小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

昨日からの大規模通信障害、

auの方は大変ですね。

 

お客様やウチのスタッフと連絡が取れなくなって

LINE電話で対応しましたが、

やっぱり困りましたね~。

 

昔は一日二日、連絡がつかなくても

そんなに気にならなかった気もしますが、

今は仕事抜きの一個人の携帯であっても

「だれかとコンタクト取れない」のはすごく不安になるんですね。

 

auショップにも、

困った方々が殺到していたようですが、

双方たいへんだったかと思います。

 

ところが、KDDIによる経緯説明の記者会見、これが、

非常に評価高かった!

との声がありますね。

 

 

 

いや~、すごいですね。

通信障害の是非は別として、

経営陣がちゃんと現場を分かっている

というのはすごく安心感につながるのが分かります。

 

知床観光船沈没の際は、

経営者が法律の規定や実際の運用を

「聞かれてもわからない」状態で

あたふたしどろもどろしてましたが、今回はすごく対照的に感じました。

 

経営者はもちろんのこと、

お客様と接する人間が技術面の話や

品質面の話をキッチリ即答できるかどうかって

すんごく大事だとわかりますね~。

 

僕たち卵屋でいうならば、

昨年は鳥インフルエンザが全国で猛威をふるいました。

いざ不安な点があったとして、

現場で即その解消ができているかどうか。

また、鶏卵にはインエッグと言いまして

どんなきちんとした管理の農場であっても、

鶏卵の内部にサルモネラ菌を持った卵が

数十万~数百万個に一個の割合で

発生してしまいます。

どんなたまご屋であっても

常にお客様の食中毒の可能性に対して

ゼロにすることはできないんですね。

 

いざ何かあった時に

経緯、メカニズム、打てる対応、現状

きちんと微に入り細を穿つ説明ができるかどうか…

特に経営者として求められていると感じます。

 

今回のauの件、会見を観て

「auを選んでよかった。」

という声までネットでありました。

 

僕たちも、あってはならないことがもし仮に起こってしまったら、

逆に信頼してもらえるように、

普段より深くふかく考えてまいります。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月4日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

先月の父の日に、

息子が「デビルエッグ」を作ってくれました。

いや~、うれしいですね~。

カタチは不ぞろいですが、

味はとっても美味しかったです。

 

このデビルエッグって、

米国のパーティ料理では定番の

すごく人気なたまご料理なんです。

 

なにせ、バリエーションが作りやすくて

見栄えがするんですね。

さて、

米国で人気のテレビ司会者であり、

料理研究家のレイチェル・レイさん。

プロデュースした調理器具が日本でも売っている

すごい有名な方。

少し前に彼女が自身の番組で

紹介し話題となった

デビルエッグのレシピが

とても面白かったです。

 

〇デビルエッグ定番の作り方

・固ゆでたまごを半割りする

・卵の黄身を取り出す

・マヨネーズ+塩コショウなどスパイスで黄身をあえる

・白身に盛り付ける

 

というものです。

スパイスをカレースパイスや中華風など

変えることでバラエティを出せますし

 

更に、黄身のアレンジに

いろんな具材を入れることで

見た目や食感風味もいろいろ楽しめます。

 

そして何より

めっちゃカンタン!

な点も利点です。

 

〇レイチェルさんのレシピ

上記の作り方で

黄身のアレンジにマヨネーズ+・・

・アンチョビペースト小さじ2

・パルミジャーノ・レッジャーノ(パルメザンチーズ)

・にんにくすりおろし1かけら分

・レモン汁 小さじ1/2

を入れたもの。(卵12個分)

 

パルミジャーノ・レッジャーノは、

「イタリアチーズの王様」なんて言われるコク豊かなチーズで、

これを真似て外国でつくったものがパルメザンチーズになります。

 

パルメザンチーズアンチョビニンニク

これって実は、

イタリアの伝統料理

シーザーサラダの調味料組み合わせなんです。

シーザーサラダも

たまごを活用したドレッシングサラダですし、

なるほどデビルエッグとも

超相性良いわけです!

 

私も、以前雑誌の特集で

アンチョビとゆでたまごの

組み合わせをご提案した

ことがありますが、

コレすんごく合うんですね。

 

パルメザンチーズを合わせるのも

すごく良さそうです。

 

こんな風に、

「意外性はあるけども既存のセオリーを踏襲している」

こんな考え方が、

新メニュー開発にはすごく良いですよね。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

数年ぶりに横浜へ参っておりました。

仕事の合間でしたが

少し前から話題になっていた料理など

チェックして回っておりました!

 

取引先の方に聞いて知ったのですが

横浜市の人口って

僕が住む「四国」とおなじなんです。

 

横浜市の人口が373万人で、

四国に住む人が4県で369万人。

 

四国と横浜市がほぼ同じ人口

しかもちょっと負けているという。

うーん。

 

よく考えると

すごいことですよね~。

横浜がすごいですし、

 

なにより

四国の過疎っぷりがスゴイ。

ホント深刻です。

なにせ、この広い土地に

全人口の3%しか

住んでいないわけですから・・。

 

ちなみに全国平均よりも

25年も早く人口減少ピークが来てるそうです。(国土交通省)

いま参議院選挙の真っただ中ですが、

これから30年どーするのか

こういったビジョンも問われているんだと感じます。

 

◆「過疎」が武器になる!

ただし、

人がいない田舎、ということは

畜産にとっては追い風になります。

鶏舎などでも、外気を取り入れる

環境を活かす昔ながらの農場では、

 

居住エリアの近隣が多い

都市近郊の場合だと

広いスペースが取れなかったり

動物の声などが

ネックになることがあります。

 

また、ニワトリに限るなら

鳥インフルエンザの関係で近年

たとえば放し飼いなどは

民家のそばでは難しくなっています。

 

でも・・・

民家の無い場所がどんどん増えるのであれば、

それは一つの強みになる

そう考えます。

いま、世界的には

鶏に負荷の少ない自然を活かす

飼育方式にシフトしつつあります。

 

四国であれば、

世界標準のたまごを出荷することが、

他エリアよりもはるかに容易と言えるんです。

 

 

◆イメージが追い風に!?

また、もう一つのイメージとして

「四国のド田舎感」があります。

 

特に関東以北の方にとって

「四国はナゾの地」で

「ジャングルの中」で

「超ウルトラド田舎」だ

・・・と思っている人が多い。

 

そういわれたことがあります。

たしかに、そう思われても

しょうがないかもですね~。

 

発信が少ないのもありますが、

逆に災害などマイナス情報も

少ないのが四国の特徴です。

 

どちらかというと

水産や畜産では

良いイメージを持って下さる方が

特に関東では多いんです。

 

『四国の自然を活かす開放式農場の手摘み卵を

毎日直送してもらっています』

 

こんなPOP表記で満足度を上げている

そんな取引先さんもあります。

 

ちなみに関西地域では、

田舎的良イメージは強くなくて

やっぱり行き来したことのある人の多さと関係がありそうです。

 

ぜひお店のご表記の参考となりましたら幸いです。

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年07月2日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

「カツカレーはもったいない。

1+1が2にならないですし。」

カリスマ講師の林修先生が

以前こんなことを言ってました。

ちょっと話題になりましたよね。

 

なるほど、

トンカツもおいしい

カレーもおいしい

 

でもカツカレーになっても

とんかつの2倍美味しい

カレーの2倍美味しいとはならないんですね。

 

たしかに世の中には

1+1が10くらいになる

相性の素材もありますから、

 

それにくらべると

カツもカレーも主役級で

そもそもが旨すぎるんでしょうね

 

合体しても

それぞれの美味しさの1.6倍くらい?

のような気はします。

それでも食べたいんですが。

 

ですがこの議論

もう少し別の観点があるように思うんです。

 

先日、ある洋食店さんで

「オムハヤシ」を食べたんです。

オムレツにハヤシライスが

かかっている料理ですね。

合体しているだけあって

そのお店のハヤシライスよりも

オムライスよりも高いんですが

 

頼んでみたところ

ハヤシライスのルーが

全体に対してやや少ないんです。

 

しかもオムハヤシですから

ライス部分は

ケチャップライスじゃなく

ほぼ味なしライスでして

「オムライス」としてもちょっと味が足りない・・。

僕の中では

老舗のハヤシライスと

オムライスが合体したら

そりゃあウマいだろう!

・・・と思ったのですが、

 

「もしかするとどちらかの方が美味しかったかも。」

と、ちょっと悔やみました。

 

いや、そのお店に文句を言いたいんじゃなくて

オムカレーとかオムハヤシって

構造的にそういう風になりやすい気がするんですよ。

 

「オム」になってるんだから

かけるルーの量は少なめでいいだろう

みたいな。

おそらく上の写真のような

スタンダード的オムライスの

美的感覚ソースがけから

逸脱しにくいんじゃないかと思うんです。

 

これって、カツカレーでも

同じことがあるんじゃないでしょうか。

カツあるし、ルーは控えめでもいいだろう

 

…と、見た目のバランスなんかで

つい盛り付け担当する人が

考えてしまうのかもしれません。

 

観光協会の専門誌「旬刊旅行新聞」編集長が

「カツカレー・ルーが少ない問題」を

提起していたことがあります。

 

先日、かつやの期間限定メニュー

「大人様ランチ」の話をしましたが、

美味しいもの×美味しいもの

の新メニュー構成の場合

 

見た目・盛り付けの美的要素もありますが、

客の期待値がめっちゃ高い可能性もあります。

 

新メニューを考えたときに、

バランス感覚で

「ちょっとそれぞれを減じてしまう」要素は注意すべきかなあ、と思います。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:団塊のおっさんターゲットなたまご料理は面白い。 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月1日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

テレビ番組のご依頼をいただき

東京に参っておりました。

 

東京駅の地下に

「東京ラーメンストリート」

というものがありまして、

こだわりのラーメン名店が軒をつらねる

スポットなんです。

通りがかった時は

よく寄ってまして、

東京駅の構内にも

その広告が電子掲示板に出ていました。

さて、この広告

よく見ると面白いことに気づきます。

 

広告にある7店のうち

実に6件の写真に

たまごが使われています。

そして、ぼんやり眺めてみると良く分かるんですが

5件はたまごの「黄身」が目立つ写真

黄色がとても鮮やかに映えています。

 

これ実は、

飲食店さんのたまごメニューにとって

非常に大きなメリットなんですね。

 

人は「丸い物」

そして「暖色で色の明るいもの」に

本能的に惹かれる性質を持っています。

 

丸い物は「目」や「子供」

などと形状が共通していて

(かわい子くん・藤子F不二雄)

また暖色の色は果実など

収穫物の熟れたサインでもあります。

なので、赤ちゃんグッズや

人気のかわいいキャラクターは

「〇」の形状と明るい色で構成されているんですね。

 

そして食べ物について

その2つを満たすのが

たまごの黄身

なんですね~。

たとえばこのローストビーフ丼も、

黄身があるとすごく目を惹きますよね。

 

つまり、

たまご黄身の入った料理メニューは

ぜひとも写真シズルで表記すべき

ということなんです。

なぜなら、ものすごく目に留まりやすいから。

 

集客、注文率がダンチガイです。

 

看板で比べてみると・・・

右はすこしいじって

黄身を消してみたのですが・・・

ずいぶん視線の行き方が変わりますよね。

 

また、文化によって

生卵!が好きな地域と

目玉焼き!なんかが人気な地域があります。

半割りゆでたまごも視認効果高いです。

どちらにせよ、

たまご乗せメニューの利益率を良くしておくこと

写真やシズルで表記することで

 

その注文率がアップすると

お店が儲かって繁盛する

そんな構図が促進できるんです。

 

ウチのお客様のデータでは、

メニューにあえて

卵の黄身写真を載せることで

3割の出数アップになっています。

 

ぜひ、

「卵の黄身」は集客上手

これを覚えていただければと思います。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年06月30日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

「となり町で起こった、おそろしい話があるのよ。」

アンデルセン童話集に、

こんなめんどりの言葉で始まる

『ほんとにそのとおり!』(まったくそのとおり!)というタイトルのお話があります。


一羽のめんどりが

夜止まり木で休むときに

ちょっと羽をつついたところ

羽が一枚、ハラリと落ちました。

「あら、一枚羽が抜けちゃったわ。

でもいいのよ。あたしは羽をつつけば

つつくほど、キレイになるんだからね。」

と、冗談を言ったのです。

 

それをなんとなくウトウト聞いていた

隣のめんどりが、

「なんだい、キレイになるために

羽をむしるニワトリがいるのかい。

あたしがおんどりだったら

そんなヤツは軽蔑するね~。」

 

と軽口をたたきました。

その真上で、それを聞いた

フクロウ

「え~!?おんどりの気をひこうと

自分の羽をぜんぶむしっちゃった

ニワトリがいるんですって。

子供に聞かせたくない話だわ。」

 

そしてとなりのハト奥さんに

「奥さん!お聞きになった!?

おんどりを狙って

一羽、いや二羽っていう人もいたわ。

二羽のめんどりが

オスの気をひく格好になるために

ぜ~んぶ羽をむしっちゃったんですって!

そんなのカゼひいちゃうわよね。」

 

聞いたハトは隣の鳥小屋で

「三羽のメンドリが一羽を好きになって

病気で死んだんだって。

みんな羽をむしりとったそうよ。

かわいそうに。」

 

ハトからコウモリへと話は伝わり

「五羽のめんどりがいてね。

一羽に一目ぼれして

より痩せて見せようと

羽をぜんぶ抜いちゃったんだって。

それから、

血みどろになって蹴りあいを

して倒れて死んじゃったんだ。

飼い主も大損害さ。」

 

・・・と噂になり、

まわりまわって

冒頭のメンドリさんに伝わったのです。

一枚の羽が取れただけなので、

まさか自分のコトだと思わず

 

「なんてひどい事件!

国じゅうに広めなきゃ。」

と、新聞に掲載し

本にも載り、

 

小さな一枚の羽根が

5羽の大惨事めんどりとして

永遠に記録されることになったとさ。

 


・・・というお話です。

いきなり出版のお話になるのが

ちょっとシュールです。

 

二百年前に書かれたものですが、

なかなか現代的な炎上話にも

感じますね。

 

・噂がより面白い方向にエスカレートすること

・そして皆が正義感から拡散していること。

・後々までログが残ってしまうこと

 

Twitterや掲示板での

典型的な炎上パターンでしょうか。

デジタルタトゥーなんて言葉もありますが、

ネットの海にずっと本人のログが

残ってしまうダメージも似ています。

 

つい先日、

220万人登録者のユーチューバーが

「生たまご100個落としてみた」動画を

アップして炎上していました。

 

「ちゃんと食べるから。」と釈明していましたが、

卵屋の一人としては、そもそも粗雑に扱われる時点で

無駄じゃないからいいよね、とは思えないですね~。

 

こんな明らかに不謹慎なケースは別として

自分で意図せず炎上を引き起こすことも

十分あり得ます。

 

上のニワトリさんのように

「羽一枚」でも不愉快に思われる

ケースも考えて

襟を正していく必要ありますね~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2022年06月29日