小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

発酵醸造学の大家、小泉武夫氏の著書「発酵食品礼賛」に、中国伝統の「卵白粉」というものが出てきます。「卵の卵白だけを発酵槽に入れ、夏期で2から3日、秋期で4から5日、冬季で1から2週間、放置した状態で、空気中から進入した菌で発酵を行わせる。(中略)この発酵した卵白を濾過した後、乾燥させてから粉末にしたもの」だそうです。これは非常にきめ細かい優良な粉となって、現在では滋養剤や高級菓子などに使われ、なかなか手に入りにくいものとの事。

う?ん、洋菓子のシュガーパウダーや、和菓子の上新粉みたいなものなんでしょうか?日本では卵料理というと、新鮮なたまごを使うことが前提になります。発酵させて食べる卵食材とはなかなか面白いです。ぜひ一度食べてみたいですね。(注:ちょっと調べてみましたが日本では一般的に卵白粉というと業務用で使われる「単に卵白を粉末にしたもの」を指すようです)

発酵菌はバクテリアとされているそうですが、どんな味になるのでしょうか。小泉氏も書かれていますが、そもそも卵白には、「卵白リゾチーム」という、なんと菌を溶かしてしまうスゴイ酵素がはいっていますので、実はそう簡単に発酵したり(腐ったり)しないんですよね。(この酵素はみなさんお使いの風邪薬にも入っていたりします)卵の賞味期限などに関わる菌のリスクも、もっぱら菌に弱い卵黄の賞味期限に依存します。

発酵させる目的は、「卵殻膜や胚などを発酵による泡とともに浮遊させて除去し、製品純度を上げるため」だそうですが、どぶろくと日本酒の関係の様に、「より美味しいもの」を追求した結果の細やかな知恵と伝統には、本当に頭が下がります。だって、たとえば小麦粉だって(キレイな白い粉)として使えるかもしれませんが、それを鶏の飼料にして生まれた卵の卵白を発酵させて、更に不純物を取り除き、乾燥して粉状にしたものを使うんですから。

卵白ならそれこそ我が社にたくさんありますが、この卵白粉は自家製でできるシロモノじゃなさそうですので、ぜひいつか中国に行って「高級菓子」と一緒に食してみたいですね。Wink

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2009年01月28日

taberu_herikutu.jpg村松友顕さんの「食べる屁理屈」というエッセイに、「日本料理」と日本人の関係についての、興味深い話がでてきます。

『・・・イタリア人にスパゲティの味を聞けば、「それはうちのスパゲティが旨いよ。」というし、中国人と麺やチャーハンなどもそういう感じだ。 つまり、外の店で食べている料理と、家庭で食べる料理のあいだに、それほどの落差がないというわけだ。 ところが、日本における和食や日本料理というものは、我々が家で食べている食事とはまるで違った食べ物である。 御飯とおかずの組み合わせに汁物と香の物を添えた家庭料理は、いわゆる料亭で出る和食や日本料理とは、スタイルも発想もまるでちがっているのだ。(中略)
 しかし、我々が最も多く食べている家庭料理は、どうやら”和食”の領域にも”日本料理”の領域にも入らないらしいということは、おぼろげながら分かってきた。・・・』

 確かに、我々が毎日食べる朝夕の御飯やいわゆる「定食」は、「日本の料理」でありながら”日本料理”じゃないんですよね。 外国人のイメージで「日本料理ってスバラシいですね。」といわれた場合、我が家の味をイメージしてしゃべる方は少ないんじゃないでしょうか?私を含め、ほとんどの方は料亭の会席なんかを想像しながらしゃべります。

 手元にあるオレンジページブックスのレシピ本では、上記の様な日本式の家庭料理を「和ごはん」と表現しています。 なんとなく編集部の苦労もうかがえますね。 白い御飯に生卵、味噌汁と焼き魚と御飯・・・・・・、さて、自分なら毎日の家庭料理をなんと呼ぶだろうか?
スローフード」「B級グルメ」なんて言葉もありますが、これもちょっと違いますしねSmile

 井沢元彦さんは著書の中、「あまりに常識と思われていることは、どの時代の文献にもわざわざ書かれたりしてはいない。」とおっしゃっています。 これは考古学上の文化についてのお話ですが、実は我々が毎日食べる、アツアツのたまごかけ御飯や、親子丼、味噌汁ごはんも、あまりに「ふつう」の食事であって特に定義も必要がなく、一言でいうと「ごはん」としか言い様が無いのかもしれませんね。

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2009年01月27日

丸美屋、卵かけごはん専用のふりかけを発売 – 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20090119/1022914/

tamago_hurikake.jpg『(以下抜粋)丸美屋食品工業は、卵かけごはん専用のふりかけ2商品を2月19日に発売する。希望小売価格は「味わいおかか」が120円、「香味のり」が126円。しょうゆの代わりに卵かけごはんにふりかけ、混ぜて食べる。いずれも20gの袋入りで、卵1個につき大さじ1杯(15mL)を使うのが目安という。(以上引用)』との事で、たまごかけ御飯と一緒に食べる「ふりかけ」が出るそうです。卵マニアとしては、見逃せないニュース。

 

醤油の代わりに」という所がポイントで、つまり、醤油はかけないという事の様です。以前いろんなふりかけで試験してみたことがあります(そのときはちょっと醤油を入れました)。その際に、弊社で評価が高かったのは上記と同じ丸美屋の「すきやきふりかけ」でした。これはこの商品も、期待大ですね。Laughing

鰹節粉などでもそうなのですが、固形状のものはどうしても舌の味雷細胞への接触がすくなくなってしまいますので、一口目の印象として薄味に感じてしまいがちです。その辺で味付けが変わってくるでしょうから、どんな形でクリアーされているのか、とても楽しみです。

『味わいおかかは、カツオブシにわけぎ、つくだ煮昆布、のりを加え、しょうゆ味を付けて甘辛く仕上げた。香味のりは凍結乾燥のり、焼きのり、味付けのり、青のりを組み合わせ、ダシ風味とほのかなしょうゆ味を付けた。』とのこと、香りの相性はたまごと非常に良さそうです。新しいたまごかけ御飯、発売しましたらぜひ試してみたいと思います。

御飯と醤油と最高の相性、お茶碗一杯に合わせてサイズまで選び抜いた『究極のたまごかけ御飯専用たまご』はいかがでしょうか。尚、オンラインショップにも対応いたしましたのでよろしくお願いします。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ニュースに考える 2009年01月26日

昨日、夕方NHKニュース特集とNHKスペシャル「ピンチこそチャンス 逆境を生き抜く経営哲学」にて、弊社の「料理別たまご」と提案型戦略の取り組みを放送していただきました。
おかげさまで、沢山の得意先様からお声がけを頂き、そしてお客様から沢山の問い合わせを頂きました。Embarassed

中には一般のお客様から、「いつも食べてます。がんばって!」との励ましの言葉もいただいており、社員一同本当にうれしく感じております。この場を借りて御礼申し上げます。
元気の源は「食」からだと私共は考えます。朝晩の食卓にスーパーさんや飲食店様と共に「おいしい!」をお届けする事で、不況をふっとばす「元気」と「ワクワク」をお伝えして参ります。

追記)来週に再放送いただく予定です。ご覧いただけましたら幸いです。

2月1日(日) 10:05〜10:48  NHK総合 (徳島県域)
詳しくは小林ゴールデンエッグNEWS RELEASEをご覧ください。

卵を食べる事で「アタマを良くする」、アルツハイマーや記憶伝達との関連研究について触れさせてもらいました。さて、ここでちょっと頭の体操です。最近知ったお気に入りテキストを紹介します。30秒程度のちょっとしたお遊びです。Laughing

このマインドゲームはかなり不思議です。次の注意に従ってゲームしてください!!
※はやくスクロールして下のほうの文章を読んではいけません!
なるべく一行ずつ、スクロールしましょう。
計算はできるだけ早く、アタマの中でしましょう。
次の質問に答えてください。

2+2?

 

 

4+4?

 

 

8+8?

 

 

16+16?

 

 

12と5の間で思いつく数字は???

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カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること , マジック 2009年01月23日


tanaka20090116.jpg

先日、フードコーディネーターの田中美和先生にご来社いただき、いろんな「食」にかかわるお話や先生の取り組みをうかがうことができました。Embarassed

田中先生は、「クックリング」という取り組みの中で、「音楽に合う料理」だったり「照明やインテリアと料理の組み合わせ」「様々なフライパンの特性を活かした料理」など、とっても面白い料理について研究・ご紹介されています。

 先生とのお話の中、お互い何度も出てきたキーワードが「ワクワク」。ただ「おいしい」だけじゃなく、つい伝えたくなる「物語」のある食材、作り手が楽しめるメニュー、大切な友達を招待したくなるおもてなし・・。けっして贅沢するわけじゃないけれど、自分が楽しんで周りの方もそれを共感してくれる「ワクワクするおもてなし」ができる、これも生活を豊かにするとても大事な要素ですね。

 私自身、「料理になったときの卵のおいしさ」、卵の新しいこだわりを発見していく事で毎日ワクワクしているのですが、先生とのお話から、更に別の世界、魅力的な扉を見つけた様な気がしまして、これまたとてもワクワクしています。良い刺激とご縁をありがとうございます!!

写真は私が「クックリング」のご紹介ハガキ、そして田中先生が弊社「とろとろオムレツ専用たまごセット」をお持ちいただいているところです。Laughing

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2009年01月22日