小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

徳島のメーカー・グラリスさんの
提供する食用コオロギパウダー
を使ったスナックが、
コンビニでも販売されています。

結構おいしい!んですよ。

なぜ、今になってコオロギを食べようと考えるのでしょうか?

それは、準備ですね。

まず、
世界人口が百億を超える
2050年まで30年を切って
いる状況があります。

フツーにいまの食生活を
していたのでは、生活が
成り立たない可能性が高いのです。

じゃあ、
昆虫にどんなメリットが
あるかといいますと、

ぜんぶ食べられる

ということがあります。

たんぱく源としてみた場合に
牛豚ニワトリなんかと比べて
骨とか皮とか血とか毛とか
食べられないムダな部分が
無いわけです。

とはいえ、
「ええ~!!虫を食べるなんて…
ぜったいイヤだ!」

という感想も
もっともだと思います。

「食」の習慣を変えるのって
想像以上に大変なんです。

たとえば
あのホクホク美味しい
ジャガイモ。

ビタミン豊富
栄養たっぷり
どこでも作れる。

いいとこずくめなのに、

アメリカ大陸から
15世紀に持ち帰られたあと、
為政者が飢饉対策にと
どんなに後押ししても、

見た目がごつごつ不格好と
いうことで、
「聖書に無い悪魔の実だ。」
と言われ、嫌われ、
欧州で定着するまで
150年もかかりました。

それくらい、
食文化を変えるのって
すごく大変なのです。

しかし、これに対して、
2つ解決方法があります。

◆畜産に活かす昆虫食

いきなり食べるのは抵抗がある。
そこで、
『畜産』のワンクッションを
かますんですよ。

つまり、
人間が昆虫をたべなくても、

昆虫パウダーを
畜産飼料として利用し、
それで育った卵や肉を
人間が食べればいい。

…という考えですね。

実際、畜産飼料への利用が
すでに試されています。

昆虫で育った鶏卵が
食卓へ上る日も
そう遠くないかもしれません。

「えっ!?それですら
ちょっとイヤだなぁ…。」

と思ったあなた。

そこで、もう一つの解決方法です。

それは、

「アタマで食べる」

ということ。
つまり、知識と体験で
好きになる、ということです。

たとえば、
子供って苦いものと
すっぱいものって
キライですよね!?

ピーマンとか
酢のものとか、
あまり食べてくれません。

それもそのはず、
味覚でいいますと、
『苦い』は“毒だよ!”の信号で、
『すっぱい』は“腐敗してるよ!”
のサインなのです。

本能的には、どちらも
「食べたくない・・!」が
当たり前なんです。

過去何万年間も、
僕たちの祖先は毒物や
腐ったものを食べ体を壊して
この舌からの信号を
会得した本能ですから…。

なのに、
「苦いって体に良い成分もある」
「酸味って健康にいいよね。」
なんて知識を知って、さらに
何度も何度も食べていると、

「この苦みがウマいんだよね。
サンマのワタ最高!」

みたいに学習して
嗜好が変わるんですよね。

ですので、
昆虫食や昆虫飼料の鶏卵など畜産物も

まずメリットを知ってみて
おそるおそる食べてみて

「あ~こりゃ大丈夫だ。」

とアタマで理解しながら
食べてみると・・・

将来は
肉派と野菜派と昆虫派・・!
みたいな立派な一ジャンルに
なるかもしれません。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2022年10月13日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

いきなりですが
坂本龍馬とアインシュタインの
共通点ってなんでしょうか?

それは、
どちらも

ガラッと!

思想を変えた瞬間があったこと。

坂本龍馬は
尊王攘夷運動に傾倒する
いわばテロリストだったのが
勝海舟の説得で真逆の立場に
変わります。

アインシュタインは
『宇宙が時間変化しない』とする
仮定・宇宙定数を導入し、その後
ハッブル博士の研究論文を読み
180度反対の意見に転じました。

訂正を恐れないという姿勢って
その思いが強固なほど
より勇気がいるんじゃないでしょうか。


歴史の偉人と比べるべくもない
ですが、僕にもガラッと考えを
変えた瞬間があります。

18年ほど前、ぼくが
たまご屋3代目となってすぐのころです。

たまごの美味しさの究極は「一つ」!

だと考えていた頃がありました。
つまり、どんな料理にでも合う
究極にすばらしいたまごが
あって、その条件は唯ひとつ
その「真理」を見つけるのだ!

・・・なんて考えていました。

で、当社の、
小林ゴールドエッグの
最高品質の『統一規格』をつくろう。

…と息巻いていたのです。

ところが
いろんな試食試験や
物性データを取っていくと

たまごの美味しさは一つではない

ということに気づいたのです。
加熱でとろふわになる卵の特性と
生食でめっちゃ醤油と合う卵は

ぜんぜん特性がちがって、
どちらも素晴らしい「個性」

だったのですね。

そこで、
今は『統一規格』とは真逆、
料理に合わせた料理別専用たまご
小ロットでたくさんの個性を
価値に据えています。

美味しいたまごとは
「できた料理が美味しくなるたまご」

これが、僕たちの取り組んできた
考えです。

◆モノじゃなくて価値って何?

まくらの価値は“素材”じゃなく
『ぐっすり眠れる』こと

カメラの価値だって、
“起動速度が速い”ことじゃなく
『お孫さんの笑顔を逃さない』こと
だったりします。

たまごも、
お箸でつまめる!とか
ニワトリさんが元気!

…なんてのはすごく重要ですが、
どれもスペックであり
あくまで『手段』だと思うのです。

ほら、ペットボトル飲料のフタが
しっかり閉まっていることって
すごく大事ですが、
「だから買ってください。」は
ヘンでしょう?

たまごの鮮度とか
ニワトリの健康管理
農場が良い管理
なんかはそれにあたると
思うのです。

その先の価値
『料理の美味しさ』と『健康』
『取引先様のご繁盛』
この3つになればステキだよなあ
そう思っております。

精進してまいります。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年10月12日

四国は畜産として非常に有利では、というお話です。


『日本でゾンビ映画の
ヒットは難しい』
と聞いたことがあります。

全米興行収入〇位!のホラー
ヒット作品でも日本で非公開
なんてのも珍しくないのだとか。

なぜなら火葬だから。

根源的な
「腐った死体が埋まってるかも。怖い。」
というイメージが無いんですね。

かわりに、
カタチが無くて怖い
『怨霊』みたいなのが
日本人にとって
「なんとなく」
恐ろしいわけです。

もちろん日本でのヒット
ゾンビ映画もありますし、逆に
『リング』みたいな和製ホラーも
米国でリメイクされたりもしていますが、

おおむねそんな
傾向ってありますよね。


話変わって、この

「なんとなく」って感覚

じつはスゴイ武器になるのって
ごぞんじでしょうか?

以前、東京の有名デパートの
バイヤーさんに

「関東の人は四国をジャングルだと思っている。」

とおっしゃっていただいたことがあります。

いや、べつに
失礼な意味じゃなくて。
それほど未知の場所
だという事です。

これ、
僕が住む近くの喫茶店から
見た風景ですが、確かに
田舎ではありますけども、
まあジャングル…
というほどじゃないです。
たぶん。

ただ、
広大なエリアに人口の
わずか3.2%

横浜市と同じくらいの
たった380万人しか
住んでませんから

人がいないエリア
がとても多いのは事実です。

また、関東の方にとってみれば、
四国の自然「以外」の情報
露出が少ないですし、
そもそも情報じたい
目に触れません。

九州地方は工業化された
部分も含め、情報なんかも
多く出てますし、

東北や北海道だと、
関東から電車一本で行けたり
アクセスも良くて
どんなところか
わりと良く知っている人って
多いのです。

ですが、四国は

「行ったこと無いなぁ。」

という人が多く、情報がないのです。

ですので、
「なんとなく」でいいますと、

「なんかすごく田舎?」
「なんかよく知らない遠い場所」

という感覚のが大きいのです。

これが、
たまごなど畜産で言いますと
意外な武器になります。

「四国の自然を活かした
開放式農場の手摘みたまごを
産みたてその日に出荷します。」

というワードは、
たとえばご飲食店さまで表記すると
お客様は

「それはすごそう。」

と思ってもらいやすいのだとか。
取引先様のテストでは
書くと書かないのでけっこうな
たまご料理の評価の差がでています。

ちなみに関西エリアだと
「四国から出荷」に
「すごいジャングルから来たイメージ」
はさほど無いようです。

ローカル情報に触れたり
行ったことある方も多いからでしょうか。

なんにせよ、関東エリアのお店さんは
四国由来の畜産や食材の表記に
エリア的「なんとなく」のイメージを
活用してみるのも手ではないでしょうか。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年10月11日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご料理の魅力って
いろいろあるわけですが、
そのうちの一つが

「毎回できあがりが
ちょっとずつちがう」

というのがあるかもしれません。

たまご料理の加熱食感って、
具体的には半熟な部分と
火が通った部分などが
混然一体となっていて
それでふくざつな食感と風味に
なっていることって
多くあります。

オムレツ
玉子焼き
スクランブルエッグ・・・

目玉焼きもそうですね。

そしてこれらって、
毎朝食べる朝食に
出されているものです。

つまり、手料理の
なかなか飽きがきにくい
料理、というメリットが
これらのたまご料理には
活かされているのでは。

人間、なにが飽きるって
ずーっと同じ味だとダメなんですよね。
不思議ですが。

ですので、
大手食品メーカーのロングセラー
商品は、必ず定期的に味を
リニューアルしています。

しかもあまり長くないスパンで。

通常、こういったゆらぎの魅力って
食べるお客様はほぼ認知されていません。

「なんとなくよく食べる」
「なんとなく飽きた」

こういう差が、
自覚なく起こっていて
その理由になっていたりもします。

たとえば、
ポテトチップスやじゃがりこを
しょっちゅう食べても
あまり飽きないのはなぜでしょう?

意外と細かく味をアップデートしている
そんな取り組みがあるからです。

逆に、中小企業のほうが
「ガンコに味を守る!」
なんて言って
逆にお客様を逃している
可能性すらあります。

ですので、
もし、あなたのお店で、
来店頻度を上げたい、という
戦略があるのでしたら、

こういったゆらぎの魅力を
うまく活かすため、

たまごを使った料理を
軸に据えてみるのが
有効かもしれません。

オムライスや丼物も
そうですが、
カレーやハンバーグなどにも
あえてスクランブルエッグ系の
添えたメニューを定番化
してみるとか。

たまご料理のできあがりの
微小な『ゆらぎ』を
ぜひ活用してみてほしいですね。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:あなたの大手ライバルは決して手を抜かない | たまごのソムリエ面白コラム

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年10月11日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

お店のオリジナリティに
面白いのが

自家製マヨネーズ

です。

欧州では家庭ごとに
マヨネーズを手作りしている地域も少なくありません。

またマヨネーズは
油とお酢と卵黄という
シンプルな組み立てながら
和洋中いろ~んなメニューに使える
万能調味料です。

サラダだけじゃなく
サンドイッチから
目玉焼きや肉魚料理の
付け合わせ、

お店の味に独自性を
出すのにはうってつけですよね。

日本では業務用も大手メーカー
品が普及していますが、

あえて
飲食店さんで手作りすると、
粗利のとれる面白い
差別化メニューになります。

たとえばメーカー品のように
長期保存する必要がありませんから
酸度を変えてまろやかにしたり、
いろんなアレンジもできます。
せっかくなので油や卵に
こだわって差別化も面白いのです。

 

◆マヨネーズにならない!なぜ・・・!?

ある取引先のスタッフさんに

ちゃんと手順どおりやっても
なぜかマヨネーズにならない・・??

というご質問をいただいたことがあります。

よくご確認をしてみると、
ひとつ原因がありました。

それは、

たまごが冷えていた

ということ。

じつは
冷蔵庫から出したばかりのたまご
では良いマヨネーズにならないのです。

マヨネーズとは、
水分(お酢)と油分を、
たまごの黄身中のレシチンという
両親媒性(水とも油ともなじむ)
の成分で乳化させてできたものです。

このレシチンが、
低温ではうまく働きません。

通常、水と油って、
なじまないですよね?

油どうし、水同士で
くっついて大きなカタマリに
なります。

ところが、
このレシチンがあると、

レシチンのはしっこ部分が
油となじむため油滴に
くっついて周りを囲み、
水分の中でミクロのバラバラに
存在できるようにしてくれるのです。
(水中油滴型エマルジョンといいます)

だいたい16~18℃くらいが
うまくいきやすいです。

逆に30℃くらいの温かすぎても
今度は油が流動して
すぐくっついちゃうので
うまくいきません。

さきほどのご相談いただいた方も
メレンゲづくりの感覚で
冷蔵庫から出して手早く
調理されたので
うまくいかなかったわけです。

ちなみにマヨネーズができて
保存するときも、すぐ冷やすと
やっぱり分離してしまったり
しますので、そちらも注意です。

また、

金属製のボウルは使わない

のが大事です。

油って空気に触れると
酸化しちゃいますよね。

マヨネーズづくりで
泡立てると、
空気にめっちゃ触れることに
なりますから、
酸化も進みやすいのです。

できるだけ避けるために
金属製のボウルは避けるべきです。

これはおもしろいことに
オムレツづくりとは真逆です。

ぜひ、自家製マヨネーズで
ワクワクの繫盛メニューを
ご検討くださいませ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年10月9日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

ちょっと打ち合わせに
スターバックスに行ったのですが、
日曜日の午後だったせいか
ドライブスルー渋滞していました。

すごいですね~。

スターバックスのコンセプトは

「ザ・サードプレイス」

“第三の居場所”です。
自宅と職場のつぎに
ゆったりできる場所を提供する
・・・という想いがあります。

ですので、
とても落ち着くイス
ゆったりとした雰囲気と音楽
できるのを待つ間の会話・・・
こんなことを意識しているわけです。

してみると、
「ドライブスルーで買ってかえる」
というのは、

その『第三の場』サービスの
多くを享受できないわけで、
ちょっともったいないような
気がするんですよね・・・

なので僕はなんとなく
時間があるときだけ
スタバに行く事が多いのです。

とはいえ、
空間をくつろぐだけじゃなく、

コーヒーの味も
「おいしいな・・!」
と行くたびに思いますし、

商品を買って
その世界観に触れて
すごくハッピーだ、
という事もあるはずです。

それらを重視する人は
ドライブスルーを選択
するわけで、

僕みたいな
「余さず価値を受けないと…
もったいない!」
なんて考えは単に
貧乏性なのでしょうね。

 

◆強みはいっぱいあるべき

こんなふうな、
商売の戦略上で
ひとつの強みだけじゃなく
それを軸にした
いくつもの強みの集合体で
独自性をだせると
やっぱり強いですよね。

そんな考え方を、

コア・コンピタンス経営
なんて言い方をします。

自社のコアな価値を
多くの周辺価値で
補強する経営戦略です。

現代社会では、もはや
不味い食べ物なんて
無くなってしまいました。

コンビニで食べようが
レトルト食品だろうが
美味しいのが当たり前です。

どのお店も、
「おいしい」だけでは
差別化にならない時代なのです。

だから、
スターバックスが
「第三の場所」を核に

味もいいしサービスもいいし、
雰囲気も良くてデザインも
接客も…

みたいな、核の価値に
強みをいくつも周辺に
構築してその集合体で
攻めるようになっているのですね。

だから、強いわけです。

 

◆たまご屋も料理店さんも強みの集合で…!

ご繁盛している飲食店さんは、
無意識にでもこういった
強みをいくつもつくっている…
お客様との打ち合わせの中でも
そう感じます。

逆に、新たに
お店を出される方で、
味「だけ」に強くこだわって
いらっしゃることもあります。

ご開店後に苦労される
事も少なくなく、
非常にもったいないですね。

僕たち卵屋の
お役立ちで言いますと

たまごは飲食店さんの
「周辺価値」アップに、
非常に相性が良いのです。

たとえば、『誘因性』
メニュー写真やカンバンの
訴求性として、視覚的に
たまごは非常に効果があります。

たまごを出すと
誘因率が高いのです。

また、他食材とくらべ
コストの割りに
こだわったメニューがつくりやすく
こだわりどころ情報
伝えられる点が多いんです。

『ストーリー』や『話題性』
だってたまごメニュー
伝えやすいのです。

味だけじゃなく、
お店の世界観とか
ストーリーにも
お役立ちできる部分が
とっても多いんですね。

ぜひあなたのお店の
魅力のあつまり、
「強みの集合体」のために
こだわり卵の価値を
ご活用くださいませ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年10月8日