小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

明日は「秋分の日」ですが、たまごの世界的都市伝説がある日でもあります。

standing_egg3.png

それは、「昼と夜の長さが同じ日、すなわち秋分の日と春分の日の、一年で二日のみ、たまごを立てることができる」 というもの。

発祥は古代中国。

デマとして世界中に広がった(日本でも新聞一面トップをかざりました)後に、都市伝説として定着しました。

最近では、『春分点、秋分点では太陽に対して地軸が垂直になる。 だから、一年で最も安定した重力場となる。そのせいで卵が立つのである。』 という科学っぽい理屈がつくことで、欧米では若者のあいだにも広く伝わっている“迷信”です。

eggstanding2014.jpg

どのヘンがデマで迷信なのかというと、

一年に2日だけ、という点。

本当は、一年を通していつでも立つんですね。

やってみれば分かりますが、数分集中すれば、たいていの方が可能です。 たまごの殻は、思った以上に凸凹がありまして、うまく突起に加重を乗せることで、すんなりと立ちます。 重力うんぬんは全く関係ありません

 

◆やってみないと判らない
 今から50年以上も前、立春の日に世界同時実験をやってみて『おお!これはホントだ。』ということで大々的ニュースになっちゃったわけですが、これは非常に興味深い事でもあります。

常に身近にある卵でも、

『だれもやってみたことが無かった』

という発見がたくさんあるってことです。

「やってみなくちゃ判らない。」

というのは、ボクと息子が大好きなNHK番組「大科学実験」のキャッチフレーズです。

まったくそのとおりだなぁ

と、秋分の日、春分の日がくるたびにしみじみ思います。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:携帯通話で茹で玉子ができる!?【たまごの都市伝説】

(関連:一生脳卒中にならなくなる謎の「たまごドリンク」【たまごの都市伝説】

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年09月22日

masakameTV1.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

今週末にNHK情報番組『マサカメTV』さんで出演させてもらいます!

テーマは「ジョーシキの殻を破る卵」 ゆでたまごを5秒、2秒、さらに一瞬でむく秘技!をご紹介いたします^^

番組では、お笑いコンビの「なすなかにし」さんとご一緒させていただきました!

その他コーナーも、たまご愛あふれる面白コンテンツ満載です

ので、ぜひご覧になってくださいませ!

masakameTV0.jpg

番組: NHK総合「マサカメTV」

放送日: 9月19日(土)午後6時10分-午後6時42分

http://www4.nhk.or.jp/masakame/

この番組はトマトや携帯電話、ヨーグルトにスイーツなど、いろ?んな身近な題材を面白く深く取り上げる情報番組です。個人的にも好きな番組です^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , 取材・掲載・ご紹介 2015年09月17日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

オリンピックエンブレムにパクリ問題が出たことから、多摩美術大学の卒業作品にまでその問題が及んでいるようです。

さて、じつは食品業界は、他の業界と比べて“模倣”という点ですこしモラルが緩いように感じます。

taikare_red.jpg

写真は徳島市内の某売り場でみかけたもの(2年ほど前ですが・・)。 ほぼそっくりな外観の上、コンセプトまでおんなじという競合商品がふたつ並んでいます。

これは単なる一例で、ゴールデンタイムにCM打つくらいの大手企業の食品会社でも、こういった類似の追随商品を出すケースがよく見られるんですよねー。

たとえば“食べるラー油”。

“桃屋”の大ヒットでしたが、品不足を受けて別の大手企業が販売開始し、

→ 中小企業含む全国の企業商品へ拡散しました。 一昨年にヒットした、お弁当に入れるチューブ状の「ちょいたべカレー」なんかもそうですね。

そういえば、セブンイレブンの「金の食パン」。

 量産ラインに手作業を取り入れることで高品質化し、安売りが主の「食パン市場」にあって高単価ながら異例の大ヒットとなっています。 あっと言う間にこのタイプの追随商品が各社から出たのですが、これについてセブンイレブン創業者の鈴木氏は、

 「簡単にまねられるような商品を作る君たちが悪い。」

・・・・・・といって逆に社員を叱咤したそうです。

すごいですねー。

マネした企業を責めるわけじゃないんです。

「よく売れるものほどお客さんの飽きは早い」

だから、一瞬も油断することなく、追求する。

昨日の自分達ではダメなんだ。

そう考えているんですね。

私共も、良いたまごづくりの為に、新たな価値創造を心がけていかなくちゃいけないな、そう心を引き締めてまいります。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2015年09月15日

sakasa_niwatori.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

我が家にも赤ちゃんがいるのですが、小さいお子さんについての悩みで多いのが、「夜泣き」。

鶏さんの絵を描いてさかさまに貼っておくと、夜泣きが止まる。

そういう伝承があります。 おまじない、ですね。

「おばあちゃんから聞いた。」なんて、結構たくさんのお母さんが、今でも実践している様子です。

調べてみると、もともとは三重県伊賀地方に古くからあったおまじないのようです。 「子供の近くに置く」「かまどに貼る」などで効果が出るのだとか。 ニワトリさんを祀る荷渡神社(山形県)にも「逆さ鶏さんの絵をかまどに貼って病を治す」という風習がありますので、もしかするとこちらが発祥なのかもしれません。

yonaki_ky.jpg

◆「鶏=時間」という図式
元来ニワトリさんは夜明けに鳴くことから「時告げ鳥」としての役割を担っておりまして、日本でも古くは「日本書紀」や「古事記」にもその役割が神話として記されています。

赤ちゃんの夜泣き、つまり逆転しちゃった昼夜の時間をひっくりかえす、そういう意味がこの『逆さ鶏さん』には込められているのかもしれませんね。

子育ての大変なお母さん、ぜひ一度お試しになってみてはいかがでしょうか?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年09月11日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先日「しあわせごはん」という漫画を見ていたところ、「たまごかけご飯を食べようと思ったら、双子のたまごだった!」という、ほのぼのシーンがありました。

shiawase_hutago1.jpg

これを見た主人公は、やった!ラッキー!!と満面の笑みを浮かべます。

shiawase_hutago2.jpg

この喜びよう、皆さんも「そうそう!」という感想を持たれるのではないでしょうか?

このような「黄身2つ」のたまごを『二黄卵(におうらん)』と言います。 喜んでくれる方が多くいるのは知っているのですが、我々たまご屋はこの「二黄卵」を“規格外”として検査の際に商品から除外してしまいます。

この事を人に話すと、きまって

『えー!なんで取っちゃうの!?双子がうれしいのに!』

……と残念そうな顔をされるんですね。

 

◆クレームにつながるケースがある・・・・・・?
なぜ手間をかけてチェックし、除去しちゃうのかといいますと、いくつかの理由があります。

ひとつには、一個の『黄身と白身の割合』が変わっちゃう事で、目的の料理に使いにくくなることがあるから。 ケーキなんかだと分量が変わっちゃいますから大変です。 また、「双子なんて普通じゃない卵なのでは・・・!?」という不信感、つまり“安全性”に関する不安をもたれることを防ぐため、という目的もあります。 もちろん安全です

また、生産上、トンデモない事が起こっちゃう可能性もあるんですね↓

 

◆ひとパック全て双子の卵になることも・・・!?
ふたご卵ができるメカニズムは、「小さい卵同士がくっついてひとつの卵になっちゃう」から。 なので、小さい卵を多く産む若鶏のたまごでたくさんできちゃいます。

hutago_shikumi.jpg

したがって、「若鶏さんのたまご」をサイズ別に選別すると、やや大き目のLサイズが1パックぜーんぶ二黄卵だ!」・・・・・・なんて事態も起こり得るんですね。下の動画がちょうどそんなカンジです。

動画:なんと!29連続ふたご卵だった!

そうなると、さすがにお客さんもビックリしちゃいます。

これも、双子たまごを除外しちゃう理由のひとつです。

ですので、もし!ふたごの卵が入っていたら、それは我々の選別チェックをすり抜けちゃった卵なんですね。

「めったにないことだ!」

と喜んでくださるのはとてもありがたいのですが、チェックもれですので、申し訳ない気持ちもあるんですよねー。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

久しぶりにたまご・鶏さん以外のお話を。

NHK朝ドラでパティシエがテーマの「まれ」をやっています。

ケーキが主題なので卵に関する内容もときどきあって、毎日興味深く観ております。

ただ、このドラマを観ていて、つくづく「怖いなー。」と思う事が何度かありました。

それは、「寛容さ」のあるシーン。

これって現実だったら絶対に許してもらえないだろうなー。

こんなヒドいことを言ったら一生関係修復はムリだろうなー。

・・・・・・と、思えるこじれた人間関係トラブルを、主人公は機転と菓子づくりの腕であっという間に切り抜けてしまうんですね。

(勘違いもありますが) ひどい行為、傷つく言葉をかけられて

『ええっ!こんなカンタンに許しちゃうの!?』

と思える展開が、少なくとも3回・・・・・・。

まァNHK朝ドラの世界ですから、いつまでもドロドロしているわけにはいきませんし、観る方としても許しあえる「優しい世界」の方が良いのは分かります。

ただ、

「あそこまで言っちゃってもイイんだ。」

と、なんとなく刷り込まれる危険があるんじゃないかと思います。

友人との口ゲンカ中にフッと口を突いて出るヒドイ言葉。

親子ケンカ中に、つい言ってしまった強い罵り。

夫婦で口論中に言ってしまう過ぎた言葉。

相手も『ドラマ脳』だったら良いのですが、あまりTVを観ない人だって多い昨今です。

「父ちゃんをこの世で一番軽蔑しているから、ボクは頑張れたんだ。」

なんて言葉は、ドラマでしか許されることのない、現実では口に出した瞬間に一生決別するくらいの覚悟で言わなくちゃいけないセリフなんじゃないかと思います。

面白いドラマですが、「まれ」にはこの傾向がちょっと強いようにも感じますねー。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2015年09月4日