小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

この十数年、
半年ごとに献血に行っております。

先日行った際、帰り際に

「いつもご協力ありがとうございます。
ポイントがたまったので
商品をお持ちくださいね。」

とおっしゃって下さいまして、
保冷剤をいただきました。

おもしろいのが、
ただの保冷剤じゃなくって
輸血パックになってるんですね。

「何型にしますか?」

なんて聞かれまして、

「えっ、じゃあ自分と同じA型で・・・。」

と回答しました。

面白いですね~。
ただの保冷剤が、かなりの面白レアグッズに
なってまして、なんだかうれしいです。

少し前には、
輸血パックのような外装に
エコバッグが入った景品が
いただけたようなのですが、
SNSでかなりバズってました。

 

 

たしかに!これは欲しくなりますね!

これ、ただ、ドン・キホーテあたりで
この商品を見かけても、

「ちょっと面白いな」くらいの
気持ちだったかと思います。

赤いタオルだって、
ただそれをもらっだけなら
そこまで話題にはならなかったでしょう。

やっぱり、
献血をした→それにちなんだグッズが面白い。

という流れがあるから、
満足度が高くなるわけです。

 

おなじように、

お店の料理メニューでも
なにかのつながりを感じられるだけで
満足度があがることがあります。

同じ土地で採れた食材や
同じ季節のもの
仏教でいう身土不二という
考え方ですね。

他にも、たまごであれば

鶏肉とたまご

親子丼じゃなくっても
つながり感があってとても
良い組み合わせです。

これは
得意先の人気ラーメン店さんで
出されているサイドメニューの
たまごかけごはんですが、

鶏チャーシューの角切りと
たまごの組み合わせです。

豚チャーシューとたまごも
よく合うのですが、

こちらの方が
納得性のある組み合わせに感じます。

味の取り合わせも絶品です。

ちょっと強引でも良いので
何か面白いつながりが
示せれば、新たな人気メニューに
なるかもしれません。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年12月11日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ゆでたまごがうまくできたかどうかの指標の一つに、

黄身の位置

があります。

黄身がキレイに真ん中に
あるのか、それとも
端っこに寄っちゃっているのか。

サンドイッチなんかのように
つぶして調理するなら
ど~でも良いのですが、

煮玉子であったり
デビルエッグや
カットしてサラダに使う
…なんてのだと、

黄身がはしっこに
寄っちゃっていたら
とても残念な見た目に
なったり、うまく調理
できなくなっちゃいますよね。

黄身のかたよりは、
たまごを静置したまま
茹でてしまうことで

白身よりも比重の重い
黄身が重力で下側に寄って
しまうために起こります。

その対策として、

『茹でながら転がす』

という方法があるのですが、
これはこれで面倒くさい
ですよね~。

そもそもいつまで
お湯の中でコロコロ
やっていれば良いのか。

過去の実験による研究報告では、
水温が19℃→80℃に上がるまで
の間転がし続ければ、
必ず中心に黄身がくる

ということが分かっています。

また、
・60℃で転がすのをやめる
・50~60℃を過ぎてから転がし始める

このどちらかだと、
ころがす効果はサッパリありません。

「これくらいでいっか。」
「あ、忘れてた。」

・・・は、
やるだけ意味がない
ということですね~。

ようは凝固が始まる前から
十分凝固がおわるまでのあいだ
ころがすことが大切
ということです。

僕は理想のゆでたまごの
作り方、ということで

熱湯から茹ではじめる
ことを推奨していますが、

この場合、
だいたい入れてすぐから
1分半~2分程度
コロコロしていれば

ほぼ80℃達温くらいに
なりますので、
理想の中心に黄身が来ます。

あと、まったくコロコロ
しなくてよい方法もあります。

それは、ゆでるのに
エッグスタンドを使うというやり方。

黄身が横側に沈むと
茹でたときに偏りますが、

立てて茹でることで
ちょっと下側に黄身が
沈んでも問題ないわけですね。

専用のゆでるスタンドがいくつも
売ってまして、百均にもあります。

僕はいつも沢山ゆでるので、
百均で買った小ザルを使ってます。

以前にも書きましたが、
少量の水で蒸すように茹でると
めちゃめちゃ美味しくできます。

(関連:なぜ茹で玉子は少ないお湯でゆでるべきなのか? | たまごのソムリエ面白コラム

ぜひ理想のゆでたまごライフを!

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

 

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

年末に入り、書店でも
来年のカレンダーがズラっと並ぶ時期ですね。

来年の「卯年」はご存じの通り
ウサギですが、文字を見ると
なんだか「卵」っぽいですよね。

点のあるなしだけ。

ですが、由来に共通点はありません。

卯(う)の字は、
カットしたウサギ肉の象形文字
なんだそうです。

神にささげるために
お肉を切った状態。

なるほど。
言われてみればそれっぽいですね。

対して「卵」も同じく
カタチを模した象形文字なんですが、
残念なことに(?)鶏のたまごじゃ
ないんですね。

虫とかカエルのたまごだと言われています。

木やカベに、カエルや虫のたまごが
くっついている状態を模した
漢字なんだとか。

「卯(う)」の由来からてっきり…

みたいなカンジだと思ってましたが、
そうじゃありませんでした。

ちなみに丼とうどんのチェーン店
「なか卯」の「卯」は「うどん」
の「う」なんだそうです。

縁起の良い文字をあてたのだとか。

 

◆呼び名の「たまご」を昔風に!?

ちなみに「たまご」の呼びかたは
江戸時代くらいからメジャーになりました。

それまでは「トリの子供」で「とりこ
とか「殻(かひ)の子」で「かひご
なんて名前だったのです。

ですので、たまご料理で
ちょっと伝統感を出したい場合は、

とりこ」「かひご

または
漢字にして「鳥子」「殻子」で
メニュー名なんかを表現すると
ちがった印象になって面白いんじゃないかと思います。

「たまご天ぷら」よりも「殻子天」
の方がカッコいいかもしれません。

たとえば玉子焼きじゃなく
江戸時代のレシピを再現して
「かひご焼き」とか
「とりこのせ」とか。

とくに正月のメニューなんかで
昔っぽさや伝統感を出したい場合も
使ってみると面白いかもしれませんね。

「梅仁丹のど飴」ってあるじゃないですか。

森下仁丹が出しているんですが、
この「梅仁丹」をリニューアル
した際に、あえてレトロ調に
して大ヒットしたことが
あります。

あなたのお店の料理の魅力も、
シチュエーションと呼びかたで
更に魅力度アップにつながる
のではないでしょうか。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年12月9日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「たまご料理ってホラ、
いちいち常温にするのが
面倒なんだよね。」

って耳にすることがあります。

たしかにそうかもしれません。
料理の本を見ても、
ゆでたまごや一部の卵料理レシピで

『まず冷蔵庫から出して
常温に戻してください』

なんて書いてあります。

ですので、よりおいしい
たまご料理を作ろうとですね、
キチンと守っていただいている
方も多くいらっしゃるのです。

ですがコレ、じつは

料理によって違う

のです。

逆に
冷蔵庫から出したて
ヒエヒエの方が
美味しくできる料理も
あるんです。

 

・麻薬たまご(黄身トロトロゆでたまご)

たとえば韓国中国でヒットし
昨年バズった『麻薬たまご』は
冷蔵庫から出してすぐ茹でる
のが正解です。

これは煮玉子の
一種なのですが、

白身はしっかり
黄身が超トロトロ

となるのが美味しさの
ヒケツなんですね。

とすると、
黄身がしっかり冷えた状態から
短時間(熱湯から6分程度超)
茹でて、

超トロトロ半熟にするのが
ベストなんです。

ただし、
その分ヒビが入りやすいので、
古いめのたまごを使ったり
卵のおしりに穴を空ける
などの工夫もいります。

 

・目玉焼きはヒエヒエ卵で作る!

あと、目玉焼きですね。
たまごの黄身は、油脂分が多く
低温ほど固めの食感になります。

冷えたほうがより
黄身がしっかり盛り上がり
球に近くなります。

すると、焼いた時に
黄身の内側に
温度勾配ができやすく、

外はしっとり
中はトロトロの
めちゃウマの目玉焼きが
作りやすいんですね。

ちなみに海外のレシピで
目玉焼きはしっかり常温に
してから焼く!なんて書いて
あることが多いですが、

これは日本とちがって
衛生面のリスクが高いから。

 

◆でも常温に戻すべき料理もある

逆に、しっかり常温に戻すべき
たまご料理もあります。

たとえばオムレツ

流動性が重要で、
あらかじめちゃんと均一に
まぜるとよりトロふわの
美味しい食感に作りやすく
なりますので、

さっきと逆に
黄身に多く含まれる油脂分
の粘度を下げるため、
しっかり常温に戻しておく
方がつくりやすくなります。

あ、同じ理由で
スクランブルエッグもそうですね。

たかが温度、されど温度です。

うまく使い分けると、
よりたまご料理が美味しくなります。

ぜひお試しくださいませ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年12月7日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

寒くなってきましたね~。
さすが12月!です。

米国や欧州ではこの時期
「エッグノッグ」という
たまごドリンクがめちゃめちゃ飲まれます。

「クリスマス時期の飲み物」でして、
この時期は量販店でもボトルや
容器に入ったエッグノッグが
山積みされています。

米国だけでなんと!
1億3500万ポンド(6万一千トン)
ものエッグノッグが
1シーズンで飲まれるのだとか。

エッグノッグは
いわゆるミルクセーキでして
小さい子供でも楽しめる飲み物です。

ですが!
本来のエッグノッグは

アルコール度数の高い
超酒好きのためのドリンク

なんですね。

子供好きそうで
あま~いのに、
なぜお酒なんでしょう?

 

◆イギリス生まれの食前酒だった

エッグノッグは
中世ヨーロッパが起源で
英国で誕生しました。

もともと「ノッグ」とは
英国の「アルコール飲料」を
指す言葉でした。

中世のイギリス
西アングリア地方では、
“ノッグ “と呼ばれる
アルコール度数の高い
ビールが醸造されていたんです。

そこから、
『アルコール度の高いたまご酒』
としてエッグノッグができたのです。

じゃあ、なんでそんなに
アルコールが重要かというと
じつは、

安全に美味しく卵を食べるため

だったのですね。

 

◆エッグノッグのお酒は細菌を殺すため

そもそもは美味しいからお酒を
入れたわけじゃなくて、

安全に牛乳を飲み、
安全に卵を食べるため
だったのです。

中世の時代には、
牛乳をそのまま飲むのは
かな~り危険なことでした。

現代でも殺菌されていない牛乳を
飲むのは超危険ですよね。

たまごも同様で、
しっかり火を通す以外は、

卵殻に付着した菌もあって
非常に勇気のいる食べ物だったのですね。

そこでアルコールだったのです。

当時のレシピでは、
生卵をラム酒などのアルコールに
数日間漬け込んで、卵に付着した
細菌を確実に除去することが推奨されていました。

多くの人は、
エッグノッグを数日から1週間ほど
寝かせて、菌がいなくなったこと
を確認してから飲んだと言われます。

なるほど・・!

ですね。
あまくておいしい卵ドリンクは、
アルコール無しでは危険で飲めない
大人で飲んべだけのための
安全ドリンクだったのですね~。

考えてみれば、
マヨネーズだって同じです。

殺菌作用のあるお酢と
生たまごを合わせるのは、
菌を殺すため、だったとも言えます。

昔の人の知恵ですね。

そして、現代ではもちろん
牛乳もたまごも衛生的に
管理されていますから

何の心配もなくお子さんと
ノンアルコールで飲めるわけです。

う~ん、でも念のため・・!

なんて言ってお酒を入れちゃあ
ダメですよ!? お父さん。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

エッグノッグのレシピは↓をどうぞ。

(関連:クリスマスの定番!あまーい卵のお酒・エッグノッグ【レシピ紹介】 | たまごのソムリエ面白コラム)

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2022年12月6日

「オムレツ、って難しいよね~
上手く作れないんだよ。」

というお話をよく聞きます。

じつはちょっとした工夫で
解決できるかも・・・


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

僕は割と卵料理を作る方ですが
けっこう長いこと

オムレツってつくるのが難しいなぁ

・・・と感じていました。

まず食感のコントロールが難しい。

表面は固まっていて
中がトロトロ、
そしてきれいなカタチに・・・

熱によってできあがりが
秒単位で変化しますから、
短時間に考えることと
やることが多いんですよね。

長らくの間、

調理技術(ウデ)がないから

だと思っていました。

ですが、実は!
そうじゃなかったのです。

たった2つ!のことを
するだけで、
トロトロふわふわのオムレツが
飛躍的に作りやすくなったのです。

それは、

・オムレツには牛乳じゃなく水を入れる

・ほんの少しの砂糖を入れる

たったこれだけです。

 

◆牛乳を入れると固くなりやすい

たんぱく含量を上げすぎない、
という事が重要なんですね。

オムレツに入れるのは水か牛乳か

という論争は、
欧米でもよくあるテーマだったのですが、

研究的には「水の方がイイ」と
なっているんです。

ひとつには、固化温度。

たまごはだいたい65℃を
すぎたくらいから黄身が固化し
そのあとで白身が固まる温度になります。

この温度があっという間に
過ぎてしまうから、食感が
ぼそぼそになったり、焦げたり
固まってしまうわけですね。

で、ですね。

オムレツの卵液に

牛乳や塩を入れると
固化温度が下がる

ことが研究で分かっています。

すなわち、

牛乳を入れちゃうと
すぐ固まってしまう、
水を入れたほうが作りやすい

ということです。

たんぱく含量が上がりますから、
その影響ということですね。

感覚的には、豆乳でも同様ですね。

 

◆砂糖を入れるとトロトロに!

そして、砂糖を入れると
その逆になります。

砂糖はたんぱく質の変性を
抑える効果があるんです。
つまり卵の固まる温度を高め、
固まってもやわらか~くする
働きがあるんですね。

研究では、65℃~の固化が
最大10℃も上がることに。

そのおかげで、
そとはしっかり中はトロトロに
重層的な熱勾配が
つくりやすいですし、

なにより
固まるのをあわてずに
作りやすくなります。

具体的には、

・たまご 2個
・水 大さじ2杯
・砂糖 小さじ半分

これに塩コショウを加える
だけで、めちゃくちゃ
つくりやすくなります。

自分でもとろっとろの
オムレツができたときは
ホント感動しましたね。

もしご家庭で
「オレってヘタかなぁ。」
と悩んでいるならば、

単に上級者すぎる
レシピの問題かもしれません。

ぜひ上の比率で
試してみてくださいませ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:映画「ディープブルー」に学ぶ、最高のオムレツをつくるコツ | たまごのソムリエ面白コラム