんですね~。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:エッ!?闘鶏で独立を決めた国があるってホント? | たまごのソムリエ面白コラム

(参照:英米文学鳥類考)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2020年10月6日