たまごのソムリエ・小林ゴールドエッグのこばやしです。
人々を笑わせ、考えさせる研究に贈られるイグノーベル賞受賞の「面白たまご・鶏研究」のご紹介、シリーズその2です。
<93年 消費者工学賞 ロン・ポピール氏>
『「殻の中で卵を混ぜるもの」などの装置によって、産業革命を再定義したことに対して。』
このポピールさんという方は、「TVショッピング」を考え出した人なんですね。
万能野菜カッターやポケット釣竿など、様々な便利道具を発明し、自らTVに出て販売し続けた“伝説の実演販売人(ピッチマン)”です。
その番組はパフォーマンスたっぷり、思わず「欲しい!」とみんなに思わせるワクワク魅力に富んだ内容で大きな人気を呼んでいました。 「単に良い商品だからって売れない。」 「良くても伝わらなくては意味がない」と考える彼のスタンスは、とても共感できます。 なにせ自分が「こんなの欲しいな。」と思うモノを自分で商品化して、それをテレビで実演するわけですから、そりゃ熱も入るわけです。 売るもの全て、大変なヒットになったそうです。
ちなみに「殻の中で卵を混ぜるもの(Inside the Shell Egg Scrambler)」とは、上記写真の傾いたピンに卵を刺すと中で回って溶き卵になるという道具で、フライパンの上でパカッと割るとボウルで混ぜることなくスクランブルエッグができるという便利モノ。 19ドル95セントで15万台も売れたそうです。(今でも売っています)
◆たのしみながら世の中を変えた、ロン氏の功績
産業革命とは、「農業基盤→工業基盤」へと社会が変化したこと。 機械工業化により沢山の人間が創り出した沢山の製品が広くいきわたるようになったわけです。 そんな世の中から、今度は『自分が欲しい物を考え』→『自ら商品化して』→『TVという媒体を使って自分で売る』 という、『個人』の想いで世の中が動く・・・こういう誰もやっていなかった世の中に変わっていくキッカケを、ロン・ポピールさんは作ったんですね。
この発想は、今ではネット―オークションに通販サイトなど、様々なバリエーションに分かれ、「当たり前」になっています。 これはまさしく「産業革命の再定義」というべき功績ではないでしょうか。
言われるほど便利かどうかは疑問ですが、個人的には非常に欲しい機械です…!(^^;)
※たまごの混ぜ方のコツ、は次回にご紹介します。