小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

 

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こんにちは。こばやしです。

つい先日の米国ニュースに、  『FTCと和解:フェイスブック、顔(フェイス)に卵を乗せるFTC Settlement: Facebook has Egg on its Face11/30 Bright Side of News

という見出しがありました。

顔に卵を乗せる・・・???

いったいどういう意味なのでしょうか。

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というわけで、たまごのことわざシリーズ第4弾です。

「have egg on face(たまごを顔に乗せる)」

と書いて、「大恥をかく」という意味になります(参照)。 日本語で言うならば、「顔から火がでる」といったニュアンスでしょうか?? 他にも「面目を失う」という、社会的地位を落とすイメージもあります。

冒頭の記事見出しは、日本の記事では 『フェイスブック、プライバシー問題でFTC(米連邦取引委員会)と和解』(11/30)、となっています。  “個人情報の取り扱いトラブルでフェイスブック側が企業信用を落としている・・・” という内容なのですが、それにしても日本語だとずいぶんカタいタイトルになっちゃうんですねー。(^^;)

ちなみに先週だけでも、米国オンラインニュースには他に2件の「顔タマゴ乗せ記事」がありました。

ヤフーは結局、買収側の顔に卵を乗せるのだろうか?』(11/28)  “Will Yahoo turn out to be an egg on its buyer’s face?

バッファロービルズのジョンソン、顔に卵を乗せる』 (11/30)  “Bills’ Johnson has egg on his faceegg_face_yah.jpg

これは「米Yahooは買収先に恥をかかせるのでは?」という憶測記事と、「バッファロー・ビルズ(アメフト)の選手スティーブ・ジョンソンが不謹慎パフォーマンスで処分された。」という記事内容。

毎週毎週、いろんな有名人や企業が「顔に卵を乗せ」続けているわけです。

想像すると、ちょっと面白いですね。

もっとも、冒頭の写真を見る限り、たしかにコレは恥ずかしいかもしれません・・・。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2011年12月6日

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なぜ、「たまごは産みたて」が良いんでしょうか? 本当にそうでしょうか?

新鮮なほど、より安心なのはモチロンです。

では、「おいしさ」についてはどうでしょう?

本日は「味」の観点から、「たまごの鮮度」についてお話します。
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■料理によって、たまごの食べごろが違う ———–
じつはたまごは、料理によって、産みたてをすぐ使った方が良い場合とそうでない場合があります。 熟成することでおいしくなる「素麺」や「牛肉」のように、メニューによっては卵も「すぐ食べない」方が美味しくなる場合があるんですね。

じっさい、中部大学の研究によると、玉子焼きの断面を電子顕微鏡にて観察した結果、「張り」のある鮮度の高い卵を使うと組織が固くなってしまい、食感が悪くなる事が判っています。 他の料理はどうでしょう?鮮度とおいしさの関係を、いくつかご紹介。

 

■料理別、たまごのオススメ鮮度 ———-

yudetamago_sub_image1231155285956479.jpgゆでたまご ・・・・ 【常温3日後】 産卵後すぐのものは、炭酸ガスの影響で美味しく食べることができません。 キレイに剥くことができず、そしてややえぐみが残るなど風味食感も落ちます。 産卵後、常温で3日待つ。 これが食べ頃のようです。(参照)——

 

目玉焼き ・・・・ 【早いほど◎】 均一に熱を通すには、たまごの「立体構造」が重要になります。 特に日本人大好きなサニーサイドアップ(片面焼き)なら、黄身が「球状」に近く白身に「張りと厚み」がある方が、熱が均等に伝わりトロっと半熟などの「お好み食感」が作りやすいです。 すなわち新鮮なほどグッド!(参照)——

 

たまごかけご飯 ・・・・ 【早いほど◎】 やはりこちらも新鮮なほどおいしいです。 ご飯と合う「しっかり食感」も大事ですが、それ以上に香りです。 「生食」の場合は特に香りが繊細で、たとえば冷蔵庫の中の臭いだって強く影響します。 匂い移りしないうちの早めに食べてしまうことが重要です。(おいしい卵かけご飯の為には、保存方法にもコツがあるので今度ご紹介します)(参照)——

 

厚焼き玉子(だしまき玉子) ・・・・ 【産卵後2日以上】 上記の中部大学応用生物学部 小川教授の研究によると、濃厚卵白がしっかりしすぎている場合、できあがりの玉子焼きの食感が硬くなってしまい、味の評価が下がることが判っています。 産卵後、少し日数 が経ったほうが (研究報告では産卵後2日以上)、ふんわりおいしい玉子焼きができるようです。——

 

いかがでしたでしょうか? 代表的な料理だけ載せましたが、他のたまご料理にもすべてたまごの適正時期があります。

ワインの飲みごろのように、卵にも最高の「食べごろ」があるんです!
「おいしいたまご」とは、「料理になった時にいちばん美味しくなるたまご」のこと。
保存も含めて、ぜひ最高のたまご料理をぜひたのしんでくださいませ!

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2011年11月30日

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こんにちは。こばやしです。

先日の朝刊に噺家の立川談志さんがお亡くなりになったとのニュースがあり、びっくりしました。
破天荒な生き方含め、大好きな方だったのでとても残念です。

しかしまァ、お弟子さん・元弟子さんには一切お知らせしなかったそうで、したがってニュース報道後なのに、
   俺が死んだってデマ流してみろ。」ってことをやるから、今はコメントなし!(元弟子の雷門獅篭(しかご)さん)
   『ガセが出回って迷惑してます。 →知らないのはキウイ師匠だけですよ」なんて記者さんに言われると、なんだかそんな気持ちになってきてしまう。まさに粗忽長屋(※)だ。(弟子の立川キウイさん)
 などとその死を疑われるところなんて、実に談志さんらしい逝きかたですね。ochazuke.jpg

 沢山の方を笑いで元気にし、また「日本人は富士山と桜と米の飯。」と米作りや日本の食文化を守ること関しても大いに貢献された立川談志師匠。 私もそのホンの一部の力ではありますが「おいしさづくり」を通して、元気と日本の素晴らしさを、少しでも多くの方にお伝えしてまいります。

謹んで御冥福をお祈りいたします。


(※
)「粗忽長屋(そこつながや)」・・・古典落語の一つで、浅草観音詣でに行った「うっかり屋」の八っぁんが、生き倒れの死体を見て「親友の熊公」だと勘違い、なんと本人に「オマエ、そこの通りで死んでたぞ!」と遺体を引き取らせようとするオハナシ。 早とちりの八っぁんと、だんだん「オレッってやっぱり死んじゃったのかなァ・・?」とそんな気になってくる熊さんとの掛け合いが面白い、抱腹絶倒の内容です。 談志師匠もレパートリーに入れられてました。

(補足):冒頭の写真は、「風とマンダラ」(講談社)という漫画で、噺家兼漫画家でもある上記の雷門獅篭さん(旧名 立川志加吾(しかご)さん)が、談志師匠と弟子の日常を綴った名作です。面白いです。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2011年11月25日

 

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こんにちは。こばやしです。

少し話題になっていました、

ダイバーさんが水深約32mの海中でたまごを割ってみた映像です↓

海塩水中、水圧下でいったいどうなるのでしょうか。

 

「あ。」

映像見て思わず声を出してしまいましたよ。 そりゃこうなりますよね(^^;)

 

◆ゆでないゆでたまご
 ちなみに高圧下では、常温でもゆでたまごができます。 加圧によりたんぱく変性がおこりますので、非加熱でちゃんと固ゆでになるんですね。 硫黄臭がなく、生卵の風味を保ったままで、なかなか面白い味になるそうです。 もっとも、特殊な装置を使い7000気圧をかけないとゆでたまごにはならないらしいですが・・・(1000気圧で水深1万メートル相当)

動画参照:らばQ

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2011年11月17日

 

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  こんにちは!こばやしです。

  先月末のニュースで、「世界の総人口がで70億人を突破した」とありました。 40年後は93億人を超えると予想されています。 食糧問題も、深刻になってきますね。

  さて、それではニワトリさん。 
世界中で、いったい何羽飼育されているか、ご存知ですか?

答えは、110億羽。
なかなかすごい数です。 牛は13億頭、豚は9億頭くらいですから、実に10倍くらいいるわけです。
牛や豚、ヒツジとちがい、これだけの数が飼育されるにいたったのは、ある「理由」があります。

なぜだと思いますか?

 

◆あらゆる地域で飼われるそのヒミツとは!?
    それは、鶏が宗教レスであること。

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  世界的に見てニワトリさんは、宗教の戒律による規制が極めて少ない動物なんですね。

  鶏さんが現在のような形式で大量飼育されるようになったのは1800年代に入ってから。 牛さんや豚さんと異なり比較的新しい“経済動物”なので、宗教ができた時代には問題とされるほどの数がいなかったんですね。 食に厳しい制限のあるイスラム教ユダヤ教だって、たまごと鶏肉はオッケーです()。

   くわえて、 『豚などと比べて寄生虫による被害が無く、戒律によって制限する必要が少ない動物であったこと』も広まった一因と言われています。 
以前の日記で、「将来火星基地では絶対にニワトリが飼われる!」という事を書きました。 宗教の壁を超え、いっしょに楽しめる「ボーダーレス食」は、増加し続ける人口を支えるための重要なテーマです。

国際化が進んだ地域なら、お店のメニューだって「どの国の誰が食べられるのか?」を考えた食材組みが、売上のカギにもなるのではないでしょうか。

世界中で愛されるニワトリさん。

これからもその数は増え続けていくことでしょう。

(※)宗派によっても多少異なります。 菜食が基本のヒンドゥー教でも、ゆるめの宗派ならたまごOKだったりします。

(関連:火星でたまごかけごはんを食べる!?-たまごのソムリエ日記

 

(関連):世界総人口、今世紀末には100億人に 国連白書 国際ニュース  AFPBB News

(参照):「ニワトリ 愛を独り占めにした鳥(光文社新書)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2011年11月16日