小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

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こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

カタパルトで卵を射出し、

数十メートル離れた地点で割らずに卵をキャッチする

・・・という「世界たまご投げ選手権」があるのをご存知でしょうか?

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この選手権は、英国のリンカンシャー州Swatonの町で行われている催しです。

なんと!最古の記録では1322年に卵投げが行われており、700年近く前からの歴史ある伝統なんだとか。

かつて、教会の前の川が氾濫した際、渡れずに困った農民達に修道院長が川向こうまで卵を投げて与えたのが、その始まりだそうです。

えー!修道院長、ちょっと乱暴じゃないんでしょうか!?

さて、カタパルトから射出される卵のスピードは時速120マイル(192km)にも達するとの事で、割れないようにキャッチするのは至難の業です。

今年の優勝者は英国のチーム。 57m先でキャッチしたそうですから、メチャクチャすごいですね。(^^;)

他にも、「二人の人間が卵を割らずにどれだけキャッチボールを続けられるか」を競う部門もあったり、とにかく卵キャッチのスペシャリストが集って大盛り上がりの様相です。

日本からもチームで参加しているんですね。 BBCニュースでもインタビューを受けていました(下記リンク)。

個人的には「卵がなんちゅうモッタイナイ(哀)!!」・・・という感覚もあるのですが、ヨーロッパでは古来より「卵をぶつける」という風習がありまして、主に断食の後の謝肉祭(カーニバル)で行われていたそうですので、割れてしまったとしても「神への供物である。」という要素があるのかもしれません。 これもひとつの欧州文化だと理解しています。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

卵投げ選手権の詳しい動画は下記をご参照。

BBC News – Competitors gather for egg throwing championships(http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-derbyshire-23118903)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2013年07月5日

 

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こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

もうすぐ七夕ですね! ウチの洗卵施設のとなりにも竹が生えてまして、スタッフがこの時期になると、枝振りの良いものを切って帰ります。(^^)

お話は昨日の続き、「中国と日本の七夕伝説の違い」です。

中国では、七夕は「女性の仕事のお祭り」でもあります。

なので、料理に関係する赤いたまごの飾りつけをしたり、

刺繍を飾ったりするんですね。

 

皆さんは、七夕の伝説、って

どんなストーリーご存知ですか?

 

「ええと、織姫が機織りして、彦星が牛を飼ってるんだっけ・・・!?」

なんて方のために、すごくおおざっぱに説明すると・・・・・・、

 

「天の神様の娘、織姫が年頃になったので、

天の牛飼い青年の彦星と

お見合いをさせました。

 

二人は一目惚れし、

あっという間にラブラブ新婚生活。

いっつも一緒で仕事はサボりっぱなし

ついにお互いの仕事で

大クレームを引き起こすことに・・・。 

 

激怒した神様が二人を

天の川の両岸へ別居させてしまいました。」

・・・・・・というのが日本の七夕ストーリー。

なるほど。 現代日本の経済事情だと、

むしろ「結婚したなら、もっと共働きで稼がにゃ!」

という方がリアリティあるかもしれませんねぇ(^^;)

 

◆これってアノ伝説じゃないの・・・?
さて、中国の七夕伝説は面白いことに全く違うストーリーなんですね。

天界に7人の天女が住んでいました。

彼女たちの織る天衣は雲のように美しく、

羽織れば飛んで地上と行き来ができるすぐれもの。 

 

ある日、天女が地上に水浴びに行きます。 

その美しさに目を奪われた、

牛飼いの若者(牛郎)が羽衣を盗んでしまいます。 

 

羽衣が無くては帰れない・・・、

泣き伏す天女(織姫)に牛飼は

「一緒に暮らしてくれるなら、

いつか羽衣を返してやるぞ。」

 

・・・・・・???

あれー??

どこかで聞いた事があるお話のような??

これって日本の昔話『羽衣(はごろも)伝説』じゃないのかな・・・??

 

そう。

なんと、羽衣伝説、

中国では「織姫と彦星の物語」なのです。

さてさて・・・・・・、

 

そうして、

泣く泣く牛飼と同棲することになった織姫ですが、

数年の間に二人の子供をもうけます。 

 

が、いつまで経っても

天界に帰ってこない織姫に

天の神(天帝)は大激怒、

 

神兵を送り

強引に織姫を連れ去ってしまいます。 

留守中に妻(?)がいなくなった牛飼は大ショック!・・・・・・。

うーん、これって天帝サンは悪者なんでしょうか!? 

むしろ「拉致被害者の救出」的なカンジもするのですが・・・

 

牛飼いは子供二人を連れ、

神兵を追いかけて天に上ります。

あと少しで織姫の手を掴める!

 

その瞬間、目の前に一本の筋が。

天帝の妹・西王母の力により、

それはあっというまに大きな大河となって

二人を隔ててしまったのでした。

 

「もうダメだ・・・。」 

悲嘆にくれる牛飼に、小さな娘が叫びます。

「お父さん、ひしゃくでちょっとずつでも河の水をすくいとろうよ!」 

 

そう、まだできることはある。 

少しずつひしゃくで水をすくう二人を見て、

天帝は子の愛情、

夫の愛情に心打たれるます。

 

そこで、毎年7月7日の一夜だけ、

夫婦親子が共に過ごせるよう許しをだしたのでした。

 

おしまい。

・・・以上が中国の最も有名な七夕伝説です。

羽衣、いや七夕伝説は心打たれますね。

 

ところで、なぜ牛飼いが主人公なのか!?

 

この伝説では、

牛飼いに「羽衣を盗むのじゃ!

・・と指示を出したのがなんと彼の飼っていた老牛

 

更に、奪われた(奪い返された?)織姫を

取り戻すために天に昇れたのも、老牛の皮のおかげ

 

これまた老牛の指示で、

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「ワシを殺してその皮を纏うといい。

それで天界まで飛べるんじゃ。

今まで大切に育ててくれた恩返しじゃよ。モー。」

 

・・・・・・てなカンジでして、

アンタいったい何者!?といったフィクサーっぷりです。

牛なのに。

 

まるでスターウォーズの老師ヨーダのように、

主人公を助ける物語の大事なキーマンです。

 

このストーリーは

中国では「天河配」という 戯曲、劇としても楽しまれています。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2013年07月4日

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

皆様は、「夏のバレンタイン」というものをご存知でしょうか?

実は七夕のことなんです。

この呼び方が広がったのは、中国から。

もともと中国では、七夕は日本以上に広く普及している行事です。

日本と同じく織姫と彦星が一年に一度出会える日、という恋人伝説もあるため、恋する男女の重要な行事になっているのだとか。(もっとも、中国の七夕旧暦7月7日を祝うので、8月23日ごろですが・・・)

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この「夏のバレンタイン」は日本でも少しずつ普及してきておりまして、洋菓子店さんでも涼しげなフルーツのお菓子と共にさまざまな催しを目にするようになりました。

 

もともと古代中国では、七夕は織女(おりひめ)さんが主役伝説として始まっておりまして、そのため針仕事や機織り・子宝祈願などの風習が多く、「女性主導のイベント」という要素が強いところも「バレンタイン」と似ていますねー。

 

中国南部では、女性が自分の家事の腕前を披露するために、七夕には卵の殻をくりぬいた灯篭を飾ったり、意匠を凝らした刺繍細工を飾っているようです。

さて、この「織姫と彦星」の伝説ですが、中国と日本のストーリーがちょっと違うんですね。これが面白いんです。また後日に紹介します。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます!(^^)

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2013年07月3日

こんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

上の写真は「たまごのカラ」を使った絵の具で描いたものです。 タンパク質膜粒子の影響により、淡い色調のしっとりとした絵柄になるんですねー。 なんというか、日本画っぽいとても侘びのある絵になります。

たまごの殻は多孔質で、ミクロの微細な穴がたくさん開いています。 色素をはじめ「水と油」両方の成分を吸収する珍しい作用があります。 このため化粧品の保湿剤や脱水剤、凝固剤など天然由来原料として様々な用途で使われています。

さて、「タマゴの殻 絵の具」ですが、実はご家庭でも結構カンタンにできてしまいますので、ご紹介します。 用意する道具は、冷蔵庫にあるものと、薬局ですべてそろっちゃいます。(^^)

 

【準備するもの】

・たまごの殻の微粉末  (各色)100g
・水           50g
・色素(お好みの色)    3gずつ
   食紅・藍など天然色素、なければnyubati.jpg
赤色1号
   青色2号
   黄色5号
・乳鉢(※薬局で買えます。アマゾンでも400円くらいからあります)
・ニカワ液(膠液)(※絵を描く時に使います。アマゾンでひとビン400円くらい)

 

【事前準備】 たまご殻 微粉末の作り方

   たまごの殻から、白身のねばねばを水洗いしたあと、日陰で乾かします。 コレを乳鉢で少しずつ粉末にします。 内側の薄皮はそのままでも大丈夫です。

 

【卵殻絵の具作成方法】

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(1)透明のプラスチック容器に、卵の殻微粉末100gを取り、水50gを加えます。(割合は2:1ですので、量はお好みで御調整ください)

(2)食用添加物色素の微粉末を、単独、あるいは混合したもの3g(卵殻粉末100gあたり)加え、全体が均一の色調になるまでよくかき混ぜます。

(3)風通しの良い気温の高い場所で乾かします。全体が固まった状態になります。

(4)もう一度、微粉末に砕きます。 乳鉢があればいいのですが、ご家庭では厚めのビニール袋に入れてビンの底などでトントンたたくだけでもオッケーです。

(5)ご使用の際は、上記(4)を、ニカワ液などで溶いて絵の具にします。
※ニカワ液(膠液)とは、日本画や書道などで使われる薄め液のようなものです。

 

◆身の回りの「再利用」と夏休みの自由研究
たまごはご家庭やレストランで、だいたい300億個程度が食べられています。 ご家庭で卵の殻約25万トンが生ゴミとして廃棄されるわけですね。

身の回りにあるものの有効利用、リサイクルとして、たまごの殻の利用方法を考えてみることは、とっても意義があることだと思います。ぜひ、夏休みの自由研究の課題として、チャレンジしてみてください。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。(^^)

(参考:たまごの殻の利用法・1993年・株式会社日報)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2013年07月2日

HPakusesu.jpgこんにちは!たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

6月のウチのアクセス数が、実はとんでもなく上がっていてビックリしています。

先月は一日当たりの訪問者が一万数千人もいらっしゃってくださり、毎日本当にうれしくワクワクしておりました。

もしかして間違いじゃないのか!?(^^;)

とも心配しましたが、

良いことは素直に感謝する性分、この結果から大いに発奮して、

たまごの美味しさと健康をもっともっとたくさんの方に知っていただけますよう、これからも精進致します。

いつもご覧くださり、本当にありがとうございます!(^^)

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2013年07月1日

こんにちは!たまごのソムリエ、こばやしです。

さて、たまご・鶏のことわざ第13弾、今度は中国です。

<鶏鳴狗盗>(けいめいくとう)

直訳としては、「鶏の鳴きまねをしたり、イヌみたいに物を盗む」となります。

面白いのは、その解釈です。

  1.  小策を弄ろうする人や、くだらない技能をもつ人、つまらないことしかできない人のたとえ。
  2.  つまらないことでも何かの役に立つことがあるたとえ。
                (「新明解四字熟語辞典」(三省堂)より)

……という、ポジティブ・ネガティブ両方の意味があるんですねェ。
なぜでしょう・・・・・・?
コレ、「史記」のエピソードが元になっているんです。
 
◆適材適所の達人!?

斉という国に孟嘗君なる人物がいました。 この方は斉の政治家だったのですが、才能を持つ者を集め、自宅に食客として住まわせていたんですね。 その数、なんと数千人! まァこれだけいると中には「ちょっとモノマネができます。」なんて一発芸レベルの人達もたくさんいて、「なんであんなヤツらまで食わせてやってるのか?」と周囲に不審がられていました。

 

が、孟嘗君が秦の昭王に捕えられちゃったときに、そのピンチを救ったのがこの食客たちだったんですね。 狗(いぬ)みたいな「素早さ名人」が秦の宝物「狐白裘」を取り戻し、王の娘・昭姫にコッソリ献上、その取り成しで釈放してもらいます。 しかしその後追手を差し向けられ、国境の門で追い詰められます。 絶体絶命、そのとき・・・・・・!「鶏の鳴きまね名人」が「コケコッコー!」の名演技、ウッカリ守衛が夜明け前の夜中に国境を開門しちゃったことで、あわやの脱出を図ることができたんですねー。

町の人いわく、「なるほど、人は使いようなんだなぁ。」と孟嘗君の「先見の明」に感心しきりだったそうな。

・・・・・・以上が、「鶏鳴狗盗」の元エピソード。

なので、(1)つまらないことしかできない人のこと   (2)つまらないことでもいつか役に立つ

という二つの意味を持つことになるわけです。

なんにせよ、孟嘗君さんの「人の長所を活かす」という発想は、我々中小企業にとってすごく大切な考え方だと思います。

ところで私は少々整理が苦手でして、「この資料、いつか役に立つかもしれん。」などと思うとなかなか捨てられません。

これって戦国四将の一人と称えられる孟嘗君サンの「いつか役に立つ」思想と共通する・・・・・・・・・と良いなァ。 そう思いながら仕事しています(^^;)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

 

◆おまけ
ちなみにこの孟嘗君さんは5月5日生まれで、中国の占術によると「門戸の高さに成長した頃に親を殺す」凶運を持つ子として生まれました。 日本だったら、「子供の日」なのに・・・!

が、孟嘗君のお父さんはリッパでした。

「そんなもん、ウチの門戸をめっちゃ高くしとけば問題ないだろ」と周囲の意見を取り合わず、孟嘗君を立派に育て上げたのだとか。 こういう柔軟な発想と価値観が後の立派な大人物を創るんですねー。 為になります。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2013年06月29日