小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

前回面白目玉焼きの事を書きましたが、今回は、目玉焼き(サニーサイドアップ)をおいしく焼くコツをご紹介します。

基本工程だけを書くと、次の様になります。

1.フライパンを熱し油を引く
2.卵を割り入れる
3.焼く

これだけです。単純ですね。世界中で流行する訳だ。では、トコトンこだわった場合に、それぞれの工程での「おいしく作るポイント」を下記に追記してみます。

1.フライパンを熱し油を引くとき
栄養学的に見て、卵は体に良い不飽和脂肪酸を既に沢山含んでいます。そして卵自体が動物性の食材である事もありから、使用する油には植物油を使うケースが多いです。 ただし、風味やコクをアップさせたいならバターの方が面白いです。 飲食店さんだと、一味違う風味へのこだわりを演出できます。 特に、フタをして蒸し焼き(後述)でつくる場合は、よりバターの豊かな香りが楽しめます。 バターを落としてブクブクと出た泡が静まったときが、温度も頃合です。

2.卵を割りいれるとき
先に容器にに割っておく方がやりやすいです。カラも取れますし。そーっと小皿に割ります。そして、できるだけ衝撃を与えないようにフライパン近くから滑らせるように入れます。これは、黄身が衝撃に弱く、見た目に大丈夫でも衝撃で黄身の成分に影響が出て食感がぼそぼそになってしまうからです。フライパンに直接割りいれるのであれば、卵のカラのはじっこが底にこするくらいフライパン表面近くで割りいれると、割れずに形もキレイな形の目玉焼きになります。少しだけ火傷に注意。

3.焼くとき
できるだけ弱火でじっくり焼いた後、必要なら小さじ一杯の水を卵白のふちからまわす様に流しいれます。これにより卵白の表面がやわらかく焼きあがります。
フタを閉め、10秒ほどして弱火に。その後一分ほど放置(お好みの固さになるまで)。ふたを閉めることで、ひっくり返さなくても充分表面が固まります。

※時間があるなら、水なしで『ごく弱火じっくり』を試してみてください。これはおススメ!

お好みで塩コショウを。ただし、焼き上がった後に振る事。 固まる前に黄身に塩がかかると、白い斑点になっちゃいます。 細かいようですが、外観だって美味しさには重要です。(^^)

いかがでしたでしょうか?次回は「目玉焼きに最高に合う卵とは?」についてご説明します。

(関連:目玉焼きのおいしさ_その2:目玉焼きに向く卵ってどんなの? – たまごのソムリエ日記)
※注1)片面焼きの「サニーサイドアップ」と、フタをして蒸し焼きにする日本の「目玉焼き」を区別する場合もありますが、今回は近いものとしてご紹介しています。

参考文献:cookbookたまご(柴田書店)、改定増補タマゴの知識(幸書房)、たまごのうふふ(コロナ・ブックス)

目玉焼きは、実は世界中で食べられている超人気メニューなんです。シンプルですしね。それだけに毎日の食卓で、工夫されている方も多いようです。有名blogの「らばQ」さんで、こんな面白目玉焼きが紹介されていました。

ここまでこだわると、もう本当にご馳走に見えてきますね!

さて、「美味しんぼ」では世界75カ国が集まる国際会議(IFEC)まで登場するなど、目玉焼きは世界的な超人気メニューなんですが、日本ではほとんどの方が片面焼きのサニーサイドアップ。じゃあ、この目玉焼きというものにトコトンこだわったら、どんな卵が良く合うんでしょうか?
当社のとろあつこだわり目玉焼き専用卵は、実はこのサニーサイドアップで焼いたときに、最高の美味しさになる様な条件で選び抜いています。これは話すと長くなりますので、また後日。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , 目玉焼き 2009年02月28日

このHPとブログが始まって、2ヶ月とちょっとですが、少しずつ訪問してくださる方が増えて一日100人弱くらいになっていました。それが、26日からイキナリ300人/日を超えました!!?ビックリです。
NHK「経済最前線」などに取り上げていただいたことで、やはり沢山の方に関心を持っていただいたのが要因でしょうか、なんにせよとっても嬉しいです。

「こんなこだわった飼育をしています。」「こんなにこだわった飼料を食べさせています」「割ってみたらホラ、こんなに盛り上がりが良いよ!」というのだけが「良い卵」とは限らないぞ!それだけじゃなくて「料理になった後の美味しさが基準になるよ!」という、どちらかというと生産視点とは逆のことを、ずっとお伝えしているわけですが、HPができてから本当に沢山の方からご賛同の声を頂いておりまして、本当にうれしく思っています。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
これからもお客様に喜んでいただける卵づくり、生産者の方と共にワクワクしながら取り組んでまいります!Smile

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2009年02月28日

『(以下引用)愛知県は27日、同県豊橋市のウズラ飼育農家で、ウズラ2羽から高病原性鳥インフルエンザウイルスを確認したと発表した。国内でウズラから確認したのは初めて。またウイルスはH7亜型で、国内で同型が確認されたのは1925年以来。県などの検査の結果、陽性反応が出た。死んだウズラは確認されておらず、弱毒性とみられることから、人へ感染する可能性は低いという。(引用終わり)』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090227-00000008-maip-soci

野鳥由来のインフルエンザは定期的に国内でも発生していましたが、ウズラは初めて。豊橋市はウズラ卵の一大生産地なので、移動制限が解けるまで、需給に少なからず影響が出そうです。
弊社取引のある農場さんに確認しましたところ、こちらは通常どおり入荷いただけるとの事で、ホッとしました。

話し変わって、一般的なお話をします。
鳥インフルエンザウイルスの影響
鳥インフルエンザウイルスは人に感染しない:鳥類と人類ではその生体構造が違いすぎる為、ただちに人間に感染することはありません。ただし、外国で見られる様に、例外的に養鶏場などで作業中の大量吸引によって同様の症状が出ることはあります。
GPセンターでの洗卵・選別により、インフルエンザウイルスは死滅する:洗浄に使用している次亜塩素酸殺菌水によって100%死滅する事が判っています。
鶏肉や鶏卵を食べて感染することは無い:イタリアで最初に発見されてから129年間、食品としての鶏肉や鶏卵を食べることによって、人が感染した例はありません。また、発生した場合には、発生農場を中心とした半径5?30Kmの区域にある農場の生産物は、出荷できなくなりますから、原則として市場に出回ることはありません。 
(農林水産省プレスリリース(2005年6月26日)より抜粋編集)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 安心安全 2009年02月27日

急ぎで作ったデザートが、おいしい食感になった!」こんな事を、得意先の社長さんから聞きました。繁盛し注文が多くて足りなくなり、急遽冷やして作ったそうです。
「なんでかなー?。」と考えて、ちょっと調べてみた所、こんな現象がありました。

shucake200706.jpgお湯の方が早く凍る」という現象・・・「ムペンバ効果」
発見されたキッカケは、学生のアイスクリーム作りだったそうですが、これは調理にも応用できそうですね。寒天やペクチンなどの多糖類からできるゲル化構造は、生成の速度で立体構造が変わることも知られています。あったかい状態で冷蔵庫に入れるのか、ある程度室温まで下がってから冷蔵庫に入れるのか、凝固速度をコントロールすることで他店とは変わった食感のお菓子やデザートができるかもしれませんね。



それにしてもこの現象、昨年NHKの番組で紹介されたそうですが、物理学者間ではその効果に対して賛否分かれているようです。
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51335747.html#comments
面白いですね。すごく身近にあるものなのに、物理現象のプロの意見が、ここまで正反対に分かれるなんて・・。
※上記リンク先では、いろんな人が試してみた結果も載っています。お湯の方がかなり早く凍った人も多いようですね。仮説として蒸発熱の差や、空気など不純物の減少が原因では?と言われているようです。
(参照) 冷凍庫で実験してみた動画(音が出ます)

※2_写真は洋菓子講習で教えてもらった、「もちもち新食感シュークリーム」