小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

本日は
ワールド・エッグデイ、
世界たまごの日です。

International Egg Commission (国際鶏卵委員会)が設定した日で、

毎年10月第二週の金曜日なんですね。

 

毎年テーマがありまして、今年は

「マイティエッグ:天然栄養たっぷり」

天然栄養たっぷり、って
ちょっとヘンなワードですが、
これは主催している世界卵機構(WEO)
サイト
の日本語訳がちょっとおかしいせい。

 

英語では「Packed with Natural Nutrition」

なので『自然の栄養つまってます
くらいのニュアンスですね。

 

◆各国でイベントが開かれる

たとえばカナダでは
業界団体エッグファーマーズカナダが
養鶏業さんのPVを作り
全国の図書館やSNSで大々的にPR、

「卵農場さんに手紙を送ろう」
「メッセージを送ろう」

キャンペーンを実施しします。
うーん、ステキですね!

また、
ニュージーランドでは
卵一年分』があたるキャンペーンをやったり

フランスでは爵位を持つ有名シェフ
オリヴィエ・シャピュットさんが当日、
数百人規模のワークショップで子供たちに
卵と栄養についての料理プログラムを開くんだそう。

おもしろいのがインドで、

インドの黄身にあたる中央部
マハーラーシュトラ州ナーグプル市で

ナーグプル獣医大学の家禽科学科が中心となり
中央インドの有名シェフ、ヴィシュヌ・マノハル氏とともに

巨大エッグブルジで
ギネス記録を目指す予定。

なんと5000人で
5001個の卵をつかうのだとか。

すごいですね!

エッグブルジ
インドで定番の玉子炒め料理
屋台でも広く食べられます。

スパイシーで
玉ねぎとトマトがたまごと
すご~く合うんです。美味しいんですよ。

5千人分いっぺん、ってどれくらい
でっかいんでしょうね!?

ワクワクします。

シェフの
ヴィシュヌ・マノハールさんいわく

「エッグブルジはあらゆる年齢の人が手軽に食べられる料理で、おいしさと栄養を兼ね備えています。このイベントは沢山の人たちの食品科学と栄養への理解を深めるのに役立ちます!」

なんておっしゃってます。

たしかに!
めっちゃ話題になりそうですし、
ことしの世界卵の日テーマの『栄養』に
合致して理解してもらえそうです。

 

◆日本では・・・

じゃあ我が国では何を・・・?
ということなんですが、

アメリカ家禽鶏卵輸出協会さんが
SNSでPRされてますね。

ワールドエッグデイのサイトでは、
自分で卵の物語が作れるキットや、
絵探しゲームがダウンロードできるんですが、
そちらをインスタで紹介しています。

ちなみに上の「自分で書く絵本」に
出ている卵キャラは、

「世界卵の日・公式キャラクター」のメグちゃん。

あまりにシンプルすぎて
権利関係など心配になりますが、
なかなかカワイイんじゃないでしょうか?

 

※ちなみに子供向けのあそびは
こちらからダウンロードできます。

子供向けアクティビティパック – 世界卵機構

 

 

以前も書いたのですが、
この世界たまごの日(ワールドエッグデイ)、
日本ではぜんっぜん浸透していません

「世界卵の日」でニュース検索してみても、
今年のイベントどころか
過去の記事もまったくナシ。

「ワールドエッグデイ」でニュース検索すると
たったの2件、しかも6年前の記事というしまつ・・・

 

これって、日本では
ほかの卵記念日がいくつも近くあるせい
でもあるんですね。

 

たまごかけごはんの日(10月30日)とか
いいたまごの日(11月05日)あたりが

たった数週間あと、しかも
業界のイベントが多い記念日に
日本ではなってるんです。

 

◆世界のワクワクをたのしもう!

まぁ、それはそれでしょうがないので、
海外の面白イベントを見てワクワクする日
そのうち一緒に、みたいなノリでいければですね~。

あと、めずらしい海外の卵料理を
子供とつくってみる日、とか。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

 

(参照:Nagpur Achieves World Record With 5001 Egg Bhurji | नागपुर ने 5001 अंडा भुर्जी बनाकर विश्व रिकॉर्ड बनाया)

(参照:World Egg Day fast approaching | WATTPoultry.com)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2025年10月10日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

二台目・サブ冷凍庫が数年前より人気なんだそうですね。

コロナの前後で販売数が倍増しているそうで
冷凍食品の充実や、時短ニーズ
あと、ふるさと納税の普及も
背景にあるようです。

なるほど!

ドカっと届きますもんね。

 

我が家にも冷凍庫が別にありますが、
たしかに重宝しています。

料理の試験で細かな食材を
ストックしておけますし、
小分けしておいて忙しいときの
最適です。

 

そんな中、
今年は鶏卵が高騰していることもあって

「卵って冷凍保存できないの?」

というご質問を時々いただくようになりました。

 

実際どうなのかというと・・・

殻付きのままだとムリです。

でもひと工夫すると、
冷凍できます。

 

◆冷凍変性してしまう黄身

実はたまごは、

白身は冷凍できる
黄身は冷凍すると品質が変わる

という特性があります。

冷凍→解凍すると、
白身は元通りに戻りますが
白身はねっとりとしたカマンベールみたいな食感になっちゃうのです。

上の写真のように、
黄身がコロンとなるくらい
しっかりねっとりしちゃいますので、

黄身が混ざらない・・・!

 

なので通常のメニュー、
ケーキや玉子焼きにこの
冷凍解凍したたまごを使うのは、
ちょっとむずかしいんですね。

(後述しますが、この特性をうまく活かす料理もあります。)

 

◆かくはんした液卵ならOK

ですが、
中身だけを取り出して一工夫すると、
冷凍しても品質を保てます。

たまごって、
白身と黄身がキレイに混ざった状態だと
冷凍解凍しても比較的品質はそのままに
保たれるんです。

 

<卵の冷凍方法>

卵を割って・・・

かくはんして
ざるで濾します。

それを
袋に入れるなどして凍らせると…
解凍しても同様の品質で使えるんです。

※「白身だけ」でも
同じようにそのまま冷凍可能です。

◆ただし〇〇はできない

便利に使えますが、
じつは2つほど制約があります。

・できるだけ加熱して使う

・解凍したらサッと使い切る

黄身と白身が混ざった状態は、菌に対して弱くなります。
保存できる期間も短くなりますので、
解凍したらすみやかに使っちゃってください。

半分使う、とかはNGです。

 

◆凍った黄身を差別化メニューに!

そして・・・
差別化メニューにすることもできます。

上の写真は、
凍った黄身の食感を活かしつつ
和風の味付けをした「凍りたまご」です。

熱をかけずにたんぱく変性していますので、
生卵の風味が残ったまま調理食感になります。

トロっとして濃厚で
めっちゃおいしい!

居酒屋さん飲食店さんのサイドメニューに
めっちゃオススメです。


まとめますと、

ご家庭や飲食店さんで
卵を冷凍するなら3つの方法

①しっかり混ぜて冷凍

②白身だけを冷凍

③変わった食感のメニューにする

 

ただし・・コスト削減として見るなら、
電気代コストも考えないといけないですね。

まとめて作って置ける手間の効率化、
みたいなメリットが主になるかと思います。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2025年10月8日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ93弾はスペインから。

<卵と栗みたいに似ている

(Parecerse como un huevo a una castaña)

 

『ぜんぜん似ていない』の意味です。

日本でいう『月とすっぽん』ですね。

 

スペインでは共通イメージとして卵と栗
「この2つがまったく違う代表格」
という感覚があるみたい。

たとえば下のポスターは
スペイン2013年「国際偽造防止デー」のもの。

「卵と栗ってどのへんが似てます?」

「騙されないように」

「国際偽造防止デー2023」

だけ書かれています。

 

スペインで育った人なら、

「偽物って見た目は近くても
ぜんぜんチガウよな!」

「なるほど、
ニセモノ品のパッと見に
だまされちゃいかん。」

というのがこの写真だけで
すぐ理解できるわけです。

 

月とすっぽんも、そもそもは
どちらも同じように丸っこいのに
かたや上空で輝き、
かたや泥濘の中、
似ていてもぜんぜん違うよね~

というイメージから
このことわざになっています。

 

<栗と卵のように似ている>
ハッキリした由来はないみたいですが

栗とたまごの
手にした時のすべすべ感や
まるっこいイメージの近さ

なのに中身の違いから
このことわざになったんでしょうね。

もっとも、日本人からすると
「どちらも食材」
「どっちも美味しい」
みたいな感覚が邪魔して、

「両極端のちがうもの」

みたいなイメージって
ちょっと持ちにくい気がしますね。

ちなみに「月とすっぽん」のように
上下の差」みたいなニュアンスはなく、
対等に違う、という感覚だそう。

 

◆「栗」の名前の鶏卵がある

余談ですが、
欧州には『』の名を冠したがあります。

フランス産のマロン種という鶏で、

体は黒っぽい羽で顔が赤い、
食肉と卵の兼用種。

栗そっくりな赤っぽい殻や羽の模様からその名が付いたとか。

『マロン(栗)たまご』の名で
スーパーで売られていたりします。

 

スペインの方々は、
これを聞いてどんな風に思うんでしょうね!?

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2025年10月6日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

大阪万博あと一週間とちょっとで終了ですね。

行った際に
とにかく圧倒されたのが

建物デザインの素敵さ。

自国の伝統を取り入れたり
アメリカ館や韓国館のように
最新の壁面ディスプレイで魅せたり
日本館のようにリサイクル可能な
形式で表現したり・・・

いろんな意図があって
見ているだけで楽しくなります。

 

その反面、
面白い違和感だなぁ、と思ったのが

文字フォントのシンプルさ!

これだけ素敵な建物なら、
もっとおしゃれな文字の方が
にあいそうなのに・・!

飲食店さん洋菓子店さんだと、
お店のイメージに合わせた
文字デザインにされますよね。

そんな日常とのちがいを
万博に感じる部分です。

 

つまり、各国パビリオンで

その国の人が読みやすいと思った文体

かつ、いろんな人が読めるように配慮

しているからなんだなぁ、と気づきがありました。

 

◆フォントで変わる印象

たとえば僕たちは

究極のたまごかけごはん
専用たまご

という商品をお出ししていますが、

ためしにフォントを変えて
並べるとこんな感じです。

ずいぶん印象変わりますよね~。

書体の工夫って、商品の良さを感じてもらう『こだわり』なんですが、これ場合によってマイナスになることもあるんです。

 

◆海外の人には読みにくくなる・・!?

万博の“案内文字”
モリサワの「UD新ゴ」というフォント。

なんと2千もの書体から厳選された
ユニバーサルデザインフォント
読みやすさ最高峰」の文字なんだそう。

 

すごい・・!

 

日本在住の外国人さんから
お聞きしたことがありますが、

かなり長く日本語を学んで
こられた方でも、
ひらがな漢字って

ちょっと崩した字だと
とたんに『読めない』

ことがよくあるんだそう。

たとえば
下の「たまご」文字は
有名な毛筆フォント
(勘亭流・衡山毛筆)ですが、
慣れない海外の方にとっては
ぜ~んぜん違う文字に見えるんです。

たしかにそうかも・・・。

 

僕たちだって、下の写真のように
アルファベットならまだ
書体が変わってもなんとか読めそうですが、

アラビア文字とか
ハングル文字とか
タイ文字とかになると、

それを覚えるのにやっとで
もしフォントが違う

「別の文字かも!?」

なんてなってしまいそうです。

日本語が読める
海外の人からすると

大阪万博でおしゃれ文字を使っていた
パナソニック館「ノモの国」のほうが
他のパビリオンより
読みにくくて不評なのかもしれません。

 

◆インバウンドでも注意が必要!?

アップル社ワイヤレスイヤホン「AirPods」
今度のバージョンは同時通訳機能が付くそうで
だんだんと言葉の壁が無くなりつつあります。

 

すると文字の方も、
海外の方が多く訪れる場所のお店では
できるだけ多くの方に、アプリも含め
読みやすい書体』が必要になってくるかも。

もちろんインバウンド対応の外国語メニューも
ご用意されていらっしゃるでしょうけども、

看板など屋外で目を惹く文字も、一部で良いので
「ユニバーサルに読みやすい」「読み取りやすい」
が観光地のお店では必要になるかもですね。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

 

※それにしてもステキな建物の数々と大屋根リング、壊しちゃうのもったいないですね。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2025年10月4日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

少し下ネタが入ります。

僕が若いころ、お酒の席で

「『フロントホックブラ』って何か知ってる?」

というひっかけ(?)クイズ遊びがありました。

問いかけるのは男性に、です。

 

「ええと、こうやって前になっているホックを外すやつ。」

 

男性でしたら、ほぼ、
こう答えるんですね。
時にはジェスチャーまでつけて。

それを、

「下着は外すものじゃなくて付けるもんでしょ!」

とツッコんで笑う。

 

たわいない遊びですが、
こばやしがひっかかった際は
「たしかに・・・!」と
無意識に持っていた男女の視点の違いに
気づきビックリしたのを覚えています。

いまは男性でもトップの下着をつける人が
わりといらっしゃるそうですが、

当時は20代そこそこ独身男性ばかり、
そんな友人との仲間内では
もう外すことしか考えてなかったんですね(笑)

 

話は変わって「卵」。

あなたはたまごの中身をカラから
取り出すことを、なんと言いますか?

割る。」ですよね。

 

しかし
江戸時代初期の料理書には、
調理のため卵を割ることは

卵をつぶす

卵をあける

と書いてありました。

 

なぜなら、
『卵を割る』とはそもそも、
ヒナが卵を割ることだから。

 

食べるために割る、じゃなくて
生れ出るために『中から割る』

卵が食材として普及していなかった
江戸初期のころまでは、
少なくともそういう共通認識でした。

 

調理のため中身を出すのは、
その「生まれる」という行動を停止する。
だから「卵をつぶす」なんですね。

割る→内側から

あける・つぶす→外側から

ということ。

 

冒頭のフロントホックと同じで
視点が逆だったんですね。

なかなか興味深いです。

 

調理する際に「たまごを割る」
が一般用語として使われだしたのは
18世紀中ごろ、江戸時代の中ごろから。

 

◆仏教により食べていなかった

日本では、奈良時代に仏教が広まってから
安土桃山時代ごろまで800年ほど
表向き卵は食べるのが禁じられていたんですね。

『食材』じゃなかったんです。

 

それが、
ポルトガルやオランダなどの
海外文化が入ってきたことで
「たまご美味しいじゃん。」
「生き物じゃないし食べても良いよね?」
と、認識が変わっていったのです。

 

その意味では、

「割る」じゃなくて「あける」「つぶす」
の呼び方だったことは、

生命への敬意と「申し訳ない。」という
想いが強かったんだろうな、と感じます。

 

そして「割る」へ変わっていった
ということは、「単なる食材」へと
認識が変わっていったとも言えます。

 

言葉一つでも、
こういった経緯をときに思い出して、
生命を頂くことへの敬意をじぶんも
忘れないようにしていかなくちゃですね。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:江戸時代の料理本にみるたまご料理について)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2025年10月2日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ディズニー離れ」について
SNSで議論が盛り上がっていますね。

その中に「私もインパ回数減ったなあ。」
という意見が。

 

「インパ・・?なんだろう?」

インパクト?
インド・パキスタンじゃないだろうし…

気になって、検索してみたんです。

 

すると、
「イン・パーク」の略で
入場することだったんですね。

へー。

 

いや、その用語自体はべつにいいんです。

問題は、
検索したら上部に「AIによる概要」がでて、
それを読むだけで事足りてしまった
という点。

つまり、
ちょっとした調べものには
説明・紹介をしているサイトを
読まなくても良いってことなんですね。

便利だなぁ。

と、感じる人は別にイイんです。

問題は発信側

それって何か情報を発しても、
読みに来てくれないって
ことなんじゃ・・・!

たとえば「偉人 卵好き」と検索すると
検索結果「AIのまとめ概要」にウチのブログ記事内容が5行でまとめられて出てきます。

 

当ブログへの記事リンクが付いてますが、
もし5行読んで納得したらこのブログへは来ない・・・。

 

◆ウェブサイトの消滅危機とまで言われている

日経新聞によると実際
あらゆるサイトでアクセス数が減っているそうで、

広告を軸としたウェブビジネスモデル
終焉の危機、とまで言われてますね。

(参照:AIがウェブを消滅させる? サイトの閲覧数が減り、コンテンツが干上がる:日経ビジネス電子版)

 

ウチのブログは
たまごのワクワク情報を発信していますが、

その情報の一部だけをすくった“上澄み”で、
しかも手前で止まっちゃうわけじゃないですか。

 

そりゃないよなぁ・・・

とは思いますね~。

なので、結局のところ

「もっとくわしく読みたいなぁ。」

と思える内容を出さないと、
AIまとめに負けてしまうってことです。

ただ情報の羅列だと
AIの概要で十分ですから、

ステキな文体であったり
楽しい視点であったり
読みやすさがあったり・・・

図らずもAIと日々対決!
その気概で発信しないといけないですね~。

精進してまいります。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年09月29日