小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧


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こんにちは。こばやしです。

卵アレルギーに悩む方に朗報です。

食物アレルギー発症抑制効果=赤ワイン成分、マウス実験で-山梨大研究チーム」(2012/09/05時事通信社)( http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012090500980 )
赤ワインなどに豊富に含まれるポリフェノールの一種「レスベラトロール」が食物アレルギー発症の抑制に効果があることを、山梨大大学院・中尾篤人教授(免疫学)らの研究チームが4日付の米オンライン科学誌「プロスワン」に発表した。

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卵アレルギー体質のマウスにこの「レスベラトロール」を食べさせたところ、卵アレルギー反応が10分の一に軽減されたとの事。

これは朗報ですね!

以前にも当ブログで書いたように、卵アレルギーの原因となるたんぱく質は、強い症状を示すもので鶏卵中の11%、弱い反応を示すものを含めると実に65%も含まれます。 これを除くのは非常に難しいのが現状でした。

マウスに投与した量は、人間に換算すると一日1グラム程度。

とはいえ、卵アレルギー症状が出やすいのは小さい「子供」さん。 まさか赤ワインを飲むわけにはいきませんよね?

今回の研究報告で最もうれしいのは、このポリフェノール成分がすでにサプリメントとして市販されているという事。 老化防止効果や抗酸化作用を見込んで売られているのですが、製薬のように許認可が下りるまで長い事待つ必要もなく、早速買って試してみることができるわけですね。 これはありがたい。

サプリメント換算だと一日約数粒、これなら続けるのも難しくないのではないでしょうか。 ちなみに食物アレルギー全般に効果があるようです。

(関連日記)子供をアレルギーにしない、「お母さん」の食事-たまごのソムリエ日記
(関連日記)アレルギーの人に卵料理を楽しんでもらう三つの秘策:その1- たまごのソムリエ日記
(関連日記)アレルギーの人に卵料理を楽しんでもらう三つの秘策:その2
(関連日記)アレルギーと卵の関係(追記)

 

注※)上記リンク先の時事通信の記事では、「1組にはレスベラトロールを混ぜた餌を、もう1組には通常の餌を35日間にわたり与え続けた。さらに両グループに卵の食物アレルギーを強制的に発症させようとした。」となっており、まるで「大量の卵を食べさせることでマウスにアレルギーを発症させた」という様にも受け取れてしまいます。 読売新聞では「(あらかじめ)卵アレルギーを持つ体質に変化させたマウスを用いた」という表現になっています。(産経新聞の記事は「マウスを使った実験で突き止め・・・」とだけ表記)

実際にはアレルギーモデルマウスという、直接抗体を皮下注射するなど特殊な方法で人為的にアレルギー体質を作り出したマウスで試験をするわけですね。 読売新聞の方が表現としては理解しやすいです。

実際問題として「大量に卵を食べるだけでアレルギーを発症する」ことは無くて、むしろ「経口免疫寛容」といって、「食べる事でアレルギー発症リスクを減らすことができる」との報告も出ています(参照:http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2010/100930/detail.html)

つまり、大量に食べただけで卵アレルギー発症するわけではありませんので、ご安心ください。

ちょっとしたニュアンスの違いですが、読む方の感じ方に大分差ができると思いましたので、あえて書かせて頂きました。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2012年09月8日

しばらくバタバタとしておりまして、ずいぶん更新が開いてしまいました。

さて、しばらく前に仕込んだ「たまごのピクルス」がそろそろ食べごろになったので、出張から帰ってきたら食べてみようと思っています。

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で写真は漬け始めの写真ですが、今は二週間くらい経ってますので、かなりいい色合いになってます。

日本では一般的ではありませんが、西洋では「たまごの漬物」、いわゆる「たまごピクルス」は広く作られています。 ピクルス自体はなんと!4000年前のメソポタミア文明のころから存在するそうですから、貴重なタンパク源のたまごも、もしかしたら相当古くから漬けられていたのかもしれません。

お酢にはそもそも疲労回復効果もあり、サッパリしていて暑い夏のバテ気味な体にはピッタリ!・・・なのですが、ちょっと忙しくて漬け始めが遅く、食べごろが8月の後半になっちゃいました…(–;)

一緒に入っているキュウリは、ウチの専務が畑でつくってくれたもの。 スペースが余ったので入れちゃいました。 写真を見てるとたまごが小さく見えますが、そうじゃなくて・・・

kyuri_201208.jpgキュウリがおっきいんですね!育ちすぎ!
また今度、改めてエントリ上げます。(^^)

さて、明日は愛知中小企業家同友会さんにお邪魔する予定です。

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私達のワクワク取り組みを知っていただけること、そして何より新たな学びがありますこと、とても楽しみです。(^^)


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こんにちは。こばやしです。

更新がまたしばらく空いてしまいました。
さて、
少し前にこんなニュースがありました。

「ニワトリ飼って卵と肉食べろ」 ドーピング検査に怯える中国選手 -産経ニュース_2012.7.13(http://sankei.jp.msn.com/london2012/news/120713/otr12071308260000-n1.htm)
「自分の家でニワトリでも飼って卵と肉を食べろ」。ロンドン五輪出場を予定する中国選手に、コーチからこんな指示が飛んだと報じられて波紋が広がっている。・・・

———————————

中国の食肉市場で流通する肉の一部に、
筋肉増強効果のある「クレンブテロール」など
いくつかの薬物が検出されたとのことで、

選手が市販の肉を食べることで
検査に引っかかってしまわないか
の懸念から、

ロンドン五輪出場の選手に
上記のような指示が飛んだと
報じられています。

 

要は

「自分で飼った鶏以外は
信用するな。」

ということのようです・・・。

 

上記記事によると、
既に五輪候補の水泳選手200名は
5月から肉断ちをしており、
補助食品などで栄養を補っているのだとか。

 

また、このニュースに対し
一般市民から
「食肉の危険性を当局が認めた!」
として波紋が広がり、
これまた大騒ぎになっているとの事・・・

いやはや大変ですね。

 

◆飼料で影響される卵の味

ニワトリさんに関わらず、
食肉やたまご、乳製品の味は
『食べたもの』によって影響されます。

例えばたまごでは、
風味を良くするために、
木酢酸や酵母、
アミノ酸たっぷりの発酵魚粉などを
与えたりします。

また、当社契約の農場では、
天日乾燥した鳴門金時さつまいもなどの
天然飼料も与えます。

 

そして、
飼料が「おいしさ」や「健康」に影響する
ってことは当然、
上記のニュースのように
悪い方にだって影響しちゃう
こともあるんですよね・・・。

 

◆知らずに影響!?の不安

同様の問題は他国でも起こっており、
米国では10年ほど前から
女児の早期成長(主に胸がおっきくなること)が
社会問題となっており、

全乳牛の32パーセントに投与されている
成長ホルモン、rBST(牛ソマトトロピン)の
影響が疑われています。
(※このホルモンはカナダ、EU、もちろん日本でも禁止されています。米国では「加熱すれば分解されるので問題ない」としていますが・・・)

 

生レバー規制直前の駆け込みで
食中毒
になっちゃったオジサンのように
「覚悟の上」で食べるならばともかく、

「知らないうちに」というのは
ちょっとした恐怖ですね。

 

日本でも、かつては輸入肉から
抗生物質などが検出されたことが
社会問題になったこともあります。

※現在はこうした問題を規制する法律として
「食品衛生法」「飼料安全法」
「薬事法(食用動物に対する動物医薬品の使用規制)」で細かな制約が厳しく定められています。

 

なんにせよ、
長いこと食べる毎日のモノだけに、
お客様に安心して頂けることが
本当に大事な事ですよね。

我々自身も更に襟を正して、
正確な情報を学んでいかなくてはいけません。

 

それにしても、
食の国・中国なら

選手の皆さん
トレーニングを兼ねて
ニワトリさんを捕まえて、
難なく自分で「調理」も
やっちゃいそうなイメージがありますね。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2012年07月16日


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こんにちは。こばやしです。

さて、表題の
食指が動く」という慣用句

 

おいしそうなものをみて
食べたくなること

転じて

野心をもつこと

を意味するのですが、

 

この食指って、

どの指が動くの

ご存じですか・・・?

 

 

答えは「人差し指」。

この言葉の由来は、
古く中国にあります。

 

もともと中国では
人差し指は

「食事だけに用いられる指」

だったんです。

ちょっと驚きの逸話がありまして・・・。


◆オソロシイ!食い物の恨み4000年!
2600年ほど昔、
中国の春秋時代。

「鄭」という国の君主、
霊公さんが

宰相である家臣の子公さんを
食事に招きました。

 

王宮へ向かう道中、
子公さんの人差し指が突然

「ピクピク・・・!」
と動きます。 

 

同じく招かれていた
同僚の子家さんに、

「ホラ、これ見てくれよ。
こんな風に指が動くときは、
ゼッタイ美味いゴチソウに
ありつけるんだぜ!
今日も期待できそうだ。」

nabe_shokushi2.jpg

・・・はたして王宮へ着くと、
でっっかいスッポンを
捌いている真っ最中。 

実はコレ隣国の
「楚」の王様からの贈り物。 

それだけにメッタに食べれない
立派なスッポンで、
見るからに美味しそう・・・!

 

「ホラ!な!、
言った通りだろ!?
フフン。」

と、得意満面の子公さん。 

 

そこへ本日ホストの
霊公さん(王さま)が登場、

「ナニナニ、なんの話を
しとるんじゃ・・・?」

 

子家(同僚)
「いや、さっき子公さんがズバリ
“ステキなご馳走が出る事”を
当てたんですよ。」

 

王さま
「フーン。」
( ビックリさせようと思ったのに面白くないな。
ちょっとイタズラしてやるか。)

 

てなわけで霊公さま、
なんと!

子公さんにだけ
スッポン料理を出さずに
知らんぷりしちゃった
んですね。

 

(これで”食指の予言”は
外れたことになるだろう。
フフフ。)

 

サア、これに怒った子公さん、

いきなりスッポン鍋の中に
人差し指を突っ込んで

ペロッ!と味見したあと
サッサと帰ってしまいました。

 

nabeshokushi.jpg

怒りはごもっとも、
でもちょっとマナー悪いですねェ・・・。

 

これに、今度は
王さま(霊公)が怒り心頭、

「無礼な!
あんなヤツは
殺してしまえ!!!」

・・・・・・・・・

 

が、しょーもないイタズラで
喰いっぱぐれた子公さんだって
相当怒っておりまして、

 

逆にこの恨みをもとに
挙兵し、

ついに霊公
討ち取ってしまいました。


げに恐ろしきはスッポンの・・・
食い物の恨みですね。

それにしても
一国を預かる王様と宰相が、

「ホーラぼくの予言当たった!」

「あたってないもーん!」

「じゃあ、たべさしてあーげない!」

「勝手にたーべた!」

 

・・・・・・って
小学生かよアンタら
とも思います。

そんであげくに殺し合いとは
なかなかの状況です。

ちなみにスッポンには
イライラを防ぐ鉄分や亜鉛、
カルシウムがたっぷり

もしチョットでも
分け合ってれば
殺し合いはなかったかも!!??

皆さんも、食べ物の恨みには気を付けましょう!

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2012年06月26日


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こんにちは!こばやしです。

本日は卵アレルギーと妊娠中の食事について書きます。

昨年、こんな記事がありました。

低出生体重児:「小さく産んで…」に警鐘 やせ願望影響で増加 生活習慣病の誘因に – 毎日jp(毎日新聞)http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20110107ddm013100107000c.html

おなかの中で赤ちゃんが低栄養状態にさらされると、適応するために遺伝子の機能を調節する仕組みに変化が生じるのではないか?、と言われています。 
言うまでもないことですが、「妊娠中のお母さんの栄養環境」は生まれてくる赤ちゃんにとって非常に重要です。 たとえば卵のアレルギー・・・。

 

◆たまごを食べると赤ちゃんのアレルギー体質が変わる・・!?tamagokakegohann_shouyu.jpg
さて、本題です。 国立成育医療センター研究所(東京都世田谷区)が6年前、広島市内の公立小学校2年生全員の保護者約一万人を対象に、「子供のアレルギーと、お母さんの食事の関係」について調査をしました。

その結果、驚くべきことが判明しました。

妊娠中や授乳中の母親が卵をたくさん食べるほど、お子さんの卵アレルギー発症が少なくなる。」 牛乳も同じ結果に。 お母さんが牛乳をたくさん飲むほど、生まれてくる子供は乳アレルギーになりにくくなっていました・・・・・・。

(まったく摂らないお母さんを1として0.3から0.2、つまり最高で発症率が5倍もの差がでていました!)

また、「肉だけ良く食べる親」よりも、「肉や魚を一緒に食べる親」群の方が、お子さんのアレルギー発症率が低いこともわかりました。

これはどういう事でしょうか・・・?

 

◆外的要因で変わるアレルギー体質
アレルギー体質は本来遺伝的要因が強いのですが、外的要因によっても少なからず影響するといわれています。(花粉症などが良い例です)

妊婦さんが・・・・・・
    卵を多く食べる → 子供の卵アレルギー減少(牛乳アレルギーに影響無し)
    牛乳を多くとる → 子供の牛乳アレルギー減少(卵アレルギーに影響無し)

なので、明らかに食べるものそれぞれによって影響が出るようでomuretu_20nenmae_pic.jpgす。

じゃあいったいナンでこんなことになるのか??ということなのですが、実はまだよく判っていません。(^^;) ただ、仮説として、

人間の体には、経口免疫寛容というメカニズムがあり、毎日食べているものを体が受け入れて反応しなくなる仕組みがあります。 例えば日本人に米アレルギーの人が少ないのもその一因かもしれません。 科学的根拠なしに特定の制限をするのではなく、たまごも含めてバランスの良い食事を心がけることがお子さんのアレルギー傾向に影響するのではないか?ということは言えるようです。

 

◆エッ!実は逆効果も!? 根拠ない食事制限の罠
実際、上記アンケート調査によると、妊婦さんの4人に1人は何らかの食事制限をしており、やめている食品で一番多いのはインスタント食品次に、その理由の第一位は「家族や友人に勧められて」でした。

良かれと思って逆効果になっているケースも沢山あるということですね。

現在、乳児期の子供約一割が、卵アレルギーまたは牛乳アレルギーを発症します。

食育だけでなく、遺伝子工学・薬学の面からも様々な研究がなされ、アレルギーのお子さんの苦しみを少しでも和らげようと、たくさんの方が頑張っておられます。 今後もいろんな成果や情報が出てくると思いますが、せめてプロのお医者さんやきちんとした書籍に基づく健康づくりに取り組んでいくことが、これからこの世に生まれて来てくれるお子さん、またお母さんのおっぱいを元気の源として育っていくお子さんには必要なのではないでしょうか。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。(^^)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2012年06月22日


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配達スタッフみんなで、台風襲来に備えてあわただしく準備しています。
今回の台風4号は、「Guchol(グチョル)」と愛称が付いていますね。これは「ウコン」、ターメリックの事。

これ昔は「ジェーン」みたいに女性名でしたよね? 実はアジア諸国14カ国で結成される「台風委員会」なる組織が、アジア地域で発生した台風に限り、持ち回りで命名しているのだそうです。 今回のグチョル(うこん)」の命名はミクロネシア。 日本は過去に「ヤギ」とか「トカゲ」とか「ウサギ」なんかを付けてますね。 なぜトカゲ・・・???(^^;)

さて、このウコン、広くアジアでは用いられており、健康的な効能だけでなく、時には料理への美味しい色付けにも用いられています。

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効能としては、抗酸化作用や抗腫瘍作用を持つクルクミン、胆汁胃液の分泌促進作用を持つシネオール、コレステロールを溶かし高脂血症を減らすクルクメンなどを含みます。

もちろん人間だけじゃなく、ニワトリさんにも健康上の効果がありますので、元気で良いたまごをつくるために酵母や乳酸菌、木酢酸などとともに飼料に配合したりします。

しかし、こんな強烈な台風の名前が体に良いウコンだなんて・・・
暑いビールの美味しい時期になるからって飲みに出かけてばっかじゃイカンよ!というメッセージでしょうか!?

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2012年06月19日