小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

新海誠さん監督のヒットアニメ映画
「すずめの戸締まり」
中国での興行収入が146億円突破だそうですね。

なんと!日本国内の興行収入を超えたのだとか。

 

 

うーん、すごい。

日本の文化にこれだけの関心を
持ってくれているのは
素直にうれしいですね~。

 

こういった成功を受けて、
ハリウッド映画が
そうなったように、

最初から中国での興行を
ターゲットとした名作
アニメ映画なんかも日本で
作られていくのかもしれません。

 

同じように、
日本食も中国で流行してる
ものがあります。

たとえば
日式のラーメンなんかも
中国内でかなり大きな
多店舗チェーン店があります。

 

そんな中、
日本で中国料理が
フツーに食べられるように

中国でも日本食で、
一般家庭にまで浸透する
料理がでてくるんじゃないかと
感じますね。

 

個人的にその筆頭は

オムライス

だと思っています。

そもそも中国では
チャーハンが広く
食べられていますから、

たまご+お米→加熱

というのは
受け入れられやすいのですね。

そして、オムライスといえば
ケチャップですが、

ケチャップって
実は!
中国発祥なんです。

『ケ・チャプ』と呼ばれる
福建省の「魚醤」が元になってまして、
中国人の商人や船乗りが好んで食べ、

それがインドネシアなど経由で
イギリス人の船乗りにも
「これイケるじゃん。」と
好まれるようになって
さらに広まったとされています。

それが、途中でトマトと
合体したわけですね。

「ケチャップの起源は中国」

なんだか“魁!!男塾”の
民明書房刊みたいですが
ホントの話です(笑)

じっさい
エビチリや酢豚なども
日本ではケチャップを
使ったレシピが普及してますが
ケチャップって中国的味覚とも
相性がすごく良いんですよね。

 

ですので、

・お米と卵

・炒める料理である

・ケチャップはイイよね!

という3拍子で、

オムライスは
間違いなく中国でも
浸透するんじゃないか

と思っています。

日本でのオムライスは
伝統的チキンライス包みから
半熟トロトロのものまで、

百花繚乱の多様化が
進んでいます。

まずは、
インバウンドから浸透して
その多様性も間違いなく
中国の方々に楽しんでいただけるに
ちがいありません。

 

ちなみに中国語でオムライスは
「蛋包饭(卵包み飯)」です。

ぜひ、あなたのお店の
オムライスメニューにも
この3文字を添えてみては
いかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2023年04月17日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごと言えば新鮮…

というイメージはあるかと思います。

 

ですがその逆なのが、

時間をかけて美味しくする
発酵食品としてのたまご

これに、
すごくおもしろい魅力があります。

どれもちょっと変わった
食べ物になるんですね。

 

◆たまご発酵醤油

普通は小麦と大豆と麹で
作るのが醤油ですが、

なんと!
卵の白身と小麦
醤油ができるんです。

特徴としては、
味が濃いのに色が
すごく薄い・・!

あとほんのりと
たまごの風味がすること
でしょうか。

ふつうの醤油や味噌は
発酵の過程で黒褐色になる
メイラード反応が起こります。

たまご醤油の場合は
これが少ないんですね。

 

ちょっと面白いのは
その作り方でして、
醤油麹菌の発酵って
液体な卵の白身には
生やせないんです。

ですので、
たまご+小麦粉で固める

つまり、
いったんケーキを作って
砕き、そこに麹菌を生やして
発酵させてるんですね。

ケーキ→醤油

何年か前に京都女子大発の
ベンチャーから出まして

現在、たまご+大麦で
つくった卵醤油が市販されています。

超たまごづくしのメニューなんかも
おもしろいんじゃないでしょうか。

 

◆麹熟成卵黄

さっきの発酵醤油は
卵白に麹でできたものでしたが、
卵黄+麹発酵でも
かなり面白いものができます。

それが、麹熟成卵黄
キューピーさんが研究してまして
なんと黄身のうまみが5倍
香気成分は90倍に。

なかなかスゴイですね。

どちらかというと
競合がたまごじゃなくて
チーズなどになってくる
感じです。

まだ新しい食材ですので、
今後も何か面白い使い方が
ありそうです。

 

◆中国伝統の高級食材
「卵白粉」

最後は、
超レア食材「卵白粉」です。
発酵醸造学・小泉武夫氏の著書
「発酵食品礼賛」に出てきます。

『卵の卵白だけを発酵槽に入れ、
夏期で2から3日、秋期で4から5日
冬季で1から2週間、放置した状態
で空気中から進入した菌で発酵を行わせる。

(中略)この発酵した卵白を濾過した後、
乾燥させてから粉末にしたもの』

これがとてもきめ細かい
優良な粉となって、現在では
滋養剤や高級菓子なんかに使われて、
希少価値からなかなか手に入りにくい
ものになっているとのこと。

 

位置づけ的に
和三盆みたいなカンジですね。

発酵させるのは、
「卵殻膜や胚などを
発酵による泡とともに
浮遊させて除去し、
製品純度を上げるため」
とのことですが、
これ、めっちゃ大変なんですよ。

 

なにせ、生の卵白って
溶菌作用がありまして、
菌にめちゃくちゃ強いんですよ。

つまり、そんな簡単に
菌が生えたり発酵したり
しないんです。

上記の卵白発酵なんて
めっちゃ手間なんですね。

そこまでして、
上質の食材を作り上げるなんて
ホント感動します。


いかがでしたでしょうか。

そもそも卵の発酵食品を
そこまで見かけないのは、

「たまごが長期保存食だから」

なんですね。
意外と長もちするので、
発酵して保存する必要がなかった。

ですが、
「よりおいしくなる」
その目的で考えると
いろんな発酵が
新たな食材として
おもしろい可能性があるんです。

 

ちなみに
ピータンやたまごの糠漬けは
菌による分解が進むわけでは
ありませんので、
厳密に言うと発酵食品ではありません。

 

ぜひ、たまご繁盛メニューの
新たな選択肢として、
たまご発酵食品を活用して
くださいませ~。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2023年04月16日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまたま英文法に関する著述を
読んでいましたら、
たまごの例文が出てきました。

There were three eggs in the nest.

(巣の中に卵が3つありました)

中学で習うレベルの簡単な英語ですが、
これ、ちょっと面白いんです。

英語って
複数であることを
めっちゃ押すんです。

・スリー()って言ってますし、

・エッグに複数の「s」が付いて、

・さらに複数形の「were」と
なっています。

言語学的に「冗長性」と
いうそうですが、
7単語のうち3度重ねて

「一個だけじゃないぞ。」

と強調してるんです。

 

日本語だと、数にかかわるのは
「たまごが3つありました」の
『3』だけ・・。

 

「これでわかるじゃん。」

というのが日本人的な感覚
じゃないでしょうか。

 

なんでこんなにしつこい
表現なのかというと、
多民族国家かどうかが
かかわっているんですね。

つまり、
日本だと文化が似通った人達で
長く暮らしていましたから、

シンプルな表現で伝わるんです。

長年つきそった夫婦が
「アレとって。」で
通じるようなもんですね。

対して、
米国や欧州であれば、
歴史的に文化の異なる
多民族があつまっている
わけですから、

くどいくらい説明しておかないと
お互い伝達をミスったり
することがあるわけです。

「たまご一個だけだと思ってた。」

みたいな。

逆に言うと、
数字の所は異文化の中では
特にトラブルになりやすい、
という事かもしれません。

僕たちの扱うたまごの場合も、
数の聞き間違いが起こりやすいんです。

たとえば、
本日いらっしゃったお客様、
「たまごを20ほどほしい。」
とおっしゃって下さったのですが、

たまご20個だと思っていたら
20パックで、つまり200個ご希望
だったのですね・・!
あわてて追加ご用意をしました。

 

ウチでお届けするたまご商品って
いろんな可能性がありまして、

他にも
20『キログラム』の場合
もあり得ますし、

購入は1ケースで
「20『日』にほしい。」

というスタッフの勘違いも
過去にありました。

対面で確認できる場合は
まだマシなのですが、
FAXや留守番電話→発送の場合は
勘違いが致命的になりかねません。

 

洗卵選別工場スタッフの
今年の方針の一つは

「ダブルチェック」

 

当たり前にすべきことですが、
改めてやり方含め
考え直して徹底しよう!

と考えてます。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年04月15日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

花粉症に効く、と評判だった
健康茶にステロイドが入っていた
とわかって騒ぎになってますね。

 

 

うおお、これはヤバいですね。

ステロイドって、
抗炎症作用があるから
そりゃ花粉症に効きますよ。

アトピー性皮膚炎なんかにも
塗り薬で使いますし。

ただ、容量や期間によっては
白内障になったり副腎に支障が
でるので、必ずお医者さんに
かかりながら摂る必要がある
ある意味危険な成分です。

今回の件も、
お医者さんが患者さんの
副腎数値の異常を診て
気づいたのだとか。

 

◆ナゾの効能なんてのは無い

いや~、実際問題として
「効果がある」ということは
なにがしかの薬理作用が体に
起こっているわけです。

「医者にかかるよりも効いてる。すごい。」

『薬よりも効く』なんて
不思議作用がある
“食品”は基本あり得ない
とおもっておく必要がありますね~・・。

 

すごい効果があるものは
摂取上限があったり
副作用があります。

そうならば“医薬品”として
管理・使用されているはず
なんです。

 

つまり『食品』は基本
「劇的な即効効果はない」
と思っておくべきでして、

たとえば
卵の健康機能だって、
『食べてすぐ』の効能じゃなく
長いこと継続して食べてこその
健康になる要素なんですね~。

 

◆「食材」はめっちゃ調べられてる

そのうえで、
鶏卵など、普段食べている
食材の健康メリットって
何かといいますと、

劇的ではないが
体に良いことを
膨大なデータをとって
調べ尽くされている

というのが
かなり大きいです。

例えばたまごは
米国食品医薬品局(FDA)が

『卵は“健康食品”となります。卵が万能の栄養源であり、健康な生活に必要なコリン、ビタミンD、必須脂肪酸などの栄養素を供給することを示す科学を肯定するものである。』

『卵は重要な栄養素を提供し、健康的な食事パターンに含めるよう「食事ガイドライン、2020-2025」によって特に推奨されて いる食品』

として新しい定義を出していますが、
その裏付けには
数十年にわたる膨大な
医学研究データがあります。

これは、たまごに限らず
日常的なほかの食材にも
言えることです。

 

逆に言うと、
劇的な効能がある
あまり良く知られていない
食品は、まず疑ってかかるべき

もしくは
急激な効果が起こる
己の体を疑うべき
ということですね~。

少し前に、
ヤクルト1000を飲むと超安眠する!
みたいな効能が広まってましたが

乳酸菌にそんな効果はなく、
糖分による血糖値スパイクの
乱高下の結果→自分の糖尿予備軍を
疑うべきなんですね。

 

ステロイドお茶は、
ひとつの教訓になる事件だと思います。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

(関連:米国食品医薬品局(FDA)『卵は健康食品』との定義案を発表 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ニュースに考える 2023年04月13日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

横浜にまいっております!

写真ではなんか観光っぽいですが
かなりバタバタしての仕事です。
今度はゆっくり来たいですね~。

 

移動中に山下公園を素通り
したのですが、
平日でも観光の方が
けっこういらっしゃり
脱コロナの雰囲気をそこかしこで感じます。

 

以前に
あるバイヤーさんとの話で
「横浜の人口は360万人でして・・」
と聞いてショックを受けたんです。

なぜかというと、

横浜市と四国が
ほぼ同じ人口だから。

この広い四国に、
横浜市とおなじだけのヒトしか
住んでないんですね~・・。

そして、横浜滞在中に

「日本の人口が最大減少
昨年は75万人減」

との見出しが新聞に踊っていました。

 

これもショックでして、
ちょうど我が徳島県の人口くらい。

つまり一年で、
徳島県の人口が
そっくりいなくなったわけです。

5年で四国が無くなる計算ですね~。

じゃあ50年後は・・・!?

・・なんてのは
うっすら思っていても、
なかなかそれを意識して
仕事や生活するのって
けっこうむずかしいですよね。

 

コロナ禍で都市部からの
人口移動が顕著に・・・
なんて報道もありましたが、
結果的にはほとんどの人が
都会にとどまったわけで、

むしろ世界規模の疫病が
あったにもかかわらず
この程度の流出ということは

今後も地方の人口減少からの
回復はちょっと厳しい状況に
なりそうです。

 

ただ、
地方単位での生活効率の
ための人口移動は
ずいぶん前から起こってまして、

過疎地域の中でも、
住みにくくなった
更に過疎な地域から
人が移り住んでくる
プチ都会化現象が

いろんな地域で起こっている
印象です。

つまり、
『人口が半減しても、
半分の地域に住めば
同じじゃないか』現象ですね。

 

これが、今後も
起こってきそうです。

飲食店さんでも、
一見して人口減少な地域でも、
そのなかで特異的に
人が集まってきそうな場所を
早めにつかんでおくことが、
長くお店を繁盛させるための
ヒケツになるのかもしれません。

そして、そういった地域が
今後、コスト的にも
たまごなど食材配達の
到達可能点になってくるかもです。

 

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年04月12日

たまごが高騰したまんまですね。
いや、高騰だけ、なら
まだマシなんです…。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

俵 万智さんの
「新幹線からたまごサンドが消えた」
というツイートが話題になっています。

 

ミックスサンドを買おうとしたら
たまごサンドがカツサンドに
なっていたとのことで、

卵屋としては残念な反面
「いまはしょうがないな・・・。」
と思います。

値上がり、じゃなくて
おそらく
「十分な量のたまごが手に入らない」
のが最大の理由だと思います。

 

2022年秋から2023年現在にかけて
全国にいるニワトリの
10羽に一羽以上が
鳥インフルエンザで処分され、
今は空前のたまご不足なんです。

 

あちこちで、たまごは
「手に入ればまだラッキー」
という声も聞こえてきまして、

必要な量が手に入らない、
というお店さんもかなりあるようです。

 

「たまごが足りない」となった場合

メニューによっては
打てる手があります。

たとえば、
喫茶店さんの目玉焼き。

たまごの使用量を半分にする

方法があります。
その名も

冷凍まっぷたつ卵

です。

①まず、卵を冷凍します。
そのまんま放り込んでも
ラップで包んでおいてもOKです。

②次に、それを取り出して
凍ったまんまカットします

③断面を下にして、
フライパンで焼きます。

すると、
一つのたまごから
2つの目玉焼きが。

こうすると、うまくアレンジすると
一つのたまごから2つのメニューが
できるんですね~。

 

もちろん容量も減りますから
どうしてもの場合に備えて
覚えておいてくださったらと思います。

また、ダイエットなどでお考えの方も
半量となってちょうど良いかもしれません。


現在、急ピッチで
全国でヒナの導入が進んでいます。

生産コストが上がってますから
価格の方はまだまだ課題もありますが、

少なくとも
できるかぎり早く、
食べたい方の
お手元に届く体制に
また戻さなくてはと
思います。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2023年04月11日