小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

香り・苦み・酸味の『好き』は
人生の「経験」からくる
そんな研究報告があります。

であればそれは、
繁盛とどう結びつくでしょうか?


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「おいしい」には
4つの要素があります。

「色」「味」「食感」
そして「香り」ですね。

『味そのものががおいしい』
『食感がおいしい』
『おいしそうな色味』
『食欲をそそる香り』

こういう要素ですね。

今日の本題は香りについて。

たまごの試食データを取っていると

「ゆでたまごの香りが苦手」

という方がいらっしゃいます。

比較的女性の方に
多くいらっしゃるのですが、
たまごのイオウっぽい香りが
どうも苦手という方は
結構多いのです。

これは、食べ物と香り成分が
体験としてリンクしていない
というのが理由の一つ。

美味しい!という記憶喚起がされず
脳が違和感を感じるわけです。

たとえば、
バラの香りなんかもそうですよね。

バラの甘い香気成分は
国によっては紅茶やコーヒー
ジャムなどの香りとして
親しまれており、

食欲をそそる香りだったりします。

でも、嗅ぎなれない日本では
歩いていてバラの香りがしても

「おいしそうな香り!」

なんてならない人のほうが多い
ですよね。

僕もバラのジャムは好きですが
香りと食欲は結び付かないです。

 

◆苦み・酸味・香りの好きは”経験”

嗜好に関する研究によると、
香りの「好ききらい」と
酸味と苦みの「好き」は
体験によってしか作られないのだとか。

生物としてのヒトにとって、

苦みは「毒」の信号
酸味は「腐っている」の信号なのです。

また香りとは、
学習して身につけるそれぞれの
体験活用なのです。

ほら、小さい子供って
苦いピーマンも、
酢の物も大嫌いですよね?

これは、生物としては
非常に正しいわけです。

「これはヤバい食べ物だ。」

という本能を、

「この苦みが旨いんだよね~。」

みたいに経験でねじふせて
上書きするのです。

だから、大人になると
サンマ塩焼きの内臓だって大好物になるわけです。

そして、香り。
2歳くらいまでの子供に、
いろんな匂いをかがせてみても
好悪の反応をさほど示しません。

これは、頭の中に判断材料となる
体験がないからと言われます。


ゆでたまごの話に戻りますと、

ゆでたまごって、固ゆでなど
長く茹でるほど遊離のイオウ分が
多く出て香りが強くなります。

僕個人としては、この香り、
だいっ好きなのですが、それは
僕自身の体験から確かに来ています。

昭和~平成の初期ごろまでは
比較的自宅でも固ゆでたまごの
メニューをつくって料理の
トッピングにしていました。

ウチの母も、しょっちゅう
たまごを茹でてました。

ですが、最近は
調理器具も進化しまして、
温度調節しやすい環境が整っています。

イオウ臭が少なくなる
半熟たまごもブームになって
息が長いです。

あまり強いゆでたまごの匂いを
体験していない人が多いのです。

すなわち、この香りは
「おいしい」にも
「好き」にもつながらない人が多い。

僕たちのお届けする
『ほくとろ!ゆでたまご専用たまご』は、
黄身の濃厚甘みと極端に香りのスッキリ
化を両立させたたまごなのですが、

それにはこんな時代的背景も
あるのです。

たとえば『炊き立てごはんの香り』
が苦手、という人も出るように
なってきました。これも、家庭で
あまりごはんを食べない人が
そう感じているのかもしれません。

お店のメニューでも、
家庭の背景や、地域、時代背景の中で
どんな香りにお客様が親しんでいるか
考慮しての工夫が必要になってくるの
じゃないでしょうか。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

おなじたまごメニューでも
「名前」を変えることで
繁盛につながる、出数の増える
改善になります。

そのコツは・・・!?


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前に「シン・ウルトラマン」
を観てきたときに、ちょっと面白い
なと思ったのが、

「外星人」という表現。

ようは「宇宙から来た人」ですが、

シン・ウルトラマンには、
この“外星人”が出てきてまして、

山本耕史さんが好演されており、
楽しく観させてもらったのです。

たしかに、考えてみれば
「海外から来た人」=「外国人」
ですから、政府やマスコミ公式の
呼称として「外星人」となるのは
すごく自然ですよね~。

妙なリアリティ、
「いかにも」な納得感があります。

似たようなので言うと
映画『紅の豚』の「空賊」という呼称も
それっぽくて好きです。

そして、語感が良いですよね。

創作物において、
語感ってすごく大事です。

以前、作家の阿刀田高さんが
日影丈吉さんの「猫の泉」という
お話を紹介して、

「架空の町『ヨン』の語感が
すごく良い。いかにも欧州で
ありそうな町の名で、こういう
のを思いつくのは難しい。」

とおっしゃってました。
カンタンそうでも難しい
ネーミングの妙があるんですね。

これ、
たまご料理のメニュー名も
そうでして、

たとえば単に
「オムライス」
「たまごかけごはん」
なんて書いてあるだけでは

「おおっ!食べてみたい。」

とはならないんです。

オノマトペ表現など
いろんな手法がありますが、

繁盛につながるネーミングの
手法として、

古い名前をつかう

という方法があります。

たとえば
「たまご」の古い呼び名に

「とりこ」

という呼び方があります。

『和食のこだわり感』を出すなら
フライドエッグ・目玉焼きと
呼ぶよりは、たとえば

「とりこ揚げ」なんて呼び方だと、
へ~なんだろう!?と
興味を惹くかもしれません。

「たまごかけ」よりは
「漬けマグロのとりこかけ」

とかの方が珍しさや面白さは
出るかもですね~。

ほかに卵は

「かひご」

という表現もあります。
たとえば「玉子焼きあんかけ」の
表現をちょっと変えるならば、

「かひご焼き 葱生姜餡」

なんて名前だと一風変わって
カッコいいですよね。

あと、茶碗蒸しのことを
「玉地蒸し」
なんて呼び方も昔から
ありますよね。

また、ヨーロッパの料理では
古くから、黄身を使った料理に
『金貨』の名前を冠するものが
多くあります。

「金貨の前菜」

なんて名前だと、なんだか
テンションあがりますよね!?

ぜひ、お店のたまご料理のこだわりを
ネーミングでも演出してみてくださいませ~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年09月13日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

少し前に、
日本テレビ「ニノさん」にて出演
たまごのご紹介をいただきました。

満島真之介さんが今
いちばん気に入っているものを
調べつくす!という企画で

いろんなこだわりたまご料理と
絶品たまごのご紹介!として
5品中の2品で、ぼくたちの
お届けする『料理別専用たまご』
をご採用いただきました。

収録では、宮下草薙さんお二人と
ご一緒させていただきまして、
いや~、楽しかったですね。

そして
うれしかったのは、

お得意先様のお店の
絶品美味料理と一緒に
ご紹介いただいたこと。

今回は、
ぼくたちのお届けする
「親子丼専用たまご」を使って

めちゃくちゃ美味しい感動の
親子丼をつくられている名店

焼鳥 松鳥さまにて

ご収録、そしてご評価を
頂いたのですね。

めちゃくちゃ美味しい!
と絶賛でした。

あと、「究極のたまごかけごはん専用たまご」が
スタジオでのご賞味など含め
超ご評価いただきました!

 

◆たまごで繁盛提供を!

僕たちの理念は、
『卵を通して美味しさと健康をお届けする』
というものです。

いま取り組んでいる
『料理に合わせた育て分けた卵』
という考えは、先代の頃からある
この想いから出てきました。

そして、
僕たちにはお客様が2種類
いらっしゃるのですね。

『食べてくださるお客様』と、

『お取引くださる調理や
小売販売をされるお取引先様』です。

なので、ただ
美味しい!だけじゃ不十分で、
ご繁盛につながらないと
意味が無いのです。

僕たちが目指す
じっさいの姿は、
たまごを通して

お取引先様と同じ方向で
最終のお客様の幸せを考える

ということなのです。

ですので、
お店のメニューになった時に

「おお!これは食べたい!」と
ワクワクしてもらえる
そんなたまごなのかどうか。

これが重要だったりします。

例えば僕たちのたまごには
先代の頃からのロングセラーたまご
「スーパーゴールド」がありますが、
これは30年近く前の、そのころの
ちょっと未来的なイメージが良かったのです。

でも、今なら「スーパーゴールド卵使用」
ではワクワクにはつながらないかもしれません。

たとえば
「すだち飼料で育った香るたまご」とか
「お店から3分の距離で生まれたたまご」とか
「四国の自然を活かす開放式農場の手摘み卵」
など、価値がもう少し明確な方が、
たとえばメニューでご表記くださったときに
食べるお客様の楽しみにつながるかもしれません。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 取材・掲載・ご紹介 2022年09月12日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご料理メニューに
たった「一言」加えるだけで

出数が17%アップ
そんなデータがあります。

それは、

「食感」のオノマトペ

「ふわふわ」とか
「もっちり」とか
そんな言葉ですね。

「かおり香ばしい」「見た目ステキ」
とかも良いですが、圧倒的に
『食感』の方が効果大と言われます。

たとえばコンビニ業界では、

もちもち

の食感を入れると
売り上げが5倍になる

なんてことも言われるくらい
食感オノマトペの効果は
大きいんです。

特に、

この食感効果は
たまご料理で効果大との
研究報告もあります。

とろふわ

とろ~り

一言プラスで変わります。

あと「半熟」関連が
すご~く効果大なんです。

半熟トロトロ

は日本人は大好きでして、
この「半熟系」キーワードに
響く方がとても多いのです。

先日、「あえて固ゆで好き少数派を狙う手も面白い」
というブログ記事を書きましたが、
尖った戦略の場合ですね。

王道の美味しさ訴求なら
『とろ~り半熟』の伝え方は
多くの人に向けてとても
効果的です。

中部大学の小川宣子教授が
以前おっしゃっておられましたが、
研究によると

「食感は美味しさの6割を占める」

のだそうです。

あまり僕たちは普段意識しませんが、

くちどけサラリ

ねっとり濃厚さ

ジューシーなコク旨・・・

美味しさの要素って、
食感がとても大事なんです。

本来、
人間の舌や口内、歯ざわりは
とても高性能でして、ほら、
たとえば髪の毛が一本、口に
入ったとしても、すぐに
歯ざわりですら気づくことが
できる、食感に対する超高性能
の感覚を持っています。

ですので、
食感には、とても強い魅力が宿る
魔法のキーワードなのです。

また特に、日本人は
食感に関するキーワードが
とてもとても多く、

たとえば、

バリバリ ボリボリ サクサク
ホロホロ さっくり パキッ

クッキーやおせんべいなど
固い食感で使われる表現だけ
でもめっちゃあります。

これは、世界的にみても
超めずらしい言語文化なのですね。

この食感文化の魅力を
利用しない手はありません。

また、特定のメニューにだけ
めちゃくちゃ相性抜群の
食感表現があったりもします。

僕は大学院時代の研究、
食品メーカーの研究所
での取り組みで、

食感レオロジーについて
研究をしまして、一部
論文もださせてもらいました。

あなたのお店の卵メニューの
魅力底上げする表現
ご興味ありましたら、
ご質問くださいませ~。

食感の一言を付け加えて
お店のさらなる魅力アップ
楽しみにしております!

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年09月11日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

突然ですが、ウチの法人名は
「小林ゴールドエッグ」といいます。

直訳で『黄金のたまご』

だから、ではありませんが、
本日のテーマは、
この「たまご」と「黄金」について。


じつは古来から欧州では

卵の黄身といえば『黄金』

これが、
料理のセオリーだった時期があります。

中世ヨーロッパの宮廷料理には、
『金色』がふんだんに使われていたんです。

これは、パーティ料理は

豪華!がいちばん!

という発想が、中世の頃はあったためですね。

そして、黄金色を出すには
卵の黄身が、効果大だったのです。

現代でも、
パイ生地の艶出しに
卵黄を使いますが、

中世宮廷料理では、もっと
黄金感、ゴールド感を出すため

サフランなどのスパイスとともに、
卵黄がた~っぷり使われたんです。

たとえば

まるごとお菓子製の
『黄金のお城』が
ドーン!

みたいな料理が
出されていたのですね。

しかも、兵隊さんや
馬なんかまでミニチュアで
こしらえて・・・

または、
物語の一幕をそのまま
黄金色の料理にしたり・・・

なかなかすごいですよね。

ジャンル的には「幻想料理」
なんて呼ぶそうです。

 

◆聖なるもの=卵のイメージ

ただ単に、
黄金色にできるから
卵を使うだけじゃなくて

じつは西欧では、
卵=聖なるもの
というイメージが強いのですね。

たとえば
フィンランドの叙事詩では
鴨が女神の膝に産んだ

6個の黄金たまごから
世界が生まれた

という伝説ですし、

『卵で竜を倒す』

という伝説は、ヨーロッパ中にあります。

イースターエッグもこの
良イメージから来てますね。

料理の色映えを卵で
良くするのは、
招かれたお客様の受けも
非常に良かったわけですね。

ですので、なんとなくある
卵=黄金というイメージは、

・黄金色の料理に卵が使われた

・たまご=聖なるものという良イメージ

この2つのおかげでついたのです。
そこから僕たちの会社名にまで
つながっているなんて、
なんだか面白さを感じます。


◆『金貨』の名前の黄身料理

また、欧州の料理には、
卵の黄身を「金貨」に見立てた
名前の料理がいくつもあります。

これは「金貨の前菜」という
ステキメニュー名ですが、
見ているとなるほど!ですよね。

ぜひ、あなたのお店でも、
卵の持つ景気の良さそうな
黄金イメージを「照り」で
その歴史背景ごと
活かしてみてはいかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2022年09月10日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

NHKでむかし

「妄想ニホン料理」

という番組があったのをご存じでしょうか。

ぼく、大っ好きでして
海外、いろんな国にお邪魔して、
現地の料理人さんに

ある日本食の名前と
カンタンな特徴を伝えて
それだけで料理を作ってみていただく

そういう番組です。

 

たとえば

『いなり寿司』

の説明を、

「キツネの好物である」
「食べるとジュワッ」
「ピクニックの定番」

と3つだけ伝えて
イタリアのシェフに作ってもらう、とか。

これ、大変面白いんですね。

「狐の好物ってなんだよ!??」
「日本人ってそんなの知ってるの?」

みたいな素直なイタリア人の驚きに

「たしかになあ。
そもそもなんで
狐は油揚げなんだろ…?」

なんて、一緒になって文化の再確認もできますし、

また
「ピクニックならパイだな。」
みたいなステキな別解釈の
イタリア風お稲荷さん(?)になる、
海外の文化との思わぬ融合があります。

「そう解釈するか!なるほど!!」
みたいなすごい料理ができまして、
とっても刺激になるんです。

特に印象的だったのは、ときどき

「日本独特の料理文化」が見える

ことがあるんですね。

たとえば、

「三ツ星シェフも参戦 親子丼の巻」

というテーマの時がありましたが、

親子丼がテーマで、

「食材が親子」
「ご飯の上に何かのせた料理」
「出来上がりはトロトロ」

というヒントでした。

 

上記のヒントで、どれが一番
日本らしいと思いますか?

スペイン・セバスチャンの三ツ星シェフも
ネパールの老舗料理店シェフも、

もっとも理解に困っていたのは

「トロトロのできあがり」

だったのですね。

イカとイカスミを活用したリゾットや
里芋の茎と葉を親子にみたてたスープなど

感動するくらいステキな料理でしたが、

トロトロ、という食感に関しては
「ちょっとわかんないなあ。」
というのが終始の感想でした。

あまり意識ないかもですが、

『日本は食感の国』です。

食感に関する語彙の数は世界一。

たとえば『トロトロ』の親子丼
に関しても、多くの方が
そのイメージはすぐに『わかる』
んじゃないでしょうか!?

 

そして、それを作るのは
時間差で卵液を加熱するのに

「ちゃんと火を通して絡める」部分と

「生でトロトロになるように
できあがり直前に加えるたまご」

 

と二段階にする工夫だったりします。

僕も米国出身のかたにご説明した際
「信じられない」と言われたことが
あります。

 

日本では、意外なほど食感への
こだわりは強いのです。

たまご消費が世界トップクラスに
多いのも、食感の多様性が
出しやすいから、かもしれません。

 

ぜひ、
あなたのお店のたまご料理でも

「どう、ふわふわ、トロトロ、
独自の食感が卵で出せるのか!?」

こんな観点で、いちど
メニューを考えてみてくださいませ。

きっと、わくわく人気で
集客につながる新メニューになります!

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年09月9日