小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

リオ五輪、盛り上がっていますね!

さて、

本日は鶏が大好きな、ブラジルの神さまについてお話します。

ブラジルにはカドンブレーと呼ばれる民間信仰があります。

アフリカの土着宗教がもとで、アメリカ大陸に奴隷として連れてこられた際にカトリック信仰と混ざり、さらに南米インディオの精霊信仰と結びついて発展した独特の宗教です。

『アフリカ + 欧州 + 南米』という、大航海時代の歴史が産んだ比較的新しい宗教なんですね。

さて、このカドンブレー信仰、

日本と同じく多神教で、

たくさんの神様がいらっしゃいます。

そして、面白いことに主要神のみなさんに供物が決まっていまして、

ようするにそれぞれ好きなものがちゃんとあるんですね。

そして、みなさん鶏が非常に好物だったりするようです。

ちょっと書き出してみますと、

運命の神 エシュ ・・・この世とあの世をつなぐ神様。
_________供物:赤と黒の鶏
癒しと病の神 オモル ・・・供物:ポップコーン、雄鶏
鉄の神 オグン ・・・供物:雄鶏、ヤムイモ、トウモロコシ
雷の神 シャンゴ ・・・怒りっぽくてオシャレ。
_________供物:
雄鶏、雄牛、雄羊、海老、亀、オクラ
風と雨の女神 イアンサン ・・・供物:、エビ、オクラ、羊
海の女神 イエマンジャ ・・・供物:白い花、香水、石鹸、アヒル、
川の女神 オシュン ・・・富と美、出産をつかさどる。 
__________供物:黄色い花、
たまご料理、山羊、羊

・・・・・・とまあ、『鶏好き』の神様がたっくさんいらっしゃるんですねー。

それもそのはず、

実はブラジルは“鶏肉生産量が世界一”なんです。

しかも生産量の7割近くを国内で消費しながら輸出量も世界一ですから、

ダントツの鶏飼育大国、

もうスンゴイ鶏さん大好き国家なんですねー。

ブラジル人が一年間に食べる鶏肉はなんと48kg!

日本人は17kgですから、3倍以上です。(2012年)

あのブラジル人のみなさんの、情熱はニワトリから来ているのかもしれませんね!

そして面白いことに、

ブラジル国内採卵養鶏業のうち20%が日系人による経営なんです。

たくさんの日本人の方が戦後に移民され、

苦労して立ち上げをされたそうです。

たまごに関しては消費量世界トップクラス、

鶏卵大国日本の面目躍如でしょうか。

リオ五輪もまだまだこれから、

ニッポンがんばれ!ブラジル盛り上がれ!

で神様にお祈りいたします^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:ブラジルはニワトリ大国 – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2016年08月9日

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

もうすぐ終戦記念日ですね。

偉人と卵のエピソード第7弾、

今回は太平洋戦争終戦時の重要人物、ダグラス・マッカーサーさんです。

このマッカーサーさんと「目玉焼き」に、

とっても興味深い逸話があるんです。

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日本が降伏した後、

連合国最高司令官として日本に降り立ったマッカーサーさん、

横浜の「ホテルニューグランド」を拠点として日本統治をスタートしました。

ある日の朝、

「朝食に目玉焼きをたのむ。2つ目玉のヤツを。」

…と料理人にオーダーを出しました。

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しかし。

その日の朝食に、目玉焼きは出てきませんでした。

テーブルに用意されたのは、昼食になってから。

しかも、オーダーと違う

“1つ目玉”の目玉焼きでした。

「なぜ言った通りにしないのだ!」

マッカーサーは激怒し、料理人を叱りつけました。

このマッカーサーの怒りに対する料理人の返答。

これは彼を驚愕させるものでした。

「無いんです。横浜中を探し回りましたが、この卵ひとつしか手に入りませんでした。」

この瞬間、

マッカーサーは日本の置かれている悲惨な状況を、正確に把握したと言われています。

成人男子の必要な栄養は1日約2500カロリー。

終戦直後の栄養摂取量は

一日わずか1200カロリーにしか満たない状況であり、

町中に栄養失調や餓死者が溢れていました。

『横浜中を走り回って、たった一個の卵しか手に入らない・・・・・・』

マッカーサーは、この日本の悲惨な食糧事情について、すぐさま本国に報告書を送り、わずか三日後には軍艦より大量の食糧が陸揚げされることとなりました。

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『即決の人』マッカーサーに判断をうながした一皿の目玉焼き。

そんなエピソードです。

 

◆ハラの底から理解させる“イメージ”のチカラ◆
阪神大震災が起こり、

首相官邸に第一報がもたらされた際。

官邸側では最初、

あれだけの大規模な災害であることを

なかなかイメージできなかったそうです。

ハッキリと

「これは“未曽有の大災害”なんだ・・・!」

…と理解させたのは、

「高速道路が横倒しになっています!」

という一言だったと言われています。

具体的なイメージの威力はとても大きい。

マッカーサーにとってのこの一言が、「目玉焼き」だったんですね。

また、たまご一個すらない状態からの復興、多くの先人の大変な苦労があり今につながっているのだと、改めて考えさせられます。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

参照:モーツァルトの目玉焼き(はまの出版)

関連:鉄血宰相ビスマルクの目玉焼き愛 – たまごのソムリエ面白コラム

関連:超たまご好きだったモーツアルト – たまごのソムリエ面白コラム

関連:川の水をくみ、自分でゆでたまごを茹でていたフランス王 – たまごのソムリエ面白コラム

関連:2週間で9kg減!?鉄の女・サッチャー首相のたまごダイエットレシピ- たまごのソムリエ面白コラム

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

生ものである鶏卵は、ほぼ「国産」です。

たまごの国内消費は260万トン(平成21年)。

個数にして400億個が毎年食べられており、そのうちごく一部が加工用として輸入されています

割合でいうと、『95%が国産』なんです。

・・・・・・が、「自給率」という側面で考えると、実はまったく違ってくるんですね。

日本の鶏卵自給率は、わずか10%です。

え・・・??? どういうこと??

な、なんでこんなに違うのかと言うと、それは飼料のせい。

ニワトリさんの飼料を、輸入に頼っているから。

ニワトリさんの飼料にはトウモロコシや大豆、小麦など穀物がたっぷり配合されており、国土の狭い日本としては、良質な穀物の供給をしようとすると米国やカナダなどからの輸入に頼らざるを得ないんですね。

そして、日本は「カロリーベース」という自給率換算方法を採っているため、たまごの場合、『たまご一個を作るのに必要な飼料カロリーのうち国産比率が何%なのか?』 が自給率に換算されてしまいます。

なので、卵は国内で産まれても、

そのための“飼料”輸入割合が高いですから、

最終的に自給率10%

となってしまうわけです。

このことは、いざ輸入が止まったときのことを考えると、ゆゆしき問題でもあります。

じっさい農水省のシュミレーションによると、もし世界的災害などで一切の輸入が停止したとなると、

まず食べられなくなるのが牛肉、次いで卵

なのだとか。

ですので、

ニワトリさんにもっと国産の穀物をたべてもらう。

こういった取り組みがなされています。

休耕田を利用した飼料米の栽培に補助金を出すなど、いくつかの試みがなされています。

私達の商品でも、

『香川県産の玄米飼料を食べて育った鶏の卵』

『徳島県産すだちや鳴門金時さつまいも配合飼料を食べて育った卵』

などをお届けしておりまして、

より美味しいもの、

かつ、少しでも自給率に貢献できるたまごを沢山の方に食べて頂くお手伝いをしております^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2016年08月2日

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さてさて、カクテルの語源とたまご鶏の関係その(3)つづきです。

伝説の闘鶏説

たまご屋さん説

いろんな説があるのですが、その中でもニワトリさんやたまごと絡んだ説がたくさん。 本日はその最も有名なものを。

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◆四角軒説
むかしむかし、アメリカ独立戦争の際

ニューヨークの北、エムスフォードという町に「四角軒」というバーがありました。

そこの女主人、ベッチー・フラナガンさんは

イギリスからの米国独立賛成派。

独立派兵士の応援に、毎晩オリジナルのミックス酒をふるまっていました。

さて、ある日、

ベッチーさんは独立反対派の家に忍び込み、鶏を盗み出しました。

それを調理して、お店で

独立派兵士たちに鶏料理をふるまったんです

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ね。

してやったり、とほくそえみ、

その鶏さんの尾羽を

オリジナルドリンクの杯にチョンと飾っていたのですが、

それを見つけた兵士

「このニワトリの羽、いったいなんだい?」

「かくかくしかじか、アンタ達が食べているチキンは、独立反対派のイギリス野郎のところからチョイと拝借したもんだよ。美味いだろ?」

それを聞いた兵士たち、

「うおー!雄鶏の尾羽!ひゃっほう!!!バンザイ!」

と、大騒ぎ。

そこから、お店のオリジナルミックス酒が

「コックテイル(雄鶏の尾羽)」

と呼ばれるようになったそうな。

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以上、カクテルの語源で最も有名「四角軒説」です。

なかなか面白いですね。

盗んじゃだめだよ! なんて倫理観もありますが、

当時、米国は大英帝国の属州で、かなりの税負担と搾取にあえいでおりました。

「あのやろう!」てな気持ちで

施政側をやりこめるエピソードがやんやともてはやされるのも、無理はない状況だったんですね。

現在この四角軒はもうありませんが、

独立戦争での輝かしい勝利と併せて、痛快な伝説として今もなお語り継がれています。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2016年07月29日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

カクテルの語源は所説ありますが、たまごや鶏さんと絡んだものが多いんですよね。

参照:カクテルの語源は鶏さんと卵なんです(伝説の軍鶏説)

『カクテル』の語源前回のつづきです。

◆その2:ニューオリンズの薬屋説

フランス語で、僕たちのお仕事、「たまご屋(たまご卸業)」のことを、

「コクティエ(coquetier)」

と言うんですね。

 

転じて、たまごを立てる食器「エッグスタンド」の事も、コクティエと呼びます。

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さて、昔むかしの事。ニューオリンズの街にフランス系移民の薬屋さんがおりました。

その薬屋さん、

商売人として目端が利いていたようで、

「元気の出る栄養ドリンク酒を売ってみよう!」

と思いつき、

ブランデーに・砂糖を混ぜたお酒をエッグスタンドに入れて売ったんですね。

これが大評判。

このエッグスタンドと卵から転じて、このオリジナルドリンクが「コクティエ」(たまご屋)と呼ばれるようになったそうです。

これが転じて「カクテル」となったという説です。

(※単にお酒をエッグスタンドに入れて売ったからという説もあります)

うーむ、面白いですね。

新しい商売を始めるコツは、「今やっている事業の強みを活かす」ことがとっても重要と言われます。

たとえば中古車屋さんがレンタカーを始めたり、魚卸さんがお寿司屋を始めたり…。 戦闘機を造っていた「スバル」が車事業を始めたのもそうですね。

“健康”を扱う薬屋さんが、

完全栄養食である卵を使ったオリジナルドリンクを作って販売して大ヒット…

…もともとやっている「商売イメージ」を

最大限利用できて、

知識もつながりもある。

ビジネスの観点から見ると、とっても興味深いですねー。

そういえば、通販で「薬局がすすめるコンドーム」として販売し大人気になっている町の薬局店がある、というお話をコンサル会社の方から聞いたことがあります。 なんとなくカクテルのお話と似てますね。

話は変わりますが、「エッグスタンド」は容量的に『おちょこ』とよく似たサイズになりそうですね。 チョットした一杯を飲むのであれば、日本酒に似てちょうどいい気もします。

いちど、やってみようかな!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2016年07月26日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

毎日暑いですねー。

一杯の冷えたお酒が美味しい季節です。

さて、夜のお酒の代表選手といえば、カクテル。

このカクテル、

その始まりに鶏さん、または「たまご」がかかわっているってご存知ですか?

所説あるのですが、どれもなかなか面白い説なんです。今回はそのうちの一つをご紹介します!

◆その1:伝説の軍鶏説◆
昔、ある宿屋のお話。

宿主の自慢は、美人で評判の一人娘と闘鶏で最強無敗の軍鶏でした。

さてある日のこと、ひょんなことでこの雄鶏が宿から逃げ出し、いなくなってしまいます。

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「自慢のアイツに逃げられるなんて、オレはもうダメだ・・・・・・。」

と、気落ちした宿主のために娘は、

「あの雄鶏を捕まえてくれた人と、私は結婚するわ!」

と宣言しました。

果たしてその雄鶏を見つけてきたのは、村のイケメン好青年。

大喜びした宿主は、

宿にあったありったけのお酒を持ち出してきて、いろんなお酒を一緒に混ぜて村人にふるまったのだとか。

それが、カクテル、すなわち「コック・テイル(鶏の尾羽)」の始まりとなったそうです。

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うーん、なかなかステキで興味深いお話ですね。

でもハナシがすんなり行き過ぎている気も・・・!?

もしこれが短編小説なら、

『もともと好き合っていた娘と青年が、ガンコ親父の反対を避けるために、父自慢のニワトリをコッソリ持ち出して一芝居打った。』

・・・・・・なんてオチが面白いかもしれません。

また、親父さんも実はそのことをちゃんと見抜いていて、二人の仲を認めるのと同時に、皆へのふるまいを装って新メニュー(カクテル)の一大プロモーションにしちゃった。

なんてのだと、もっと面白いでしょうか・・・!?

いろいろ想像が膨らみます。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

次回は、カクテルの語源その2 「たまご屋さんが作った編」です。

(関連:たまごの名シーン【映画編】トムクルーズ主演「カクテル」の卵カクテル – たまごのソムリエコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2016年07月19日