小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日4月13日は、17世紀フランスの詩人ジャン・ド・ラ・フォンテーヌさんの命日です。

日本では名前はそこまで知られていませんが、

イソップ物語を元にした沢山の寓話詩を創っていまして、世界中で有名な方です。

いわゆるイソップ童話って、紀元前6世紀・今から2500年以上も前のお話なんですね。

なので、現代ではわかりにくい部分や、流れが唐突だったり、また当時の言葉(古代ギリシャ語)での韻を大事にした内容もあり、現代ではちょっと難解なものも多いのです。

それを、上質で分かり易いストーリーとして仕上げなおし、またテンポ良く聴きやすい言葉やお話の流れにしたのが、ラフォンテーヌさん。

「北風と太陽」

「アリとコオロギ」

「オオカミと(7人の)子ヤギ」

などは聴いた事ありますよね?

日本人の僕たちが、これらイソップ童話に子供のころから親しめているのは、言うなればラフォンテーヌさんのおかげ。

そして特に、

僕にとってゆかりがあるのは、

「金の卵を産むめんどり」

の寓話詩を作った人だから。

 

〇黄金の価値になる卵!?

当社の名前は45年前から「小林ゴールドエッグ」、金のたまごです^^

ストーリーは、

「貧しい男が飼う一羽の鶏が、ある日から毎日一個、金の卵を産むようになった。
おかげで男はずいぶん金持ちになったが、それじゃ満足できない、もっと沢山金がほしいと考えた。
腹の中に金のカタマリがあるはずだ!と鶏の腹を裂いてみたら、なーんにも入ってない。
鶏は死んでしまったので、もう金の卵も手に入らない。再び貧しい生活に逆戻りしてしまった。」

というお話ですね。

ウチの社名を考えたのは亡くなったボクの父・先代です。

由来をちゃんと聞いたことは無かったですが、

堅実な性格でしたのでおそらくこの寓話のように

「たまごという食材は黄金の価値がある」

「無理して儲けに走ってはいけない」

・・・・・・こんな想いを込めていたんじゃないかと思います。

ステキな寓話と商売の戒めをくださった、ラフォンテーヌさんに感謝ですね~。

ここまでおよみくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2020年04月13日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

NHK BSスペシャル「美と若さの新常識」という番組に、出させてもらいました。

お弁当スペシャルとの事で、

たまご料理のコツと共に我が家の卵づくしのお弁当をご取材いただいております。

ウチのお弁当、そして朝食は実は卵をたっぷり使う「卵だらけメニュー」なんです。

そして家族みんな卵好きなので、

おかずが玉子焼きであっても当然のように全員卵かけご飯をしますし、味噌汁にも温泉玉子が入ります。

「たまごを食べると健康寿命が延びる」

「たまごを食べると血中コレステロールは逆に下がる」

という研究結果を、体を張って証明していることになっています(笑)

番組では美容と健康に卵!という事で、医学専門家の方も太鼓判でした。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 取材・掲載・ご紹介 2020年04月10日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日は、コロナウィルス禍中での「卵白」を前面に打ち出したお店の玉子料理メニューについて。緊急事態宣言でそれどころではなく大変な状況のお店も多いかと思いますが、保存性良くお弁当にも向いていますので、一つのアイデアとなりましたら幸いです。

〇抗ウイルス作用がある!?すごい卵白成分とは

卵白の成分「卵白リゾチーム」という酵素には、抗ウイルス作用がありインフルエンザウイルスなどが増えるのを抑制します。見て頂いたら分かりますが、風邪薬にも入っている成分ですね。東京海洋大学とキューピーの共同研究では、加熱変性させた卵白リゾチームによて、新型ノロウイルスやA型肝炎ウイルスの不活性化にも効果ありとの結果も出ています。

たとえば、お客様に少しでも元気を出してもらうためにも、卵白をたっぷり使った玉子料理でこんな応援メニューはいかがでしょうか!?

・つくね等のメニューで黄身だけ使っていて余る卵白…

・パンなどで卵黄を使用したあとの卵白…

聞き取りをしていますと、意外と人気メニューの関係で白身が余っていらっしゃるお店様はあるようです。

黄身よりも余りがちな卵白を、この際元気になる打ち出して活用してみませんか!?

卵白は菌にも比較的強く、お弁当などの料理にも適しています。

 

〇卵白料理は数年前から人気メニューになっている

そして、例えば米国では国のヘルシー対策にのっとって、低カロリーな白身料理が普及してきています。

数年前にはファーストフード業界がこぞって白身だけ玉子の新商品を出す卵白料理ブームもあり、卵白が大人気となったこともあります。

洋食を中心に、意外と卵白のみを活用する新しい料理ノウハウが蓄積されつつあります。

ぜひメニューとしての活用、

そしてお客様を元気づけるメッセージのメニューとしてご一考くださいませ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまご健康食ブームで町のパン屋さん大弱り!?【米国の卵白事情】

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2020年04月8日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

「孔雀の卵」

という慣用句があります。

どういう意味か分かりますでしょうか?

これ、いわゆる長っ尻(ながっちり)、

つまり人の家に行って長居する事を「孔雀の卵」と言うんです。

なんで孔雀なのかと言いますと、

孔雀の卵はなかなか産まれず、またふ化するまでの期間も長くて、孵るまでが大変だ

なかなか孵らない→「なかなか帰らない」

という訳です。

ダジャレですね。

ちなみにクジャクのふ化期間は約28日。

ニワトリさんは21日ですから、約3割ほど長い計算になります。

そんなに言うほど長くも無いですね…

何はともあれ、

このような、ちょっとわかりにくい言葉に変えてのコミュニケーションは「洒落言葉」と呼ばれ、関西では昔っから商売や日常の中での言葉あそびとして親しまれてきました。

例えば、

「お前は八月の槍やなぁ。いっつも忘れ物しとる。」

みたいな言い回しをするんですが、八月にはお盆があります。なので「盆槍」→「ぼんやり」というわけです。

それは勘弁してください・・!なんて場面でも、

「それだけ値引きせえ言われたら、ホンマ仏の椀ですわ。」

なんて言うんです。

これは仏の椀 イコール金属の椀→「かなわん」という意味。

四国でも関西が近いせいか、タマにこういった洒落を言う年配の方がいますが、なんとなく場が和むというか、しゃーないなぁというなんだか通じ合った感がでるというか、ふんわりした笑いの雰囲気に包まれるんです。

前述の「孔雀の卵」だって、そのまま口に出したら感じ悪い悪口ですが、

「アンタいっつも孔雀の卵なんよ。ほんま早よしてや~。」

・・・となるとちょっと和らぎますよね。

大阪的商売からくるコミュニケーションの知恵だなぁと感じます。

せっかくですから、新しく考えてみても良いのかもしれません。

ちょっと卵屋として僕も考えてみますと、

ウチの亭主は最近「夏のニワトリ」さね。→「飲んでばっかり」

今回の口ゲンカは「傷んだ卵」だよ。→「黄身(君が)わるい」

どうでしょう・・・!?(汗)

(関連:「ゆで玉子におろし金」って何のこと?-たまごのソムリエ面白コラム

(関連:生きてるみたい!?幻想料理ってなんだ?-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2020年04月6日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごの映画名シーン、今回は日本人ならご存知、「ハウルの動く城」です。

動く城の主ハウルが戻ってきた際に、朝食を作ります。

めちゃめちゃ分厚いベーコンを焼き、そこに卵を落とす。

共に住む子供マルクルがかぶりつく様子がホント美味しそうで、ものすごい印象に残っています。

食べたくなる人も多いようで「ジブリの食べたい食事アンケート」なんかでは、必ず上位に来ています。

〇なぜベーコンエッグなの?

そもそも「ハウルの動く城」の舞台は『異世界』です。例えば飛行機や衣装は、現実を元にしながら幻想がかった面白いデザインになっています。なぜ朝食のメニューはベーコンエッグなのでしょう?

ひとつには、原作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんが英国人だという事があるかと思います。

ベーコンエッグはイングリッシュブレックファストとして世界的に有名なイギリス名物料理。アイルランド発祥といわれ、古くから修道院はじめ色々な場で食べられイギリスの文化に根付いています。

また、第二次世界大戦時には空軍の出撃時に食べる特別メニューだったこともあり、作戦に同道したフランス人パイロットも印象的だったとの記録が残っています。まさに戦争がもう一つのテーマでもある「ハウルの動く城」にはふさわしいメニューとも言えそうです。

そして、人里離れた場所にあるハウルの城ですが、魔法の扉で街中とつながっており、カンタンに買い物ができる。山の中の動く城なのに、新鮮な卵が手に入る…そんなギャップを表したかったのかもしれません。

さすが!正確なベーコンエッグ描写

さて、英国式ベーコンエッグとして考えると、このハウルの動く城の調理シーンはとっても正確なのです。

まず、

ベーコンだけをじっくりと焼いて、

そこから充分な油が出たのちに、卵を落として焼く。

フタはしません。

すると、白身の縁がカリカリで黄身トロットロの美味しい目玉焼きになるのです!

うーん、これはメチャうまです!

実際のシーンを見返すと、

ちゃんと油が出るのを待ってハウルが卵を割り入れていますし、

ベーコンがカリカリになるように、ベーコンの上を避けて卵を割り入れています。

もっと言うとイギリスのベーコンは「バックベーコン」と呼ばれる背中ロース肉を使ったベーコンなので、豚バラ肉を使う日本のものと違って味と歯ごたえが非常にしっかりしているんですね。

マルクルが噛みついているシーンからも、その様子が伝わってきます。

以前ご紹介しましたが、

映画「崖の上のポニョ」でも宮崎監督は、ラーメンの上のハムを食べる順番まで指示する徹底ぶりだったそうですので、きっとベーコンの種類まで英国式にこだわった上で描写をされているんじゃないでしょうか。

原作を読むとわかりますが、「ハウルの動く城」の裏主人公は火の悪魔「カルシファー」です(原題も『魔法使いハウルと火の悪魔』ですし)。

絶妙な火加減が求められるベーコンエッグ。

「火」というテーマからも、このメニューは主役の見せどころとして欠かせない絶妙のシーンともいえるんじゃないでしょうか。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまごの名シーン(映画編)「崖の上のポニョ」ゆでたまごとハムの意味

(関連:パズーは目玉焼きパンをいつ用意したのか?【天空の城ラピュタ】たまごのソムリエ面白コラム

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

コロナ禍、大変な事態となっていますね。各地で起こっている品薄化と買い占め、お国柄もあり、イタリアではパスタが買い占められ、ドイツではプレッツェルなどの塩菓子が買い占められたりしているようです。

そして、米国では卵・・・!が買い占め対象となっているのですね。

スーパーの卵コーナー棚はスッカラカンになっています。

また、スーパーで手に入らなくなっているものですから、今度は養鶏場へ直接買い求める人が殺到し、長蛇の列ができている様子です。

上の写真はカリフォルニア州の養鶏場ですが、購入者による長蛇の列に加え、購入待ちの車が1マイル以上も続いているのだとか!

うーむ、すごいですね。

〇不足により価格高騰中のなぜ?

米国農務省の報告によりますと、米国の鶏卵相場価格は3月16日一日で平均1パックあたり23~61円も上昇し、その後週がすすむにつれて10セント、20セントと上昇し続けています。

スーパーなど小売店のたまご販売数量は昨年同時期の200%を超えているのだとか。

卵はもちろん鶏さんが産むもので、急に沢山できるものではありません。需要と供給のバランスが完全に崩れているということですね。

うーん、これは大変です。

米国ではスタンダードな卵は1パック2ドルちょっとですから、たった一日で3割近くも価格が上がり、更に日々上がり続けていることになります。

〇なぜ卵を買い占める?

結局のところ、「引きこもる」ために食品を大量購入しているから足りないんです。

もともと土地が広いことから買いだめ思考があるアメリカ人ですが、たまごは冷凍もできないため売り方も生鮮野菜に近く、その日その日のものしか在庫を持たない店も少なくありません。 そこへ数週間分の食糧として一気に買い求めているというのが不足を引き起こしているようです。

とはいえ、その分レストランへ食べに行く人は減っているわけですから、そこで使う卵は余っているはずです。ここまで足りなくなるのはちょっと変ですよね。

調べてみると、米国の現状では、業務用(飲食店向け)たまご需要は25%程度しかダウンしていません。つまり「外食では肉や魚を食べるけども家で料理するなら卵だよね。」という消費者のニーズがあるので、たまごに殺到しているわけです。

〇日本とは違う、食品へのコロナ不安

もう一点、国ごとで、住む人の情報把握に違いがあります。

この状況、日本でも同じことが起こってもおかしくないはずですが、そうなってはいませんよね。日本でのたまご相場も昨年よりは高いものの、一昨年と同じくらい、例年並の範疇です。

これは、「コロナウィルスと食品不安」に差があるから。

海外では「食品からもコロナウイルスがうつる」と思っている人が相当数いるのです。

例えば欧州食品安全機関(EFSA)は3月9日に「現時点で、食品がウイルスの感染源または感染経路である可能性を示す証拠はない」と発信していますし、ドイツ政府もその翌日に「食品を介したコロナウイルス感染の可能性は低い」とわざわざ念押しの発表をしています。

米国でも「food business news」他多数のメディアで「食品=ウイルスはうつらない。大丈夫!」と喚起をしています。

逆に言うと、多くの人がそこに不安を持っているということですね。

コロナを避け鶏卵に殺到するということは、

加工が入る肉などよりも、カラに包まれた卵の方が人の手に触れておらず安心感がある、と感じる人が多くいるからかもしれません。

日本ではコロナウィルスによる食品不安って、ほとんどありませんね。

食品じゃなく、こわいのはヒト感染

だから、うがい、手洗い、マスク、

そういう意識が早くから共有できたことが、無用な食料買い占めパニックを防いでいるのかもしれません。(その分マスクの買い占めが起こっているわけですが…)少なくとも『卵パニック』になっていないのは、意識共有のおかげじゃないかと思います。

また、毎日の新鮮な食料供給への信頼感を、皆さまがお持ちくださっている事も、大きいですよね。本当に感謝です。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2020年03月21日