小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

あと少しでクリスマスですね!

本場米国では宗教の絡みもあって、あまり

「メリークリスマス!」

と公共の場ではアピールしにくくなっているようですが(関連)、

さいわい八百万の神様がいらっしゃるリベラル日本では、

クリスマスもハロウィンも初詣も全然オッケーです^^

さて、冬のあったかーいお酒、特にクリスマスに人気の飲み物というと、

甘いあまいたまご酒「エッグノッグ」

特に米国では、

「正月といえばお雑煮」

くらいの感覚で、

『クリスマスといえばエッグノッグだろう。』

というイメージがある飲み物です。

卵とミルク、砂糖とお酒、あと鍋があればカンタンにできるのですが、

あちらでは良く飲まれるのであらかじめパックになった製品も売られています。

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日本ではまず見かけない商品ですが、

米国のこの時期は、町のどのスーパーでも、山積みです。

なぜこのクリスマスや正月定番なのかというと、

牛乳や卵、ブランデーは昔は貴重で高価でしたから、

クリスマスや正月だけの贅沢なお酒として飲まれていたそうです。

数年前にもご紹介したのですが、

おウチで簡単に作れるエッグノッグのレシピを再掲しますね^^

◆代表的なレシピ

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スタンダードなレシピですが、モチロンお酒を入れなくても美味しいです。 酒抜きだと、子供にも大人気!

 

※準備するもの
  卵黄 1個
牛乳 180ml
砂糖 大さじ一杯(10g程度)
(ブランデー お好み)
シナモン  一つまみ

※作り方
 (1)卵黄に砂糖を入れて、クリーム状真っ白になるまでかき混ぜます。
(2)そこに牛乳を加えて更によく混ぜつつ、小なべで弱火にかけながらゆっくり温めます。 (沸騰厳禁!)
(3)10分少々でとろーっとしてくるので、そうしたらカップに移してお酒を好きなだけ入れ、シナモンを振りかけて、出来上がり!

※お酒はワインでも美味しいです。

お酒好きのお父さんには、

アルコールの強ーい「ジョージ・ワシントン風エッグノッグ」なるレシピがありますので、興味ある方はお試しくださいませー。(大人の甘ーいお酒、エッグノッグレシピ – たまごのソムリエ面白コラム

これは酔っぱらいますよー!

では楽しいクリスマスをお過ごしくださいませ♪

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2016年12月21日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ第42弾、今回は中国から。

<鶏犬不寧(けいけんふねい)>

すんごく緊迫した状況で、心が落ち着かないことのたとえです。

鶏や犬さえも落ち着かないくらいという意味なのですが、

要するに本人だけじゃなくって、周りにいる動物まで動揺しちゃっているイメージですね。

日本で言うと、

「上を下への大騒ぎ」

ですね。

ちなみに『鶏犬不寧』というタイトルのドタバタコメディ中国映画もあります。

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さて、このことわざの出典は、

唐の文学者・柳宗元さんの「捕蛇者説(蛇を捕るものの説)」というお話し。

————————–

『人々に害なす毒蛇を捕獲することで、税金を払う変わりとしている男がいた。

彼の祖父も父も蛇捕りのために死んでおり、

「ワタシも何度も死にかけているんですよね・・・。」と辛そうに言う。

「それは大変だ。政治家にとりなして元の税金で納められるように役目を変えてもらおうか?」

と言ってみたところ、男は大泣き。

「この大変なお役目だって、税金を取られるヒドさにはゼンゼンかなわないんですぜ。 情け容赦ない役人が来てわめき叫び大暴れ、驚くものは人ばかりか鶏や犬さえも落ち着いていられないくらいです。

あまりにひどいせいで村人は飢え死んだかよそへ移ってしまった。 私は蛇捕りをしているから残っていられるんです・・・・・・。」

私は彼の話を聞いてとっても悲しい。

税の取り立てが毒蛇よりも怖いなんて、為政者は誰も知らないのだ。

だからこの話を出版して、民衆を見る為政者がこのことを知るのを待ってやるのだ。』

————————–

・・・・・・とまあ、こんなカンジの内容でして、

高校の教科書にも載っている、大変有名な古典文学です。

あまり鶏はカンケイ無いようにも思いますが、

とにかくこの有名文学の一節から「鶏犬不寧」の表現が生まれたわけです。

◆おなじみ鶏と犬の組み合わせ
当ブログではおなじみの、鶏と犬のワンセットことわざです。

犬と鶏イコール「人間のそばにいる存在」、

時には“犬と鶏”と書くだけで村里を表したりするくらい。

当ブログでも、過去にいくつか犬鶏の組み合わせことわざをご紹介したことがあります。

鶏犬昇天 【たまご鶏のことわざ その30】

陶犬瓦鶏 【たまご鶏のことわざ その29】

鶏鳴狗盗 【たまご鶏のことわざ その13】

日本だと、人間のそばにいる存在、というと犬鶏じゃなくて

「犬ネコ」の組み合わせでしょうか!?

さて、

いよいよ年末残り2週間。

お客様のお店も宴会シーズンやクリスマス、繁忙期に入り、

注文が増える時期です。

「鶏犬不寧」の大騒ぎとならないように、

しっかりと準備万端待ちかまえて行動したいと思います^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:ニワトリさんは見飽きた!?【たまご鶏のことわざ】その30

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2016年12月19日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

NHK大河ドラマ「真田丸」、クライマックスですね!

あと少しで終わってしまうのが、さみしいです。

さて偉人とたまごのエピソード第12弾、

今回は2018年度大河ドラマ「西郷どん」こと西郷隆盛です。

西郷隆盛さんは、大の犬好きでした。

とにかく犬をめちゃくちゃ大事にしたそうで、

まず食事の用意も、犬から

あるとき、食べるものが少なく困っていた西郷さん、

まず犬が元気じゃないとイカン!

と言って、

真っ先に犬にごはんをよそい、

貴重品だった卵をかけて食べさせてやったのだとか。

愛犬にたまごかけごはんを!

いやー、愛がありますねェ^^

また「西郷さん自身も卵好きだった」との説もあるようで、

司馬遼太郎著の小説「飛ぶが如く」にも、

“西郷さん自身たまごかけごはんを好み、良く食べていた”ことが書かれています。

仲良く2人(ひとり+1匹)でたまごかけごはんを楽しんだりしたのかもしれませんね^^

さて、西郷さんの犬好きには、数々の逸話が残っています。

京都の祇園には、上野の銅像・西郷さんのような草履姿で、

かならず愛犬を連れてフラッと食事をしにくるのが常だったとか。

そして、夜は決して祇園に遊びに出てこない。

「粋の中の粋を知ったお方やなあ。」と後年まで語られていたそうな。

また、ある日「西郷さんが妾を2人作ったらしい。」と噂が立ち、

「どんな美女なんだろう。」と興味津々で行ってみたら、猟犬を二匹紹介された。

なんてことも。

面白いのが、うなぎ屋さんでのエピソード。

◆やっぱり自分は後回し、西郷どん
味が美味しいので有名な鰻屋さんに、犬を連れた男がやってきた。

うな丼を注文して、一杯持ってくるたびに犬にやってしまう。

2杯、3杯と犬に食べさせる姿を見て店主は

「なんだこの野郎、鰻が腐っているわけでもないのに、失礼なヤツめ。」

と怒って、男の追加注文に

「もう売り切れだよ。」

と、断ってしまいます。

結局その男は、自分は食べられずに、ションボリと帰っていった・・・。

あとで、丼の下に大金が置いてあるのにビックリして人に聞いてみると、

なんとその男は明治維新の立役者、元陸軍大将都督の西郷さんに違いないと。

店主は恐縮しきりだったとか。

また他にも、贈り物は頑として受け入れなかった西郷さんが、

「犬の絵」だけは大喜びで受け取り、

後に家人が整理したさいに、長持ち一杯の“犬の絵”が出てきた・・・。

などなど、ホントに犬好きだったんだなぁ、というエピソードが沢山残っています。

 

◆犬に生卵はちょっと注意
ところで、犬にとっては、生たまごの“白身”が体に障ることがあるそうです。

たまにならオッケーですが、

しょっちゅう食べていると肝機能を損なったり

下痢をしてしまったりすることがあるそうです。

とはいえ私が小さい頃ウチで飼っていた愛犬は、

しょっちゅう生卵を食べていましたが結構長生きしましたし、

あまり神経質になりすぎる必要はなさそうです。

ただ、犬に卵を食べさせる際には“加熱”した方がより良いのは確かなようです。

お飼いになっておられる方は、少しご注意くださいませ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:大西郷の逸話・南方新社)

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

クリスマスといえば七面鳥の丸焼き!というイメージがありますが、

「なぜ七面鳥のたまごは食べないのか?」という記事が米国で出ていました。

七面鳥は日本ではあまり流通していませんが、

米国での飼育・出荷量は昨年(2015年)だけでなんと2億3千3百万羽!

鶏肉・豚肉・牛肉に次ぐ4番目に人気のお肉なんですね。

それだけ飼われているのに、

ニワトリさんと違って七面鳥“卵”はぜーんぜん食べられていないんです。

なぜでしょう・・・?

僕も食べたことはありません。

例えばアヒルさんなんかは、たまごも食肉も両方で使われます。

七面鳥たまごは美味しくないから??

いえいえ、

「鶏のたまごとよく似た美味しい味がする。」んだそうです。

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答えは、経済的な面にあります。

ようするにコストがかかりすぎるんですね。

まず大きな理由として、七面鳥はあまり卵を産まないこと。

ニワトリさんは、週に平均6個、年間で3百数十個を産みます。

アヒルさんは年間200個程度を産みます。

対して、七面鳥は、週に2個、年間100個ていど。

維持費に対して割高になっちゃうわけです。

また、

七面鳥さんは「産み始めが遅い」というのも理由の一つ。

ニワトリさんはヒヨコから大きくなりたまごを産み始めるまでに早くて4か月。

対して七面鳥さんは7ヶ月。 その差の期間が、これまたコストになっちゃいます。

更に、七面鳥さんは体も大きいため餌もたくさん食べますし、広い場所も必要と、

飼育するのに鶏さんよりも高いコストがかかるんですね。

ですから、

どうやっても、売値が一個300円くらいになっちゃうんです。

つまり1パックで3000円ですよ。

鶏卵と似た味で、値段は10倍となると・・・・・・

これはちょっと厳しいですねー。

以上、こんな理由から、

七面鳥のたまごは

一般家庭には届くことのない「幻のたまご」となっているんです。

当面は美味しいお肉料理の方に主眼が置かれそうですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:Why Don’t We Eat Turkey Eggs?・modern farmer)

(関連:【どっちが美味い?】アヒルのたまごってどんな味? – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2016年12月12日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

このほどギネス記録、最高齢117歳となられたイタリアのおばあちゃん、エマ・マルティナ・ルイジアモラノさん。

インタビューに対して、

「長生きの秘訣は2つあるよ。」とおっしゃり、

その一つが生卵を毎日食べることだそうです。

正確には、

毎日生卵2個+加熱料理した1個を食べること、そして挽肉とパスタを少し。年をとってからは生卵2個とクッキーを少しだけ。」

この生活を100年続けたことが功を奏したんだそうです。

うーん、すごい!

◆完全栄養食な卵!
たまごは人体に必要なアミノ酸を、カンペキなバランスで備えてており、

完全栄養食、とも言われる食材なんですね。

必要なアミノ酸割合を示す『アミノ酸スコア』においてもなんと“100点満点”。

なので、毎日たまごを食べるのは、全く理に適っているわけです。

エマさんは、10代のころに、貧血対策としてお医者さんから生卵食を勧められ、

ずっと続けてきたんだそうです。

 

◆“健康寿命”に特に効く!
たまごはバランス良い栄養から長寿に良いのはもちろんですが、

特に効果があるのが「健康寿命」の延長

つまり、歩いたり走ったり泳いだり、自転車に乗ったり、

そんな健康な生活ができる年齢を健康寿命と言いますが、

東京海洋大学 矢澤教授は著書の中で、

卵黄に含まれる「ホスファジルコリン」は細胞から老廃物排出を活発にし、血管障害やアルツハイマー病予防としても大いに効果が期待できる。すなわち健康寿命を延ばすのに最も効果的な食材である。(著・現代書林)

と述べています。

その他にも、脳を強化すると言われる“オメガ3脂肪酸”、葉酸、ビタミンB12、鉄分、そして卵黄には目に良い成分ルテインなども沢山含みます。

いくら長生きしても、何十年も寝たきり・・・では意味がないですよね?

やっぱり元気な生活で長生きが一番、それには卵の効果が大きいようです。

ちなみに黄身は生の方が吸収されやすく、白身は加熱した方が吸収されやすいので、

エマさんにお医者さんが生食を勧めたのは、

黄身の栄養をよく採ってもらうためなんじゃないかと思います。

 

ただし、

日本と違って海外では生食前提でないため飼育管理が日本と異なり、

生食は危険だったりします。

このニュースを受けて、オーストラリア食品安全情報評議会が

「オーストラリアでは卵の生食はアブナイので注意してね!」

というコメントをあわてて出しています^^;

モチロン日本ではそんな心配ありません。

日本の食文化にに感謝!ですね。

 

さて、話を戻しまして、

エマおばあさん、もう一つの長生きの秘訣。

それは、

「離婚がちゃんと合法だったこと」

だそうです(笑)

乱暴だった夫と別れられたことで、

「誰にも支配されなくなったことがとっても良かった。」のだとか^^

生たまご食と併せて、

「いいね、両方とも早速やってみよう!」なんて考えた方、

それはそれで、オオゴトになっちゃうかも!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:Oldest living person credits raw eggs, independence – CNN.com)

(参照2:Warning against eating raw eggs - skyNEWS)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2016年12月8日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先日、「この世界の片隅で」という話題の映画を観てきました。

戦時中の軍港がある呉市が舞台でしたが、反戦がモチーフの映画ではなく、

一生懸命に生きる人々の温かいドラマが心に沁みる名作でした。

さて、

冷戦中には軍拡が進み、いろんな兵器が開発されました。

その中に、ニワトリさんを使った兵器があったのをご存知でしょうか?

『ブルーピーコック』という名の

ニワトリ稼働式『核地雷』です。

なんだかすごくシュールなカンジですね。

核地雷って・・、

ゴジラ相手にでも準備してそうな・・・。

どんなものかというと、

ソ連地上軍の侵攻を防ぐために開発された

重さ7トンもある巨大核兵器です。

開発したのは英国。

1954年ですから、60年以上前ですね。

地雷と名がつくとおり地面に埋める兵器で、

ひとたび稼働すると、

爆発により深さ180mもの巨大クレーターができ、

広範囲に放射能の被害をまき散らして長期間侵攻を阻むという、

なかなか最悪の大量破壊兵器です。

で、“ニワトリ稼働”、って何のことかといいますと、

実はこの兵器の弱点が

「地雷なので冷たい地中では電子部品が凍ってしまう」こと。

ニワトリさんはそれを防ぐための「あったか生体パーツ」だったのです。

電子部品のそばにニワトリさんを餌と水と一緒に入れておいて、

そのぬくぬくの温かい体で凍らないようにあっためたわけです。

ひえー。

ひどい発想ですねェ。

ドイツ北部への実践配備ということで10発が英国陸軍によって発注されましたが、

同盟国には「野戦用の原子力発電設備」と偽って開発していたことや、

放射能の影響リスクがすごいことから、開発四年後に

「こりゃやっぱりダメだ。」

ということでプロジェクト中止となりました。

 

◆あったかいニワトリさん
ちなみにニワトリさんは人間よりも体温が高くて、

平均体温は42℃。

寒さには割合強い(逆に暑さには比較的弱い)のが特徴です。

だっこすると、ふかふかの羽毛とあいまって、とっても幸せな気分になります^^

こんな素敵なニワトリさんの「良いところ」を、

大量破壊兵器に利用するなんて、こりゃ許せねェ・・・!

、というのが私の気持ちです。

愚かな試みの象徴として、ニワトリさんの名前とともに記録が残り、

現在は英国に一基だけ試作機が残されています。

英国で情報公開された当初は、「エイプリルフールに違いない」

として多くの方が信じようとしなかったそうです。

まぁ、そりゃそうですよねー^^;

 ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまごのヘンな研究(イグノーベル賞)その1_ひよこ核融合-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2016年12月6日