小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

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こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

梅雨も終わって、

わくわくする季節になりましたね!

四国の田舎、我が徳島は今が最高ですね。

湿気もまだ来ておらず、風も心地よいです。

ちなみに、ウチの周りはとても風通しがよく、

ウチの家の玄関を開けると、こんな風景です。

めっちゃ田んぼ!

 

これ、比喩表現じゃなくって、

ホントにドアのすぐ外がこうなんです。

秋には一面の黄金色でそちらも良いですが

今の緑のじゅうたんの方が好きですね~。

 

本日は、

自然と卵品質についてお話します。

 

たまごのカラの外観なんですが、

赤たまごだと、

カラの色が濃いほうが

なんとなく美味しそうに感じますよね?

実際は、たまごのカラの色って

産む鶏のコンディションによって

ちょうど人間の肌の色と同じで

多様性があるんです。

見ての通り、

ちょっとずつ明るさが違います。

 

ただ、傾向はあります。

たとえば、明るいところで飼育された

ニワトリさんのたまごは

明るいカラの色になりやすく、

 

暗いところで飼育されたたまごは

やや暗っぽい、カラの色の濃い卵に

なる傾向があります。

 

これはなぜかと言いますと、

やはり外敵に見つからないように

本能的に周りの色味に合わせるため

と考えられます。

 

ですので例えば

放し飼いの農場のたまごほど

外観、たまごのカラの色に

ばらつきがあって

ちょっと明るめのことが多いです。

 

ところが、

そういう色むらを嫌う

消費者の方もいらっしゃることから

あえて暗がりで飼育をして

色の濃い目のカラのたまごにして

出荷する農場さんもある・・・

なんて話も聞きます。

 

ただ個人的には

あまり意味のないこだわりだと感じています。

見た目、たまごのカラの色のために

ニワトリにとっての環境を厳しくするのは

必要なことじゃないですよね。

 

たとえ「そのほうが売れるから」

だとしても、

「殻色のばらつきは

自然を活かす飼育のためです。」

と正しく知ってもらうべきで

伝える努力が必要なんだと思います。

 

あなたの食べている卵のカラ、

その色味がいろいろであれば、

 

もしかすると

元気なニワトリさんの証!

かもしれません。

 

ここまでお読みくださって

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月9日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

世界的な穀物価格高騰で
日本だけじゃなく東南アジア全域でも
鶏卵の価格が高くなってきています。

 

いや、たまごに限らず
穀物を食べる畜産全般ですね。

 

一昨日のニュースですが、
マレーシア国内貿易消費者省の
ノレナ・ジャアファル局長が
地元ニュースのインタビューで

 

「最近の値上がりで
卵が買えなくなったら、
そのぶん食べる量を
減らせばいいだろう。」

なんて答えて、
SNSで大炎上しています。

「1週間に20個
食べていた卵を、
15個・10個と
減らせばいいんです。」

とも言ってまして、

 

「生活に一番大事な
たんぱく源なのに!」

「たまごで栄養を
取っている国民を
何と思っているんだ!」

・・・と怒りの声があがってるんですね。

 

うーん「減らせば?」は
「代わりにケーキ食べれば?」の
マリーアントワネットよりひどいですね~(汗)

 

マレーシアは価格高騰対策に
何度も価格統制をやっていまして、

 

今年の初めにも

「これ以上、卵の値段を上げるな。」

なんてお触れをだしています。

世界的な飼料高騰で
現状そんなこと言っている
状況じゃないですから
業界も猛反発していまして

 

先月末までの価格統制のなかでも、
すでに全国のたまご屋・養鶏業者で
1000件超えての価格販売違反が発生
という大変な事態となっています。

ちなみに
マレーシアは超卵好き国でして、
2015年から統計を取っていませんが
その際は年間一人315個の消費、
一人330個の日本に次いで

世界第三位

でした。

 

高官の「週に20個食べるのは・・・」
というのも割と実情を踏まえた
表現なんですね。

 

たまご屋としては
とてもシンパシーが沸きます。

 

◆日本の現状相場価格は…

日本でも状況は同じでして、
相場価格自体は需要と供給の
バランスによって決まるため

 

鳥インフルエンザ大発生で
大不足した昨年よりは低価格ですが、
それでも過去5年では昨年に次いで
高価格となってきています。

この先飼料価格高騰と
円安の双方がさらに進むと
全国で減産方針となり
秋口くらいには相場高騰へと
進んでくることも考えられます。

 

せめて四半世紀ぶりの
超円安だけでも
解消されれば違ってくるのですが・・・

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2022年07月8日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

最近

鶏ハムと温泉玉子と煮玉子を

いろんな条件で大量に作っています。

 

もともと温泉玉子をいろいろ試すので、

「ついでに低温調理できるかな!?」

と考えて鶏ハムを作り始め、

ちょっとハマってるんですね。

 

『低温調理』は

フレンチの手法として生み出され

だいたい40年くらいになります。

技法としては、まだ新しいんです。

 

焼く蒸す煮るに次ぐ

四番目の調理法なんて言われてまして

 

60~70℃前後の低温で

じ~っくり熱変性させるので

生に近い食感や

ヘルシーな料理が作れるんですね。

 

十年ちょっと前くらいから

小型の調理機が

どんどん発売されはじめ、

一気に普及してきました。

 

ただ、

普通に加熱するのと違って

じっくり時間をかけて

熱を伝える必要がありますから

 

ふつうの料理よりも

殺菌条件などに注意が必要です。

 

ちょうど先週に、

愛媛のラーメン店さんが

内部がほぼ生の鶏チャーシューで

食中毒を出したことで炎上してましたし、

 

TBSでは鹿肉の低温調理肉を

「生肉です」なんて表現してしまい

これまた炎上しています。

 

◆世界で伸びつつある温泉玉子

そんな中で

『たまごの低温調理』

すなわち温泉玉子が、

比較的安全でしかも

新しい料理だ!と

海外で伸びてきているんですね。

なにせ温泉玉子は海外では訳語が無いくらいレアな料理なんです。

上の写真の料理なんかも

日本人にとってはフツーに

美味しそうですが、

海外の方にとっては

「なんだこれは!」なんて

ちょっと珍しさがあるんです。

 

たとえばタイ・プーケットの

高級フレンチレストラン

「ラローム・バイ・ザ・シー」では

星付きシェフとして有名な

ホーレンシュタイン氏の

 

5種のスモークチーズと

温泉玉子を組みあわせた

とろ~り食感の絶品チーズフォンデュが

話題になっています。

うーん、カッコいい料理ですね~。

とってもおいしそうです。

 

以前にご紹介した

米国ユタ州の有名レストラン

ファリッジの人気料理は

「スロークックド・ファームエッグ」

という名の超カッコいい温泉玉子料理です。

◆単価イメージの高い温玉を活用しよう!

温泉玉子は、ご家庭では

「ちょっと作りにくい」

というイメージがあります。

 

それだけに、

お店で提供する際に

オペレーションの簡単さの割りに

単価アップのメリットが大きいのです。

 

ぜひ、あなたのお店でも

海外進出した新たな「onsen-tamago」の

バリエーションを応用してみられてはいかがでしょうか。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:たまごは料理によって値段イメージが10倍違う【繁盛たまごメニュー】 | たまごのソムリエ繁盛コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年07月7日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

七夕ですね!

織姫と彦星、年に一度の逢瀬です。

今年は全国的に天気が良いようで何よりです。

 

さて、この七夕って、
たまごとのつながりが深いんです。

特に発祥の中国では。

 

もともと七夕は中国で
織姫の伝説としてスタートしました。

彦星はおまけ。

 

なので針仕事や機織り、
子宝祈願などの七夕風習が多くあります。

現代風にいうと
七夕は「働く女性の日」なんですね。

 

たとえば香港では、

女性の皆さんが手工芸の腕を披露するため、
卵の殻をくりぬいて灯篭をつくったり
工夫をこらした刺繍細工をたまごに施すんです。

 

また、大都市重慶のあたりの南部地域では
「卵焼き」の風習がありまして、

七夕の夜に近くの橋に卵と薪を持ち込んで
その下で「卵焼き」をします。

 

おばあちゃんが家族のために
たまごをじっくり厳選して良い物を選んで、

新聞紙にくるんで焚火に入れて
カラごと焼き上げるんですね。

 

ほら、焼き芋をそうやって作るじゃないですか。
あれのたまご版です。

この卵に、
その年の家族の願いを込めまして、
卵を焼くことで1年の病気を焼き払い
願いを祈るんです。

 

日本の七夕の「短冊」と同じですが、
それが「焼きたまご」なんですね~。

なかなか興味深いです。

 

やってみるとわかりますが、

焚き火で卵を焼くと、
見た目は真っ黒になりますが

ホントほくほくの美味しい
ゆでたまごになるんですよ。

 

◆「焼きたまご」はかなり美味しい

「たまごを煮ないで焼く」

という調理方法は中国・東南アジアでは一般的なんです。

水が貴重だったり
キレイな水が少ない地域では
「蒸し料理」が発達するんですが
焼き玉子も同じ理由ですね。

 

ゆでるよりも
食感がちょっとしっかりした
ゆでたまごになります。

 

お店やご家庭にあるオーブンで

既定の茹で時間+1分くらいで

ゆでたまご、いや焼き玉子ができますので

「お湯を準備するのめんどくさいなぁ」

という方や、変わった食感を求めるお店さんはぜひ試してみてくださいませ。

 

また、少し前に端午の節句のたまご飾りの話をしましたが、

その次の節句になる今回の七夕節句
中国では同様に『赤く煮たたまご』の飾りをするんです。

中国料理のお店ではこんな風な
ちょっとしたイベント的なたまごの魅せ方
アリじゃないでしょうか。

 

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2022年07月6日

お店の料理の魅力は、

メニュー名でずいぶん変わります!

本日はそんなお話です。


 

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

言語学的には、

良く使われるモノ

つまり身近なものほど短い名前なんだそうです。

 

なるほどそりゃそうですよね。

たとえば『お茶』は

世界中の言語で「チャ」と「テイ」の

語音2種類のどちらかに分かれるそうです。

 

たとえば日本は「チャ」インドは「チャイ」

英国は「ティー」スペインは「テ」です。

 

どちらも短く世界に定着しているのは、

それだけお茶が身近だからでしょうね。

 

そして、たまごも同様でして、

世界の呼び名を見てみると・・・

 

英国 - エッグ

ドイツ - アイ

フランス - ウッフ

ケニア(スワヒリ語) - ヤイ

中国 - タン

ポーランド - ヤヤ

インド(タミル語) - ムッタ

エスペラント語 - オヴォ

 

なるほど、どれも短い音素ですね~。

たまごもそれだけ身近な存在として

どの文化でも親しまれてきた

その証左じゃないでしょうか。


◆シンプルな卵料理の呼び名を変えてみましょう。

さて、たとえば目玉焼き。

ご家庭で作れる料理は、

飲食店さんでは

単価がとりにくい面がありますが、

 

料理の名前も含め

ちょっとアレンジすると

お店でも魅力的な料理に代わります。

 

たとえばスペインには

『フラメンカエッグ(Huevos a la flamenca)』

という目玉焼き料理があります。

トマトソースの赤

目玉焼きの黄色と白は

 

情熱的なフラメンコ

を表す色なんです。

めっちゃ美味しいんですよ。

 

味も好きですが、個人的に

ネーミングがとっても素敵で大好きな料理です。

 

そして、イタリアにも同じ

トマトと卵の赤白が映える目玉焼き

『煉獄のたまご(Uovo in purgatorio)』

があります。

近年ではサイゼリヤの人気メニューになり

鬼滅の刃で「煉獄」の名からも

話題になりました。

 

煉獄とは、天国と地獄の間にあって

魂を炎で浄化する場所を目玉焼きで

表しているんです。

これも、ステキネーミングですよね~。

 

味も名前も大っ好きな目玉焼き料理です。

 

ほかにも、上記の世界のたまごの呼び名を

メニュー名に活用しても面白いですよ~。

 

ぜひ、ちょっとしたネーミングアレンジを

考えてみてくださいませ~。

 

ちなみに世界で最も長い名前の単語は

『Lopadotemachoselachogaleokranioleipsanodrimhypotr immatosilphioparaomelitokatakechymenokichlepikoss yphophattoperisteralektryonoptekephalliokklopeleio lagoiosiraiobaphetraganopterygon』

という「料理」。

英語でなんと182文字!

 

脳髄、ハチミツ酢、魚、ピクルス、鶏肉など

17種類の甘酸っぱい材料を使った

フリカッセ(煮込み料理)で、

アテネの劇作家アリストファネス(紀元前443年〜388年)の

風刺喜劇『エックレーシア会に出る女たち』の中に登場したのが初出。

うーん、ここまでいくと

レストランで注文に苦労しそうです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

昨日からの大規模通信障害、

auの方は大変ですね。

 

お客様やウチのスタッフと連絡が取れなくなって

LINE電話で対応しましたが、

やっぱり困りましたね~。

 

昔は一日二日、連絡がつかなくても

そんなに気にならなかった気もしますが、

今は仕事抜きの一個人の携帯であっても

「だれかとコンタクト取れない」のはすごく不安になるんですね。

 

auショップにも、

困った方々が殺到していたようですが、

双方たいへんだったかと思います。

 

ところが、KDDIによる経緯説明の記者会見、これが、

非常に評価高かった!

との声がありますね。

 

 

 

いや~、すごいですね。

通信障害の是非は別として、

経営陣がちゃんと現場を分かっている

というのはすごく安心感につながるのが分かります。

 

知床観光船沈没の際は、

経営者が法律の規定や実際の運用を

「聞かれてもわからない」状態で

あたふたしどろもどろしてましたが、今回はすごく対照的に感じました。

 

経営者はもちろんのこと、

お客様と接する人間が技術面の話や

品質面の話をキッチリ即答できるかどうかって

すんごく大事だとわかりますね~。

 

僕たち卵屋でいうならば、

昨年は鳥インフルエンザが全国で猛威をふるいました。

いざ不安な点があったとして、

現場で即その解消ができているかどうか。

また、鶏卵にはインエッグと言いまして

どんなきちんとした管理の農場であっても、

鶏卵の内部にサルモネラ菌を持った卵が

数十万~数百万個に一個の割合で

発生してしまいます。

どんなたまご屋であっても

常にお客様の食中毒の可能性に対して

ゼロにすることはできないんですね。

 

いざ何かあった時に

経緯、メカニズム、打てる対応、現状

きちんと微に入り細を穿つ説明ができるかどうか…

特に経営者として求められていると感じます。

 

今回のauの件、会見を観て

「auを選んでよかった。」

という声までネットでありました。

 

僕たちも、あってはならないことがもし仮に起こってしまったら、

逆に信頼してもらえるように、

普段より深くふかく考えてまいります。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年07月4日