小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏さんのことわざ第28弾、今回は英語圏から。

<卵の殻で海を渡る> (It’s hard to sail over the sea in an eggshell)

ぜったい不可能なこと」を意味します。そんなムチャな!と言いたい時に使う表現なんですね。

なるほど、確かに。

荒波にたまごの殻を浮かべることを考えると、そりゃ無理だろう。というイメージがすごく浮かびますね。

◆そうは言っても頑丈!たまごの殻◆

ちなみに卵のカラは4層構造から成っていまして、軽くて薄くてすごく強度が強いんです。 わずか0.3mm程度の厚さしかありませんが、なんと!7kgもの耐荷重に耐えることができます。

卵殻のことを英語で「シェル(shell)」と呼びますが、強固な卵が『シェルター』の語源となったという説だってあるんです。

また、たまごの殻は炭酸カルシウムでできていますが、この物質は鉄鉱石から不純物を取り除き、強靭な鉄をつくるために欠かせない素材なんですね。

卵のカラで海を渡るのはムズカシイですが、巨大なタンカーが建造できて大洋を横断できるのも、卵のカラ主成分のおかげ!とも言えるんです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

※関連 『たまご・鶏のことわざ』カテゴリを分けました!

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2015年06月26日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

英国コルチェスターにある小学校で、お弁当箱に入っていたスコッチエッグを教師が没収したとして親が抗議し、ちょっとした話題となっています。

スコッチエッグとは、ゆでたまごをミンチ肉などハンバーグ状の肉で包み揚げたもので、日本でも人気の高い『おかず』。

このスコッチエッグは「スコッチ」の名の通り英国発祥。 じつは英国では『上流階級で人気の「おやつ」』として長く由緒ある歴史を刻んできたメニューなんですね。

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おやつ禁止、は日本の小学校でも常識ルールですが、

 騒動のあったCherry Tree Primary小学校でも、スナック菓子やクッキー・ビスケットなどの砂糖菓子をすべて禁じており、これらも弁当箱から見つかったものは全て没収されているとのことですが、保護者や世間では「まさかスコッチエッグまで…」という反応のようです。

親の抗議に対して、小学校側は、

「『生徒たちの健康と幸福を考える』という政府の指針に則ったもの。 “健康的な弁当箱づくり”という方針自体は保護者の支持を受けているので問題ない。」 として保護者の抗議をしりぞけています。  

 そもそもの問題は、スコッチエッグが「おやつ」なのかという点ではないかと思うのですが……

◆もともとは気軽に食べられる『旅人のスナック』◆

スコッチエッグは280年の歴史がありまして、1738年にロンドンのピカデリーにあった百貨店『フォートナム&メイソン』でメニューに上ったのが初出と言われています。 その後イギリス中に広まり『英国最高の酒のつまみ』とも評される伝統の料理となりました。

その由来は、大英帝国領だったインド料理が元になっているとの説もあり、そもそもの目的は旅人が運びやすい、長持ちして栄養のある「携帯できるスナック」として考案されたと言われています。

うーん、

まさに「お弁当のおかず」向きだと思うのですが、このような伝統から「歩きながら気軽に食べられる」という、例えばフライドポテトみたいな『スナックとおかずの中間』イメージがあるのかもしれません。

日本では「バナナはおやつに入りますか?」という遠足ネタがありますが、英国では「スコッチエッグはおやつに入りますか?」という論議が勃発しそうです^^;

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:Colchester’s Cherry Tree Primary school removed scotch eggs from lunchboxes | Daily Mail Online)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2015年06月23日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

5月27日発行の学術専門誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」で発表された研究によると、サラダはそのまま食べるよりも卵と食べることでビタミン吸収が飛躍的に良くなるそうです。

カロチノイドの豊富な緑黄色野菜、トマト・ニンジン・ほうれん草・レタスのミックス野菜サラダを、
(1)そのまま食べる
(2)たまご料理と一緒に食べる

のそれぞれの食べ方で食事してもらい血液を調べたところ(※)

なんと!

たまごと一緒に食べた場合、野菜に含まれるαカロテン、βカロテン、リコピンなどのカロチノイド栄養素の吸収量が4-5倍になったのだそうです。

つまり、卵と一緒に野菜を食べると、野菜の栄養をより沢山取ることができるんですね。

 

◆脂質の貢献度がすばらしい!
なぜ吸収量が上がるのかと言うと、それは鶏卵中の脂質が貢献しているから

ビタミンAの素になるβカロテンなどのカロテン類栄養素は“脂溶性”といいまして、水には溶けないけれども油には溶けやすい性質を持ちます。

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たまごの黄身に多く含まれる良質の脂質と一緒に食べることで、これら緑黄色野菜に多く含まれる栄養素が血中に吸収されるのを助ける効果があるんですね。

『じゃあ、脂質がある食べ物だったらたまご以外でも良いんじゃないの!?』 と思った方、ある意味ではその通りでもあります。

この研究をしているパーデュー大学のウェインキャンベル教授によると、「たまごほど最適とは言えないけれどもチーズなども有効かも。」と言っています。

ゆで玉子や温泉たまご・ポーチドエッグと共に、チーズをトッピングするのも悪くなさそうです。

ぜひお試しくださいませー♪

(※)味付けとドレッシングかけた状態を模して、実験では少量のキャノーラ油とクコの実を砕いてかけています。

(参照:“Effects of egg consumption on carotenoid absorption from co-consumed, raw vegetables” Am J Clin Nutr May 2015 ajcn111062

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2015年06月19日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先日、名古屋で開催された「国際養豚養鶏総合展」という展示会に行ってきました。これは養鶏、養豚にかかわる施設や器具機械、資材などの最新情報が一堂に会した会なんですね。

最新の情報・トレンドなど、つぎのワクワク企画に活かせそうな沢山の学びとヒントがありました。

ついでに鶏卵関連の書籍もいくつか買い込んできたので、間を見て勉強です^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2015年06月17日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前に、「玉子焼き」と「卵焼き」の違いについてここで書いたのですが、今回は「黄身」と「黄味」について。

ネットやSNSなどでは、どちらの表現も見かけます。正式にはどちらが正しいのでしょうか……?

実は、

「黄身」はいわゆる卵黄のこと

「黄味」は「黄み」、つまり「黄色いもの」の事を表すんですね。「赤み」「青みがかった」などの表現と同じなんです。

なので正確にいうと「黄身」のほうが正しいのですが、「黄味」も「きいろちゃん」みたいなカンジで“俗称”として卵黄をあらわす、親しみある表現のひとつと思ってよさそうです。

ちなみに英語で“黄身”のことを「yolk(ヨーク)」と言います。

これは辞書にも載っている一般的な言葉ですが、

単に「イエロー」と呼んでも卵の黄身を表すんですね。(例:the yellow of an egg)

つまり、「黄“味”」って事ですね!

卵黄は日本語・英語、ともに『きいろ』の代名詞……!

面白いです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:実は違いがわからない食べ物の名称「『卵』と『玉子』」が一位に! – たまごのソムリエコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2015年06月12日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

いよいよ梅雨入りしましたね!

じめじめしていやーなもの、とお考えの方も多いかと思いますが、美味しいお米のためには無くてはならない天の慈雨、なにより田んぼの苗が雨に濡れそぼっているのも風情があってナカナカ良いものです^^

さて、放し飼いのニワトリさんは、当然雨に濡れてしまうのですが、割と平気なんですね。

 

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なぜかというと、羽毛に油を含むため水を弾き、濡れないから。 これは、白鳥やカモなど水鳥とおんなじ特徴です。

ただ、好き嫌いで言うと雨の日はそんなに好きじゃないやつもいるみたいで、雨の日は小屋から出てくるニワトリさんはちょっと少なめです。
平気なヤツも沢山います。
これが、スズメなんかだと、もともと雨をはじくことができませんので、「濡れる=死の危険」ですから、ぜったいに雨宿りします。
ちなみに、濡れても全然ヘイキなのはめんどりさんだけでして、雄鶏は尾羽(飾り羽)が水に濡れてしまいますので、なんというか雨の日はションボリした感じになっちゃいます。(当社でお届けしている放し飼いたまご農場にはオスはいませんが…)
同じ男性(?)として、少し悲哀を感じますね^^;
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。
羽毛に油を含むため水を弾き、雨に濡れないからなんですね。 これは、白鳥やカモなど、水鳥とおんなじ特徴です。
カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2015年06月8日