小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。たまご・鶏のことわざ第29弾、今回は中国から。

<陶犬瓦鶏>(とうけんがけい)

直訳すると、『陶器でできた犬と素焼きの鶏』という意味です。

要するに、「見た目は立派だけど役立たず」な事を表わします。

なるほど、ドロボウが来ても吠えないし、朝を告げず卵も産まない・・・これでは役に立たないですねェ。

日本で言うならば、「張子の虎」でしょうか。

すこし前ですが、某国軍艦に搭載された最新式ソナーの中身が、実は漁師さんが使う旧式の魚群探知機だった・・・・・・なんてニュースがありました。これなんかは正に“陶犬瓦鶏”と言えるんじゃないでしょうか。

 

◆犬とニワトリさんの仲良しコンビ◆

中国の故事成語では犬とニワトリさんはセットで表現されることが多く、また「人間に最も近しい動物」のツートップとして描かれます。

中国の古典で“犬鶏”という言葉が出ると、『村里』のことを意味するくらいの近しさっぷりです。

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そういえば以前ご紹介した<鶏鳴狗盗>(けいめいくとう)も鶏と犬の組み合わせでしたねー。

 

何千年も人間の生活と共にあったニワトリさんの文化が、さまざまな形で現代に残っているのはとても興味深いです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2015年07月10日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日は七夕ですね!

じつは七夕の料理と言えば、「そうめん」なんです。

しかもビックリなことに、千年以上前からの伝統料理。

平安時代に編纂された、宮中儀式をまとめた書「延喜式」には、「7月7日に素麺を供物とすべし。」と記されているんですね。

栄養が取りやすい素麺で暑気ばらいをする、という説と

素麺の流れるような見た目を天の川と重ねたという説などがあります。

本日の西日本、関東は雨の地域が多いようですが、ぜひ今夜は食卓の上で天の川を愛でてみてはいかがでしょうか?

我が徳島県もそうですが、西日本の文化では、錦糸玉子やちょっとした野菜を添えて素麺を食べることが一般的です。

ぜひ、下記の記事もご参考くださいませー!

(関連:七夕の食べ物って何!?【錦糸玉子の美味しいコツ】 – たまごのソムリエコラムhttp://www.cgegg.co.jp/blog/2013/07/post-709.html)

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2015年07月7日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

英国開催の『第10回 たまご投げ世界選手権』にて、国際宇宙ステーションの食糧事情を一気に解決する新しい試みがスタートしました。

それは、たまごとハムの組み合わせ。

・・・・・・と、言っても少々ちがいまして、

ハムはハムでも、無線(ハム)のこと。

卵投げ世界大会運営スタッフと、アマチュア無線愛好家クラブがタッグを組んで、内部に卵を入れた「高高度気球」を高度40, 000mにまで到達させ、食料輸送の高度世界記録に挑むという企画です。

気球はその名も『エッグスプローラー1』。

無線技術を応用したカメラや測定機器で卵をモニタリングし、極端に気温や気圧が変化する状況下での生食品輸送の問題を明らかにすることが目的です。

でもなぜ、そんなことをしなくちゃいけないんでしょうか・・・?

 

◆食料が届かない!宇宙ステーションがピンチ◆

ISS国際宇宙ステーションは現在、食糧危機の真っただ中にいます。 なぜなら、「食べ物が届かない」から。

昨年秋から3機の輸送ロケットが打ち上げられましたが、すべて宇宙にたどり着くことなく爆発・墜落してしまいました。

(一番最近は4日前の6/29。 米国の無人宇宙輸送船「ドラゴン」を搭載したロケット「ファルコン9」が飛行中に爆発、2トンちかくの食糧と実験機材が海のもくずに・・・)

早急に新たな手段を必要としているんですね。

でも風船なんかで何ができるの・・・・・

と思うなかれ。

 

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写真を見てもらうとわかりますが、高度4万メートルというのは、もうほとんど宇宙です。

 

風船による高高度到達は、JAXAが持つ世界記録で5万3700m。

何がスゴイって、この高さまで、ほぼ何の燃料も使わずに到達することができるんですね。

国際宇宙ステーションの高度は約400km。
一方、

国際宇宙ステーションの高度は約400km。

ちょっとそこまでいく事はムズカシイですが、地上から持ち上げるよりはずいぶん違うんじゃないでしょうか。

将来的には、高高度気球で成層圏上限まで荷物を届け、そこから無人宇宙船に拾ってもらう・・・・・・なんて事ができたらすごく効率が良いんじゃないでしょうか。

宇宙ステーションで産みたて新鮮なたまごを食べられる日がくるなんて・・・・!ワクワクしますね^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:宇宙で新鮮なたまごかけご飯を食べる方法 – たまごのソムリエコラム)http://www.cgegg.co.jp/blog/2012/11/post-606.html

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2015年07月2日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

夏限定コラム!たまごのちょっと怖い伝説シリーズ第3弾です。

「取り替え子」という伝承を聞いた事ありますか?

ヨーロッパ全土に古くから伝わる話で、

『人間の子がひそかに連れ去られ、その身代わりとして妖精やエルフ、トロルなどが成りすましている。』 というお話しです。

ある日突然、

自分の子供が変わってしまう。

どこかおかしい・・・・・・!

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“取り替え子”は成長するにしたがって、むちゃくちゃ食欲が旺盛になり、手が付けられない暴れん坊になる・・・・・・、ときには非凡な知能を持つことも……とにかくダンダンと異様なふるまいをする子供になっていくんですね。

これはコワイ!

自分の子供が知らないうちに別のナニかにすり替わっているなんて、ホラーですね。

さて、この取り替え子を見破る方法として一般的(?)なのが、じつは卵の殻。 家族の食事を卵の殻を使って料理すると、

「こんなのオイラ見たことないぞ!」

と、叫び声をあげて消えてしまうんだそうです。

そして、その後には連れ去られた子供が残されている……。

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メデタシメデタシ。

伝説によると子供を「取り替える」のは、『ニンゲンを自分の召使にするため』だそうですが、見破られたときは律儀にも連れ去った子供をちゃんと返すんですね。(別の妖精が本当の子供をその場に連れてくる、という伝承もあります)

他にも、暖炉の火で卵の殻を温め、そこでビール醸すふりをすると、「卵の殻でビールを醸すなんて初めて見たぞ!」と叫んで消えてしまう。という伝説もあります。

なぜ卵の殻なんでしょう・・・・・・!?

◆たまごは生命と聖なるものの象徴!◆

西洋において、たまごは生命の源として復活の象徴でもありました。また、古くは春を表わす神聖な食材として、また10世紀ごろには幸運と勝利の象徴として信じられていました。

日本でいう「」のように、邪悪なものをしりぞけるキッカケとして考えられたのかもしれません。

また、日本の民話「さとり」の様に、人外の妖怪も「人間を未知なるもの」として怖がっている、というエピソードもたくさんあります。

ようするにビビっているところに聖なるものを使って想定外のことをされたから、超怖くなって逃げ出した。 ・・・という人間の機転や知恵を表わす象徴として卵のカラが伝承となったのかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:【納涼】たまご・にわとりの怖い伝説 その2 – たまごのソムリエコラム)http://www.cgegg.co.jp/blog/2013/08/post-718.html

(関連:【納涼】たまご・にわとりのちょっと怖い伝説 その1 – たまごのソムリエコラム)http://www.cgegg.co.jp/blog/2013/07/post-650.html

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年06月30日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏さんのことわざ第28弾、今回は英語圏から。

<卵の殻で海を渡る> (It’s hard to sail over the sea in an eggshell)

ぜったい不可能なこと」を意味します。そんなムチャな!と言いたい時に使う表現なんですね。

なるほど、確かに。

荒波にたまごの殻を浮かべることを考えると、そりゃ無理だろう。というイメージがすごく浮かびますね。

◆そうは言っても頑丈!たまごの殻◆

ちなみに卵のカラは4層構造から成っていまして、軽くて薄くてすごく強度が強いんです。 わずか0.3mm程度の厚さしかありませんが、なんと!7kgもの耐荷重に耐えることができます。

卵殻のことを英語で「シェル(shell)」と呼びますが、強固な卵が『シェルター』の語源となったという説だってあるんです。

また、たまごの殻は炭酸カルシウムでできていますが、この物質は鉄鉱石から不純物を取り除き、強靭な鉄をつくるために欠かせない素材なんですね。

卵のカラで海を渡るのはムズカシイですが、巨大なタンカーが建造できて大洋を横断できるのも、卵のカラ主成分のおかげ!とも言えるんです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

※関連 『たまご・鶏のことわざ』カテゴリを分けました!

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2015年06月26日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

英国コルチェスターにある小学校で、お弁当箱に入っていたスコッチエッグを教師が没収したとして親が抗議し、ちょっとした話題となっています。

スコッチエッグとは、ゆでたまごをミンチ肉などハンバーグ状の肉で包み揚げたもので、日本でも人気の高い『おかず』。

このスコッチエッグは「スコッチ」の名の通り英国発祥。 じつは英国では『上流階級で人気の「おやつ」』として長く由緒ある歴史を刻んできたメニューなんですね。

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おやつ禁止、は日本の小学校でも常識ルールですが、

 騒動のあったCherry Tree Primary小学校でも、スナック菓子やクッキー・ビスケットなどの砂糖菓子をすべて禁じており、これらも弁当箱から見つかったものは全て没収されているとのことですが、保護者や世間では「まさかスコッチエッグまで…」という反応のようです。

親の抗議に対して、小学校側は、

「『生徒たちの健康と幸福を考える』という政府の指針に則ったもの。 “健康的な弁当箱づくり”という方針自体は保護者の支持を受けているので問題ない。」 として保護者の抗議をしりぞけています。  

 そもそもの問題は、スコッチエッグが「おやつ」なのかという点ではないかと思うのですが……

◆もともとは気軽に食べられる『旅人のスナック』◆

スコッチエッグは280年の歴史がありまして、1738年にロンドンのピカデリーにあった百貨店『フォートナム&メイソン』でメニューに上ったのが初出と言われています。 その後イギリス中に広まり『英国最高の酒のつまみ』とも評される伝統の料理となりました。

その由来は、大英帝国領だったインド料理が元になっているとの説もあり、そもそもの目的は旅人が運びやすい、長持ちして栄養のある「携帯できるスナック」として考案されたと言われています。

うーん、

まさに「お弁当のおかず」向きだと思うのですが、このような伝統から「歩きながら気軽に食べられる」という、例えばフライドポテトみたいな『スナックとおかずの中間』イメージがあるのかもしれません。

日本では「バナナはおやつに入りますか?」という遠足ネタがありますが、英国では「スコッチエッグはおやつに入りますか?」という論議が勃発しそうです^^;

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:Colchester’s Cherry Tree Primary school removed scotch eggs from lunchboxes | Daily Mail Online)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2015年06月23日