小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

児童文学や絵本、

物語にでてくる料理を

給食で再現する小学校があるそうですね。


面白いですね~。

落語「目黒のサンマ」→さんま塩焼き

絵本「ねずみのいもほり」→おいもポタージュ

など…

 

これは食べてみたいですね!

図書室で借りる生徒も

沢山出ているそうで、

非常に良いアイデアです。

 

そういえば先日、

北海道が舞台の大ヒット漫画

「ゴールデンカムイ」が完結して

盛り上がったところ

 

ジビエ料理のお店が

「非公式コラボ!」と銘打って

作中の料理を再現

メニュー化して

話題となっていました。

 

 

うーん!!これはテンション上がりますね。

 

こういう風に、

単に「おいしい!」だけじゃなく

ストーリーの手を借りることで

 

もっとワクワクする別の世界が

お店のメニューで

生まれます。

 

たまごで言いますと、

「ぐりとぐら」の巨大パンケーキとか

寓話「プリンの塩加減」の

大きなプリンとか…

ちょっと食べてみたいですよね。

 

たとえば、

「不思議の国のアリス」(アニメ)では

アリスが不思議なゆでたまごを食べて

体がびよーんと伸びるエピソードがあります。

卵をなくして困っていた鳩さんに

そのまま協力するのですが、

なかなかシュールな映像でした。

ここで出てくるゆでたまごは

欧米では定番の玉子料理

「デビルエッグ」ですね。

固ゆで玉子を半割して、

黄身をとりだし、

 

スパイスやマヨネーズと

あえて味付けして

再度もりつけたものです。

 

名前はデビルと怖いですが、

とても人気の料理で

専門のお皿だって売っているくらい。

いろーんなアレンジがあって

面白いんです。

ストーリーとからめた

たまご料理として、

ぜひおためしくださいませ~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

※レシピ例は下記をご参照!

(関連:ハロウィンパーティに超オススメ、伝統の「悪魔のたまご」料理 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年05月29日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

自動車教習所で、

「ハンドルのことはひよこだと思って!」

と言われた方のツイートが

少し前に話題になっていましたね。

 

柔らかく握る、

ひよこをむにゅっとにぎるように、

というのはなるほど

イメージめっちゃわかりやすいですね(笑)

ただ絵的にかわいそうですが・・・

 

ひよこってホントふかふかなんですよ。

精神安定作用があって、

中世ヨーロッパでは

『病気の治癒』に効果があるとも

信じられていました。

 

たとえば「梅毒の患者の患部に

ひよこをあてると治る」

なんて考えられていたんですね。

 

うーん…

なかなかちょっとかわいそうですが、

「なんか治りそう。」という

癒しの感覚ならばよくわかります。

 

アニマルセラピー的な利用もあるそうですし。

 

◆メニューとしてのひよこ的料理

さて、料理としてみた場合、

「ひよこ」というアイコンは

視認性が非常に強くて

つたわりやすいです。

 

→まるっこいもの

→点ふたつの目

→三角的なくちばし

→黄色

 

これだけそろえば人は

「ひよこだなあ。」

と認識してくれます。

・   ・

これだけのイメージでも、

けっこう見えますよね。

たとえば

ゆでたまごを加工すると、

こんなふうにすぐ

ひよこっぽく見えます。

 

ほかにも、

ちょっとしたイラストっぽくして

煮玉子に焼き印したり、

パンケーキに焼き印したり…

わかりやすくて

カワイイ

を料理に利用できますね。

 

ぜひ、チャーミングな

癒しの「ひよこ」ちゃんを

あなたのお店のメニューに

活かしてくださいませ。

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年05月28日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

三角関数よりも金融のことを学ぶべき!

と言った議員さんに批判が殺到し

話題となっていましたね。

 

それって実践野球だけやって

キャッチボールはやめる、

みたいなカンジじゃないの?

という意見もありまして、

いやホントその通りだと思います。

 

実際、三角関数って仕事に使ってなくても

その「思考のプロセス」を

自然と活用している人も

少なくないのではないでしょうか。


僕は、

「関係ないと思える知識が

人生にめちゃくちゃ役に立つ」

という事を身を持って

体験しています。

 

僕はいま、たまご屋3代目ですが、

十代の頃は家を継ぐのなんて

まっぴらごめんだ、と思ってました。

 

で、高校の時

父に将来の相談をしたところ

「おまえの人生だ、好きにしろ。」

と父が言ってくれたのですね。

 

これ幸い!と、

全く違う分野である、

大学の工学部へ行きまして

「高分子物理学」なるものを学びました。

 

プラスチック(高分子)の研究で

その弾力性や変形性を

数式などをもとに考える

「レオロジー」という学問です。

あまり一般的じゃないですね。

 

研究室で3年学び、

その後食品メーカーを経て

たまご屋を継ぐことに

なったのですが、

 

ふつうに考えると食品分野では

プラスチックの物理学なんて

役に立ちません。

 

じゃあ

研究室での3年間は

大学のつごう6年間は

まったくムダだったのかというと、

 

これが!ですね、

僕たちのいまの取り組みに

オンリーワンの「強み」を

作ってくれたのです。

 

◆たまごも料理も化学だった

「高分子」っていうと

樹脂・プラスチックなど

材料っぽいイメージですが、

実は食品にも高分子が沢山あります。

 

たとえばこんにゃく。

超巨大な分子が

立体構造となって

あの食感ができている

「高分子」です。

 

おなじく

豆腐もかまぼこも納豆も、

高分子なんですね。

 

そして、

たまごも高分子。

加熱で構造を変化させる

高機能な物体、として考えると

たまごに滑らかさが出る条件や

より濃厚な味を感じる条件、

 

高分子物理学の観点で

食感やのど越し、口当たりに

どんな卵が料理に合うのか?

…が考えられたのです。

たとえば、

たまごの生食をするなら、

舌の味蕾にたくさんの信号が伝わるほど

味が濃いと感じます。

 

そして、

最も長く味蕾に接点を持つ

黄身の粘性と弾力性があるんですね。

「高分子」として考えると、

その値が分かってきます。

こんなふうな考えが、

「料理別専用たまご」の

裏付けにもなったのですね。

 

◆なんでも役立てる

「考え方次第だなあ。」と思います。

これ、たまたま役に立つ勉強していただけで、

ラッキーだっただけなんじゃないの?

みたいに感じるかもしれませんが、

 

役立てるどうかって、

自分だけの強みだと思う

意志一つですよね。

 

だって、

高分子物理学なんて学問の

知識を持っている卵屋さんなんて

ほかにいないですから(いるかもしれませんが…)

強みだと考えると、そうなっちゃうんです。

 

もし僕が美術大学に行っていたら、

それを大いに活用した

ステキなたまごをお届けしていたかもしれません。

 

それはそれで、

面白そうですが・・・。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年05月27日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

パソコンが出張先で壊れまして、

とても往生しながら仕事をしております(汗)

 

タブレットでこの文章も打っておりますが、

慣れないとホント大変ですね・・


少し前に

取引先様主催の展示会に出展させていただく機会がありました。

足を留めていただいた方に本当に感謝です。

 

料理別専用たまごほか、

ご繁盛につながる卵を

いくつかご提案させていただきましたが、

このご縁が、

新たなお客様のワクワクに

繋がりますこと、とても楽しみです。

 

先日ある農業関連の本を

読んでいましたら

「人類は落ちない稲穂を偶然発見したところから、農業が始まった」

ということが書かれていました。

 

植物は、当たり前ですが、

実った種が散らばることで

自分を広げます。

 

小麦の穂や稲の穂も同じで、

実ったら下にバラバラと落ちるはず。

 

ですが、偶然、

実っても穂についたままの品種が生まれた。

 

そして、それを見逃さなかった人がいた。

すると、大量の稲穂を実がなるまで育て

大量に収穫できる・・

すなわち農業の始まりとなった訳ですね。

 

そこから、コツコツと増やして

今ではお米は4億8000万トン/年に、

小麦は7億8000万トンに広がった訳ですね。

 

うーん、すごい。

卵も似たような歴史があります。

かつて鶏は、

一年にほんの一時期しか

卵を産みませんでした。

春だけしか産まなかったのです。

 

そりゃそうですよね。

ツバメだって、スズメだってそうです。

 

さらに、

鶏は卵をみると温めたくなる。

温め始めると産まなくなる。

そんな本能があります。

 

ところが、偶然にも、

季節関係なく

産む鶏さんが出たのです。

 

さらに、産んでからも、

温めないし、

卵を見ても産卵ストップしない。

偶然にもそんな種が生まれました。

 

それを、人類は見逃さなかったのです。

 

で、大切に育て始めたのですね。

それが今では世界に230億羽。

人類の3倍を超えています。

すごいですね。

 

落ちない穂のすごいメリット

季節によらず産む鶏のすごさ

 

これを見逃さなかった人は

一体どんな人だったのでしょうね。

時々想像してしまいます。

 

その人がいなければ、

今も人類は飢え続けていたかもしれません。

 

今回参加させていただいた展示会でも、

僕たちがご提案した取り組みや商品が

 

「見逃さない」

「価値を活かす」

そんなお客様のおかげで

 

僕たち、自分では思いもよらない

食べるお客様の価値を

生んでくださるかもしれません。

 

他とは違って実を付けたまま育つ

変わった稲穂の縁のように

 

新たな価値を見出す方とのご縁が

もし!世の中を変えるなら素敵だなあ、

とワクワクしております。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年05月26日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

男性は女性よりも卵料理が好き、という話をします。


コンビニのお菓子ってありますよね。

中に、ちょっとボリュームがある

たっぷりプリンなんて商品があります。

 

あれ実は、非常に理にかなってるんですね。

これ男性向けのスイーツなんですね。

 

そして実は、プリンに限らず

「たまご料理は、男の方が好き」

という事実があるんです。

 

ちょっと古い研究ですが、

1986年に栄養学会誌に熊沢氏らによって

発表された研究があります。

 

男女それぞれ約1500人の小学校高学年生で

・どんなたまご料理が好きか?

・なぜ好きか?

・どれくらい好きか?

・よく食べると健康なのか?

 

などを、徹底的に調べたんですね。

対象のたまご料理は

生卵、目玉焼き、ゆでたまご、

玉子焼き、茶わん蒸し、プリン。

 

その結果、

面白いことに、

全てのたまご料理で

男の子の方が女の子より有意に

「いつも食べたい!」

という欲求度が高かったのですね。

 

『男子の方が女子より玉子料理を食べたい!といつも感じている』

という結果だったのです。

 

じっさいの食べる「頻度」でも、

たまご焼き以外のすべての卵料理で、

男子の方が女子より

ひんぱんに食べているという結果に。

 

うーん、興味深いですね。

なぜなんでしょう?

男の方が、よりエネルギーとして

効率の良いものを本能的に求めるのでしょうか…?

 

理由はともかく、

男の方が「たまご料理を食べたい」

という欲求が強いという事実から、

 

実はたまごメニューでは

男性を意識した方がヒットしやすい

そんな側面があるかもしれません。

 

ファミリーマートに、

「俺の」シリーズという

スイーツカテゴリがあります。

 

これは、

男性をターゲットにした

スイーツ商品群で、

“ボリューム”“控えめな甘さ”“こだわりの素材”

をテーマにした12年つづくヒットシリーズです。

 

もともと男性は、

洋菓子店さんでスイーツを買うのが

ちょっと恥ずかしい…

そんな人もわりかし多く、

コンビニはその層を取りやすい面があります。

 

飲食店さんでは、

ターゲット層がいろんな要因で

変わるかと思いますが、

 

たとえば男性優位になりやすい

ラーメン店やカレー専門店、

ハンバーグ専門店などでは、

ちょっと強めにたまご料理のこだわりを

強調してみると、より繁盛につながるかもしれません。

 

ぜひあなたの店舗の活性化の

ヒントとなりましたら幸いです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

 

(参照:嗜好の行動科学的研究(第6報)・栄養学雑誌(1986)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年05月25日

郷土料理はヒントがいっぱい。

その土地柄もありますが、

長く愛されてきた料理は

それだけ魅力がつまっています。

現代の料理やメニューにも

応用できる要素があるんじゃないでしょうか。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

石川県の郷土料理に「べろべろ」という

たまご料理があります。

出典:農林水産省Webサイト(https://bit.ly/3OZdPfW)

これは、たまごに火を通しつつ

寒天で固めたもので、

 

たまごの風味が良く

ふるっとした食感が

非常に面白い料理です。

 

これ、料理の「考え方」が、

非常に面白いんですね。

 

たまごって

いくつもの機能があるんです。

・起泡性(泡立つ)

・熱変性(熱で固まる)

・両親媒性(水とも油とも相性良く混ざる)

・マスキング効果(味をまろやかにする)

・食感滑らかさ寄与

などなど、色んな効果がありまして、

起泡性なら生クリームやメレンゲ

熱変性なら茶わん蒸しやプリン

両親媒性ならマヨネーズと、

 

各機能を活かした

たまご料理ができます。

たまご料理が多岐にわたるは、

この多様な特性のおかげ。

 

ところが、この「べろべろ」は

「たまごで固める」わけじゃないんですね。

寒天で固める。

 

つまり、たまごの機能性を

あえて使わない調理をしているわけです。

いわば引き算のたまご料理。

 

たまごの機能性を

うまく使う料理は

世界にいくつもありますが、

どうしても似た部分が出てきます。

 

「食感」という部分だけでみると、

洋食のプリンと和食の茶わん蒸しは

よく似ていますし、

 

スパニッシュオムレツとたまご焼きは、

どちらも卵の凝固作用のメカニズムが

おなじですから、やっぱり食感や香りは

似てしまいます。

 

いや、

別に似ていても良いのですが、

もし、ちょっとこだわって

今までにない新しいたまご料理を

創り出すならば、

 

この「べろべろ」の考え方は、

非常に面白いですよね。

 

卵の凝固作用を使わずに、

別の凝固する食材で固めて食感を変える

この仕組みを応用すると、

 

洋食ならたとえば

「スクランブルエッグの

コンソメゼリー寄せ」

みたいな料理も

考えられますよね。

 

ちょっと似た料理をむかし

海外のレストランで目にしたことがあります。

 

ゼラチン質を応用した

ふるふるの冷製オムライスや

新食感の玉子焼きだってできます。

 

食べた人に驚きを与えられるかもしれません。

 

コンビニで「卵の黄身」が乗った

親子丼が売られていますが、

この黄身も、生卵じゃなくって

ゼリー的に固めたもの。

 

なのでレンジでチンしても

固まらないんです。

 

これなんかも、

鶏卵の凝固性を

べつに置き換えた料理で

『べろべろ』と共通する

仕組みと言えます。

 

考えてみると

玉子豆腐もその一種と言えますね。

 

じゃあ、

たまごの「起泡性」を、

「両親媒性」を置き換えた

たまご料理はどんなものになるか…!

 

考え始めるとワクワクしますね!

 

ぜひ、新メニューのヒントとなりましたら幸いです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2022年05月24日