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ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

偉人と卵のエピソード第5弾!

今回は誰もが知っている天才音楽家、モーツアルトさんです。

彼は大の卵好きだったのをご存知でしょうか?

『モーツアルト風目玉焼き』

というものがあります。これは、『最低でも4個』のたまごを使った目玉焼きの事を言います。

実際の史実では、6個!

モーツアルトは、自分が作曲する興行師の家に招かれるたびに、必ず食事で黄味6個の目玉焼きをリクエストしたのだとか。

 

◆貧乏からの逆転発想!?
なんでこんなに卵好きだったのか??

それは、『常に貧乏だったから』とも言われています。

モーツアルトは博打好きでとにかく浪費家であったようです。

沢山作曲して、いくら稼いでもその端から使っちゃうわけですね。

うーむ。

お金がない。食べるのにも困っている。とにかく他人の家でごちそうになるなら、栄養のつくものをため込まなくてはいけない!

そこで「卵だな。」

そう考えたんじゃないかというお話ですね。

たまごは完全栄養食とも言われるくらいのバランスよく栄養が摂れる食材です。なるほど理に適っているとも言えますね。

 

◆たまごが産んだ天才性!?
たまごの黄身に多く含まれる『コリン』という物質は、最近の研究によると“記憶を向上させる物質”だと言われています。

アルツハイマーにかかった方の脳からは、このコリンが極端に少なくなっているとの研究結果も出ています。

また、モーツアルトはとにかく記憶力が良かったと言われています。

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12歳の時にローマに行った際、門外不出として譜面持ち出しを禁じられた秘曲「ミゼレーレ」を、大聖堂での歌として聞いただけで全て覚えて写譜してしまったという仰天のエピソードが残っているくらい。

もしかすると、卵好きがモーツアルトさんの天才性に影響していたのかもしれませんね!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

熊本地震、大変なことになっていますね。

被害にあわれた方のご冥福をお祈りいたしますとともに、余震が続く中、これ以上の被害が無き事を祈るばかりです。

我々もできることがあれば、と考えております。

3県19万戸におよぶ停電が発生しておりますが、被害が少ない地域であっても大変なご苦労をされておられるかと思います。

たまごに関してですが、停電によって常温保存状態になったとしても、ある程度であれば、食べることに問題はありません。

もちろん生鮮食品ですので、原則として冷蔵保存をすることが望ましいのですが、生肉や鮮魚のように、いきなり食べられなくなるわけではありません。

あくまで期間が変わるだけです。

イギリスのハンフリー博士の研究に基づく、鶏卵日付表示等検討委員会が作成した「鶏卵の日付等表示マニュアル」に記載されていた”生食期限の算出例”を考えると、20℃保存で30日、25℃保存で21日の期間、生食ができます。(※1)

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熊本県付近の本日気温は21℃。 基本的には室温での保存状態が数週間続いたとしても十分食べることは可能です。(あっては困りますが・・)(※2)

 

◆昔は保存食だった卵
ジブリ映画「火垂るの墓」では、空襲の前に地面に埋めた卵をしばらくして取り出す、というシーンがあります。

 昔においては、たまごの位置づけは「保存食」でもあったんですね。

あっては困りますが、もし食料の流通が不十分な地域がでるようでしたら、『しばらくの間停電となってしまっていても、たまごは食べることが可能』、ということを記憶にとどめていただければ幸いです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(※1:賞味期限表示方法としては現在は産卵21日以内を記載するという業界基準に変わっております。上記のデータとは異なっておりますので、あくまで指標とお考えください。ちなみにウチの場合は出荷日から15日が基準です^^)

(※2:ただし、黄味と白身のあいだで水分交換がおこるなどして食感が変わっていきますので、美味しさは落ちます。あくまで生食「可能」ということです。また、ひび割れなどがあるとすぐ腐りますので、注意が必要です。)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2016年04月16日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

鶏さんは、日本書紀の昔より「朝告げ鳥」と言われておりまして、文字通り朝を象徴する鳥だったりします。

では、「夜」を象徴する鳥っていうとなんだと思います・・・!?

「ふくろう・・かなァ。」

そんな声が多そうですが、

古くから「夜の鳥」を表わすもの・・・・・・、それは妖怪だったんですね。

夜の鳥、一文字で書くと「

「ぬえ」

と読みます。

「古事記」「万葉集」「平家物語」などに登場し、夜にヒョーヒョーと不気味な声で鳴き『これを聞いたものは不吉が訪れる』とされていました。

見た目はというと、

「顔がサル、胴体はタヌキ、手足は虎で尻尾はヘビ」(平家物語)というとんでもないモノで、ものの本によっては胴体がニワトリだったりするようです。

うん、まったく鳥じゃありませんね(笑)

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現在は、この“ヒョーヒョーという声”という記述は『トラツグミが夜鳴く声』というのが定説のようです。

youtubeにあったトラツグミの声はこんなカンジです↓

なるほどー、口笛吹いてるみたいな音色ですねー。

夜に聞こえてきたらちょっと気味悪ィかもしれません。

平安時代には鵺(ぬえ)の鳴き声(トラツグミの鳴き声)が聞こえると、「凶鳥の声だ!」として祈祷を行い難事を避けようとしたそうです。

そもそもは

夜に鳴く変な鳥がいる(現トラツグミ) →鵺(ぬえ)と呼ぼう

→鵺(ぬえ)そっくりの声で鳴く怪物がいるらしい →じゃあそっちを鵺(ぬえ)と呼ぼう

という流れでヌエさんが怪物化しちゃったんですね。

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ニワトリさんは、朝を告げ天照大神を天岩戸(あまのいわと)から出す役を担った事から、『神に近い鳥』とされています。

たとえば、神社の鳥居は、神に仕えるニワトリさんの止まり木です。

朝鳴く鳥は、神の鳥

夜鳴く鳥は、凶兆を呼ぶ鳥

うーん、

ちょっとした時間の違いでこの扱いの差・・・・・・

理不尽ですねェ・・・・・・^^;

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2016年04月12日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

一年ほど前の記事ですが、こんなニュースを目にしました。

凶悪少年犯罪、親の料理を食べる習慣の少なさと因果関係か 偏食や一人夕食も 警察調査 (Business Journal) – Yahoo!ニュース http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150306-00010002-biz_bj-nb

群馬県警・千葉県警にて「少年犯罪と食」について調査した結果、検挙・補導された少年達は家庭で「朝食を一人で食べる」「家以外で朝食を食べる」「夕食を一人で食べる」「家族で鍋を囲むことがない」などの共通点が多く見られました。

これらの調査は10年以上前のものですが、ふたたび世間をにぎわしている“川崎市の少年A”や、“宇都宮のリンチ殺人事件”の加害少年など、近年の凶悪犯罪でも、その傾向がみられておりまして、再度そのデータが注目されているようです。

◆楽しい記憶と料理の香りはつながりやすい
話は少し変わりますが、「香り」と「記憶」には深いつながりがあります。 嗅覚の情報は五感の中で唯一、喜怒哀楽・感情などをつかさどる脳の部分「海馬」に直接送り込まれることが知られています。

医学的にも、匂いは感情や記憶を呼び起こしやすいということが証明されています。 これをプルースト効果と言います。

フト嗅いだクッキーの甘い香り、プールのニオイ、海風の匂いから、子供の頃の記憶が鮮やかによみがえる・・・・・・こんな経験は皆さんもあるのではないでしょうか。

食に関しても、香りは重要です。

楽しい食卓を囲んだ記憶・・・・・・これが料理の香りと共に記憶に残り、以後その食事をするたびに、楽しかった感情の記憶がよみがえる。 この香りと結びついた楽しい記憶が、一生の財産として、人を幸せな人生にしてくれるのかもしれません。

だから、楽しい食卓を囲むって本当に大事なんです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ニュースに考える 2016年04月8日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

北原白秋の「水郷柳河」という小説に、『青い股引をつけた櫨(はじ)の実取りの男が 静かに暮れてゆく卵いろの梢を眺めては無言で手を動かしている』

という一文がありました。

“卵色の梢”ってナンでしょう・・・・・・!?

梢は木の枝の先っちょです。

“卵色”とは、江戸時代からある伝統的な色のこと。

卵の黄身を表わした色とされます。

ですから、『静かに暮れてゆく卵色の梢』とは、夕日がかげり、まるで卵の淡い黄味のようにうっすらと赤く染まっていく様子を表わしたものなんですね。

うーん、ステキな表現だなァ^^

ちなみにこの『卵色』、カラーの定義ではこんな色ですね↓

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アレ?黄身の色」って言うわりにはなんだか薄くってあまり黄色くないし、チョットちがうんじゃないの??

と思われた方、そのとおりです。

それは、ニワトリさんが食べている飼料が、今と違うから。

たまごの黄身は、食べた飼料の色によって左右されます。

トウモロコシなどの黄色い飼料を食べると、黄身はより黄色くなり、ニンジンやパプリカなどの赤っぽい飼料を食べるとより赤味が強くなります。

ちなみに“水溶性の栄養色素”を食べても黄身の色は変わりませんので、たとえば緑の水溶性色素である「クロロフィル」を含むホウレン草やキャベツを食べても『たまごの黄身がになっちゃった!』なんてことは起こりません。

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トウモロコシが日本に入ったのは室町時代後期ですが、本格的に普及したのは明治になってから。

江戸時代には米や麦・あわ・きびなど、いわゆる“五穀”中心の飼料で育てましたから、こういったちょっと淡い色の黄身になっていたんですねー。

ぜひ淡い夕日に照らされた街並みを見られた際には、「これが卵色かー・・・。」と風情を楽しんでくださいましたら幸いです。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2016年04月4日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ、今回は中国から。

 

<一人が道を得れば鶏も犬も天に昇る(鶏犬昇天:けいけんしょうてん)>

これは『出世した人のおこぼれ(影響)で、まわりの親族まで出世すること』を表わします。

いやー、大学生の半数が「コネが重要」と応えるほどの“繋がり重視社会”な中国らしいお話しですねェ……

◆危機一髪!国王の脱出◆
これは、むかしむかし、「漢」という国を作った英雄・劉邦さんの孫に劉安さんという方がいらっしゃいまして、この方は海南という属地方の王様でしたが、故あって謀反を起こしちゃうんですね。

が、反乱前に発覚してしまい追い詰められてしまいます。 その絶体絶命の劉安さんに、間一髪!神仙が救いの手を差し伸べてくれるんですね。

神仙サマからありがたい霊薬をもらい(レシピを授かり自分で調合したとの伝説も)それを飲みほすと、なんと・・・! フワフワと体が浮き上がり、すんでのところを逃れ天に昇り、仙人となることができたんですね。

そして、その時!

同時に家で飼っていたニワトリさんとワンちゃんまでもがフワフワと浮きあがり、一緒に天まで昇っちゃったわけです。

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このエピソードから、『一人が出世すると、たとえ能力が無くても親族や側近まで出世する』 という意味で使われるようになりました。

以前もお話ししましたとおり、『犬とニワトリ』というと“人間と最も近い動物の象徴”でして、“親族や側近”の比喩としてはうってつけのコンビなんですね。 ちなみに中国の古典では“犬鶏”と書いてあると「人が住んでいる村里」の事を表すくらいなんですね。

中国は、現代でも強いコネ社会なんだそうです。 これは、長い動乱が続いた事から敵味方をハッキリさせ「関係」を重視する風土ができあがったからだとも言われています。

仲間をだいじに。

そう考えると悪い事ばかりでもないのでしょうが、こと“政治”となるとそうはいきません。

日本は、この夏には参院選、全国いろんな方が出馬されます。 鶏犬昇天じゃなく、実力発揮のうえで、政策を戦わせてほしいものですね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2016年03月30日