小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

米国ではスーパーの棚から卵が消え、直接農場へ買い求める人で1マイルもの行列ができている…そんな状況だと先日お伝えしましたが、今はもっとスゴイ事になっています。

先月末のニューズウィーク記事です↓

『イースター前に全国パニック買いでヒヨコ売り切れ 癒し目的か』(Baby Chickens Sold Out Nationwide Ahead of Easter as Americans Panic-Buy Feathery Friends for Comfort・newsweek )

記事によると、

米国でヒヨコのパニック買いが起こっており、アイオワの孵化場では4週間先まで予約完売・ペット販売店でもヒヨコを仕入れた端から売れており、ついには連日朝からヒヨコを求める人でペットショップに行列ができているのだとか…。ヒヨコ出荷量は例年の2倍以上とのことで、養鶏場がヒヨコを入手できず頭を抱えているのだとか・・・。

ロイター通信によると、あまりの人気に西部ユタ州では「1世帯当たり6羽まで」なんて制限まで付いているようです。

映画『スパイダーマン』シリーズ出演俳優トム・ホランドさんも

「卵がないんだ。僕たちには卵がない。それで僕らは解決策を思い付いた。自分の家で卵ができるようにすればいいんだってね。」

なんて言って、ニワトリ飼いを始めた事をインスタで明かしています。

(参照)『買い占めで卵が買えなかったトム・ホランド、ニワトリを買う』 – シネマトゥデイ

すごいですね~…。英国でも同じくめんどりさんの買い占めが起こっているようです。

ナカナカとんでもない事態です。

卵バカ売れ→ ひよこバカ売れ

と来ていますから、もしかすると次は

→ふ卵器バカ売れ

みたいなことになっちゃうかもしれませんね。

 

以前からあったヒヨコ買いブーム

とはいえ、実はこの「ひよこ買い」、今に始まった事ではありません。実は10年ほど前からアメリカの都市部郊外でニワトリを買って卵を産ませる人が増加しています。

米ワシントンでニワトリ飼いたい-卵を自給する住民、都市部で増加(たまごのソムリエ面白コラム)

これは「自然派」「環境保護」の生活を望む方を中心に増えていまして、健康目的のオーガニック志向やビーガン志向などの流れにも連なってます。

また産経新聞記事によると、米国でのヒヨコ売上は社会不安がある年ほど大きくなるそうで、過去にも金融不安の年や大統領選挙の年になるたびにひよこの売上が増えています。

あのふわふわで癒されたい…!というニーズですね。 これは判りますねェ。

つまりヒヨコを飼うと、コロナ禍で不安になった自分たちの気持ちをホンワカ癒すことができ、また大きくなったら食料を自分で生産できる、そういう一挙両得のメリットがある!というのが買っている方の考えのようです。

 

・ヒヨコは病気に効く!?という考えは昔からあった

そして、欧州では「梅毒」がまん延した時に、ヒヨコが治療に使われていたことがあります。患部にヒヨコを当てると梅毒が治る、と思われていたのだとか。

病気不安→ヒヨコ、という構図は何百年も前から変わっていないのかもしれません。

 

・個人の食糧確保としては悪くないがリスクも…

また食料不安に備える、という意味では、家庭で鶏を飼う事は決して悪くありません。

考えてみると、卵以外で動物性たんぱく質を採ろうとすると、

たいてい動物を殺さなくちゃならないんです。

ブタを飼って食べごろになっても、ご家庭でお肉にするのって……大変ですよね。

例外は「卵」と「乳」くらいでしょうか。

殺さなくても毎日良質なたんぱく源が手に入る。これはニワトリを飼うメリットと言えるかもしれません。

でも、そうなるとちょっと心配なのが、『逆に持て余さないか?』という事。

たまごは生鮮食品ですから、長期保存はできません。鶏さんは何年も卵を産み続けますから、あまり沢山の羽数を飼うとあとで困っちゃうときが来るかもしれません。そして生き物ですから、トイレットペーパーのパニック買いとは違ってその後も命に責任がでてきます。今必要だとしてもあまり沢山勢いで買っちゃわないように注意してほしいですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2020年04月17日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

コロナ禍で外出し難い、そんなときには買いだめした卵を使ってこんな面白い美味料理が作れます。

でも卵を塩・砂糖漬けにしてカラカラに乾燥することで、不思議な風味の絶品調味料を創ることができるんです。


<準備するもの>

 塩

 砂糖

 鰹節・ローリエ

 たまご(MまたはMSサイズ)6個

大きめのタッパーなど広めの容器


<調理>

(1)鰹節とローリエ

塩と砂糖を1:1(3~400gくらいずつ)くらいで混ぜ、その中にローリエと鰹節を入れさっくりと混ぜます。

(2)バットに上記の混合塩の7割を敷き詰め、くぼみをつけます。

黄味を白身と分けた後に、そーっとくぼみに乗せます。

(3)上にも混合砂糖塩をかぶせて黄身を埋め、冷蔵庫で48時間置きます。

すると、カチンと固まってヒスイのようになった固形になります。

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(4)表面の塩をはらって、水で少し洗い流し、くっつかないように網に並べ、オーブンで少し加熱します【65℃90分】

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これで、『たまごの干物』の出来上がり!

ちょっと透き通って宝石みたいでステキです^^

どうやって使うかというと、

すこしずつ「おろし金」で削って料理にふりかけるんですね。

チーズみたいなカンジで。

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しっかりとした固さがあるので、細かく削った方が美味しいです。

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味は、たまごの濃厚なコクがあってカラスミっぽい?、甘塩っぽい風味がサラダやパスタとめっちゃ合います。

ぜひ、一風変わった玉子料理として試してみて下さいませ~。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。
カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2020年04月15日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日4月13日は、17世紀フランスの詩人ジャン・ド・ラ・フォンテーヌさんの命日です。

日本では名前はそこまで知られていませんが、

イソップ物語を元にした沢山の寓話詩を創っていまして、世界中で有名な方です。

いわゆるイソップ童話って、紀元前6世紀・今から2500年以上も前のお話なんですね。

なので、現代ではわかりにくい部分や、流れが唐突だったり、また当時の言葉(古代ギリシャ語)での韻を大事にした内容もあり、現代ではちょっと難解なものも多いのです。

それを、上質で分かり易いストーリーとして仕上げなおし、またテンポ良く聴きやすい言葉やお話の流れにしたのが、ラフォンテーヌさん。

「北風と太陽」

「アリとコオロギ」

「オオカミと(7人の)子ヤギ」

などは聴いた事ありますよね?

日本人の僕たちが、これらイソップ童話に子供のころから親しめているのは、言うなればラフォンテーヌさんのおかげ。

そして特に、

僕にとってゆかりがあるのは、

「金の卵を産むめんどり」

の寓話詩を作った人だから。

 

〇黄金の価値になる卵!?

当社の名前は45年前から「小林ゴールドエッグ」、金のたまごです^^

ストーリーは、

「貧しい男が飼う一羽の鶏が、ある日から毎日一個、金の卵を産むようになった。
おかげで男はずいぶん金持ちになったが、それじゃ満足できない、もっと沢山金がほしいと考えた。
腹の中に金のカタマリがあるはずだ!と鶏の腹を裂いてみたら、なーんにも入ってない。
鶏は死んでしまったので、もう金の卵も手に入らない。再び貧しい生活に逆戻りしてしまった。」

というお話ですね。

ウチの社名を考えたのは亡くなったボクの父・先代です。

由来をちゃんと聞いたことは無かったですが、

堅実な性格でしたのでおそらくこの寓話のように

「たまごという食材は黄金の価値がある」

「無理して儲けに走ってはいけない」

・・・・・・こんな想いを込めていたんじゃないかと思います。

ステキな寓話と商売の戒めをくださった、ラフォンテーヌさんに感謝ですね~。

ここまでおよみくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2020年04月13日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

NHK BSスペシャル「美と若さの新常識」という番組に、出させてもらいました。

お弁当スペシャルとの事で、

たまご料理のコツと共に我が家の卵づくしのお弁当をご取材いただいております。

ウチのお弁当、そして朝食は実は卵をたっぷり使う「卵だらけメニュー」なんです。

そして家族みんな卵好きなので、

おかずが玉子焼きであっても当然のように全員卵かけご飯をしますし、味噌汁にも温泉玉子が入ります。

「たまごを食べると健康寿命が延びる」

「たまごを食べると血中コレステロールは逆に下がる」

という研究結果を、体を張って証明していることになっています(笑)

番組では美容と健康に卵!という事で、医学専門家の方も太鼓判でした。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 取材・掲載・ご紹介 2020年04月10日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日は、コロナウィルス禍中での「卵白」を前面に打ち出したお店の玉子料理メニューについて。緊急事態宣言でそれどころではなく大変な状況のお店も多いかと思いますが、保存性良くお弁当にも向いていますので、一つのアイデアとなりましたら幸いです。

〇抗ウイルス作用がある!?すごい卵白成分とは

卵白の成分「卵白リゾチーム」という酵素には、抗ウイルス作用がありインフルエンザウイルスなどが増えるのを抑制します。見て頂いたら分かりますが、風邪薬にも入っている成分ですね。東京海洋大学とキューピーの共同研究では、加熱変性させた卵白リゾチームによて、新型ノロウイルスやA型肝炎ウイルスの不活性化にも効果ありとの結果も出ています。

たとえば、お客様に少しでも元気を出してもらうためにも、卵白をたっぷり使った玉子料理でこんな応援メニューはいかがでしょうか!?

・つくね等のメニューで黄身だけ使っていて余る卵白…

・パンなどで卵黄を使用したあとの卵白…

聞き取りをしていますと、意外と人気メニューの関係で白身が余っていらっしゃるお店様はあるようです。

黄身よりも余りがちな卵白を、この際元気になる打ち出して活用してみませんか!?

卵白は菌にも比較的強く、お弁当などの料理にも適しています。

 

〇卵白料理は数年前から人気メニューになっている

そして、例えば米国では国のヘルシー対策にのっとって、低カロリーな白身料理が普及してきています。

数年前にはファーストフード業界がこぞって白身だけ玉子の新商品を出す卵白料理ブームもあり、卵白が大人気となったこともあります。

洋食を中心に、意外と卵白のみを活用する新しい料理ノウハウが蓄積されつつあります。

ぜひメニューとしての活用、

そしてお客様を元気づけるメッセージのメニューとしてご一考くださいませ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまご健康食ブームで町のパン屋さん大弱り!?【米国の卵白事情】

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2020年04月8日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

「孔雀の卵」

という慣用句があります。

どういう意味か分かりますでしょうか?

これ、いわゆる長っ尻(ながっちり)、

つまり人の家に行って長居する事を「孔雀の卵」と言うんです。

なんで孔雀なのかと言いますと、

孔雀の卵はなかなか産まれず、またふ化するまでの期間も長くて、孵るまでが大変だ

なかなか孵らない→「なかなか帰らない」

という訳です。

ダジャレですね。

ちなみにクジャクのふ化期間は約28日。

ニワトリさんは21日ですから、約3割ほど長い計算になります。

そんなに言うほど長くも無いですね…

何はともあれ、

このような、ちょっとわかりにくい言葉に変えてのコミュニケーションは「洒落言葉」と呼ばれ、関西では昔っから商売や日常の中での言葉あそびとして親しまれてきました。

例えば、

「お前は八月の槍やなぁ。いっつも忘れ物しとる。」

みたいな言い回しをするんですが、八月にはお盆があります。なので「盆槍」→「ぼんやり」というわけです。

それは勘弁してください・・!なんて場面でも、

「それだけ値引きせえ言われたら、ホンマ仏の椀ですわ。」

なんて言うんです。

これは仏の椀 イコール金属の椀→「かなわん」という意味。

四国でも関西が近いせいか、タマにこういった洒落を言う年配の方がいますが、なんとなく場が和むというか、しゃーないなぁというなんだか通じ合った感がでるというか、ふんわりした笑いの雰囲気に包まれるんです。

前述の「孔雀の卵」だって、そのまま口に出したら感じ悪い悪口ですが、

「アンタいっつも孔雀の卵なんよ。ほんま早よしてや~。」

・・・となるとちょっと和らぎますよね。

大阪的商売からくるコミュニケーションの知恵だなぁと感じます。

せっかくですから、新しく考えてみても良いのかもしれません。

ちょっと卵屋として僕も考えてみますと、

ウチの亭主は最近「夏のニワトリ」さね。→「飲んでばっかり」

今回の口ゲンカは「傷んだ卵」だよ。→「黄身(君が)わるい」

どうでしょう・・・!?(汗)

(関連:「ゆで玉子におろし金」って何のこと?-たまごのソムリエ面白コラム

(関連:生きてるみたい!?幻想料理ってなんだ?-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2020年04月6日