小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

5月5日、端午の節句ですね!

お子さん向けのイベントもあちこちでやってまして、

なんだかこっちまで童心にかえって

ワクワクしますね~。

 

節句というのは季節の節目のコトですが、

商売柄、気になるのは食べ物のこと

 

スーパーさんに行くと

昨日今日は「子供の日に!」

なんてPOPで

手巻き寿司向けのお刺身や

ステーキやローストビーフ用の塊肉なんかが

ドーンと並んでまして、

ウチの子供達もテンションが上がっています。

 

ですが本来は、歌にもある通り

柏餅とかちまきですよね。

 

なんにせよ、

うまいものたっぷりなのは、

子供の日らしくてステキです。

 

端午の節句って、

日本だけじゃないんですね。

そもそもは中国からきてまして、

ほか韓国台湾やベトナムでもお祝いの日なんです。

(ただし旧暦5月5日なので6月末ですが)

 

そして、

中国東南部では、

たまごがお祝いで使われるんです。

 

卵を煮込んで赤く染める

「染紅蛋(べに染めたまご)」

というものをつくって、

これを赤いひもで編んだ袋に入れて家につるすんです。

なかなかステキですね~。

もともと中国では

赤ちゃんが生まれたお祝いに

赤く染めたたまごを食べる習慣がありまして、

その後、元気に育ったお祝いも

同じように卵でするんですね。

 

欧州・米国の春の祭り

イースターでもたまごを

色とりどりカラフルに染め、

地域によっては飾りますが、

中国の節句お祝いの場合は

赤一色です。

これはこれで壮観です。

 

どちらも似た時期の

卵染め風習ですし、

なかなか興味深いですね。

 

◆たまごぶつけバトルも!

赤く染めたたまごを入れる、

真っ赤なひもで編んだ卵袋は

「編蛋袋」と呼ばれますが、

 

これを軒につるさずに

子供同士がひもを持ち

ゴツンゴツン!とぶつけ合って

割れなかった方が勝ち!

みたいな遊び「童蛋(こどもたまご)」なる

端午の節句あそびもあります。

 

イースターエッグづくりのイベントを

お店さんでされているのを

ときどき見かけるようになりましたが、

 

中国料理のお店さんで

5月5日または旧暦5月5日(6月25日)に

子供向けイベントとして

「紅染蛋」づくりや

「童蛋」バトルをやってみるのも

面白いかもしれませんね!

 

ちなみに次の節句、7月7日

「七夕の節句」にも

やはり赤い卵飾りをする中国の風習がありますので、

そっちのイベントで考えてみるのも

ステキなんじゃないでしょうか。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(参照:端午節の伝統行事 国際ニュース:AFPBB News)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2022年05月5日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

3年に一度、

養鶏、たまご関係のメーカーが一堂に集う

国際養鶏養豚総合展という催しに

行ってまいりました!

 

最新の機械や飼育設備、

鶏卵の選別とチェック装置や

はたまた鶏卵向けの新容器など

今後必要になる未来投資のための

情報だらけでした。

コロナ禍で順延し、

一年間が空いて4年ぶりだったこともあり

展示内容はすごく進化した技術や

普及がかなり進んだものも

多かったですね~。

4年前の展示会時もそうでしたが、

ここ近年でとくに!

目覚ましい進歩を遂げているのが

ロボットとAIを組み合わせた技術。

 

元来、僕たちが行っている

たまごの洗卵選別工程は、

 

割れモノである鶏卵の

安心安全が大事ですので

 

途中や最後の工程で

どうしても「人の目」に

頼らざるを得なかったのですね。

たとえば、洗浄工程で

どれだけ性能を上げても、

 

ヒビ卵検知器の音波検査で

どれだけ高性能に設定しても、

 

最終出荷の前には、

包装前に必ず人の目で工程ごとの

チェックをする必要がありました。

 

洗卵選別をして

機械でパック詰めされた卵を

透明のパック越しに

「ヒビが無いか?」

「汚れた卵が入ってないか?」

を最終チェックするのは、

ベテランの目がいちばん信頼できていたんです。

 

僕も中学生の頃から手伝っていたので

ささやかながらも感じるのは、

『なんとなく違和感をもって気づく』

という説明できない、

よーく見ると気づくレベルで選別できる

高いスキルがあるんですね。

 

ですが、

判定カメラの性能向上と

その認識精度の向上から、

「人の目じゃなくても大丈夫だよね。」

という工程が増えてきました。

 

人が最終チェックしなくても良いなら

ロボットが最後の箱詰め出荷を

する方が効率が高くなるんですね。

もっとも僕たちの場合は、

卵の種類・商品が多岐にわたり、

細かな作業がたくさんありますので、

まだまだベテランおばちゃんたちの

すごい技術が必須なんですが、

 

とくに単一のたまごを

大量に出荷し続けるような

たまご出荷工場さんを中心に、

このようなロボット技術は

この先どんどんと導入されていくと思います。

 

人間と肩を並べて

ロボットがほいほいと割れモノのたまごを

丁寧に箱詰めし続ける未来。

 

うーん、鉄腕アトムの世界だなぁ。

仕事の業務って本来は、

「誰がやっても同じこと」は

どんどんIT化自動化機械化して

 

「お客様が喜んでくれること」

に時間と手間とアタマを使う

これが求められる方向だと思います。

 

僕たちも、少しづつですが、

お客様の満足のために

たまご商品のお届けの仕方を

進化させてまいります。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2022年05月4日

ときどきお客様に、

「卵アレルギーでも食べられるたまごって無いの?」

とお問い合わせをいただきます。

 

結論から言うと、

「現状では存在しない」

ただし将来は可能性大いにあります。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

先日のブログ

ワクチン研究と卵の関係について

お話しました。

 

当初のウィルス・ワクチン研究に

鶏卵がとても役立ったこと

 

そして現在のワクチン培養に

鶏卵が大いに使われている、

そんなお話でした。

 

ただ…

1つ問題なのが卵アレルギー。

 

卵にアレルギー反応を示す人は

鶏卵で作ったワクチンを打てない

んですね。

 

今回のコロナ禍では、

アレルギー対策のメリットがあり

短期間で大量生成できる手法として、

 

『mRNAワクチン』と言う

ふつうの風邪ウィルスに

コロナウィルスの遺伝子を

組み込んでつくる方法も

用いられています。

 

ただ、

この手法はコロナ禍で

緊急的に用いられた生産方法なので

まだもう少し研究が必要でして、

 

鶏卵によるワクチン培養が

主であることは変わりありません。

 

そこで「医療用たまご」として

遺伝子改良などの技術を用いた

「卵アレルギーを発症しない鶏卵」

の開発が進んでいます。

 

◆アレルギーフリーの食用たまごが近い将来スーパーで買える!?

「健康な飼い方、良い飼料で育てたりで

なんとかならないの?」

 

なんて思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、それは不可能なんです。

 

アレルギー反応を示す

卵のタンパク質は、なんと

全たまご中の65%もあります。

 

6割強ものたんぱくが、

「自然で健康に育てる」

「飼料をこだわる」

なんて方法だけでは

別の性質に入れ替わったりは

しないんですね。

 

つまり、現状は

飼育の工夫だけでは

「アレルギーにならない卵」は

100%不可能です。

 

ですが、

新たな育種・新種の研究の中で

医療ワクチン用の鶏卵から

将来は食用の鶏卵へ、

アレルギーの方でも大丈夫な

たまごもできつつあります。

日本の大学でも研究がありますし、

オーストラリアのディーキン大学と

国立科学研究機構の共同研究など

国を挙げての研究も進んでおり、

じっさいに低刺激性の鶏卵が

試作段階ですが、生まれています。

 

まずは「ワクチン製造への利用」へ、

「医療用の特別な鶏卵」として世に出てきて

いずれスーパーに並ぶ日は

そう遠くないかもしれません。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:どうして卵アレルギーになるの?それを防ぐには?【アレルギー最新話 その①】

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2022年05月3日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ゴールデンウイークですね!

僕たちはニワトリさんと一緒に

変わらずの仕事ですが

 

同じ四国愛媛の道後温泉では

全ての旅館が満室、

道後温泉そのものは

朝からなんと6時間待ちとのこと。

 

コロナ禍も少しずつ落ち着き

世の中の賑わいが戻ってきつつある

そんな様子が見えて、期待ですね。

世の中がもとに戻りつつあるのは、

医療関係の方々の研究と

ご尽力のおかげですが、

その最初の一端には

「卵」が関係しているのをご存知でしょうか?

 

◆数十億人を救った、たまご製ワクチン

1931年の事です。

米国ヴァンダービルド大学の

アーネスト・ウィリアム・グッドパスチャー博士が

卵を使って、疫病の原因となる

「生きたウィルス」の純粋培養に成功したんです。

 

パンやクッキー、果物など

生物じゃない「栄養源」で

増えるのはカビ類ですが、

それと違ってウィルスって、

生きている物の中でしか

増えられないんですね。

 

しかもウィルスって、

生物から取り出しても

そのままだと、ほかの雑多な

ウィルスや菌と混ざっていて

 

特定のウィルスの性質が調べにくく、

ワクチンも増やせなかったのです。

 

それが、

鶏卵(有精卵)をつかうことで

単一の種類だけを純粋に、

大量に、培養ができるように

なったのです。

それまでは

ワクチンを作ろうと思ったら

豚に感染させてから

その抗体を肝臓から殺して取り出す

しかなかったのですね。

しかも数人分、ちょびっとだけ。

 

それが、

グッドパスチャー博士の

卵を使った培養方法だと、

 

一個のたまごから

1000人の子供を守れる量の

天然痘ワクチンが採れるように

なったのですね。

 

おかげで現在では天然痘は撲滅され、

麻疹、風疹、おたふく風邪など

今もこの鶏卵培養で作られたワクチンが

多くの人を救っています。

 

2009年の新型インフルエンザ発生時

世界に流通したワクチンの大部分も

ニューヨーク医科大学で培養された

30個のたまごが元になっているんです。

 

◆さらに進化!たまご製ワクチン

ちなみに、

「どうせつくるならでっかい卵

ダチョウたまごの方が

もっと効率いいんじゃないの!?」

という研究も進んでいます。

 

ダチョウ卵だと、

一個でワクチンが数十倍採れますから。

京都大学の塚本康浩学長がその第一人者ですね。

さらに大量に急ピッチ生産できる

 

今回のコロナウィルスには、

mRNAワクチン方式という

鶏卵培養ではない新ワクチンが登場しました。

急ごしらえの技術で不安視する声もありましたが、

今のところ成果は大きいようです。

 

これらの新技術にも、

ウィルス理解の礎となった

鶏卵の存在が大いに貢献しています。

 

正常な世の中まであと一歩。

楽しみに、油断せずに

世の中を活性化していきましょうね~。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2022年05月2日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

カラオケ大手のJOYSOUNDが

ミシンの貸し出しをして話題になっていますね。

利用者が急増しているのだとか。

ターゲットは「コスプレイヤー」とのことで

推しの映像を大画面で観ながら

みんなでワイワイ作成をする

そんなシーン利用なのだそうです。

 

または、お子さんの入学グッズづくり

なんかでも利用されてるとか。

 

面白いですね。

これ要するに、自社サービスの価値を

再定義したんだと思うんですね。

 

「歌を歌うところ」という価値づけから

「家でできない広くて便利な作業場所」

「みんなでワイワイ作業できるところ」

というとらえ方に変えたという事で、

そこに独自の価値が生まれてますよね。

 

自分たちだけにお届けできる

新しい価値って大事ですよね。

 

僕たちで言いますと、

たまご業界には、

美味しいたまごを作っている人は

全国に沢山いらっしゃいます。

 

ですが、

すごく良い卵づくりをする方でも

ご自身のお届けする『価値』を

 

『すごく良いたまごをお届けする事』

そのものだとしている方も、

多いのですね。

 

実はお客様は

「すごく良い卵」が欲しい

のではありません。

そう僕たちは考えます。

 

お客様は、

たまごを通して

「すごく美味しい料理が食べたい」

「すごく元気で健康になりたい」

と思っているんです。

「良いたまご」はあくまで手段なんですね。

そして、

僕たちが膨大なデータを取ってみた

その結論として、

「すべての料理に合う卵」

なんてのは存在しなかったのですね。

 

でしたら、

「すごく美味しい料理が食べたい」

という本来のお客様の目的に沿うために

 

「加熱でとろふわになるたまご」や

「生食で大トロみたいに美味しいたまご」

「ケーキがめっちゃ香り良くなるたまご」

なんてのを、考えたのです。

僕たちの仕事の価値を、

『たまごを届けること』じゃなくって

『美味しさを届ける事』だと

再定義したんです。

 

そのために『料理別専用の卵』が

どうしても必要だなあ、という

結論になったのですね。

 

すごく変わった事をやっているように

おっしゃってくださる方もいるのですが、

 

そんなことなくって、

ホラ、豆腐だって同じですよね。

めっちゃ滑らかで口当たりが良く

大豆の風味が濃いからといって、

 

それで麻婆豆腐を作ったら

繊細な香りなんて気にならなくなって

やわらかすぎて崩れちゃうかもしれません。

 

売り場でも、

鍋用・冷ややっこ用、いろんな豆腐があります。

 

たまごも、

「こんなこだわった生産法!」

「放し飼いですごいんです!」

みたいな生産視点だけじゃなくって、

 

「加熱でふわとろに!」

「ゆでると最高!」みたいな

お客様視点のたまごがあっても

良いんじゃないかと思うんですね。

 

これ、そもそもは、

僕たちが食いしん坊集団だから

世の中に美味しいものを

もっと増やしたい!

という想いからも始まってます。

 

あと、「調理がヘタな僕でも美味しく作れるような卵がほしい!」

という想いからも始まってます・・・!

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2022年05月1日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

「味変」という言葉をご存知でしょうか?

読んで字のごとく

味を変化させることを言います。

 

食べていると

「だんだん飽きてくる」

という現象がおこり、

 

それを防ぐために

味噌や唐辛子にお酢

ワサビやレモンなど

香味や香辛料を足して

味を変えるテクニックです。

 

先日食べた一風堂のラーメンでも

ごま調味料のカタマリが小鉢で付いていて

飽きたらそれを入れて

担々麺風にして食べられるようになってました。

一食で二度おいしい食べ方ですね。

 

さて、この

「飽きられない」

というキーワード

 

いうまでもなく

飲食店さんでは

非っ常~に需要ですよね。

 

どんなに美味しくても

「充分食べすぎたなぁ。

もうしばらく食べなくても

イイかな。」

 

…と思われたなら

結果リピートの減少をまねき

売上が下がってしまいます。

 

僕なんかは、以前は

その味が好きで食べているなら

最期まで同じ味でも別に良いような

気もしていましたが、

 

味変を楽しんでみると

変化の妙がある方が

たしかに美味しく楽しめますね。

 

以前、あるレストランの

シェフさんとお話した際に

「あともうちょっとだけ食べたいな、

と思わせる絶妙の量や味が

一番良いんだ。」

とおっしゃっておられまして、

 

その理屈で言うと

味変は非常に理にかなっているんですね。

そして、

この「味変」には

たまごが非常に効果が大きいのです。

これは、

当社のお客様の焼き肉専門店さんの

「味変」付けダレですが、

焼肉の甘辛いたれとは違って

 

ちょっとダシ系のたれに

たまごの黄身が入っています。

 

飲み食いが進んでちょっと

お肉に食べ飽きてきたころに

この付けダレを

ちょいと肉をつけて食べると

 

非常に美味しくって

さらにお酒も箸も進むんですね。

このような味変での生卵のメリットは、

大きく2つあります。

◆たまご味変の2つのメリット!

・味のマスキング効果

・食感のアレンジ

です。

 

マスキング効果とは、

塩味とか苦みや辛味酸味など

とがった味をまろやかにする効果です。

 

たまごの黄身には

旨味成分であるアミノ酸

がたっぷり入ってるんですが、

これが塩かどや酸味かどを取り

めっちゃまろやか~にして

食べやすくしてくれます。

 

お腹の減った最初は、

辛味でもなんでも

とがってガツン!と来る味が

美味しく感じますが、

 

食がすすんでちょっと落ち着いてくると

すぐに飽きがきてしまいます。

 

最初はガツン!でそのあとは

まろやかに食べられる、

これは「黄身の味変」の大きな効果です。

 

第二の、食感のアレンジですが、

これは、黄身のとろみ効果ですね。

 

黄身のとろみは

滑らかな食感を舌にのせてくれまして、

やさしい感覚で食を楽しむことができます。

 

焼肉やすき焼きで

生卵がこのように合いますが、

それだけじゃなく、

 

先日ご紹介した出石(いずし)皿蕎麦も

生卵とそばで食感の味変が絶品ですし、

マグロの刺身なんかにも

卵黄を絡めると絶品です。

 

また、意外と洋食でも

卵黄の生卵ソースが非常に合います。

 

ぜひ、「味変」の効果的ツールとして、

あなたのお店のメニューで

卵の黄身を活用してみませんか!?

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年04月30日