小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前に「海のたまご」「海の目玉焼き」というものがある、というコラムを書きました。

実は他に、「ニワトリ魚」なるものがあるのをご存知でしょうか?

これは「鶏魚」と書いて「イサキ」と読みます。ああ食べたことあるよ、という方も多いのではないでしょうか。白身で刺身にすると美味しい魚です。 我が四国・徳島県でも釣れまして、時々釣果を聞いたり居酒屋さんでメニューに上がったりするのを見かけます。 割と全国どこでも水揚げされるのだとか。

このサカナ、英語でも“chicken grunt(チキン グラント)”と呼ばれていまして、つまり日本語・英語ともにニワトリさんの名前で呼ばれる魚なんです。 中国語でも同じく“鶏魚”と書くので、割と世界標準的に鶏イメージのある魚みたいです。

なんでニワトリさんの名前が入っているのか?と言うと、一番前(あたま側)の背びれの形がニワトリさんのトサカに似ているからだそうな。写真を比べてみましたが、ニワトリさんのトサカっぽい・・・・・・のかなァ?? 似てるっちゃぁ似てるでしょうか・・・。

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そして面白いことに、この英名“チキングラント(chicken grunt)”の“グラント(grunt)”には魚名の他に「豚のブーブーと鳴く声」の意味もあり、イサキの英名「俗称」として“pigfish(ブタ魚)”という別の呼び名もあります。 正式名は「チキン」なのに。 いったいニワトリなのか豚なのか・・・・・・・ハッキリしろよ!と言いたくなるヘンな呼び名の魚です^^;

とはいえこの「鶏魚」、梅雨どきの今時分が旬で、最も美味しいのだそうです。ぜひ、見かけたら召し上がってみてくださいませ。

◆もうひとつのニワトリ魚
ちなみに鶏サンは英語で「チキン」ですが、雄鶏は「ルースター」と呼びます。 実は「ルースターフィッシュ」なる魚もいまして、これは「背びれ雄鶏に似てるから」付いた名前。わざわざ“雄鶏”と指定するくらいの背びれはどんなものかというと・・・・・・

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おお・・・!なるほど立派なトサカ(?)ですね。これくらいハッキリした特徴だと、ニワトリの称号もつけられるってものかもしれません。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2015年05月26日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご屋なので、ほぼ毎日、なんやかやと調理をします。

りんごが好きでよく食べるのですが、包丁で皮を剥くのがめんどくさいなぁ、とずっと思っていました。

あるときフト思い立って皮むき器、つまりピーラーで皮を剥いてみたら・・・・・・・

めっちゃキレイに皮がむける!

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いきなり憧れの「一本つながり剥き」が達成できてビックリしました。

そして、めんどくさかったニンジンや大根の薄切り、ピーラーでやってみたら超カンタンだと気づいたんですね。

おお・・・・・・!

これはすごい発見だ。

と興奮したのですが、

クックパッドで「ニンジン ピーラー」 で料理検索してみると400種類以上のレシピが・・・・・・

どうやら料理される皆様には常識のようですね orz

勉強になりました^^;

カテゴリー | ソムリエ日記 2015年05月22日

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こんにちは!たまごのソムリエ、小林ゴールドエッグのこばやしです。

たまごが出てくる映画の名シーンご紹介、第6弾です。今回はミスターロンリー。2007年作の英・仏・米合作映画です。

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舞台はパリ。主人公“マイケル”は生活のすべてをマイケルジャクソンになりきって生きるモノマネ大道芸人。 ある日、マリリンモンローのソックリ芸人“マリリン”と出会い、彼女に惹かれていきます。そして『誰かになりきることでしか生きられない芸人』たちの理想郷・コミュニティに足を踏み入れることに……。

チャップリンにジェームス・ディーン、リンカーン大統領など、アノ有名人たち(偽者ですが)が集まって大騒ぎする様子はかなりシュールで面白く、そして幻想的でもあります。有名人を模すことで生きる彼らの楽しみや悲哀と葛藤、そして恋心にしみじみする映画です。

◆たまごに重なる歌が思わずジーンとくる名シーン!
物語後半に主人公マイケルが、みんなの似顔絵を描いた卵一人部屋で見つめ、その卵達が歌いだすシーンがあるんです。この切ない歌がまた良いんですよねー!Iris DeMentさんの“ My Life”という歌です。

映画好きとしてもたまご屋としても、すごく印象に残るシーンでした。

映画自体は、全く絡まない2つのストーリーが平行していたり、ちょっと難解な内容ですが、“映像”として非常に楽しく印象的な映画です。 ぜひ機会があればごらんくださいませ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまごのソムリエ日記 - たまごの名シーン【映画編】の一覧)

 

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

 

先日「生類憐みの令と卵」についてコラムを書きましたが、本日はその続き。

今度はニワトリさんについてのお話を。

さて、卵には「生類憐みの令」が適用されなかったわけですが、ニワトリさんについては違います。

わざわざ列挙された中に、お犬さまと併せてちゃんと項目を分けて明記されており、

生きた鶏の売買を禁ずる

となっていました。

生きた鶏を盗んだ者が磔にされた(処刑された)という記録も残っており、鶏サンも大切にされていたようです。

ちなみに『野生動物が鶏などの家畜を襲った場合はどっちの味方をすればいいのか?』

という疑問への回答もありまして、

「一,熊猪狼のたぐひ,たとへ人に喰掛り申さず候とも,人の養い置き候牛馬犬猫
鶏などの鳥獣を損し申すべき体に候はば,追払候て,損し申さざるように仕るべく
候。もし追払候節,先へ当り,死に申分は苦しからず候事」

「一,熊猪狼のたぐひ、たとへ人に喰掛り申さず候とも、人の養い置き候牛馬犬猫鶏などの鳥獣を損し申すべき体に候はば、追払候て,損し申さざるように仕るべく候。もし追払候節、先へ当り、死に申分は苦しからず候事」

つまり、「クマ・イノシシ・オオカミなどが鶏さん牛馬ネコなどを襲ってきたときは、傷つけないようにしておっぱらいなさい。 でも、追い払うときに石などに当たって死んじゃったなら、それはしょうがないです。」 という答えでして、「生類憐みの令」の目的が「治安維持」ですから、“生類”といえども優先順位があったようです。

たとへ人に喰掛り申さず候とも』の一文もちょっと気になります。

「たとえ人に襲いかかってこなくても」という事ですが、もし農場でニワトリさんがクマに襲われているのを見たとき・・・・・・、はたして逃げずに戦えるのか・・!? ニワトリ愛が試されますね^^;

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:鳥さんを牢に入れ遠島にした徳川綱吉【卵食は殺生になるの?】 – たまごのソムリエコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年05月14日

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こんにちは。たまごのソムリエ・こばやしです。

生類憐みの令で有名な5代将軍徳川綱吉のお話し。

ある日、綱吉が花見に出かけた際のことです。空を見上げたとたん、飛ぶ鳥のフンが顔にかかってしまいました。

怒り心頭の綱吉ですが、すでに「生類憐みの令」を発布しちゃったあと、まさか「殺せ。」と命じるわけにはいきません。

そこで、綱吉は鳥を「島流し」にすることを命じました。 江戸に大きな「鳥専用の牢屋」をつくり、その数が一万羽になるごとに八丈島まで運んで放していたのだとか。

うーん、すんごいムダ(?)ですねェ・・・・・・

ネコが死んだので流罪

蚊を叩き潰して遠島

「そんなムチャな。」

というくらいの重罪が人に対して適用されていた生類憐みの令ですが、さて「」についての罰はどうだったのでしょうか? 卵は“生命の源”ですが・・・・・・

◆たまごは“殺生”にあたるのか?
結論から言うと、卵は割って食べても大丈夫でした。

「そりゃそうじゃん。」 と思うなかれ。

仏教の教えで言うならば、卵を食べることは「殺生」にあたるんです。 事実、江戸時代より前には「卵を食べた。」という文書記録がほとんど出てきていません。 記録できない「罪」であり、「いけないこと」だったわけですね。

ところが、江戸時代に入ってその状況は一変しました。戦国時代に西洋文化が入ってくるのと同じくしてカステラなど南蛮菓子や玉子料理も伝わってきたことから、「たまご料理」の文化が大きく華開くことになるんです。 広く卵が食べられるようになったんですね。

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「卵を食べること → 生き物じゃないので“殺生”じゃないよ。」という解釈に一気に変わっちゃったわけですね。

そして徳川綱吉の治世、1600年代後半にも、「江戸料理集(1674年)」ほか玉子料理のレシピについて記述した本がいくつも出版されていることから、「卵については、『生類憐みの令』的にも食べてかまわないよ!」という解釈だったと考えてよさそうです。

この「生類憐みの令」は犬や鳥を保護するだけではなく捨て子の保護なども含み、「生き物への慈愛」という意識を民衆に持たせることに成功し、治安維持として大きな効果を上げたとして近年再評価されつつあります。

仏教的に「卵食は殺生」であっても、“政策”として考えるならば「治安維持とはカンケーないのでオッケーだよ。美味しいしね♪」という具合だったんじゃないでしょうか。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年05月9日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

コンビニで気になるお菓子を発見しました。

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温泉たまご ポテトチップス」・・・・・・・!!?

なんと、温泉玉子の味付けをしちゃったお菓子のようです。

名前の下には

鰹だしのうまみが効いた温泉たまごの味わい

とキャッチコピーが入っています。

「かつおだしのうまみ」はたまごの味ではないのですが、それは大丈夫なのでしょうか!?

以前に「たまごかけごはんコーンスナック」というお菓子をご紹介しましたが、そのとき以上の違和感オドロキです。

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中をみると、意外と普通のポテチです。

さて、味の方は・・・・・・

一口食べると、

「あれ!?普通のポテチの味じゃん・・・。」

と、思ったすぐ後から

鰹っぽい風味とうまみが口に広がってきます。

そして最後に、なんというか玉子っぽい風味が鼻に抜けていく感覚があります。

(ポテトの味→)うん?(鰹味がくる→)お!おお・・(たまご風味がくる→)あー、なるほど。“温泉玉子”ってそういうことねー。」

というカンジでしょうか。

ダシ風味と卵っぽい香りの組み合わせは、温泉玉子・・・っぽいと言えるかもしれません。

結論から言うと、以前ご紹介した「たまごかけごはんスナック」↓ほどのインパクトはなかったです。

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ただ、鰹風味とたまごの香りがバッチリ合ってまして、ポテチ本来のパリッとした食感や香ばしい味わいともナカナカ相性が良いと感じました。 “変わり種”スナックじゃなかったとしても十分魅力的じゃないでしょうか。 個人的にはもうちょっと薄味の方がすきだなー。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2015年05月7日