小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。 今週のジャンプ掲載の「こち亀」で『ピッタリゲーム』という遊びが紹介されていたのですが、その中で「世代別に差があるもの」の代表として「玉子料理」が挙げられていました。

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みてのとおり、30代「目玉焼き」、20代「ふかふかオムレツ」、30代「半熟たまご」となっていました。 実際のところはどうなんでしょう!?

◆たまごの統計調査だと・・・
少し古いデータですが、7県世代別1111人にたまご料理の嗜好性を調査した論文があります。(New Food Indastry2002vol.44)
これによると、「どんな玉子料理が好きですか?」という質問に対して、若い人ほどオムレツを好み全世代平均15%に対して20代では23%、また60代は玉子焼きが大好きで約半数の50%が挙げています。玉子焼き好きは全世代平均でも40%とダントツなので、意外と共通して玉子焼きを挙げるかもしれません。

ただ「よく食べる調理方法」では目玉焼きがトップでしたので、「こち亀」の例と絡めるならば家庭で毎日の料理を食べる事が多い30代は目玉焼き、一人暮らしで外食が多い20代は、コンビニやレストランでメニューに上りやすいオムレツがイメージしやすいかもしれませんね。そういう意味ではイイところを突いていると思います。

私は30代後半なのですが、玉子料理のイメージが「目玉焼き」というのは同意ですねー。(^^) 両親が忙しかったこともあってか、一番食べたのが目玉焼きだったんですね。 世代的にはそういう人が周囲にも多い気がします。

なんにせよ、色んな多様性がある玉子料理、皆さんの身近に感じてもらえる事が、とってもうれしいです。(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2014年04月17日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。いよいよ復活祭(イースター)が近くなってきて、欧米ではイベントへ向けて大賑わいの様です。
さて、このイースターですが、米国でイベントのチラシが学校で配布されたことに対して反対の声が上がっており、動向が注目されています。 これは、イースターの伝統的な催し「エッグハント(卵狩り)」の案内について。 「エッグハント」は日本でいう「節分の豆まき」のようなもので、キレイに色を塗った卵(または卵型のお菓子)を庭に隠し、子供が探し出してカゴに集めるという行事です。近年はビッグイベントとして教会やスタジアムなんかでも催されます。

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伝統的に昔から行われているのですが、これはの持つ「再生と復活」のイメージと「救世主(キリスト)の復活」イメージを重ねていることが起源と言われています。つまり、キリスト教の文化です。

 

◆政教分離の問題
今回の問題としては、ミシガン州で、復活祭の日に行う「エッグハント(卵狩り)」イベントチラシを地元の学校で配ってもらったことが原因なんですね。このことに対し、イスラム教徒の保護者らが「“政教分離”を表した合衆国憲法に違反している。」として訴えを起こしているんです。

以前シカゴ空港だったと思いますが、ロビーをクリスマスツリーで飾りつけしたことに対して、ユダヤ教を信仰する方が訴えをおこし、すべて撤去されてしまった事例もあります。

こういう事例を見ると、多民族国家であること、信仰の自由を順守することのむずかしさを実感しますね。

日本の場合、「官公庁でクリスマス飾りをつけるなんて許せん!」とか「ひな祭りは神道だから町でイベントするなんて言語道断だ!」なんて発想は生まれにくいですよね?

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 日本人は世界と比較するとあまり宗教心が薄いと言われますが、そもそも「行事をあまり宗教ごととして深く考えていない」からのような気がします。 例えば「除夜の鐘」は仏教ですし「初詣で」は神道なのですが、『どちらもワンセット』という実感の人の方が、多いんじゃないでしょうか?
八百万もの神サンがいらっしゃることですし、別にイロイロお祝いしたってイイジャナイ・・・・・・そんなおおらかさがあるのだと思います。 もちろんいまだに年間70万人もの移民を受け入れているアメリカには別の懐の深さ、おおらかさがあるのですが・・・。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2014年04月16日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。3年ぶりの鳥インフルエンザ発生が大きく報道されています。 鳥インフルエンザウイルスって、そもそも何が問題なんでしょうか!?

◆たまごと鶏肉を食べても大丈夫
これはけっこういろんな形で理解していただけるようになったのでありがたいのですが、卵・鶏肉を食べても鳥インフルエンザ はうつりません
140年前、イタリアで初めて鳥インフルエンザが発見されて以降、たまご鶏肉から人体にインフルエンザウイルスが影響した例は「ゼロ」、なんですね。

じゃあ、どうして大丈夫なのかというと、

理由1:ウイルスが違いすぎる
そもそもウイルスってのは、生き物じゃなくて「充電池で動いて増殖するロボット」みたいなものなんです。 パンにでも生える「菌類」と違って、「ウイルス」は生きてる者のエネルギーをもらってでしか増えられないんですね。 僕たちの体にコンセントを指して「充電」して動いてるイメージです。

で、鳥のウイルスは、人間とはコンセントの規格(受容体)が違いすぎて、人間の体内では充電できない(エネルギーを利用できない)んですね。 なので、もし万が一体内に鳥インフルエンザウイルスが入っても、充電エネルギーが切れたらそこでおしまい。ということになります。

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理由2:胃酸で死んじゃう
鳥インフルエンザウイルスは、に弱いんですね。食品と一緒に体内に入っても、胃酸で死んでしまうことが確認されています。(農林水産省・食品安全委員会報告より) 

大まかには、この2つの理由によって、たまごを食べても安全である、という事が断言できます。

加えて、我々のような洗卵機能を持つ選別センターでたまご表面をきれいに洗う事で、次亜塩素酸殺菌水の効果によりインフルエンザウイルスは死滅します。(ちなみにノロウイルスなんかも死滅します)

では、なんでこんなに恐れているのか?というと、ここにブタさんが絡むと話が変わってくるからなんです。

ヒトと鳥では、規格が違いすぎるのでウイルスは体内で増えられないのですが、実はブタさんは、ヒトと鳥さんの「中間の生き物」でございまして、なんと!両方のウイルスのコンセントが刺さっちゃう(受容体規格に合ってしまう)んですね。

そして、両方のウイルスが同時に増殖を開始した場合に、部品が混ざった新型ロボットが・・・・・・じゃなくて新型ウイルスがブタさんの体内で量産されてしまう可能性があるわけです。 これが、ヒトにとって「未知の脅威」となるかもしれないんですね。

◆日本で新型ウイルスが産まれる可能性は低い?
しかし、実際問題として、今、日本で鶏さんと豚さんが、同じ場所で飼育されている所は基本的には存在しません。(ペットなど個人レベルでは不明)

「新型ウイルス出るとするとアジアじゃないか。」なんて言われるのは、豚さんも鶏さんもキジもヘビも「生きたまま」売ってる市場が多数存在するから。いわゆる「リビングマーケット」ってやつですね。 日本では見ないスタイルですが、東南アジア、中国の山間地などでもよく見る光景です。 リスクとしては日本の養鶏業・養豚業の実態と比べると大きく差があると言えるでしょう。

とはいえあくまで確率の問題です。渡り鳥は毎年やってきますし、また人の移動を介して別の農場にうつることも考えられます。“万が一”を防ぐためにも、全力で回避・封じ込めが必要です。また、上記の理由から国際的な協力体制も考えなくてはいけません。

でも、上で述べたように鳥インフルエンザそのものがヒトに対してそこまで怖いわけじゃないんです。 正しい理解で、養鶏業界の対応を応援していただけましたら幸いです。(^^)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2014年04月15日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。今回は、春の時期にピッタリなさわやかなオムレツを紹介します。白身をうまく使っていてヘルシーで、ふわとろの食感がやみつきになります!

【ギリシャ風スフレオムレツ】

<材料 二人分>
エクストラバージンオイル 大さじ1杯半
ほうれん草 150g
黒こしょう 少々
塩 少々
フェタチーズ(カッテージチーズでもOK!) 60g
卵(Lサイズ以上) 3個(※白身と黄身に分けておきます)
卵の白身 2個分
レモンの皮すりおろし 小さじ2杯
ディルを刻んだもの(※なければパセリなどで代用)

黒こしょう 少々
塩 少々
フェタチーズ(カッテージチーズでもOK!)60g
卵(できればLサイズ以上)3個(※白身と黄身に分けておきます)
卵の白身 2個分
レモンの皮すりおろし 小さじ2杯
ディルを刻んだもの(※なければパセリなどで代用)

<作り方>
(1)フライパンに大さじ一杯のオリーブオイルを入れ、塩で味つけしつつホウレン草をしんなりするまで炒めます。火を止めフェタチーズと絡めて皿に取っておきます。
(2)中くらいのボウルに黄身を取り、塩ひとつまみ・コショウ・レモン皮すりおろしを加えて、4分ほどふわっとなるまで混ぜます。
(3)別のボウルに塩ひとつまみと白身を入れハンドミキサーで撹拌します。泡立った白身の1/4を(2)の黄身に加え混ぜます。それから残りの白身をゆっくりとそそいで混ぜ合わせます。
(4)大さじ半分のオリーブオイルをフライパン(テフロン加工の方がやりやすいです)に入れ加熱します。 フライパンに上記の撹拌した卵を注ぎゆっくりと均等に広げます。オーブンからオムレツを出し、へらで真ん中にくぼみを作ります。片方の半分に(1)をスプーンで乗せて、もう片方を折り返してそれを包みます。
(5)更に2、3分焼きます。 真ん中で二つに切って(中身をキレイにみせるため)お皿に乗せ、ディル(又はパセリ)を振り掛けて完成です。

いかがでしたでしょうか?ケーキのふんわりしたスポンジは白身の泡立ちのおかげです。この起泡性をうまく利用した「スフレオムレツ」は、日本でも一般的になりつつあります。ちょっと手間はかかりますが、とっても美味しい食感ですよ。

フェタチーズは山羊の乳からできるチーズで、ギリシャでは一般的です。日本でも買えますが、他のチーズでももちろん代用可です。ちょっとさっぱり目のチーズの方が合います。

ぜひお試しくださいませ(^^)

(参照:Egg whites work magic to make filling omelet for 2 – Worcester Telegram & Gazette)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2014年04月14日

sand_news.jpgこんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
おひとつ760万円(75,000ドル)のたまごサンドって、いったいどんなサンドイッチなんでしょう!?
超豪華なサンドイッチか、何か事情があるかのどっちかです。今回は後者、米国ペンシルバニア州であったサンドイッチ騒動の御紹介を。

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舞台は州議会議事堂の向かいにある、老舗のダイナー(レストラン)。 ある寒い日の朝はやく、一人の男が足早に店に入ってきました。男は急いでいる様子で、いらいらした声で「サンドイッチをくれ!」と注文をしました。

店のキッチンで自分の朝食用に卵を焼いていた店主ハンナ氏は、「急いでいるなら」と、その卵を乗せてサッとサンドイッチを用意します。
が、それを見た男はカンカンに怒り出しました。
なんだその卵は!なんどもひっくり返しやがって焼きすぎだ!私は生が好きなんだ!おまけに注文前から割ってるなんて、置きっぱなしだったんじゃないのか!?そんなモノが喰えるか!!

あまりの失礼な態度に店主ハンナ氏はムッとして、
「気に入らないなら買ってくれなくても結構だよ。」と答えると、
「私をいったい誰だと思っている!?覚悟しておけよ。」
・・・と言って怒りながら店を出ていきました。
なんとこのイライラ男は「州の保健福祉長官」アビラ氏。要するに食の衛生取り締まりをする局のトップ。

これより数週間後、突然ハンナ氏の店は「卵の管理が不衛生である。」という理由で保健調査員からの立ち入り検査を受けます。また、それを理由にさらに州議会議事堂のカフェテリア契約を打ち切られてしまいます。更に立ち退き勧告まで・・・

ここにいたりやっと長官アビラ氏の「不当な権力行使」だと気づいた店主ハンナ氏は、証拠を集め州を訴えました。
州は「不衛生だと匿名の通報があったからだ。」と長官の圧力を否定しましたが、店にいたお客が「俺は保健福祉局長官だぞ!」という恫喝を聞いていること、またアビラ氏から担当部署への指示メールが残っていたことから、もはや言い逃れができない状況となり、結局75,000ドル(763万円)で両者は和解することに・・・・・・。

で、この和解金は当然税金から支払われます。高いサンドイッチ代金を払うのは、ペンシルバニア州の納税者の皆さんなんですねェ。(記事によると、少なくとも42,850個の卵とベーコン・チーズが買える金額だそうです。)

人気老舗レストランとワガママ公務員の争いに市民は怒り心頭で、「イイ大人がたかが卵一個でここまでの事をするなんて、信じられないヤツだ。」と大きな批判となっています。(^^;)

目玉焼きの焼き具合」をネタにしたジョークはたくさんあるのですが、この騒動はチョット笑えないですよねェ。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。
 (参照:A $75,000 egg sandwich paid for by Pa. taxpayers http://www.philly.com/philly/news/politics/20140409_A__75_000_egg_sandwich_paid_for_by_Pa__taxpayers.html)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2014年04月12日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

例の騒動の中、研究関連の方や施設をニュースで拝見することが多くなりました。
実は私は理系出身でして、大学では“高分子物理学”なるものを学び新素材に関する研究をさせてもらっておりました。 日本のトップ研究機関での一連の疑惑、はやく払拭されることを願っております。 さて、本日はSTAP細胞の真偽もビックリなお話を。

もしお知り合いに「大学機関で研究をされている方」がいらっしゃったら、ぜひゾウのたまごって知ってますか?」……と聞いてみてください。

『何それ?ゾウが卵産むわけないジャン。』、と答えるのがふつうのひと。
大学での研究に就いていらっしゃる方ならば、ああ、あれね。お世話になったよ!』・・・・・・なんて風に返してくれるはずです。

ゾウのたまご』、とはいったい何なのか??
コレ実は、助成金をもらうための申請書類フォーマット」の“記入例”なんですね。

大学では国の方針と連携して、様々な研究を行っています。場合によっては研究計画を事前に申請し、必要な資金を助成金として受け取る事があります。通称“科研費”と言われるものです。

が、限られた予算が大切な研究に使われるためにも、詳細な(めんどくさい)書類をたっくさん書かなくちゃいけないわけですね。
そこで、大阪大学の方が書類を電子上で記入できるフォーマットを作られておられ、広く研究者の皆さんは活用されていらっしゃるのですが、その記入例が「ゾウの卵の研究」になっているわけです。

研究目的 → 「本研究の目的は、ゾウの卵を見つけるという子供のころからの夢をかなえる事である。

なんて風に内容はふざけてますが、書面の必要事項は大真面目に書いてあるので、非常に面白いです。なんというか、「もしかして本気で研究しているの・・・?」と思わせるようなマジメ記述になっちゃってます。(そうじゃないと記入例とならないわけですが・・)

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STAP細胞は存在の有無が大議論されていますが、ゾウの卵は完全に空想の世界の産物、 研究者一流の「ジョーク」です。 だからこそ大変な研究(と申請)に対する一服の清涼剤となっているのだと思います。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。(^^)

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2014年04月11日