小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

パキスタン北部の都市ペシャワールの若者は、ラダマン(断食)明けの伝統行事として「たまごファイト」なるゲームをするそうです。

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どんなゲームかというと、

それぞれが自作の固ゆで玉子を持ち寄って、お互いにぶつけあう。 割れた方が負け。

勝ったもの同士がまた戦い、最後に残った一個・・・じゃなくて一人が優勝。

これだけのシンプルなルールです。

やってみると判りますが、結構コツがいります。

たまごの選び方、

たまごの持ち方、

ぶつけ方・・・・・・

いろんな要素があって、結構たのしいゲームです^^

パキスタンの若者は、それぞれが自分のたまごをオリジナルカラーで染め上げてゲームに臨むんですが、なんだかミニ四駆やポケモンバトルみたいで面白いですね。

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◆世界中にある卵ぶつけゲーム◆

この「エッグファイティング」は、実は世界中で行われておりまして、「エッグタップ」「エッグジャーピング」なんて名前で呼ばれています。ヨーロッパでは、中世の時代から、競われていた記述が残っているんですね。

ちなみに英国では「エッグジャーピング世界大会」なる催しもあるそうです。 世界中から猛者が自慢の卵をもって駆け付けているんでしょうか!?

非常に気になります。 行ってみたい!

(参照:Pakistan children “egg fighting” to celebrate Ramadan

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年07月31日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

日本人にとって「目玉焼き」といえば、プルンとした白身の真ん中にあざやかな黄身が乗っている片面焼きの目玉焼き。

が、海外に行くと、実は両面焼き(ターンオーバー)の目玉焼きを多く見かけます。

では、これってどう味が変わるのでしょうか・・??

最大のメリットとしては、「パンに乗せた時」に黄味が垂れてしまったり崩れたりしにくいこと。

また、白身のパリッとした香ばしさと黄身のとろとろ感の両方が味わえるというメリットもあります。

加えて、調理スピードが早い!という利点も見逃せません。片面焼き目玉焼きの三分の一くらいでできます。

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また、更に発展形として、「二つ折り」があります。

二つ折りにして上からギュッと軽く押してやります。黄身はつぶれますが、全体に広がって焼けます。

これは、両面焼きより更に崩れにくく、サンドイッチとして黄身と白身が混然一体となったハーモニーを味わえます。 おススメです。

普段の目玉焼き朝食にちょっと飽きちゃった、そんな方はこの二つの方法を一度試してくださいませー♪

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , 目玉焼き 2015年07月14日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。たまご・鶏のことわざ第29弾、今回は中国から。

<陶犬瓦鶏>(とうけんがけい)

直訳すると、『陶器でできた犬と素焼きの鶏』という意味です。

要するに、「見た目は立派だけど役立たず」な事を表わします。

なるほど、ドロボウが来ても吠えないし、朝を告げず卵も産まない・・・これでは役に立たないですねェ。

日本で言うならば、「張子の虎」でしょうか。

すこし前ですが、某国軍艦に搭載された最新式ソナーの中身が、実は漁師さんが使う旧式の魚群探知機だった・・・・・・なんてニュースがありました。これなんかは正に“陶犬瓦鶏”と言えるんじゃないでしょうか。

 

◆犬とニワトリさんの仲良しコンビ◆

中国の故事成語では犬とニワトリさんはセットで表現されることが多く、また「人間に最も近しい動物」のツートップとして描かれます。

中国の古典で“犬鶏”という言葉が出ると、『村里』のことを意味するくらいの近しさっぷりです。

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そういえば以前ご紹介した<鶏鳴狗盗>(けいめいくとう)も鶏と犬の組み合わせでしたねー。

 

何千年も人間の生活と共にあったニワトリさんの文化が、さまざまな形で現代に残っているのはとても興味深いです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2015年07月10日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日は七夕ですね!

じつは七夕の料理と言えば、「そうめん」なんです。

しかもビックリなことに、千年以上前からの伝統料理。

平安時代に編纂された、宮中儀式をまとめた書「延喜式」には、「7月7日に素麺を供物とすべし。」と記されているんですね。

栄養が取りやすい素麺で暑気ばらいをする、という説と

素麺の流れるような見た目を天の川と重ねたという説などがあります。

本日の西日本、関東は雨の地域が多いようですが、ぜひ今夜は食卓の上で天の川を愛でてみてはいかがでしょうか?

我が徳島県もそうですが、西日本の文化では、錦糸玉子やちょっとした野菜を添えて素麺を食べることが一般的です。

ぜひ、下記の記事もご参考くださいませー!

(関連:七夕の食べ物って何!?【錦糸玉子の美味しいコツ】 – たまごのソムリエコラムhttp://www.cgegg.co.jp/blog/2013/07/post-709.html)

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2015年07月7日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

英国開催の『第10回 たまご投げ世界選手権』にて、国際宇宙ステーションの食糧事情を一気に解決する新しい試みがスタートしました。

それは、たまごとハムの組み合わせ。

・・・・・・と、言っても少々ちがいまして、

ハムはハムでも、無線(ハム)のこと。

卵投げ世界大会運営スタッフと、アマチュア無線愛好家クラブがタッグを組んで、内部に卵を入れた「高高度気球」を高度40, 000mにまで到達させ、食料輸送の高度世界記録に挑むという企画です。

気球はその名も『エッグスプローラー1』。

無線技術を応用したカメラや測定機器で卵をモニタリングし、極端に気温や気圧が変化する状況下での生食品輸送の問題を明らかにすることが目的です。

でもなぜ、そんなことをしなくちゃいけないんでしょうか・・・?

 

◆食料が届かない!宇宙ステーションがピンチ◆

ISS国際宇宙ステーションは現在、食糧危機の真っただ中にいます。 なぜなら、「食べ物が届かない」から。

昨年秋から3機の輸送ロケットが打ち上げられましたが、すべて宇宙にたどり着くことなく爆発・墜落してしまいました。

(一番最近は4日前の6/29。 米国の無人宇宙輸送船「ドラゴン」を搭載したロケット「ファルコン9」が飛行中に爆発、2トンちかくの食糧と実験機材が海のもくずに・・・)

早急に新たな手段を必要としているんですね。

でも風船なんかで何ができるの・・・・・

と思うなかれ。

 

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写真を見てもらうとわかりますが、高度4万メートルというのは、もうほとんど宇宙です。

 

風船による高高度到達は、JAXAが持つ世界記録で5万3700m。

何がスゴイって、この高さまで、ほぼ何の燃料も使わずに到達することができるんですね。

国際宇宙ステーションの高度は約400km。
一方、

国際宇宙ステーションの高度は約400km。

ちょっとそこまでいく事はムズカシイですが、地上から持ち上げるよりはずいぶん違うんじゃないでしょうか。

将来的には、高高度気球で成層圏上限まで荷物を届け、そこから無人宇宙船に拾ってもらう・・・・・・なんて事ができたらすごく効率が良いんじゃないでしょうか。

宇宙ステーションで産みたて新鮮なたまごを食べられる日がくるなんて・・・・!ワクワクしますね^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:宇宙で新鮮なたまごかけご飯を食べる方法 – たまごのソムリエコラム)http://www.cgegg.co.jp/blog/2012/11/post-606.html

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2015年07月2日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

夏限定コラム!たまごのちょっと怖い伝説シリーズ第3弾です。

「取り替え子」という伝承を聞いた事ありますか?

ヨーロッパ全土に古くから伝わる話で、

『人間の子がひそかに連れ去られ、その身代わりとして妖精やエルフ、トロルなどが成りすましている。』 というお話しです。

ある日突然、

自分の子供が変わってしまう。

どこかおかしい・・・・・・!

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“取り替え子”は成長するにしたがって、むちゃくちゃ食欲が旺盛になり、手が付けられない暴れん坊になる・・・・・・、ときには非凡な知能を持つことも……とにかくダンダンと異様なふるまいをする子供になっていくんですね。

これはコワイ!

自分の子供が知らないうちに別のナニかにすり替わっているなんて、ホラーですね。

さて、この取り替え子を見破る方法として一般的(?)なのが、じつは卵の殻。 家族の食事を卵の殻を使って料理すると、

「こんなのオイラ見たことないぞ!」

と、叫び声をあげて消えてしまうんだそうです。

そして、その後には連れ去られた子供が残されている……。

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メデタシメデタシ。

伝説によると子供を「取り替える」のは、『ニンゲンを自分の召使にするため』だそうですが、見破られたときは律儀にも連れ去った子供をちゃんと返すんですね。(別の妖精が本当の子供をその場に連れてくる、という伝承もあります)

他にも、暖炉の火で卵の殻を温め、そこでビール醸すふりをすると、「卵の殻でビールを醸すなんて初めて見たぞ!」と叫んで消えてしまう。という伝説もあります。

なぜ卵の殻なんでしょう・・・・・・!?

◆たまごは生命と聖なるものの象徴!◆

西洋において、たまごは生命の源として復活の象徴でもありました。また、古くは春を表わす神聖な食材として、また10世紀ごろには幸運と勝利の象徴として信じられていました。

日本でいう「」のように、邪悪なものをしりぞけるキッカケとして考えられたのかもしれません。

また、日本の民話「さとり」の様に、人外の妖怪も「人間を未知なるもの」として怖がっている、というエピソードもたくさんあります。

ようするにビビっているところに聖なるものを使って想定外のことをされたから、超怖くなって逃げ出した。 ・・・という人間の機転や知恵を表わす象徴として卵のカラが伝承となったのかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:【納涼】たまご・にわとりの怖い伝説 その2 – たまごのソムリエコラム)http://www.cgegg.co.jp/blog/2013/08/post-718.html

(関連:【納涼】たまご・にわとりのちょっと怖い伝説 その1 – たまごのソムリエコラム)http://www.cgegg.co.jp/blog/2013/07/post-650.html

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年06月30日