小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

2019年までやっていた

『ZIP!』内のコーナー

「MOCO’Sキッチン」

を覚えていらっしゃいますでしょうか?

 

速水もこみちさんが

視聴者のリクエストを元に

素敵な料理の作り方を

教えてくれる大人気コーナーでした。

 

実は、もこみちさんの料理は、

料理店さんで粗利益のとれる

『繁盛するたまごメニュー』にとって、

ゼッタイ必要な要素が

ひとつ、入っていたんです。

 

それは、

「こんなの自宅で作れるか!」

というイメージです(笑)

 

たとえば

夏野菜を使った『もこみち流のオムレツ』を

ご紹介されたことがありましたが、

 

「まずアーティチョークがあると良いですね!」

なんて言って、

この、日本では超マイナーな

野菜の水煮をつかって

話題になっていました。

「なにこれ??」

「アーティチョークって聞いたことない。」

なんて声がネットであふれていました。

 

たしかに一般の方は、

「どこで手に入れるんじゃ!?」

なんてツッコみたくなりますよね。

◆いかに「家でできない」と思わせるか

外食における『たまご料理』の価値は、

「家じゃゼッタイやらない」

めんどうくささなんです。

たまご白書(2021・キューピー)によると、

半数近くの方が、

『食べたいけども卵を制限している理由』

として技術の無さやめんどうくささ

時間の無さを挙げています。

 

ですので、飲食店さんでは

より、「家でできなさそう」

なたまご料理ほど価値になります。

 

たまご料理をお出しする際は

「家庭の料理」と

いかに違いがあるか

が大事なんですね。

 

そして、家庭のたまご料理は

ありふれた食材であるがゆえに

容易な比較対象でもあります。

 

「鴨のコンフィ」はめったに

家庭の食卓には出ませんが、

 

「目玉焼き」や

「オムライス」は

しょっちゅう家で食べられます。

飲食店メニューとしての

「たまごかけごはん」

なんかだと、

「今朝も食べた。」

「毎朝これだな。」

「おんなじじゃん。」

なんてなってしまうと、

値段も大して取れないですよね…。

 

そこで、

たまごかけごはんなら、

「薬味が複数種類」

「たまごは超特別」

「ごはんが違う」

「トッピングが特別感」

・・・と、

いかに「すごい!これは家でできない!」

と思わせれば、

他の食材やメニューよりも

驚きは高くなります。

そこに、

単価の取れる価値が生まれるんです。

オムライスであれば、

ひとつには「技術」

すごいテクニックを味わいに来られる

という要素があります。

 

またたとえば、

前述のもこみちさんのように

めっちゃめずらしい食材や

めっちゃ珍しい技法

 

なんかを使って、

「家庭ではできなさそう」

「めんどくさそう」感を出す

これが、

とくにたまご料理として

飲食店さんで粗利を取るコツです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:なぜ玉子料理メニューで粗利が取れるのか!?【面倒な玉子料理の価値】 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年04月19日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

昨日はイースターでしたね!

 

レシピサイトなんかでも、

たまごでかわいらしいヒヨコ姿の

料理をつくる特集ページが組まれてたり

 

お店でたまご&ヒヨコっぽいメニューが出ていて

たまご屋としてすごくテンションが上がる

ステキな一日でした。

 

とはいえ、

SNSなんかでは、

「けっきょくイースターって何なの?」

みたいな疑問を持つ人も

けっこういましたね。

たしかに。

 

「クリスマス」はキリストの誕生日

として広まったわけですが、

 

「復活祭」は、

イエスさんが一度死んでから

3日後に再度この世に

復活した、そのお祭りです。

 

いわば

「誕生日パート2」

という事ですね。

 

ですので、欧米では本来、

クリスマスくらい派手な

意味のあるイベントなわけです。

 

日本でも少しずつ浸透してきていますね。

今回も、昨年とはまた違った

盛り上がりもあったように思います。

 

地元のスーパーさんでも、

イースターの卵料理特集!

みたいな企画組みもしていました。

 

やはり話題の中心なのは、

「たまごを使ったステキ料理」

でして、

拡散している様子を見ると、

SNS映えとの相性も

良さそうでです。

 

ぜひ、次年度に向けて、

ご飲食店さまでも、

イースターのステキたまご料理は

なにかお考えになっても

おもしろいんじゃないでしょうか。


で、ですね。

来年まで覚えてられるかな?

なんて飲食店のオーナーさん。

 

実は、

復活祭には

「続き」があるのをご存知でしょうか?

 

生誕のお祝い→クリスマス

復活のお祝い→イースター

そして、

復活したイエスさんが、

いよいよ天にのぼる日

すなわち『昇天日』

というものがあるんです。

つまり「イースター パート2」です。

 

復活してから

きっかり40日後の

木曜日と決まってます。

 

この「昇天日」も、

海外ではいろんなイベントが

開かれたりするんですね。

日本ではほとんど無いですが。

 

ただ…

ちょっとだけ面白い伝説がありまして、

イタリアの伝説によると、

昇天日生まれのたまごを食べると

胃と頭と耳の痛みが治るんだそうです。

あの南方熊楠さんが

明治時代に紹介をされています。

 

『イタリアのモンフェラートでは、

キリストが昇天した日に

新しい巣で生まれた鶏卵は、

胃と頭と耳の痛みを治し、

麦畑に持ちゆけば麦奴の侵害を予防し、

ぶどう園に持ち往けば

その葡萄が霰あられに

損害を受けることは

無くなると信じられている』

( 南方熊楠著 十二支考(下))

 

との事でして、

この健康になれる!いわれ、

今年は5月26日の木曜日生まれのたまごです。

(お届けは翌日です)

 

コロナ禍の在宅勤務でも、

頭痛や胃の痛みのタネは

現代人にとって

減る事はないようですし、

 

ぜひ、昇天日のいわれで

働く方々の応援メニュー!

をたまごで考えてみても

面白いんじゃないでしょうか。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2022年04月18日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

4月1日より、警察庁に「サイバー警察局発足」

という記事が出てましたね。

 

増えつつあるサイバー犯罪に対して

240人体制、海外の捜査機関との連携

コンピューターウイルスの解析

と頼もしい限りです。

 

ただ・・・

発足式の様子は、超アナログ

なかなか趣がありますね。

日経新聞の様子ですが、

手書きの垂れ幕で

写真からはサイバー感が

ちょっと少なめでしょうか

 

『サイバー警察局発足式』

という見出しから

ボクが受けるイメージは

こんなカンジというか、

なんとなく「攻殻機動隊」みたいな

イメージを勝手に持ってました。

 

ただ、良く考えてみたらカッコいいカンジの

攻殻機動隊だって、

映画は27年前、原作は33年前ですから

僕のイメージそのものも

古くてオカシイのかもしれません。

今はもっと、

温かみのある雰囲気が

逆に好まれていて「あたらしい」

と感じる要素もありそうです。

 


さて、たまごでも、

イメージの変遷がありまして、

上記とおなじく30年前くらいは

たまごは「安全性」「クリーン」を

全面に打ち出した農場が

もてはやされる時代にありました。

もちろん大事な要素ですので、

とても良いことなのです。

当社でも、選別の際の「安全管理」を

強く打ち出した販売チラシなんかも

かつて作ったりしていました。

 

ただ、今は

安心安全で「あたりまえ」

大前提としたうえで

魅力あるおいしさを

どんなステキに届けるのか

が重要になってきています。

 

ですので、

もうすこしレトロな自然イメージ

田舎イメージのたまごの方が

取引先さんのお店でアピールしてもらったとき

お客様もよろこんでくださっているようです。

当社のまわりはこんなカンジなのですが、

農場の周りの雰囲気

その土地の雰囲気なども、

お伝えすると意外と面白がってくださる

最終のお客様が多いんです。

ぜひ、お店のこだわりのお伝えの際に

ご参考にしていただきましたら幸いです。

 

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年04月18日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

苺好きなので

よく食べているのですが、

最近は近所のお店で

大量に買い込んできて

尋常じゃない量を

毎日食べまくっています。

 

実は、ぼくたちがお届けしている

「究極のたまごかけごはん専用たまご」

など料理別専用たまごは、

もともと苺がきっかけなんです。


徳島県には「ももいちご」という

ブランドがあります。

とてもやわらかくて水分と甘みが多い、

めちゃくちゃ高級ブランドです。

 

18年前、ももいちごブランド

開発立役者だった方のお話を

聞く機会がありまして、

 

「山間の日照が少ない村だからできた」

「小さい村だからできた」

 

という事をおっしゃっていたのです。

 

ふつう、作物を作るとき

日照が少ないのはマイナスになります。

 

山あいは陰になりやすい、

日の出と日の入りの角度が狭く

一日の日照が少ないんですね。

ですが、

苺の場合は、

日照が少ないと、

ゆっくりゆっくり色づいて、

ものすごく甘みが増すんですね。

山間なのが、強みになるんです。

 

そして、

さらにその強みを活かすために、

もっとゆっくり色づいて甘くなる

1~3月の冬場のみ、

「ももいちご」のブランドとして

出荷することにしたんだそうです。

 

この、

『弱みを強みにする』

『最も美味しい時期だけに絞る』

 

これが、

ぼくたちの大きなヒントになったのです。

たとえば、ぼくたちのお届けしている

「究極のたまごかけごはん専用たまご」

は、お茶碗一杯のご飯に

いちばん合うサイズだけを

厳選します。

なぜなら、サイズで白身と黄身の割合も

ゼンゼン変わるからですね。

ご飯との食感も、

サイズで大きく変わります。

同じ様に育った美味しい卵でも、

お茶碗一杯のご飯に合うたまごの量

のものだけを抜き出すと、

さらにめちゃくちゃ美味しくなるんです。

 

ですので、そこだけ抜き出すのですね。

 

これは、3ヶ月に絞った

ももいちごから得たヒントです。

 

◆異業種からちょっとだけ学ぶ

結局のところ、

他の業界から参考になることって

めちゃくちゃあります。

 

たとえば、

お肉の売り場だと、

すき焼き専用

焼肉専用、

ちゃんと消費者目線なのは

業界の「当たり前」ですし。

 

ぜひ、あなたのお店でも、

たとえば家電店のサービスとか

スポーツジムのメニューが

いきなり参考になる事もあるかもしれません。

 

僕たちも、たまごからの視点で、

繁盛の提案をしてまいります。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2022年04月16日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ミスタードーナツが4年で200店舗閉店

そんな記事が出ていました。

こんなニュースを聞くと、

 

僕の手元にある

古い携帯電話を思い出すんですね。

スマホを使う前に

使っていたもので

ノキア製。

 

カメラが使いやすく

めっちゃ気に入ってまして、

仕事にも役立つツールでした。

 

当時は。

 

ノキア社って、

携帯市場世界トップだったんですね。

1998年から14年間。

 

僕がこの携帯電話を買ったのが

たしか・・2001年ですから、

まさにイケイケのころでしょうか。

 

その世界一の企業は、

その後わずか4年間で

90%の時価総額を失い

マイクロソフトに

買収されちゃったんですね。

 

あっという間にiPhone

そしてandroidのスマホが

世界を席巻してしまったから。

 

買収された時点のCEOの言葉は、

「我々は何も間違ったことはしていない。なのになぜか負けた。」

(“we didn’t do anything wrong, but somehow, we lost”)

です。

うーん、考えさせられますね~。


◆飲食でも卵でもイノベーションが大事

つまり、一生懸命やっているだけでは、

革新的なあたらしいことに

チャレンジしてくるライバルに

あっという間に潰される。

 

めちゃくちゃ繁盛している

カフェさんでも、明日

いきなり向かいに

スターバックスが

やってくるかもしれないですよね。

 

ぼくたち卵の業界もおなじです。

大量生産→広域配送といった流れが

ありまして、

 

地場で卸していた農場さんが、

県外から安く安定して入ってきた卵に

押されて廃業、なんて話を

あちこちで聞きます。

 

じゃあどうすれば良いんでしょう??


◆中小企業の3Kって??

結局のところ

大手さんができない、

やらないことをする。

しかも進化しながら。

これしかないですよね~。

 

中小企業が生き残る3Kというものを

教えてもらったことがあります。

「こまわり」「こだわり」「顧客密着」

の3K。

これウチのような小さな会社にとって

ホント大事な3点なんですね。

 

大事な点で、

とにかく「革新」をつづける

 

そして、そんなお店さんに

日本一「繁盛提供」となる

たまご屋になること

 

これが僕たちの

目下のビジョンです。


冒頭のミスタードーナツは、

大量閉店のあと

別ブランドとのコラボや

有名シェフとのタイアップなど

高付加価値化し、

 

コロナ禍で

強みを活かした

「持ち帰りやすさ」に特化し

ふたたび高収益企業になりつつあります。

 

ノキア社は、ガラッと変わり

携帯メーカーから

通信機器メーカーとして再出発

5Gの波に乗って大復活しつつあります。

 

大変な時期だからこそ、

変革できるチャンスが

あるのだと思います。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年04月15日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

江戸時代から続く

鶏料理の老舗店主さんから

聞いたお話。

 

「いろんな地鶏を研究して食べ比べするんだよ。

すると『これはスゴイ!』ってなる鶏がいる。

 

料理人同士であつまって、勉強する場でも

腕たちの料理人皆が口をそろえて

「これは最高だ。」って言う肉が

あるんだけど、

 

そんなのを時々、

アルバイトのまかないで

こっそり出すんだよ。

そんで、

「今日の味どうだい?」って

聞いてみるんだよね。

 

すると驚くことに

「今日のはちょっとイマイチですね。」

「なんだか固いです。」

「いつもと違ってヘンですね…」

みたいな反応になることがあるんだ。

 

ボクら料理人の考えでは

肉のうまみが、

とか香りがイイ香ばしさがイイ

なんて基準が高い評価であっても

 

一般の人にとっては

そんなの些末なことで、

食感のやわらかい

普通の国産若鶏の方が

ずっと好き、なんてことがあるんだよ。

 

だから、腕たちの料理人

皆が絶賛しても

決してそれが良いとは

決めつけちゃいけないよなぁ。

 

自分の舌に自信があっても

僕はそれだけを信用したりは、

しないんだよね。」

 

とのお話でした。

10年ほど前ですが、

僕にはビックリなお話で

とても印象に残っています。

 

多くの方に「美味しい」

と思ってもらうために

修行を極めた料理人さんが

「これだ!」と思うものが

必ずしも喜んでもらえない

可能性があるということです。


このお話から、

2つ言えることがあります。

 

ひとつは、

「頭のかたい玄人的」

であってはいけない、

ということ。

 

どれだけ味に自信があっても、

主体は「お客様」なんですね。

 

自信があるほど

他者の意見を柔軟に

取り入れる

そんな一面って大事ですよね~。

 

ぼくたちの仕事でも、

「自分が美味しいと思うから」

ではなくて、

 

できるだけ「大勢のチカラ」で

おいしさづくりに

取り組むように心がけてます。

中心チームで評価して

パートさん含む大勢で評価して

お使いいただく料理人さんの評価

…と、多くの方のご意見が

僕たちにとっての宝物なんです。

もう一つは、

「おいしさは1つではない」

ということですね。

 

たとえば卵でも、

『臭みが無い』なんてフレーズが

使われているのをよく見ますが、

 

もし中華料理好きの方であれば

繊細な香りの差よりも、

「加熱でふわとろになるかどうか」

の方がすごく重要かもしれません。

 

差別化メニューで使うのであれば、

色味の鮮やかさの方が

大事かもしれません。

 

 

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年04月14日