小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

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たまご、にわとりサンのことわざ第7弾です。 今回は日本から。

<毛嫌い(けぎらい)>

アイツのことは好かん。 なんて場合に使いますよね。

なんで毛、なんでしょうか?

実はこの「毛」とは、にわとりサン羽毛のコト。

にわとりサンなど鳥が、毛並によって相手をを嫌うようすが語源になっているんです。

徳川家康に仕えた医師に、板坂卜斎という方がいました。 彼が書いた書物の中に、この「毛嫌い」という言葉が出てきます。

「鶏を合せ候に、向鶏を見て一方の鶏退候。 夫を下々にて毛嫌ひと申候」

これは、

『ニワトリを掛け合わせようとしたら、一方が相手をみて逃げてしまった。 雄の毛色が気に入らないのだろうと庶民は言っている。』

…という意味ですが、江戸時代の初めには既にこの言葉があったということですね。

また闘鶏で、相手にナカナカ向かっていかない様子を「毛が嫌いだからだ」としたのが語源とも言われています。

◆毛嫌いをしない自分になるには・・・?

感性論哲学の吉村思風氏は、「対立とは、自分が持っていないものを持っている人間が誰であるかを教えてくれる現象」と言っています。 人間の場合、生まれながらにアイツが嫌い、という事はありません。 全て後天的な問題という事ですね。 自分とは違う人間性や経験を持っているから嫌うわけです。

だから、「アイツから学ぼう。」という気持ち、異なるものに対する好奇心を育んでいくことが、感情的な対立を乗り越え「毛嫌い」する、される人間関係から脱却できるコツの様です。

この境地をめざし、自分も精進!・・・してまいります(^^;)

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2012年10月22日

 

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たまごのソムリエ、こばやしです。 こんにちは!

上の写真はたまご容器5016パック(卵約3万個分)で作った戦車。 毎年ロンドンで開催される「Eggs for Soldiers(兵士のためのタマゴ)」という、戦争で負傷した軍人を支援するための資金集めイベントの一幕です。 このたまごは英国内で年間通して販売されていて、1パック買うごとにに、15ペンスが傷痍軍人支援団体に寄付されます。

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このパック容器は戦車のためにワザワザ着色したわけではなくて、もともとミリタリーっぽいカーキ色のデザインなんですね。 割とカッコよくて、売り場でもけっこう目を惹きそうです。(^^)

以前に紹介した、オーストラリアでも病気の子供救済の寄付つきたまごが売られていますし、主義主張の是非はともかく、美味しさや健康だけじゃない新たな価値を持った商品が売り場に並ぶというのは、悪くないですね。

「日本一儲かる農業」のもくもくファーム、木村社長さんがおっしゃっておられましたが、「モノから価値」への転換を考えた場合、やはり「応援したくなる」というキーワードがとっても大事になってきます。

少なくとも「あそこを応援してやろう!」と思ってもらえない限り、特に私達のような小さな企業はゼッタイに生き残れないワケです。

このニュースのような「軍人支援とたまご」なんて組み合わせは日本でなさそうですが、もっと誰かのためになる、共感を得られる価値ある商品の良いヒントにはなりそうです。

※作ったのは英国の彫刻家スチュアート·マードック氏、戦車は英国陸軍の主力戦車「チャレンジャー2」のレプリカです。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2012年10月20日

 

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たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

ずいぶんと秋っぽい天気になってきましたね!

さて、ノーベル賞受賞で話題の京都大学にて先日開催されました、

「たまご研究会」というシンポジウムに参加してきました。

写真は始まる前の様子。

世の中の困っている人の助けになる、タマゴを使った最新医療研究や、歴史的なたまご料理の変遷、ヨーロッパの最新式農場の様子など、たまご分野の多岐にわたる情報が盛りだくさん、相当勉強になったシンポジウムでした(^^)

もともと私も従事していた分野からの最新研究もあり、出てくるキーワードや実験内容も懐かしく学ばせて頂きました。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2012年10月18日

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たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。

人々を笑わせ、考えさせる研究に贈られるイグノーベル賞受賞の「面白たまご・鶏研究」のご紹介、シリーズその2です。

93年 消費者工学賞 ロン・ポピール氏
「殻の中で卵を混ぜるもの」などの装置によって、産業革命を再定義したことに対して。

このポピールさんという方は、「TVショッピング」を考え出した人なんですね。

万能野菜カッターやポケット釣竿など、様々な便利道具を発明し、自らTVに出て販売し続けた“伝説の実演販売人(ピッチマン)”です。 ron_P.jpg

その番組はパフォーマンスたっぷり、思わず「欲しい!」とみんなに思わせるワクワク魅力に富んだ内容で大きな人気を呼んでいました。 「単に良い商品だからって売れない。」 「良くても伝わらなくては意味がない」と考える彼のスタンスは、とても共感できます。 なにせ自分が「こんなの欲しいな。」と思うモノを自分で商品化して、それをテレビで実演するわけですから、そりゃ熱も入るわけです。 売るもの全て、大変なヒットになったそうです。

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ちなみに「殻の中で卵を混ぜるの(Inside the Shell Egg Scrambler)」とは、上記写真の傾いたピンに卵を刺すと中で回って溶き卵になるという道具で、フライパンの上でパカッと割るとボウルで混ぜることなくスクランブルエッグができるという便利モノ。 19ドル95セントで15万台も売れたそうです。(今でも売っています)

 

◆たのしみながら世の中を変えた、ロン氏の功績
産業革命とは、「農業基盤→工業基盤」へと社会が変化したこと。 機械工業化により沢山の人間が創り出した沢山の製品が広くいきわたるようになったわけです。 そんな世の中から、今度は『自分が欲しい物を考え』→『自ら商品化して』→『TVという媒体を使って自分で売る』 という、『個人』の想いで世の中が動く・・・こういう誰もやっていなかった世の中に変わっていくキッカケを、ロン・ポピールさんは作ったんですね。

この発想は、今ではネット―オークションに通販サイトなど、様々なバリエーションに分かれ、「当たり前」になっています。 これはまさしく「産業革命の再定義」というべき功績ではないでしょうか。

言われるほど便利かどうかは疑問ですが、個人的には非常に欲しい機械です…!(^^;)

※たまごの混ぜ方のコツ、は次回にご紹介します。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2012年10月16日

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たまごのソムリエ、小林ゴールドエッグのこばやしです。 今週は出張続きです。

本日は久々に英語のお話。

ビートを刻む!、というとドラムかなにかのイメージですよね。

もうすぐ学園祭シーズン、バンドデビューだぜ!なんてのは今でもある話なんでしょうか!?

さて、ひさびさのたまごの慣用句シリーズです。

ビート エッグbeat an egg)>(たまごを叩く)

・・・と書いて、たまごをシャカシャカとかき混ぜる事を言います。 後ろに形容詞を付けて「beat an egg thoroughly」(よく混ぜる)という表現になります。

なるほど、イメージ湧きますよね。 いやァ、料理は情熱ですよ!

もちろん欧米だと泡立て器やスプーンフォークを使うのですが、日本だとカンタンな料理の場合は全てハシですからドラムっぽくって、ますますビートを刻んでいるようにも見えますね(^^)

 

◆以外にムズカシイ、たまごのかき混ぜ方
さて、この「たまごを混ぜる」という行為、「ただそれだけジャン。」とあなどるなかれ、意外といろんなテクニックを必要とする技術なんです。

混ぜ方一つとっても、色んな段階があります。

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どこまで混ぜるかで、料理の舌触りや出来上がりが全然変わってきてしまうんですね。

次回は、この「たまごの混ぜ方のコツ」について、お話します。

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2012年10月11日


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たまごのソムリエ、こばやしです。

人々を笑わせ考えさせる研究に贈られる
「イグノーベル賞」で
6年連続日本人が受賞ということが
話題になっていますね。

 

そこで、以前も簡単に紹介した
イグノーベル賞受賞の
「面白鶏・たまご研究」
シリーズでご紹介。

 

<94年 物理学賞 ルイ・ケルヴラン>

鶏卵の殻中のカルシウムは(生体内の)常温核融合過程によってつくられる、という彼の結論に対して。

ナント!
鶏サンは「核融合」で
たまごを作っているんだそうです・・・
こりゃビックリ! (゚□゚*)

 

聞くだけで面白い、
まさにイグノーベル賞にふさわしい
研究ですが、
実は研究者のケルヴランさんは
この研究でノーベル賞候補にも
なっているスゴイ方です。

 

◆生体内で起こる錬金術・・・!?
彼の提唱する
「体内で核融合し、元素が別の物質に変わる」
というこの”生物学的元素転換説“は、

190年前の研究

鶏の卵から生まれたヒヨコに含まれるカルシウムが卵の4倍にも増加している

との報告(W・プロウト 1822年)が
ベースになっています。

 

当時はそのメカニズムは謎とされていましたが、
ケルヴランさんは

酵素やバクテリアが作用して、
物質を別の物質に”転換”している
のではないだろうか。

そう考えて詳細な研究を重ねました。

 

その結果、
体内で起こっている
アミノ酸などの『生体結合反応』が、

pHや温度がある条件になると
原子核レベルでも起こるとの確信を持つに至ったのです。

実例として
マンガン→鉄分へと転換させるバクテリア
驚くべき研究報告も発表しています。

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一般に、
原子核どうしがくっついて
重い原子核に変わる「核融合」は、
大きなエネルギーを生み出します。

太陽だって、「核融合」で燃えてるんですね。

 

ですが、
自然の中ではそのような
エネルギー発生や消費を必要としない融合や転換
常に起こっている・・・。
これが彼の主張です。

 

上記ケルヴランさんの研究は
大論争を巻き起こし、
賛否両論の末「最後の錬金術師」などと
不名誉な(?)あだ名もつけられ、

現在ではほぼ顧みられることも
なくなりつつあります。

 

まァもしこれがホントなら、
鉄から金が生まれる様な
まさに「錬金術」といえるスゴイ発見です。

もしかしたら我々の体の中でも・・・!?

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2012年10月5日