小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

徳島駅の真上にある駅ビル
クレメントプラザがあるのですが、
できて30周年経つのだそうです。

徳島新聞からこんな記事が出てまして
徳島の方でしたら「なつかしいな。」と
感じるかもしれません。
僕も、徳島駅前が
「なんとなくカッコよくなったなあ。」
なんて新鮮に思ったのを覚えています。

 

 

で、ですね。このニュース写真ですが、
いやいや、ちょっとまってください。

めっちゃ古く感じますね!

これ、30年前だよ・・・。

よく考えると『たった』30年前で、
白黒なのもおかしいのでは。

 

僕が18の頃ですが、
思いっきりカラー写真がありまたし、
なんならデジカメだって普及してました。

おそらく新聞としての記録からキャプチャ
しているので、白黒なんでしょうが、

今の十代の若者だと、
ザっと読み流していると
昭和初期や大正時代くらいの
古いイメージを持つかも
しれません。

 

◆どれくらい古いか分かってないことも!?

この数十年で言いますと、
記録媒体がしっかり残っていることから、
鮮明な記録の期間が長くって
逆に時代を混同しがちなことが
いくつか出てきているんだそうです。

 

特に若い方にとっては、
平成バブル時期のことを
戦後すぐくらいのかなり古い
イメージで誤解していたり、

逆にファミコンができて40年近く経ちますが
けっこう最近のことだと
思っていたりもするんだとか。

 

◆歴史感を出しやすい時代かも

ですので、飲食店さんでも、
割とそこまで古くなくても
演出次第でちょっとレトロ感を
メニューで出したりとか、
イメージさせやすくなっているかもです。

シズル・写真でもPOPでも、
懐かしいイメージや白黒イメージ、
セピア色イメージなんかを
うまく活用していくのも
手じゃないかと思います。

(関連:レトロ感のあるたまご料理3選 | たまごのソムリエ面白コラム

 

◆鶏卵で撮れる写真って!?

余談ですが
古い写真の『セピア色』しているのは

たまごで現像した写真です。

↑こんなカンジの色をした写真ですね。

「鶏卵紙」って言いまして、
卵の白身を紙に塗り固め、
撮影直前に硝酸銀の溶液に漬けたもの。

19世紀中ごろに発明され、
幕末や明治初期あたりの写真は
すべて「鶏卵紙」の写真なんですね。

坂本龍馬の有名な写真も
たまごで撮ったものです。

たまごとつながりの深い『レトロ感』
ぜひあなたのお店のご繁盛のきっかけに
なりましたら幸いです。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2023年05月8日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前にNHKの教養バラエティ番組
「すイエんサー」が14年間の放送に
幕を閉じ放送終了となりました。

大人が見ても学び多く面白い
かなり上質な内容でしたが、
それ以上に僕にとって
印象深い番組だったのです。

 

じつは!小林も8年ほど前に
番組に出させていただいた
ことがあります。

当時すイエんサーガールだった
福原遥さんほか人気タレントさんと
ご一緒させていただき、
すごく学びが多かったのを覚えております。

福原遥さんはその後
今を時めく人気女優となり、
今年は朝ドラの主役として大いに
活躍されておられますよね。

雑誌モデルなどで活躍する
中高校生「すイエんサーガールズ」
の皆さんに囲まれて、
緊張しきりだった僕に、

「たまごって大好きでウチでも
良く食べるんです。普段はどんな
たまご料理を作られるんですか?」

といろんな言葉をかけてくださって、
いまだにウチのスタッフともども
強固なファンになっております。

で、ですね。

いちばん印象的だったのは、
ステキで可憐な皆さん・・・
じゃなくって

スタッフの皆さんのほう。

 

きっかけは問い合わせのメールと電話でした。

「究極の温泉玉子を番組の企画で作りたいんです。」

とのお話で、
『美味しさを追求&再現したい。』
これは割とよくあることでもあります。

ですが、

「すでに百回以上
仮説を立てた実験を
繰り返してまして、

どうにも法則と手法に
詰めが足りないので、
小林さんにお問合せを
致しました。」

とのことで、
じっさいデータも送って
いただいたのですが、
いや~ホント驚きました。

一年かけた家政学部の
卒業論文もかくや、
と思えるくらいの
詳細データ取りを
温泉玉子のために
されていたんですね。

週一回の番組ですよ!?

これは協力しなくては!
と強く思いまして、
じっさいデータを見て
温度の対流な熱勾配など、
再現性にかかわる部分で
気づくところもありましたので、

いくつかのご助言をして
その結果成功につながったことで
番組に出させていただくことに
なったのです。

◆本気が心を動かす

ディレクターさんと
スタッフさんに、

「これ、ホントにこんな下準備を
毎週やってるんですか!?」

と聞いてみたのです。

ガチで毎週でした。

なんでも、
僕が出る放送回の前週は
『ハンバーガーをこぼさずに
食べる方法』というテーマで
なんと建築学土石流の専門家さんと
詳細なやりとりをされていて、

「これは論文として出すべきだよ。」

とも言われていたそう。

うーん、すごいですね。

この番組は、前知識のない
「すイエんサーガールズ」さんたちが
毎回、台本も打合せもなんにもない、
完全にガチンコで、ギモンや気になるコトを
ひたすら考えて答えを出していくのがコンセプト。

いちおう台本は作あるんですが、
彼女たちがその通りに気づいたり
回答するかはまったく分からないんです。

ですから、ちゃんと気づけて
ちゃんと納得できるように、
万全の準備をされるんだとか。

これって、プロ意識だなあと感じます。

 

子供ターゲットだけど
子供だましじゃない番組作り

僕たちも、自分の仕事に、
お役立ちにプロであらねばと
ときどき思い出します。

後継となる教養番組も、
学び多きものと楽しみです。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年05月7日

こんにちは!

こどもの日、ということで
仕事を少し早めに切り上げて
子供と遊んでおりました。

足を涼めて散策できるのは
吉野川の第十堰、できたのは
江戸初期の1672年(寛文12年)。
なんと幅1キロもあります。
水鳥も多く、
一日眺めていても飽きないくらい
ステキなスポットです。

車で5、6分で川遊び山遊びが
できるのが、田舎の良いところ
ですね~。

ただ、文化的な遊びを
子供と楽しもうと思うと、
都会に比べて少~しハードルが
上がるのも確かです。

 

そういえば、少し前に
「Googleマップで”史跡”と
打ち込むと、住んでいる付近の
意外な歴史探訪ができて、
すごく面白い。」

というツイートを
見かけたことがあります。

やってみると、
たしかに・・!

ちょっと
ウチの選別場付近を
検索してみただけでも
めっちゃ出てきました。

それも、
「ああ!あの人の伝記
小学校で聞いたことあるな。」
みたいな地域の知名度ある
人の碑があったり・・・。

けっこう良く通る場所なのに
素通りしていたりして、
なかなか面白いです。

意外と知らない
身近な魅力ですね。

今度は息子と散歩で
楽しんでみたいと思います。

 

さて、
夏に向け意外と意識しない
たまごの魅力といいますと、

冷えてもうまい

という点があります。

ローストビーフなんかも
あるにはありますが、
総じて肉などのたんぱく質は
温めることで油脂の滑らかさや
香ばしい風味を楽しむ、
ホットな料理が主になりやすいのです。

ですが、卵の場合は
冷めていても比較的
味の美味しさ要素に
影響が少なくって、

ひんやり温泉玉子や、


サラダにゆでたまごを添えたり
錦糸玉子もそうですし、
玉子焼きだってお弁当で冷えてても
じゅうぶん美味しいんですよね。

 

米国で冷蔵庫が普及しはじめた頃、
その冷やす能力を披露するステータス
となる料理が、

たまごと野菜のゼリー寄せ
「アスピックゼリー」

すごく人気でした。

この、「冷めてもウマい」は
非常に強い武器でして、

料理の選択幅がかなり大きいんですよ。

特に夏場に向けて、
夏バテをふせぐ食欲のわく
元気料理を考えるさい、

ヒンヤリ美味しく元気が出る
たまご料理は、ぜひ考える
べきなんじゃないかと思います。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年05月5日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

連休真っただ中です。

取引先の飲食店様
洋菓子店様、製パン店様
来店型のお店さんは、
ホント大変かと存じます。

ただ、食べるお客様が
久方ぶりのご家族での外食だったり
ご家庭によってはコロナ禍明け
数年ぶりの大人数での
ゆっくりとした食事を
されていらっしゃるかもしれません。

そう思うと
オーナー、スタッフさんは
いつも以上に喜びと気合が
はいっていらっしゃったのでは
ないでしょうか。

 

連休前はいつもそうですが
悩ましいのがご発注。

この連休、いったい卵を
どれくらい注文すればよいか、
という点です。

特にこういうコロナ禍明け的な
特殊事情がからむと、
どれくらいご使用量があるのか
読みにくさがありますよね。

さらに、天候の問題もあります。

「連休後半は全国雨。一部地域では大雨」
みたいな予報が10日くらい前から
出てましたが、そこから予報も変化して
四国で言いますと意外と雨にならず
天候は持っているわけです。

そして、業務用たまごの場合は
箱も大きいですから、多めに発注すると
場所も取るんですね。

僕達も、昨年のご使用量なんかを
担当から指標としてお伝えすることも
ありますが、コロナ禍中でしたから、
いろんな要素が絡みお客様でも
ご判断難しいかと思います。

 

もし、お迷いであれば、
当社担当にお気軽に聞いてもらえれば
気温、お店のメニュー、置き場所などと
併せて目安をお伝えいたします。

例えば気温で言いますと、
四国はだいたい23℃前後、
ご納品場所に寄りますが、
冷暗所放置なら生食で21日は
持つ計算と目安になります。

 

一人でも多くのご来店されるお客様に、
たまご料理の美味しい笑顔が生まれます事
楽しみにしております。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年05月4日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

先週リリースのニュースです。

キユーピーと広島大学 アレルギー低減卵を開発、主要アレルゲン「オボムコイド」を含まない鶏卵、オランダの学術誌に論文掲載(食品産業新聞社ニュースWEB) – Yahoo!ニュース

こういう資本の必要な
健康機能価値の付加に
大企業さんが取り組んで
くださるのは、
とてもうれしいですね。

症例数から言って
売上じたいはあまり見込めなさそう
との予想をたてながら研究されていて、

売上を追わず社会的な意義を
第一に考える、
こういった研究はすばらしいです。

 

海外でも取り上げられてまして
「日本の科学者たちが何百万人の子供を救う」
と、複数のニュースサイトで話題になってます。
“Japanese Scientists’ Potentially Egg-cellent New Breakthrough – Bloomberg”
https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2023-05-01/japanese-scientists-potentially-egg-cellent-new-breakthrough

 

今回の低減されている
たまごアレルゲンは
「オボムコイド」と言いまして、
白身に多く含まれます。

強いアレルギー反応を起こすのですが、
悪いことに「熱に強い」んですね・・。

つまり、加熱しても
アレルギー反応が
弱まりにくいんです。

これって、
たまご料理として
やっかいなんですね~。

 

じつは食物アレルゲンって、
調理加熱すると
反応が減ったり、ぎゃくに
強固になったり変化することがあります。

たとえばピーナッツのアレルゲンは
100℃~120℃で煮たり揚げたりすると
アレルゲンはかなり減ることが
分かっています。

ですがもっと高温、
170℃で炒めると逆に!
アレルゲン物質が安定化して
症状が長く出てしまうんです。

 

ですので、
煮たり揚げたりしてから
ピーナッツを食べる中国では
ピーナッツアレルギーが少なくて、
ローストして食べる米国では
ピーナツアレルギーがめっちゃ
多かったりします。

話を卵に戻しますと、

鶏卵の場合は、
煮たり焼いたりしても
卵白の強いアレルゲン
オボムコイドは安定していて

弱めたり取り除いたりが
難しかったのです。

せいぜい水さらしして
除去するくらい・・・。

 

じっさい卵アレルギーに悩む
ご家庭さんから時々お話を
うかがいますが、ホント
大変なんです。

メニューも分けなきゃですし
調理器具も分けて洗浄も気をつかう

それなら、とたまご料理を
家でつくらないご家庭も
少なくないんですね。

 

ですので、
アレルギー低減卵のメリットは
・ご家族が気兼ねなく自宅で食べられる
という点があるんじゃないでしょうか。

 

ご飲食店さまでも、
いずれ活用できるようになるかと思います。

困っている方への福音です。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2023年05月3日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

家の前の田んぼに水が入りました。
ドアを開けると水面が広がっていて、
気持ちいいですね~。

徳島ではいよいよ田植えの時期。
ウチの周りはぐるりと田んぼですので、
水が張られ田植え前の数日間は、

自宅がさながら
水にうかぶお城のように(!?)なりまして
モンサンミッシェルか
はたまたウユニ塩湖か・・!と
なんだか気分がアガります。

夏にはこんなカンジの
稲の緑じゅうたんになりますので、
こちらも今から楽しみです。

 

さて、
昨年よりウクライナ戦争の影響で
世界的に穀物価格が高騰しており、
鳥インフルと共に鶏卵高騰の
要因となっています。結果、
お米飼料に焦点が当たっています。

ウチでもお米の飼料で育った
たまごをお出ししておりまして、
差別化メニューになるたまご
としては非常に良い品質になるのです。

 

で、ですね。
ウチの田んぼでお米が採れますから
そのお米をニワトリに食べさせる→
さらにその鶏ふんを肥料として
田んぼに撒く→
それで育ったお米を・・・
とやればうまく循環するんじゃないか。

・・・と考えたのですが
そうはうまくいかないんですね。

 

じつは鶏ふんは窒素分が多く、
あまりたくさん田んぼにまくと
稲穂の背ばかりが高くなり
台風などでの倒伏のリスクが
高まってしまうのです。

だから肥料としては
ほんのちょっとでいい。
対してできてくる鶏ふんの量は
年間で見ると、かなり多いんです。

ニワトリさんは一日に
百数十グラムのふんをしますから
一年単位で見ると田んぼ必要量よりも
圧倒的に鶏ふんが多くなります。

ストーリーにはなりますが、
すくなくとも「循環」といえる
状況にはならないんですね~。

これはたまごの殻も同様で、
農業で使用するカルシウムとして
ゆずってほしい!とおっしゃる
農家さんもいらっしゃるのですが、
春のホンの一時期だけだったり
しまして、コンスタントな量を
使っての循環って、なかなか
回りにくいのです。

 

◆世界単位のマクロで見ると有効

しかし、たとえば海外まで
含めて考えるとどうでしょう。

農業生産を積極的に行っている
タイやベトナムなど東南アジアでは
鶏ふんを含む畜産由来の肥料は
国内だけではゼンゼン足りず
大きなニーズがあります。

日本の畜産に数十トン単位で
通年して輸出の打診がきたりも
するようになっているんですね。

鶏ふんを輸出する→
海外で飼料むけ農産物が育つ→
輸入穀物としてニワトリが育つ→
良いたまごが生まれる・・・

こうなると、
なかなか理想的なんじゃないか。
そう思いますね。

ワールドワイドな地域(?)循環
これもワクワクします。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2023年05月2日