小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ついに、鳥インフルエンザ処分数が、
史上最大の被害だった2020年を超えました。

全国にいるニワトリ羽数の1割が、
これでいなくなった計算になります。

これちょっと大変な状況なんですね。

・鶏卵価格の高騰
・手に入らない

なんてことが起こっています。

たまごは生鮮野菜と同じく
冷凍や輸入で調整できない食材ですから、
今日余っているか足りないか、で
相場価格が上がったり下がったりします。

たとえば、
昨年末の時点での全農大阪鶏卵相場
価格は一昨年の約1.5倍でした。

5割高くなった、とはそれだけ
市場から卵が足りなくなっている
と言うことです。

ちなみに
これは日本だけじゃありません。
たとえば海外、欧州やアメリカでも
おなじ事が起こっています。

米国は日本よりたいへんです。
1月10日の時点で約5800万羽が
鳥インフルエンザに感染→処分と
なってまして、
『米国史上最も深刻な事態』なんて
見出しが連日新聞をにぎわしています。

他の要因もあってですが、
州によっては卵の値段が
昨年の3倍以上にもなっていまして、

例えばカリフォルニアでは
12個入り白たまごが
昨年2.35ドルだったのが、
今は7.3ドルなんですね。

7.3ドルというと
今日のレートで1パック962円…
これは確かに大変です。

4800万羽が処分されているEUも同様です。

日本も今後の展開では
起こりえるかもしれない、
まったく他人事ではないんですね。

相場で仕入れされている
飲食店さん、洋菓子店さん、製パン店さんは
今後どうなっていくのか
大変悩ましいかと思います。

畜産業界の存続観点でいうと
たまごの相場価格が高いのは
お客様にも生産者にも長期で
メリットとなる点もあるのですが

今回のように
緊急的な不足が理由となっての
価格高騰は、誰も喜べない
深刻なマイナス要素です。

とはいえ、
寒ければ防寒をしますし、
嵐になったら防護を増やします。

ご飲食店さん、菓子業製パンさんも
状況に合わせて対策をしなくては
なりません。

長くなりましたので、
採れるべき手を次回ブログで
3つご説明申し上げます。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

(つづきです→ 鶏卵高騰にとるべき飲食店さんの3つの手段 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2023年01月12日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

台湾の自転車ブランドが
海外輸出する際に、

あまりに破損が多いので
包装に「液晶テレビっぽい絵」をつけたところ
破損が激減したのだそうですね。

 

 

おお~!
なるほど。自転車だと
ぶつけても「大丈夫だろう。」って
考えられてしまうんでしょうね。

この写真、たしかに
『黒い四角』が付いているだけで
なにもウソ書いてあるわけじゃ
無いですもんね~。

興味深いです。

さて、たまご屋にとって

割れずに届くかどうか

ってすごく大事な問題です。
全国の多くのお店さんに毎日
宅配便でお送りをしていますから。

配送会社さんにはホントに
お世話になっていまして、
おかげで日々おいしく
新鮮なたまごをお届けできております。
ありがとうございます。

ただ・・・、
時にぐわん、と箱が
凹んでしまっていたり、
破損というものは
なかなか「ゼロ」には
ならないんですね。

とくに、多くの荷物が
集中する年末や春先、
お盆前なんかは大混乱の中で
僕たちもさらに工夫が必要になってまいります。

以前は、少しでも破損を
減らすために段ボールに

「たまご」と印刷したものを
使っていたのですが、

箱の印刷の注意喚起って
意外とご担当の方は
気にしにくいんだそうです。

そりゃそうですよね。

空き箱の再利用をして、
描いてある文字と中身が
ぜ~んぜん違うことなんて
よくあるわけですから。

おひっこしで
「ガラス容器」なんて
書いてある箱に、
おもちゃや衣服が入って
あることもあるでしょうし、

逆に「野菜」の箱に割れ物が
入っていることもあるでしょうし。

そこで、僕たちがたまごを
お送りする際は、

「生卵」と別の紙で貼る

ようにしています。

これなら「わざわざ貼った」
ということが分かるわけですから、
ご配達いただく物流便の方々にも、
気づいてもらいやすいのかな、
と思っています。

もっとも、
前述の自転車のような例が
広まって、
「いや、中身は別のものに違いない。」
なんてなっちゃったら困りますが・・

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2023年01月11日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「ハリッサ」が売ってるんですね。
近くのスーパーで。

北アフリカ生まれの調味料、
地中海両岸・ヨーロッパと
アフリカで広く使われる
大人気スパイスでして、

数年前に見つけたとき、
めっちゃテンション上がりました。

ハウス食品すごい。

これがあると、
アルジェリア名物たまごサンドイッチ

『フリットオムレット』

が作れるんですよ。

直訳すると

「フライドポテト入りオムレツ」

名前の通り、フライドポテトと
たまごを一緒にして焼き上げます。

めっちゃカンタンで、

フライパンにバターを入れて
フライドポテトを熱します。

そこに、
軽く塩コショウふって
ハリッサを混ぜたたまご2個と焼きます。

熱いうちにお好みで
トマトスライスと一緒に
バゲットに挟んで完成です。

超ウマいんですよね。

あちらではかなりメジャーな
屋台フードです。

あ、もちろんですが、
できあいのフライドポテトを
使わずに、
ジャガイモを切って多め油で
揚げてからオムレツにすると
さらに絶品です。

◆ポテトとたまごは超合う!

じゃがいも入りオムレツって
世界に結構ありまして、

たとえばスペインの名物
スパニッシュオムレツもそう。

アルジェリアって
元フランス領なんですが、

位置的には
地中海を挟んで反対側に
スペインが最も近いお隣です。

茹でじゃがいもとたまごで作る
スパニッシュオムレツ
影響しているのかもしれません。

ですが、アルジェリアでは
ポテトを揚げてから使う分、
すご~く香ばしくておいしい!んです。

個人的には食感がすごく好みですね。

 

◆サンドイッチの歴史が古いアルジェリア

130年間フランス領だったことから
サンドイッチが広がったのかな…?

と思っていたんですが、
そうじゃなくってかなり前から
あるんだそうです。

フリットオムレット・サンドイッチと
同じくらい屋台で人気の
ガランティータっていうひよこ豆の
サンドイッチがあるんですが、

これなんかは500年もの歴史が
あるんだとか。

アルジェリア的サンドイッチ
アフリカンなたまご料理

奥が深くてかなり面白そうです。

 

◆アフリカ料理は伸びてくるかも?

これからアフリカ圏の料理は
注目されてくるかもしれません。

なにせ人口増加率がトップクラス
2050年には世界の4人に一人は
アフリカ人になります。

必然的に料理文化も
メジャーになってくるでしょう。

また、日本人と逆に、
減塩料理が基本なのです。

内陸の地域が多いため、
塩を摂らなくても大丈夫な
食文化なんですね。

高血圧に悩む日本人にとって
減塩料理の美味しい文化は
積極的に取り入れるべき
なんじゃないでしょうか。

フライドポテトが残った時にでも
ぜひ作ってみてくださいませ。

おススメです!

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2023年01月10日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

メディアに出させていただくと
たまに番組記念のグッズやお菓子
いただくことがあります。

たとえば
番組のペンや上記のような
クリアファイルだったり、


なかにはお菓子のときも。

NHKさんで特集を頂いた時に
「NHKの焼き印が入ったおせんべい」
をいただいたこともありまして、

かなりレアだなあ、と面白かったです。

こういうのって
非売品的な要素がありますから
特別感があってなんだか
うれしいですよね。

いちど、
ある高校さんで講演をさせていただいた際
当社の社名ロゴ『CGE(Cobayashi Gold Egg)』と
絞り染めしてくださった手拭いを
生徒さんが作ってくださって
頂いたことがあります。

これはうれしかったですね~。

さて、たまごでも、
コストをあまりかけずに
こういう記念品的な、
グッズ的に何らかの特別感
出せる方法があります。

それは、卵殻への印字です。

可食インクで印字する方法ですね。
フツーはこういう機械って

ぼくたちもスーパーさん向けの
パック卵に賞味期限を印字するのに
使うのですが、

当社は飲食店さま向けにも
使用できるようにちょっと改良しています。

ですので、
業務用出荷包装の形態で、
いろんなメッセージを
お付けすることもできるんですね。

「祝!〇周年」とか

「ご開店記念!」など

だいたい7文字くらいの
メッセージでしたら、
いろいろ印字できます。

たとえば令和になったとき
キャンペーンで特別に
おめでとうメッセージを
入れた卵をご用意したこともあります。

以前に
英国の老舗スーパー
ウィートローズが
たまごの表面印字を

スポンサー広告に使用して
話題になったことがあります。

日本でもベンチャーが提案して
チキンラーメンが広告を出したり
したことも。

ただの卵が、
メッセージツールや
記念品になるのです。

何か、お店のイベントや
季節と関連付けると
面白い効果がでるんじゃないか
そう思います。

ぜひご一考くださいませ~。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2023年01月9日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ニューヨークに超有名レストラン
ル・ベルナディンというお店があります。

そこに、メニューに載っていない
知っている人だけが楽しめる
絶品たまごスイーツがあります。

その名も「ザ・エッグ」

 

 

すごいですね~。
たまごに「唯一」を表す定冠詞が
付いているわけですから、
自信のほどがうかがえますよね。

これは、
ポ・ド・クレームという
フレンチのお菓子でして、

生クリームとプリンの
間をとったような
チョコレートスイーツです。

卵黄を使ったカスタードと
生クリーム、チョコと牛乳を
使ったシンプルですが
とても奥の深い料理で

とろ~り食感がめちゃ美味しい
んですよね~。

この名前の『ポ(pot)』は
壺という意味でして、

通常はココットみたいな
ちょっと小さなガラスや
陶器の容器に入れて
作るのが定番です。

つまり、いうなれば
和菓子的な小さな料理ですので、

たまごの殻を容器にする

にはピッタリなんですね~。

以前にも書きましたが、
たまごの殻を容器にすると
たくさんのメリットがあります。

まず、こだわり感と特別感が出せる
なのに、普段は捨てるものを
使いますから、コスト的にも
メリットが出るんですよ。

ただ、容量は卵一個分ですから
ちょっと小さい・・・

ですので、上記のような
もともと小さいものを
ちょと食べる、という
スイーツや料理には
向いているわけです。

 

◆裏メニュー・シークレットという強み

以前ある取引先さんに
たまご殻を容器に使った
料理を提案したとき、

「ちょっと手間かかりそうだなぁ・・・。割れるし。」

と言われたことがあります。

たしかに・・・。

たまご殻は他の調理容器よりも
割れやすいのは確かです。

ですので、
このル・ベルナディンの
裏メニュー化はなるほど!と思いました。

特別感を打ち出しながら
数は限定できますし、

常連さんをさらに大事にする
というおもてなしができます。

ぜひ、あなたのお店でも、
面白いやり方じゃないでしょうか。

スイーツじゃなくても、
・スクランブルエッグ
・茶碗蒸し
・エッグ&ソルジャーズ

いろんなアレンジが考えられます。

ぜひご一考を。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2023年01月7日

昨年後半より記録的な
鶏卵相場の高騰が続いています。

2023年今後に何が起こるのでしょうか


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

鶏卵相場が高くなっています。

30年間無かったとんでもない
高騰でして、

たしかに僕もここまでの
事態は初めてです。

ただ、『これでも適正な価格だ。』
という意見も多い状況なんです。

まず、なぜこうなっているかと言いますと

一つには、供給量が大きく減っている
のが原因です。

たまごは輸入による調整も
冷凍など長期保存による
流通調整もできないですから

レタスやキャベツ、葉物野菜と同じで
短期的な買い―売りの需要
バランスで市場の価格が
大きく変動するんですね。

そしていま、
たまごは、二つの理由で
大きく生産量が減っているんです。


理由その1:飼料価格の大高騰

ウクライナ戦争、為替の問題、
コロナ禍の影響などで
世界的な穀物価格の上昇がありまして、

飼料価格は二年前から5割増しの
コスト増になっています。

さらに相場価格が昨年前半
まだ低めだったため、
「飼っても合わない。」と
減産や廃業が相次いでいます。

 

理由その2:鳥インフル処分による減産

過去最悪の発生と言われた
一昨年の2020年には、
ひと冬の間に全国51農場で
鳥インフルに罹患-処分がありました。

そして今年
いま正月明けですから
冬はまだ半分なんですが、
すでになんと55農場で発生しています。
最悪を更新する勢いなんですよね。

それだけ想定外のニワトリさん
殺処分があり需要期の減産と
なっています。

 

◆過去の遺産で2月に大不足!?

そして・・・

来る2月には、昨年末のように
ふたたび大きく相場価格が
上がる可能性があります。

 

遠因は2年前にあります。

たまごを採る農場の場合、
鳥インフル発生→処分のあとは
フルに鶏を補充することができません。

ニワトリは約2年間たまごを産みます。
入れ替えの瞬間は生産量ゼロになっちゃいますから、

安定供給のため
何ロットかに分けて
ヒナを入れていき、

年齢をずらしておく
必要があるのです。

ですが・・・
2年前の際には、
あまりに大不足したため
一度に全数のニワトリを
入れてしまっている農場が
いくつもあったのです。

すると・・・、2年経ったら、
いったんゼロにして、
全てのニワトリを入れ替える必要がある・・・

それがつづくのが
ちょうど2月・・・と
予想されているんですね。

ですので来月には
「全国で大幅な鶏の入れ替え」
という『理由その3』ができてしまうのです。

もしかすると、昨年末の大高騰を
超える可能性もあります。

 

◆相場変動のたまごは「早めのご注文」が吉!

なので、
1月中盤→2月~3月は
連日たまごが高騰する可能性が
ありますので、

相場変動お取引をされている
ご飲食店さんは、
可能な限り早め早め、少し多めに
ご発注されるほうが、
トータルでコストを抑えられるかと
思います。

昨年末には、
わずか一週間で20円UP/㎏もの
相場上昇タイミングもありました。

冬場はたまごの保存性が高いです。
4,5日余裕を見てご注文される
だけで、だいぶん違ってくるのでは
ないでしょうか。

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2023年01月7日