「殺菌水を使っている!怖~い!」なんて
おっしゃる方がいますが、それは間違いなんです。
こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
「産みたて卵」
って言うと、イメージが良いですよね?
でも実は、
生みたてスグのたまごって、
食品としてあまり適さないんです。
それは、
ニワトリが単孔類で
お尻のあながひとつだから。
ふんと同じ穴から
たまごが生まれるので、
中身は新鮮でも
カラ表面にいろんな菌が
付いているからなんです。
また、少ない割合ですが
目に見えにくいヒビの入った
たまごが必ず存在しまして、
そういったヒビ卵は
カンタンに菌が内部に入っちゃいます。
ですので、
食品向け殺菌水洗浄と
特殊な検査機器でヒビ検査をする
「洗卵選別」
という工程が必要になります。
言うなれば
➀産みたてスグ→ “畜産物”
②それを洗卵選別→“食品”の卵
ということですね。
日本で流通する卵の99%は②ですが、
たまに➀を農場さんの自販機などで
直接販売しているケースもあります。
未殺菌のたまごを買われた場合は、
たまごを触ったあとで
サラダや刺身など
生ものを触らない。
しっかり手を洗浄してから!
にしてくださいね~。
◆殺菌水ってなに?
さて、たまご表面を洗うのには、
「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」
というものを使います。
表面を専用の回転ブラシで優しくこすりながら
殺菌水で洗浄するのですね。
これにより
雑菌
大腸菌など含む食中毒菌
さらに
ノロウイルスや
鳥インフルエンザウィルス
コロナウィルスなども
たまご表面から100%死滅します。
すごいですね。
じっさい、
抜き取り検査をずーっとやっていて
たまご表面の菌を調べるのですが、
外部委託検査でも
菌がでたことはありません。
で、ですね。
「次亜塩素酸ナトリウム
っていう非常に強い
殺菌効果のある消毒剤があって
食品を浸して殺菌するんだって。
怖~~!」
みたいな発信をweb上で
されているのをお見かけします。
なるほど・・・
たしかに「殺菌する」
なんて聞いたら、
「残留してなんだか体に悪そう」
って気がするのは
とうぜんかもしれません。
でも、ご安心ください。
どういうものかが分れば、
中学生の理科レベルの知識で
「なるほど。安全だよな。」
とはおっしゃってくださいます。
◆次亜塩素酸ナトリウム水って何?
次亜塩素酸ナトリウム、
記号でかくとNaOCl
非常に不安定で、
カンタンに言うと
乾燥するとスグに食塩(NaCl)と水(H2O)
そして気体の塩素(Cl2)になって
抜けてしまう。
そういう物質です。
タンパク質と反応した時は
食塩(NaCl)になって
そのまま乾いた時には
塩素(Cl2)がスーッと抜けていくんです。
ですので、たまごの場合
乾燥させずに出荷する事は
ありませんので、
次亜塩素酸ナトリウム水溶液で
殺菌された卵を食べて
体内に殺菌水が!コワイ!
…となる可能性は、ゼロです。
聞きなれない物質って
ちょっと不安になりますが、
次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、
「食中毒菌を殺す効果が高い」
「あとに残らない」
という、
食品にとっては理想的なもので、
ほぼすべての食品加工の現場で
使われていると言っても過言ではありません。
「危険だ!」「危険だ!」
と言う方もいらっしゃいますが、
食塩と水が怖いヒトって
少ないかと思います。
むしろ死に至る
食中毒をすさまじいレベルで軽減してくれています。
ぜひご安心してたまごを
召し上がってくださいませ~。
ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。