小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

目玉焼き、ってありますよね。

「しょっちゅう食べてるよ。」

っていう方はもちろん多いかと

思いますが、じつは

国によってこだわりが違います。

 

たとえばアメリカの飲食店

たとえば朝食では、

けっこう細かく焼き方を

指定できるんですね。

 

日本でよく見る片面焼き、

 

中身がトロッと半熟で

表面がパリッとした

食感が美味しい両面焼き

 

しっかり火を通す焼き方・・・

細かな指定ができます。

 

たまご料理がステキに楽しめる、

充実しているのは、

卵屋としてテンションが上がります。

 

日本では、モーニングでもあまり

「目玉の焼き方を指定できる」

というお店は多く見かけません。

 

たしかに

「こんな風に焼いて。」

って頼むのも、

なんだかちょっと気恥ずかしい

ですよね。

 

そこで、

日本人的に好きな

あるコトを加えることで、

 

お客様の好みで

食べてもらえる!

というお店の演出があります。

 

それは、

『最後のひと手間』

これを自分でしてもらう方法です。

 

◆「自分で完成させる」という魅力

何年か前に仕事で泊った際

ステキな演出をしている

旅館がありました。

一見、普通の朝食なのですが、

このとなりに変わった容器と

固形燃料の一人鍋用の台が

置いてありまして

なんと!湯豆腐と目玉焼きが

同時に自分の火加減で

楽しめるんです。

 

面白いですね~。

これなら、焼き加減を指定しなくても

自分好みの目玉焼きが作れます。

 

そもそも目玉焼きは、

ゆっくり弱火で加熱するだけで、

めっちゃ美味しく作れるんです。

固形燃料の加熱は向いてますね。

 

また、もともと日本人は、

『最期に自分で完成させる』

という演出が、世界的に見ても

大好きな国民性がある

と僕は思ってます。

 

アツアツご飯に割り入れる

たまごかけごはんもそうですし、

 

のりで巻いて食べる

手巻き寿司や

納豆なんかもそうです。

 

あまり意識してないですが

直前で何かすることが多い

 

ちょっと何かをかける・乗せる

こんな仕草が食事中に

多いんですね。

 

一緒に食べる「ごはん文化」が

根っこにあるせいでしょうか。

 

在留の外国人の方の

「手順がおおいデスネ。」

という言葉で、

「たしかにそうだ!」と

気づいた事もあります。

 

ですので、

あなたのお店で、

あえてそういう「最後のひと手間」を

演出として考えるのは、

 

日本的ワクワクにつながって

とても良いのではないでしょうか。

 

前述の目玉焼きも面白いですし、

トーストに目玉焼きを乗せる

上にペッパーミルをひく

 

かけるソースを直前でまぜる

 

シンプルな目玉焼きメニューでも

「直前演出」で

いろんなワクワクに変わります。

 

メニュー演出でいかがでしょうか。

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , 目玉焼き 2022年04月11日

飲食店様向けに書いています。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

旧約聖書に「雅歌」という

一巻があります。

 

ソロモン王が作ったと言われる

「男女の恋」についてうたった内容です。

聖書なのに恋!?ちょっと驚きですね。

 

たとえば恋人の美しさを

たたえる歌や

 

恋の情熱を

うたったものなどが

たくさん載っている

 

作家の阿刀田高氏いわく

「愛の詩集」の趣さえある

聖書中でひとつだけ異質な巻なんですね。

 

神様は男女の営みを肯定してるんだよ

なんて意味と、

イスラエル民族と神様の関係を

男女に例えて分かりやすく書いてるんだよ

なんて説があるそうです。

 

つまり、

一般大衆にとって、

「お!聖書って結構面白いじゃん。」

と言ってもらうために、

39巻のうち一巻だけ

割かれているわけです。

 

なかなか興味深いですね。

僕は旧約聖書について

ななめ読みの知識しか無いのですが、

 

マーケティング要素というか

顧客の入りやすさを意識して

書かれていることに、

感心します。


飲食店さんのメニューについても

同じようなことがあります。

 

飲食業の近年のトレンドに

「専門店化」があります。

 

和洋食べられるファミレスより

たとえば和食料理店

洋食店よりさらに細かく、

 

鶏料理専門店や

大豆料理専門店

上州料理専門店など

 

専門店化していく

そんなのが業界進化の

一方向としてありますよね。

 

ただ、そうすると

「うーん、今日は

揚げ物専門店はちょっとなぁ…。」

なんて意見が分かれてしまう

可能性があります。

 

そのためにたとえば

とんかつ専門店さんで、

あえて一品だけ

刺身定食や豆腐料理のセットなど

あっさりしたものを入れる。

 

そうすると、

家族で食べに来たときに

おじいちゃんも、

一緒に食べられたりするわけです。

 

同様に、

宗教の戒律や

食生活の信条で特定の物が

食べられない事があります。

 

例えば豚肉は、

ユダヤ教の皆さんは

いっさい食べられません。

冒頭の旧約聖書に

しるされている解釈からですね。

 

イスラム教の皆さんも食べられません。

ヒンズー教徒の皆さんは

牛肉を食べません。

世界的に見ると3人に一人以上が、

そういった食の制約を持っていらっしゃいます。

 

菜食主義の皆さんもそうですね。

 

そして、そんな方々でも

比較的食べられる可能性が高いのが

「たまご」です。

 

上記に挙げた3つの宗教・信条の皆さんでも

卵料理は食べられる、という方が

かなり多くいらっしゃいます。

 

ですので、

多種多様な方が住む都市部の飲食店さんは、

たとえば肉料理のお店であれば、

一品だけ卵のみの料理

 

たとえば天津飯

たとえば玉子丼

たとえばたまごスープを

メニューに入れておくだけで、

 

連れ立ってきていただける

可能性がグッと高まるかもしれません。

 

一品だけ目的がちがう

たまご「だけ」メニュー

ちょっと考えてみてはいかがでしょうか?

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年04月10日

デマを放置していて、

大変なことになったのが、

牛乳の業界です。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

昨日はたまごのデマについて、

少し触れました。

本日はその続きです。

 

わりととんでもないデマを

広めている人は

いらっしゃるのですが、

 

「信じていない人も

いっぱいいるみたいだし、

大丈夫じゃないの?」

 

そう言ってくださる方もいます。

ですが、同じ畜産業界では、

実は「牛乳」が

ニセ科学によって大変な目にあっているんですね。

 

◆牛乳のデマに衝撃

15年ほど前に、

新谷弘実さんというお医者さんが

「病気にならない生き方」という本を

出版しました。

 

この中で

「牛乳を飲むと有害である」

ということをセンセーショナルに伝え、

さらにこの本が累計140万部もの

ベストセラーとなったことから、

牛乳は危険だという論調が

ネットやTVでも盛んに取り上げられ、

以降さまざまな「牛乳有害説」が出てくる事態となりました。

 

牛乳はどんどん飲むべきだ!

という考えで育った世代の僕には、

「市販の牛乳は『錆びた脂』ともいえる」

「牛乳のカルシウムは、

かえって体内のカルシウム量を

減らしてしまう」、

「牛乳を飲み過ぎると骨粗しょう症になる」、

「日本でアトピーや花粉症の患者が

急増した第一の原因は

学校給食の牛乳」との

センセーショナルな記述に、

ビックリしたのを覚えています。

(ちなみにJミルクさんがひとつずつ丁寧に反論しています

 

この数年前から

「買ってはいけない」など

食品不信をあおる本が

次々と話題になっていて、

牛乳についてもテレビで面白く

取り上げやすい雰囲気があったんじゃないかと思います。

 

タレントの松嶋尚美さんがテレビで

「牛乳は有害だから子供に飲ませない」と話し、

話題になったこともありました。

 

とはいえ、実際のところ

医学的な裏付けデータは一切出ておらず

研究者・関係者はこぞって反論しました。

 

この本に反対意見を述べるシンポジウムを開き、

業界からも反論となる公開質問状が

出されましたが、

 

一度付いた悪イメージは

簡単には払拭できず、

 

16年経った今に至っても、

いまだに「牛乳がキケン」の主張を

『本に書いてあるから』という

理由だけで繰り広げる方がいます。

 

さまざまな要因がありますが、

結果として牛乳消費は1996年の

ピーク時から比べて3割もの減少となっています。

 

◆反論の大事さ

たまご業界でも、百年つづく迷信があります。

こちらはカン違いがもとですが。

 

ロシアの研究者さんが

ウッカリ草食動物のウサギで

卵の摂取試験をしてしたことから、

動物性のたんぱくや脂質を

分解できないことに気づかずに

 

「卵を食べると血中コレステロールが上がる??」

と考えてしまったのです。

 

そして、

「卵は一日一個までにすべき」

という結論を出して、

以降なんと百年!もの

世界的常識になってしまったのですね。

 

さすがに今は

それをいう方は減りましたが、

百年前に

このカン違いが無かった世界は、

今頃どんな卵の位置づけだったのか

とても気になりますね。

 

人の噂も七十五日

なんて言いますが、

「消しきれなかったデマは百年つづく」

が正しいのかもしれません。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年04月9日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

少し前にも書きましたが、

「たまごって、大量生産のために

抗生物質なんか食べさせてて

危険なんだ!」

みたいなデマ(後で説明します)を

発信される方がいます。

 

「それって違うんだよな~・・・」

と思いながら悔しく思う事があります。

 

正しく認識してくれる人もいるから

無視しておけばいいんじゃない。

と言ってくださる方もいます。

僕たちは

自家配合飼料のたまごなど

少量生産でやっている卵

ばかりですから、

 

「こばやしさんのところのたまごは、

少量でこだわってるから安心だわ。」

なんておっしゃってくださる

そんなことも良くあります。

 

その事自体は、

とってもありがたいですし、

 

もしかすると

「大量生産品は食べてキケン!」

みたいなデマが・・・

 

小規模の僕たちに

プラスになっていることも

あるかもしれません。

 

しかし。

こういったデマを放置すると

そんなちょっとしたメリットなんか

どうでも良いくらいの、

 

業界全体として

致命的に良くない事が起こるんです。

 

◆抗生物質を用いた卵は違法で、作られてない

書き出すとキリがないので一例だけ挙げますと

「病気を防ぐために飼料に

抗生物質を混ぜたり

投薬を行ったりしてるんやな!」

なんて風なデマ。

 

ごく最近でも、とくに根拠くなく

ブログなんかでこう書かれている

こともあります。

 

少なくとも現在、

採卵養鶏業界では、

卵を産まないヒナの頃を除き、

抗生物質の投与は法的に禁止されています。

 

しかも、2重の法律で厳しく。

飼料安全法という飼育の法律と

食品衛生法という販売の法律。

 

僕たちが使っていないのはモチロンですが、

それだけではなく、同業者も含め、

全国で使用はしていないと思いますね。

 

使用しするメリットがないのです。

 

そんなことをしなくても、

死亡鶏を減らす手段は

いくつもありますし

 

わざわざコストをかけて

2重に法律違反をしてまで

使用するだけの利点がないのです。

 

食の情報を知ることは

とっても大事です。

 

ですが、

根拠なくいたずらに

食の不安をあおることは、

 

日々健康に気を使われる

多くの方にとって、

ぜひとも避けて欲しいなあ、

と思いますね。

 

そして、

そんなデマ的な情報を

発信されている方に反論せず

 

「いつか分かってくれるだろう。」

・・・と考えた結果

大変なことになった例が

他業界であります。

 

長くなりましたので、また次回に。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年04月8日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

世界的に、

「動物性のものは食べない」

という嗜好が増えています。

 

卵や乳製品さえ

いっさい食べない人「ビーガン」市場は

すごい勢いで拡大していまして、

昨年2021年には一兆9千億円を超えています。

 

この移り変わりはかなり急でして、

例えば米国では牛乳消費は

6年前と比べて15%も縮小し、

逆に豆乳など植物性代替乳の市場は

61%も伸びています。(英国ミンテル社調べ)

 

またフランスでは

人口の6%がビーガンで、

過激なベジタリアン団体のデモが

社会問題にもなりつつあります。

 

増えつづけている

完全菜食主義者の人たちは

なんで肉や卵を食べないのでしょうか?

 

「敬虔な仏教徒やユダヤ教徒なので…」

とかじゃぁないんですね。

おおむね「かわいそうな動物のために」

「地球環境のために」あと

「健康のために」という考え方が

行動の原理になっていまして、

 

米国女優ダリル・ハンナ氏や

映画監督ジェームス・キャメロン氏は

動物愛護の点から

「ビーガンになろうよ」と

メッセージを発信しています。

 

また、増え続ける世界人口の

食料問題解決のために

プラントベース食を進める

そんな考え方もありまして、

ビルゲイツさんなんかがそうですね。

 

いろんな考え方があるので

むずかしい所ですが、

将来的にもしかすると

「命を奪うのはかわいそう」

という観点で、

 

畜産物を美味しく食べるのは

やめよう。

 

そんな世の中が

来るかもしれません。

 

僕たちの孫世代には、

「めずらしいね。

たまごなんて食べてるんだ。」

なんて言われている可能性だって

あります。

 

◆たまごの位置づけは・・・!?

かつて、お釈迦さまは

「あんまり両極端な考え方に

なっちゃダメだよね。

それの真ん中くらいが

いいんじゃない?」

という「中道」を説いていました。

 

厳しい断食も大事だけど、

乳がゆだって食べるのも

必要じゃないの。

という風に。

 

たしかに、

何事も極端すぎるのは

受け入れもムズカシイです

 

増えつつある

ヴィーガンと似た考えで

フレキシタリアンという人々が

います。

 

「ゆるベジ」とか

言うこともありますが、

週に何度かだけ

ゆる~く植物性の食事を増やす

そんな方々ですね。

 

こんな皆さんに、

じつは卵や乳製品は

ニーズが増えているんですね。

命を奪うという観点で言っても

卵は無精卵なので

かまわないんじゃない?

というベジタリアンの人は

かなりの数いらっしゃいます。

 

たとえば

国民の6割がベジタリアンな

インドは世界有数の

たまご生産国です。

 

「命を大切にして、

植物性の食事にしよう」

と、

「美味しくって力の出る

健康的食事って大事だよね」

 

この2つの考え方の中道

間をつなぐのが

もしかすると

たまご料理なのかもしれません。

 

お店のメニューでも、

たまご料理が

これまでとは違った位置づけで

フレキシタリアンの方々に

ニーズが拡大していくのでは

ないでしょうか。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年04月7日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

少し前ですが、

息子と一緒に淡路島の

兵庫県立淡路島公園アニメパーク

「ニジゲンノモリ」にある

『ドラゴンクエスト アイランド

大魔王ゾーマとはじまりの島』

にあそびにってきました。

実際に再現されたドラクエ世界のフィールドを

歩き回ってクエストに挑戦する

体験型のアトラクションなんです。

ITとリアルの融合といいますか、

ハイテクも駆使しながら

ドラクエ世界にどっぷりハマれる

懐かしネタもたっぷりの

大人も楽しめる内容でした。

 

めっちゃ歩くんですね。

で、お腹が減ったら

「ルイーダの酒場」で食事がとれるんですが

 

僕が食べたのが

「はぐれメタルスライムのスパイシーカレー」

なる料理。なんと銀色のカレー・・・!

『ああ、そういやめっちゃ逃げられたなあ。』

なんて子供の頃を思い出しながら

食べてまして、

 

個人的にツボだったのが

この部分。

はぐれメタルスライムの

なんか泡(?)っぽい所です。

ちゃんと再現されてまして、

これがよくみると「うずらたまご」。

なるほど・・!

やりますねぇ。

ちゃんと「卵の丸み」を活かして

再現しているんですね。

たまご屋としてなんだかうれしいなぁ。

 

あ、味もちゃんとカレーで

かなり美味しかったですよ。


さて

こういうたまごの丸みを

活かした料理の魅せかたって

けっこう面白いです。

なんというか、たまごの丸みで

料理にもイメージのやわらかさ

がでますよね。

 

でも、逆に

ちょっと差別化しようと思ったら

「カタチ」をあえて変えてみる

という方法があります。

たとえば、ゆでたまごは、

ゆでて熱いうちに

型に入れてしばらく置くと、

好きなカタチにできます。

こんな風にすると、

ただのゆでたまごが

テンションの上がる珍しさになりますよね。

ハート型だって作れます。

 

目玉焼きだって、

例えば四方を切り落とすだけで

こんなにカッコよくなるんです。

たまごでヒヨコっぽい見た目やカワイイ形状の料理を作るのも面白いですが、

時にはその丸さを捨てて

カッコいい差別化メニューも良いのではないでしょうか!

 

見慣れた卵の形状なだけに、

「すごい!」という感情を

お客様が持ってくださいますよ~。

 

ぜひお試しくださいませ。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2022年04月6日