小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

我が家にも赤ちゃんがいるのですが、小さいお子さんについての悩みで多いのが、「夜泣き」。

鶏さんの絵を描いてさかさまに貼っておくと、夜泣きが止まる。

そういう伝承があります。 おまじない、ですね。

「おばあちゃんから聞いた。」なんて、結構たくさんのお母さんが、今でも実践している様子です。

調べてみると、もともとは三重県伊賀地方に古くからあったおまじないのようです。 「子供の近くに置く」「かまどに貼る」などで効果が出るのだとか。 ニワトリさんを祀る荷渡神社(山形県)にも「逆さ鶏さんの絵をかまどに貼って病を治す」という風習がありますので、もしかするとこちらが発祥なのかもしれません。

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◆「鶏=時間」という図式
元来ニワトリさんは夜明けに鳴くことから「時告げ鳥」としての役割を担っておりまして、日本でも古くは「日本書紀」や「古事記」にもその役割が神話として記されています。

赤ちゃんの夜泣き、つまり逆転しちゃった昼夜の時間をひっくりかえす、そういう意味がこの『逆さ鶏さん』には込められているのかもしれませんね。

子育ての大変なお母さん、ぜひ一度お試しになってみてはいかがでしょうか?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年09月11日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先日「しあわせごはん」という漫画を見ていたところ、「たまごかけご飯を食べようと思ったら、双子のたまごだった!」という、ほのぼのシーンがありました。

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これを見た主人公は、やった!ラッキー!!と満面の笑みを浮かべます。

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この喜びよう、皆さんも「そうそう!」という感想を持たれるのではないでしょうか?

このような「黄身2つ」のたまごを『二黄卵(におうらん)』と言います。 喜んでくれる方が多くいるのは知っているのですが、我々たまご屋はこの「二黄卵」を“規格外”として検査の際に商品から除外してしまいます。

この事を人に話すと、きまって

『えー!なんで取っちゃうの!?双子がうれしいのに!』

……と残念そうな顔をされるんですね。

 

◆クレームにつながるケースがある・・・・・・?
なぜ手間をかけてチェックし、除去しちゃうのかといいますと、いくつかの理由があります。

ひとつには、一個の『黄身と白身の割合』が変わっちゃう事で、目的の料理に使いにくくなることがあるから。 ケーキなんかだと分量が変わっちゃいますから大変です。 また、「双子なんて普通じゃない卵なのでは・・・!?」という不信感、つまり“安全性”に関する不安をもたれることを防ぐため、という目的もあります。 もちろん安全です

また、生産上、トンデモない事が起こっちゃう可能性もあるんですね↓

 

◆ひとパック全て双子の卵になることも・・・!?
ふたご卵ができるメカニズムは、「小さい卵同士がくっついてひとつの卵になっちゃう」から。 なので、小さい卵を多く産む若鶏のたまごでたくさんできちゃいます。

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したがって、「若鶏さんのたまご」をサイズ別に選別すると、やや大き目のLサイズが1パックぜーんぶ二黄卵だ!」・・・・・・なんて事態も起こり得るんですね。下の動画がちょうどそんなカンジです。

動画:なんと!29連続ふたご卵だった!

そうなると、さすがにお客さんもビックリしちゃいます。

これも、双子たまごを除外しちゃう理由のひとつです。

ですので、もし!ふたごの卵が入っていたら、それは我々の選別チェックをすり抜けちゃった卵なんですね。

「めったにないことだ!」

と喜んでくださるのはとてもありがたいのですが、チェックもれですので、申し訳ない気持ちもあるんですよねー。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

久しぶりにたまご・鶏さん以外のお話を。

NHK朝ドラでパティシエがテーマの「まれ」をやっています。

ケーキが主題なので卵に関する内容もときどきあって、毎日興味深く観ております。

ただ、このドラマを観ていて、つくづく「怖いなー。」と思う事が何度かありました。

それは、「寛容さ」のあるシーン。

これって現実だったら絶対に許してもらえないだろうなー。

こんなヒドいことを言ったら一生関係修復はムリだろうなー。

・・・・・・と、思えるこじれた人間関係トラブルを、主人公は機転と菓子づくりの腕であっという間に切り抜けてしまうんですね。

(勘違いもありますが) ひどい行為、傷つく言葉をかけられて

『ええっ!こんなカンタンに許しちゃうの!?』

と思える展開が、少なくとも3回・・・・・・。

まァNHK朝ドラの世界ですから、いつまでもドロドロしているわけにはいきませんし、観る方としても許しあえる「優しい世界」の方が良いのは分かります。

ただ、

「あそこまで言っちゃってもイイんだ。」

と、なんとなく刷り込まれる危険があるんじゃないかと思います。

友人との口ゲンカ中にフッと口を突いて出るヒドイ言葉。

親子ケンカ中に、つい言ってしまった強い罵り。

夫婦で口論中に言ってしまう過ぎた言葉。

相手も『ドラマ脳』だったら良いのですが、あまりTVを観ない人だって多い昨今です。

「父ちゃんをこの世で一番軽蔑しているから、ボクは頑張れたんだ。」

なんて言葉は、ドラマでしか許されることのない、現実では口に出した瞬間に一生決別するくらいの覚悟で言わなくちゃいけないセリフなんじゃないかと思います。

面白いドラマですが、「まれ」にはこの傾向がちょっと強いようにも感じますねー。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2015年09月4日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

みなさんも大好き、ふわふわのオムレツ。

英語で書くと「omelette」、この語源を知っていますか?

オムレツの語源は「オムレット(素早い男)」との説があります。

数あるたまご料理のなかでも特に手早くできる、美味しい料理なんですね。

帝国ホテルなどの高級ホテルでは、朝食メニューでお客様のテーブル、目の前でシェフがオムレツを作り出来立てをサーブするサービスがあります。 それが可能なくらい手早くハイクウォリティな料理ってことです。

ちなみに、ギネス記録のオムレツ早焼き記録は、米国在住ハワード・ヘルマー氏の“30分に427食”という記録。 まさにオムレット(素早い男)ですね!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年09月1日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先日「地獄から来た鶏」という異名の新型恐竜をご紹介しました。

さて、この「地獄」と「ニワトリ」というとりあわせ。

仏教ではずっとむかしからあるんですね。

奈良国立博物館所蔵の「地獄草子」という、その名の通り7つの地獄を絵巻にしたものによると、生前に犯した罪によってどの地獄へ行くかが決まるのだそうです。

その中の一つが、「鶏地獄」。

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ニワトリさんのいる地獄です。

ここは生前に『生き物をいじめた人』が来る地獄で、なんと!火を吐く鶏に追い回され続けるという責苦が待っています。

・・・・・・

巨大ニワトリさんにつつかれて燃やされる・・・・・・

あまりタイヘンそうなイメージが湧いてこないですが、

確かに痛そうですねー。

ノースカロライナ州立大学の研究によると、ニワトリさんとティラノサウルスのDNAはほぼ一致するのだそうで、ニワトリさんは恐竜の正当な“子孫”であることが判っています。

鶏地獄は言うなればジュラシックパーク的な恐ろしさを味わえる地獄なのかもしれません。

 

niwatori_shinka.jpgでもなぜ鶏さんなのか・・・!?

火を吐くクマとか火を吐くライオンの方がよっぽど怖いんじゃないかとも思いますが、

そこは「生き物をいじめた人が落ちる地獄」ですから、人の身近にいて、卵を取られるは肉として食べられるわで、他の動物よりも比較的虐げられている率の高い動物・・・その代表として鶏さんが地獄でリベンジしているのだそうです。

ここまでお読みくださってありがとうございます。

(関連:たまご・鶏の怖い伝説コラム一覧-たまごのソムリエ面白コラム)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年08月28日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

あるお店で、こんなパンを見かけました。

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ホテル食パン

と書いてある商品。 なかなか美味しそうです!

ホテルの食パンって、なんだか“優雅”でステキなイメージがありますよね!?

カレーだってそうです。「ホテル御用達」「〇〇ホテルのカレー」なんて書いてあるだけで、もうスンゴイこだわっていそうなイメージがあります。

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ホテル「ニューオータニ」監修のレトルトカレー

でも、これって面白いことに、欧米ではその感じ方が全然逆だったりするんです。

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このパン↑は海外の高級量販店で売られているものなのですが、

シカモアおばあちゃんのホームメイドパン

と書いてあります。

欧米では日本と感じ方が真逆で、

「『ホテルの味』ってのは人間味が少なくて冷たいカンジがするなぁ。」というイメージがありまして、むしろ「家庭で作ったおばあちゃんの味」の方がはるかに高い価値のイメージがあるんですねー。

なので、割と格の高いホテルのロビーにすら「家庭の味(ホームメイド)クッキー」が売られている、なんてことも普通にあります。プロコンセプト研究所岡野勝志さんは、「欧米人は潜在的にマザコン気質を持っている」とおっしゃっています。個人主義を尊重する風土だからこそ、理屈を超えた愛情に飢えているのかもしれません。

日本では家で「ホテルのパン」を食べ

欧米ではホテルで「家庭の手作りクッキー」を食べる

なかなか興味深いです^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2015年08月25日