小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

本日大晦日、仕事納めです。

鳥インフルによる鶏卵大不足のため
『業界のコロナ禍明け』がのびて
今年になった・・・
そんな一年だったなぁ、と感じます。

ぼくたちも長いこと様子見や辛抱だったのが
ようやくいろんな手が打てるようになった
チャレンジ初めの年でした。

来年はこれらを
じっさいのお役立ちにしていく年になります。

 

お客様にお世話になって
育てていただいた伝統

さらなる革新
バランスよく活用してまいります!

本年本当にありがとうございました!
そして来年もよろしくお願いします!

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2024年12月31日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

年内最終のご納品に向け
大わらわです。

年初の飲食店さん、
大手ファーストフードさんも含め
元旦~3が日の営業は各社ばらばらですね。

働き方改革も含め、
多様化しているな~と感じます。

 

百貨店松屋銀座の調査によると、

コロナ禍後は

正月はのんびり家で過ごしたい

という家庭が増えているようで
顧客アンケートでは1500人の9割が
この正月に自宅または実家や親戚宅ですごすのだそう。

 

いっぽう、
楽しく出歩いてすごしたい
という方にとって、
3が日に開いているお店って
ホントありがたい存在です。

ウチへの卵のご発注の様子をみると
そういうお店への期待もまた
強くなっているなあ、
と感じますね。

日々の生命をあつかう
たまご屋はあす大晦日が最終日ですが、
多様なお客様のお役立ちに
今年最後までお力になれますよう
のこり一日半頑張ってまいります!

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2024年12月30日

年末にかならず同じ間違いの記事がでるんです。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

毎年この時期になると

「ああ、今年も間違ってるなぁ。」

と思う事があります。

 

それは、

大手リサーチ会社の
企業と干支に関するデータ。

まず、これを見てください。
毎年出されているネット記事です。

“巳年”設立の法人 全国で26万9,955社 最古は1881年設立の太平洋セメント(株)(東京商工リサーチ) – Yahoo!ニュース

“来年の干支は巳年
全国で巳年に設立された法人は、十二支で最も少ない

・・・と、書いてあります。

これ、おもしろい
マチガイなんですよ。

じつは、
昨年末、同様の記事で

辰年に設立された法人は十二支で最も少ない

と書いてありました。

卯年にも虎年にも丑年にも子年にも、
なんなら毎年10年以上にわたり
ずーっと、調査会社T社は

“来年の干支に設立された法人が
最も少ない”

って記事を発表し続けています。

いや~、
興味深いですね。

 

これ、おそらくですが、
「来年」の干支について書くので
データ集計の際に
分母に来年度を+1してしまっているんじゃないかと思うんです。

つまり、仮に
60年分データがあったとすると
干支ごとは5年ですが、
来年の干支だけ+1の6年で
企業数を割ってる
みたいな。

現時点で来年度の企業設立
もちろんゼロですから、
割合は下がってしまうという・・・。

そして、気づいてないから
毎年まちがっているんでしょうね。

 

業界3割のシェアを占める大手で
しかも調査会社という

企業データの数字を扱う
プロ中のプロでも
継続してまちがうことがある

という事実。

誰も困ってないから
クレームも入らないんでしょうね。

でも、
僕が気づくくらいですから
けっこう多くの方が
気になっているかもしれません。

小さいこととはいえ
数字をあつかう業種ですから
“データ精度に対するブランド”を下げている
きがします。

僕たちも50年つづく卵屋で
その自負もありますが、

やっぱり気づかずにずーっと
間違い続けていることって
あるんだと思います。

そして、

「わざわざ言うほどでもないか。」
とお目こぼししてもらえるのをいいことに
惰性で続けてしまい、
イメージをさげていることが

「ぼくたちにもきっとある。」

そう思ってお客様に耳を傾け
アップデートしていかねばなぁ、
と感じます。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2024年12月29日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前に
テレ朝情報番組スーパーJチャンネルさんで
「卵の価格」についてお話をしました。

 

その際に、

年があけると
卵の値段は下がります。

とお伝えしたんですね。

 

高くなっている時期に
鋭い予想・・!なんて自賛したい
ところですが、そうじゃありません。

これ例年そうなってまして
今年に限ったことじゃないんです。

 

◆正月はたまごが余って相場が下がる

カンタンに言うと

年末までは
たまごを欲しい人が
作り手よりも多く、

年が明けると
欲しい人が減る(落ち着く)

だから値段が下がる

ということです。

 

年末まではクリスマスケーキや
忘年会の料理、そしておせちと、

たまごを使うお客様がたくさんいらっしゃいます。

ですが、
正月3が日になると洋菓子店さんも飲食店さんも
お休みのお店が出てまいります。また、
一般のお客様も家でのんびりされますよね。

つまり正月は
たまごを料理したい人が
大きく減るんです。

ですが、農場のニワトリさんは
正月なんて関係ないですから、
休まずたまごを産んでくれます。

すると、
買いたい量と生産量のバランスが
やや崩れて余り気味になるんですね~。

 

◆たまご価格はレタスとおなじ!?

そもそも
「たまごの価格が変わる理由」って
レタスやキャベツ、葉物野菜の価格変動
すっごく似てます

「冷凍での量の調整ができない」

「輸入での量の調整ができない」

という点が同じなんですね。

なので
その日の需給バランス、つまり

ほしい量と産まれる量バランスで
カンタンに値段が変動しやすいんです。

夏場にたまごが安いのは、
バテ気味でたまご料理を食べたい人が減る、

たとえばケーキよりもアイスを食べる人が増えて
たまごが余りやすいからです。

年末はその反対。

そして三が日で余る。

傾向は毎年同じなんです。

じっさいのところ、
今年の正月も「ようやくお買い得に!」なんて
ニュースになってました。

一週間後の年明けもそうなるでしょう。

ぜひ、正月直後に
たまご料理ライフを楽しんでくださいませ。

 

そして
そこからまた価格は上がっていきますので、
ご飲食店さまは早め早めの注文で
ちょっと在庫を持つ方がおトクです。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2024年12月28日

洋菓子店のみなさま
クリスマス大変おつかれさまです。

そして飲食店のみなさま、
年末へ向けて更なるお忙しさかと思います。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

今年もあと一週間ほど
どんな正月になるでしょうね!

スタッフのYさんから
おもちをいただきまして、
できたてを食べながら、
正月のお雑煮もたのしみに想像してます。

 

さて、お餅といえば、
おもしろい卵料理があります。

「餅餤(べいだん)」

と言いまして、一言でいうと

おモチのたまごサンド

たまごと野菜を煮て、
それをおモチで挟んで
四角く切ったものです。

これ、千年前の平安時代から続く
由緒正しい料理なんですね。

今年は平安ブームでしたが、

清少納言の「枕草子」
この「べいだん」が出てきます。


『~白き色紙に包みて、松の花のいみじく咲きたるにつけて持て来たり、ゑにやあらむと、いそぎ取り入れて見れば、餅餤といふ物を、二つならべて包みたるなりけり、添へたる立て文に、解文のやうに書きて

進上
餅餤一包
例によりて進上如件
少納言殿に』


となってまして、

『~白い色紙に包んで、梅の花がステキに咲いた枝に付けて持ってきたものが、これもしかして絵じゃないかしらと急いで受け取ってみると、餅餤(へいたん)という餅が二つ包まれていました。

添えてある立文は以下のような形式でした。』

“進呈

餅餤ひとつつみ

習わしによってこんな風に献上します

少納言殿へ”

 

という内容が描かれていました。

文学仲間の藤原行成さんからの
ちょっとステキな贈り物だったようです。

 

◆昇進式のプレゼントだった

ちなみにこの『お餅たまごサンド』
餅餃(べいだん)は、

特別感のあるごちそう

でして、
特別なシチュエーションでのギフトでもありました。

 

この頃毎年2月に定考(こうじょう)という
表彰式がありまして、

帝に仕える官吏の中から、
とくに芸能に秀でたものを選んで
官位を与える昇進の儀式でした。

そこで公卿諸臣に供された餅が
この、たまごサンドモチ“餅餃”だったのですね~。

当時の先進国・中国から来たお菓子なので
おしゃれ感も強かったっぽいですね。

ゴディバのチョコギフト
ゴールドコレクションをもらった、
みたいなイメージでしょうか。

なかなか興味深いです。

 

ちなみに紫式部が行成さんから
もらった際は

「こんなステキなものもらって
なんて返信しようかしら・・。」

と悩んで天皇の奥様(中宮様)とも
ワイワイ話しあって

「餅餃(へいたん)を直接じゃなく
使いにもってこさせるなんて

冷淡(れいたん)ですわね♪」

なんて返答を書いています。かけ言葉ですね。

すると行成さん本人がすぐにやってきて

「教養を鼻にかける女性って
すぐ和歌で返信したがるのに、
しゃれた文章で返すなんてやるなぁ。」

なんて感心して、
その後同僚に話したところ
貴族の間で評判になったそう。

 

◆旧暦2月はたまごのベストシーズン

ちなみにこのお話し、
旧暦の2月は
今の4月上旬くらい。

もともと平安の頃は、
鶏は毎日たまごを産んでいませんでした。

ツバメやすずめなどと同じく、
4月~7月ごろだけ
たまごを産んでいたんです。

鴨やあひるの卵も同じ。

 

卵は『季節もの』
春だけのレアなご馳走食材
だったのですね。

ですので『たまご料理』って
この時期最高の旬の料理といえます。

花卵 『万宝料理秘密箱 卵百珍』 | 江戸料理レシピデータセット

 

◆『春の旬たまご料理』の切り口はアリ

年中産んでくれるようになったいまでも
鶏卵の質は春が良く、
ニワトリのコンディションも最高です。

「春は旬なたまご料理」

の切り口でメニューに入れるのは
とてもおススメです!

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:「枕草子」133段・平安朝の食文化考/帯広大谷短期大学紀要第39号2002年3月)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2024年12月26日

クリスマスにもピッタリの
たまごアレンジです。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「フライト」ってご存じですか?

空飛ぶ方じゃない「食事」のフライト。

 

簡単に言うと
「食べ比べ」や「飲み比べ」セットのこと。

ビールやカクテルにウイスキー
またはテーマでそろえた料理が

少量ずつ特別なお皿に乗って
食べくらべながら楽しめる。

そんなセットです。

 

もともとはバー用語ですね。

『チーズを地域別に食べ比べる』

『ウィスキーを年代別に飲み比べる』

みたいな楽しみ方。

 

◆フライトの語源は飛ぶじゃなく「集合」

フライト、って言うと飛行機なんかのイメージがありますが、これかなり後の方でできた概念。

もともとの意味は、

「鳥や昆虫、天使や矢などがまとまって通過する

これをフライトって言ったんですね。

 

ほら、
ガンなんかの渡り鳥が
集団で移動するじゃないですか。

あれが「フライト」です。

一匹だけだと飛んでいても
「フライト」じゃなかったし、
なんなら集団で歩いて通過しても「フライト」。

で、そこから、
第一次世界大戦の際、
航空機が雁のように飛ぶ「編隊飛行」を
するようになってこれが「フライト」と呼ばれ、

さらに旅客機みたいな単独の飛行機が
「フライト」になって今に至るのだとか。

だから料理の「フライト」は
『色んなのがいっぱい並んでいる』ことなんです。

天使など」と書きましたが
矢は分かりますよね。
戦でドワーっと射かけるヤツ。

そして天使集団で飛んでくるんですよ。

絵画なんかだとほぼ単独行動してませんね。
だから「フライト」。

シェイクスピアの『ハムレット』にも、

「お休みお姫様。天使のフライトが、あなたを安息へと歌いいざなうだろう!」

というセリフが出てきます。

 

◆たまごのフライトは面白い!

そして、米国在住フードクリエイターのアリスチョイさんがイチオシしているのが、「たまごのフライト」。

輪切りにしたゆでたまごの上に、
マヨネーズとマスタードを垂らし
たとえばキムチやハラペーニョ、
ブルーチーズやはちみつ、
玉ねぎの酢漬けピクルスなどを
のせたカンタンな料理です。

色とりどりで
味の違いも食べ比べができて
すっごく楽しいんですよ。

 

@hipfoodiemom1Egg flight!!!! My pickled red onions recipe is linked in my bio and the video is pinned to the top of my page♬ original sound – Alice Choi


ちなみに上記のエッグフライト紹介動画は
150万回再生とめっちゃバズってます。

 

極端な話、

何を乗せてもイイ!

Tiktokで「eggflight」のタグで検索すると
かなり多くの方がSNSに上げてまして
ホント自由な楽しさを感じます。

お子さんともワイワイ作れそうです。

 

◆飲食店メニューでもかなりアリでは

米国の大人気な定番料理に「デビルエッグ」がありますが、
これのさらに簡易版で、しかも楽しい。

いろんなトッピングをすることで
美しくも美味しい、パーティにもお酒にも合う
「たまごのフライト」。

これ、確かにやってみると盛り上がります。

日本のお寿司盛り合わせにも通じる概念を感じますので、日本人にもマッチしているんじゃないでしょうか。

低糖質ですし、
テーマに合わせていろんな可能性がありますよね。

提供の前に作り置きできますので、
飲食店さん、特にお酒が主のお店メニューでも
何か面白いことができそうです。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。