小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

ご飲食店さま、洋菓子店さまに向けての内容です。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

少しずつ暖かい日が増えてきましたね!

春までもう少しです。

 

さて、この「春」は、

あなたのお店でたまごメニューを

イチオシするのに最高の季節です。

 

理由は2つ。

➀春はたまごの旬

②なのに相場価格は低め

ひとつずつご説明します。

 

➀千年前は卵は春だけだった

ニワトリさんが毎日

卵を産むようになったのは

そう古い話ではありません。

品種改良されてからです。

たとえば千年のむかしは、

ツバメやスズメと同じく鶏は

春先だけしか卵を産みませんでした。

 

なので毎日産むようになった今でも、

最も産卵のコンディションが良いのが

春の時期なんです。

 

俳句でも短歌でも、

卵の季語は「春」

 

イースターエッグだって

春でしょう?

 

フランスのオムレツ祭りもそうですが、

卵のイベントは春先に集中しています。

 

②相場価格の安定時期

一年を通してみると、

最も卵の相場が高いのは、

需要期の年末と5月連休前

鶏が減る2月と8月です。

 

逆に相場価格が下がる傾向が、

余りの出る1月と需要の減る8月前後

あとここ数年はそうでもないのですが

生産量が上がって需要の落ち着く

3月~4月上旬。これが、

相場の下がりやすい時期です。

 

ですので、たとえば、

『春の旬たまご料理フェア』

なんて企画は、

品質は良くて価格は抑えめ

つまり

粗利は取りやすく

お客さんの満足度も高まる

そんなタイミングなんです。

 

たまごは、通年して入手できる食材ですが、

じつは季節性のある

変化に富んでいる側面があるんです。

 

また、ストーリーとしても、

千年の昔に思いをはせる

ちょっとしたロマンですよね~。

 

小売店のお客様でも、

例年この時期に

飼料をちょっと切り替えたりしまして

「春の旬たまごフェア」を

企画します。

いつもすごい人気なんですよね~。

ぜひ、ご飲食店、

あなたのお店のファンの方々にも

「へ~!」という言葉と共に

たまごで季節のワクワクを

感じていただきませんか!?

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年02月16日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

VTuberの潤羽るしあさんという方がいらっしゃいます。

スキャンダルでいま炎上中なんですね。

 

そこで、対抗するために

大勢の熱烈ファンが

#るしあ大好きだよ

というハッシュタグで

投稿をしたところ

自動翻訳で

#WeLoveRussia(ロシア大好き)

となってしまい、

 

『ロシアとウクライナが

一触即発の世界情勢で、日本が

「ロシア大好き」のメッセージを

トレンドになるくらい

たくさん出している…!?』

 

と、世界で驚きの反応が出ているんだとか。

 

うーん、面白いですね。

いや、笑いごっちゃありませんね。

 

こんな風に、

自動翻訳も含めて、

世界への拡散スピードが

尋常じゃなくなっています。

 

特定の人たちや

特定の国の文化に失礼な物言いは、

思ってもみない形で伝わるかもしれない

そう思って配慮しなくてはいけない

そんな世の中になりつつあるようです。

 

最近で言うと、

キムチの起源について

有名人が言及するたびに、

中国か韓国で「ウチの方が起源だ」

と炎上しています。

 

またたとえば、

中国のネットでは、

「チャーハン」の話がご法度の場合があります。

毛沢東の息子、毛岸英は朝鮮戦争で

亡くなっているのですが

その原因が

「チャーハンを作ったから、その火で見つかった」

というウワサがありまして、

この辺りのおはなしに

少しでも触れると

中国では即アウト。

 

日本で発信するからと言って、

ウッカリ戦争とチャーハンを

絡めて言及してしまうと

もめごとになる可能性があります。

 

おなじく

卵をつかった「マヨネーズ」は、

フランスとスペイン・イギリス

三国とも起源を主張して論争中です。

あなたのお店の

『フランス起源の自家製マヨネーズ♪』

みたいな表現が、

いらぬ争いを産む日がくるかもしれません。

 

たまごは宗教的なタブーが

少ない食材ですが、

それだけに食べられている国は

多岐にわたります。

 

ビルマのように卵=強壮剤の

イメージがあったり、

タイのように卵が性的な隠語

になっちゃっている場合もあります。

 

ウッカリはしょうがないですが、

せめて誰かを傷つけることの

ないようにしなくちゃいけませんね~。

 

なんだか大変な世の中ですが、

それだけに魅力も発信しやすいですよね!

 

まずは僕たちは、

身近なお客様限定の、

ローテクな

ニュースレターから今月も、

繁盛につながる情報発信をしてまいります。

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年02月15日

今日はバレンタインですね!

甘味にかかわる卵のお話を少し。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

小椋佳さんの

「甘いオムレツ」という歌があります。

 

けんかっ早くて身勝手で

子供に作るオムレツとカレーには

喜ぶだろうと砂糖をたっぷり入れてしまう

不器用な母を偲んで思い出す…

そんな歌詞です。

 

しみじみする歌ですが、

この「不器用」の代名詞となっている

甘いオムレツ、

 

繁盛メニューとして

非常に可能性があると思っています。

 

『甘いオムレツ』は

なにせ、歴史がめっちゃ古い。

 

というか、

オムレツの起源はそもそも

「甘いスイーツなオムレツ」

とも言えます。

 

ローマ時代全盛期(紀元前一世紀~)に

美食家アピキウスさんが書いた

世界最古の料理研究書

『料理大全(De re coquinaria)』に載っている

「オムレツ」のレシピは

ハチミツのたっぷり入った

コショウ入りのもの。

 

ちなみにアピキウスさんの

大好物だったとか。

 

コレ、当時の言葉で

「オウェメーレ(ハチミツ入りたまご)」

と呼ばれてまして、

 

これが転じたのが

「オムレツ」の語源だろう、

とも言われています。

 

ローマ人からしたら、

今のオムレツの方が

「甘くなくてビックリ!」

なんでしょうね。

 

◆海外ではフツーに甘いオムレツがある

ちなみに海外では

甘く焼いたオムレツに

ベリーのジャムをたっぷりかけたり

 

ちょっとパンケーキ的にして

中にバナナやキウィなどフルーツを

生クリームといっしょに

たっぷり入れた

『スイーツオムレツ』が一ジャンルとして

人気になっていたりします。

甘いのも食事も両方いける。

ちょうどパンケーキが甘味とベーコン等塩味

どちらも合うのに似ているかもしれません。

 

そういえば、日本でも

甘い玉子焼きがありますもんね。

オムレツだって甘くても良いんです。

 

◆低糖質スイーツとしての可能性

パンケーキとくらべて

『スイーツオムレツ』のメリットは、

「低糖質」が挙げられます。

いや、もちろん糖質は使いますが、

小麦分が少な目だったりして、

 

パンケーキや

ショートケーキよりも

「ヘルシーで美味しい」

そんなイメージの

人気カフェメニューにもなり得るんです。

 

これから流行ってくるかもしれません。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:たまご料理の魅せ方に歴史を乗せる(最古の玉子料理)たまごのソムリエコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2022年02月14日

飲食店さま、洋菓子店さま向けに書いてます。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

冬季オリンピック、面白いですね~。

 

美と技を競う競技も

面白いですが、

 

個人的には基準のわかりやすい

カーリングやタイムレース競技が

好きですね。

 

ところで最近「やるな!」、と思ったのが、

一昨日の金曜ロードショー。

放送していたのは

「クール・ランニング」(1993)でした。

雪の降らない常夏の国ジャマイカで

ボブスレー五輪代表を目指し

悪戦苦闘する男たちの話。

 

「五輪中の今みんな観たら面白いだろうな~。」

と思っていたタイミングでしたので、

ホント分かってるなぁ、日テレは!

という気持ちでした。

 

ちなみに僕の人生ベスト3に入る

お気に入り映画で、

英語で全てセリフが言えるくらい

百回を超えて観まくった映画です。

 

また、コロナ禍になって

どこへも行きにくいので

週にいちど家族で

レンタル映画を観る

「家庭内映画まつり」を

この二年続けているんですが、

先週観たのが

「ハクソー・リッジ」(2016)

武器の所持も訓練も拒否したまま

第二次世界大戦に参加し、

英雄になった男の話です。

 

どっちもスゴク面白いのですが、

この2本の映画に共通するのは

「実話」を元にしていること。

 

息子たちは

「エッ!?そうなの?」

と食い入るように

楽しんでいました。

 

いや、実際説得力ありますよね。

脚色込みだと分かっていても。

 

そして、このことは、

あなたのお店にも同じことが言えます。

それは、「ストーリー」です。

 

たとえ盛り上げ込みでも、

アツい開発秘話や

取り組む様子の物語は、

「実話」として

お店のドラマや伝説を

すごく底上げして

共感する人を増やしてくれます。

 

「こんなに手間がかかった。」

「これだけ種類をためしたんだよ。」

「ここだけは妥協できなかったんだ。」

みたいなストーリーは、

やっぱりワクワクしますよね~。

 

◆お店のこだわりに合う「83種たまご」だめし

ウチのお客様で言いますと、

「自慢の肉料理の旨味にいちばん合うたまごを20種類のたまごから選んだ」

「自家焙煎しているコーヒーの香りを邪魔せずまろやかな旨味の強いたまごを23種のたまごから選んだ」

「色味と香りのために、ハーブを食べさせた卵など厳選した2種類をブレンドして焼き上げた洋菓子です」

みたいな、「美味しさ」のために卵を選んでいただく

そんなストーリーを語ってくださる

お店さんがいらっしゃいます。

かなり反響があるとのことで、うれしい限りです。

 

どこにこだわって美味しいものができたのか

どんなドラマがあったのか

 

「へー!そりゃスゴイ」

と言ってもらえるあなたの実話

物語を、ぜひ語ってみませんか。

説得力ありますよ。

 

ちなみにボクは、

ご取材いただいた際に

チョット「盛って」話してみようかなぁ、

と思った事もあるのですが、

必ずカットされ、採用されたことがありません。

 

ホントに思っている事じゃないと

語るときの熱のこもり方が、

まったく違うんですね。

 

あと、スタッフに

「あれ、違いますよね?」

と言われちゃいますし。

 

今後もワクワクの真実

ストーリーとなる

仕事をしてまいります。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年02月13日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

人気セルフうどん店の社長さんと

お話をしていた際、

「釜玉うどんの見た目重視がもったいない」

というハナシになりました。

 

釜玉うどんって、

ゆでたてアツアツのうどんに

たまごと生醤油を絡めて食べる

めちゃくちゃ美味しいメニュー。

 

いわば、うどんを用いた

カルボナーラですね。

 

で、大抵は注文すると

こんなカンジだと思うんです。

うーん、美味しそう…!

 

でも・・・

「本当に美味しく食べてもらうなら

アツアツの内に混ぜないといけない。

じつは、

お渡しする前にかきまぜて

お出しした方が、

ダンゼン美味しいんだよね。」

というのが、社長さんの言。

なるほど。

ゆでたてに生卵を絡めるから

美味しいのに、

こうやってたまごを割り乗せて

出されると、

テーブルまで持ってくる間に

冷めちゃうんですね。

 

もちろんそれでも

たまごかけごはん的な

美味しさはありますが、

絶妙なぐあいに熱がとおった

たまごとうどんの絡み、

醤油が混然一体となった

食感と風味が

釜玉うどんの魅力です。

 

アツアツで絡めないともったいない!

というお店の感覚

とてもよく分かります。

 

「『こちらで混ぜましょうか?

どうしますか?』って聞いてみた事も

あるんだけど、ほとんどの

お客様が『自分で。』って

おっしゃるんだよね。」

とのことでした。

 

同じ様なハナシで、

目玉焼きの「ターンオーバー」

があります。

いわゆる『両面焼き』ですね。

 

海外だとポピュラーで、

両面焼くことで表面カリッ!

中身はトロッ!という

すんごく魅力的な食感になります。

 

テキトーに作ってもそうなります。

 

ですが一点

「見た目」が悪いんですね。

裏返さない目玉焼きとくらべて。

 

◆味だけじゃない!?「美味しさ」の要素

「ああ、もっと美味しくできるのに…」

という葛藤、ホントよく分かります。

 

結局のところ、

味じゃない「おいしさ」を

どれくらい重視するのか?

というハナシですよね。

 

色、見た目、音、情報…

味以外の要素だって

「美味しさ」に大切で、

とくに『卵の黄身』は

視覚の誘因効果が非常に大きいんです。

 

 

ただ、きちんと情報を伝えることで

理解してもらえることもあります。

 

お好み焼きはかつて、「自分で焼く」のがデフォルトでした。

それ込みで、

「おとうさんひっくりかえして!」みたいな

ライブ感もお好み焼き屋さんの魅力でした。

 

ところが近年は

ちょっとこだわった

鉄板焼き屋さん系お好み焼き店も

たくさん出てきまして、

そういうお店では

 

「いちばん美味しく食べてもらうため、

厨房で焼いてからお出しします」

というスタイルも増えてきました。

 

お店のコンセプトに合わせて、

「ここは譲れないんです。」

と、こだわり発信することで、

より差別化になるんじゃないでしょうか。

 

見た目が悪いけど

美味しくなる卵料理2品についてでした。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2022年02月12日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

在留アメリカ人の方が書道に挑戦して

Facebookにアップ、

「それは文化盗用だからやめなさい」

って言われてションボリ…

そんなお話が

Twitterで話題になっていました。

 

以前には、

着物を着てSNSにアップしたところ

文化盗用だ…!と炎上した

海外の有名人さんもいましたね。

 

他国の文化として尊重してくださる

からこそのご意見でしょうが、

 

個人的には

まずそんな文化があることを

沢山の人に

知ってもらいたい段階なら

どんどん発信してもらっても

いいんじゃないかなぁ、

という感覚がありますね~。

 

だって、日本人ですら、

大人になったらほぼ

書道もしませんし、

着物も着ないんですよね。

 

筆ペンとかワンタッチ浴衣

くらいの感覚で

むしろ世界にひろまってくれればなぁ、なんて感じます。

 

でもこういった風潮が、

もし、食の分野に来たらどうなるでしょうか…!?

 

◆食でも「文化盗用だ」の指摘があり得る…?

例えば日本のオムライスは

大丈夫なんでしょうか?

たとえばケチャップを使った

ナポリタンは…!?

 

ちなみにイタリア人の89%が

ケチャップを使ったパスタなんて

容認できん・・・!のだそうです。

昨年ブームになった

マリトッツオは

イタリアのパン料理ですが、

和風に魔改造されて

カツオのたたきマリトッツオとか

さつま揚げマリトッツオとか

出てますよね。

 

創作系居酒屋の

日本人の舌に合わせた

外国風創作料理はどうなんでしょう。

 

今のところ料理については

ある国の食を別の国の者が

作ることに対して、

さほど厳しい意見は出ていません。

 

ただ…数年前ですが、

英国人のシェフが和風レストランを英国で出した際、

そのメニューが和風の創作料理、

というか

和風をアレンジしたオリジナルだったことが

「文化を尊重していない!」

と炎上したことがあります。

 

◆リスペクトが無い!と思われると危険

このレストランが炎上したのは、

「うわべだけアジアっぽくしている」

「シソや梅・サシミを使えばいいと思ってる」

なんて言う、ようするに

『オリジナル』文化へのリスペクトが無い

という批判ですね。

 

オムライスはフランス由来の進化

ラーメンは中国由来の進化

カレーは…

と日本人は食の取り入れが広いですが、

そこに由来となった国の

食文化への敬愛と尊敬が

あれば、今後も大丈夫でしょうね。

 

また、地域の文化に限らず、

『思想』についてもおなじく

敬愛と配慮をすべきです。

 

たとえば

『ヴィーガン食っぽい魚料理』とか

『ハラルっぽい豚肉料理』みたいな

思想を理解しない創作メニューは

危険でしょう。

 

海外に限らず、

たとえばもし

名前に「子ども食堂」と入った

高級レストランを作ったら

100%炎上するでしょうね。

 

◆急な流行りはこれから注意が必要

あまり急激に流行ったものなんかは、

あまり考慮されない

派生品が出やすいですから

 

「ふざけてる!」と

受け取られないように

立ち止まって自分で考えてみるべきですね。

 

上記のマリトッツオだって、

イタリアとフランスが

決して仲良くないことを

知らずに、もし

「フレンチ風マリトッツオ!」

みたいな商品をつくっちゃったら、

海外で炎上しても不思議はないんです。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年02月11日