小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

飲食店さま向けに書いてます。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

明石家さんまさんが、番組で

「たまごかけごはんは料理じゃない」

と発言して炎上してますね。

さんまさんが

「食事のメニューを聞かれるとつい

『カンタンなものでええわ。』って言ってまう。」

…というハナシの流れで、

 

じゃあ、カンタンな料理って

たまごかけごはんでも良いの?

と聞かれて、

「たまごかけごはんって簡単過ぎ!(たまごを)割るだけやろ!?」

「簡単な料理(が食べたいん)や」

と答えたんですね。

 

で、

「たまごかけだって立派な料理だ。」

「手間も準備もかかる。」

「じゃあ自分で作ればイイ。」

と視聴者から批判が噴出したんですね…。

 

うーん、なかなか興味深いです。

なぜ、こんな議論がでるのでしょうか?

事の是非は置いておいて、

 

じつはそこに飲食店さんで

粗利の取れる繁盛メニュー

のヒントがあります。

 

◆料理によってのイメージがちがう

たまごかけごはん=ラク

という感覚は、ずっと根強くあります。

なぜなら、手順が少ないから。

 

さんまさんが言うように、

➀ごはんをよそう

②卵を割る

見かけ上、たったこれだけに見えるからです。

実際は、その前後に

・ご飯を炊く

・食器を用意する

・卵を冷蔵庫から出す

とか

・かたづける

 

なんてのがあるので、批判として

「これは料理だ。」というのは正しいです。

 

ただ、

例えば飲食店メニュー

だとどうでしょう?

 

あなたなら

ごはん+卵をコロンと用意されて

いくら出しますか?

 

決してそう高くはないですよね?

 

「ふりかけごはん」

ならどうでしょう?

おなじく高い単価は難しいかもしれません。

 

小林が考えるに、

ポイントは2つあります。

 

ひとつはそこに『想い』

『考え』が入っているかどうか。

 

人は「誰がつくっても同じ」であれば、

それは「料理として価値が低い」

と考えます。

 

カップラーメンや

レトルトカレーなんかも

そうですね。

 

大使閣下の料理人という

名作料理漫画がありますが、

そこに

「フランス人のシェフが

卵かけご飯を作ったら、

それは立派なフランス料理だ。」

…と話すシーンがあります。

 

つまり、

「私は食べてもらう人に

こんな想いでつくりました。」

 

「私は常々こんなこだわりで

提供しています。」

 

…ということが伝われば、

料理として高い「価値」

になるんです。

 

もう一つは、『見え方』。

ようするに、

「こりゃ大変そう」

に見える「手間感」があるほど、

料理として単価の取れる、

そんな価値になりやすいんです。

とくに玉子料理はその傾向が強いんですね。

たまごかけごはんと

目玉焼き定食と

オムライス

どれもメインはたまごとごはんですが、

単価を高くとりやすいのは

オムライスですよね。

 

たまごかけごはんで

高い価値と単価を取るなら

つまりそこに

「手間とめんどう」を

感じてもらえれば良いんです。

家ではぜったいやらないような。

薬味がたくさんついている

醤油の量まできちんと計ってある

たまごが極上

白身がふわふわ

温度まで計算してくれている…

たまごかけごはんひとつでも、

いろ~んな手間感アップが

考えられます。

 

TKGに限らず、この2点は

メニュー付加価値のカギ

じゃないでしょうか。

 

今回の炎上、

おもったより騒ぎになっていて

ちょっと驚いていますが、

とにかく

多くの方の議論の機会となったことは

うれしいですね。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

今回の大寒波で、

めずらしく四国徳島県は雪模様

雪合戦ができるくらい

積もったのは、何年ぶりでしょうか。

あなたの地域では大丈夫でしたでしょうか!?

 

僕が子供の頃

「雪が降った!」と大喜びしていたら

先代である父にめちゃくちゃ

怒られたことがあります。

「ウチの商売をなんだと思っているんだ!」と。

 

生みたて新鮮な卵をお届けする、

という観点からすると、

雪は害悪なんですよね。

 

めったに降らない地域とはいえ、

ご配達ができない状況、

 

それを喜ぶなんて・・・!

という今は亡き父の怒りです。

 

なるほど・・

今思えばそれだけ真摯に商売を考えていた、

ということがよく分かります。

 

ただ…雪のめずらしさに目を輝かせた

小学生にそれはチョット

理不尽だったんじゃないかなぁ、

とも思い返して感じますね~。

 

そういえば、

近所の酒屋さんで、

ヘンなワインを見かけました。

?? なんかひっ算が書いてある?

しかも、答えが間違ってますよね、コレ…!?

ご丁寧に、フタにまで書いてあります。

しかもやっぱり計算間違い。

 

これ、『コレクト(正解)』という

名前のワインで、

裏に説明が書いてありました。

「ワインづくりは計算どおりにいかない事ばかり。でも、それが最後にできあがるワインが美味しければ、それがCORRECTO(正解)!」

そんな生産者の哲学が詰まったワイン

とのことです。

 

面白いですね。

これって、ウチの仕事にもつながります。

 

こんな風に大寒波がきて

めずらしい雪が降る

 

たまごの品質や

ニワトリさんの体調管理、

いろんな懸念や問題が起こります。

 

相場価格やお客様のご発注量も

変わってきますので、

 

余った分のたまごの

直売スペースで売る

その数量、内容

すべて変わります。

 

でも、結局は、

「お客様が喜んでくださったら、

それが正解」なんですよね。

 

ついつい、

「苦労してやったから、

喜ばれるはず。」とか

思っちゃうんですが、

そんなのお客様に関係ないですよね。

 

たまごの品質だって、

関係無いんです。

 

「最後に出来上がるワインが

美味しければ正解!」

なのと同じように、

 

たまごの美味しさは、

黄身の盛り上がりがイイからでも

放し飼いをしているからでも

無くって、

 

たまごの美味しさは、

「料理になった時にその料理が

最高に美味しいかどうか。」

なんです。

 

そう考えると、

白身黄身の張りの強さも

目玉焼きでは長所ですが、

たまご焼きでは固い食感になる短所です。

 

白身の「弱さ」は、

オムレツならば超のつく利点です。

 

何が真に“正しい事(CORRECTO)”かを

見失わないように精進して参ります!

 

あ、ワインはかなり飲みやすくて

美味しかったです。

ファンになりそう。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年02月17日

ご飲食店さま、洋菓子店さまに向けての内容です。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

少しずつ暖かい日が増えてきましたね!

春までもう少しです。

 

さて、この「春」は、

あなたのお店でたまごメニューを

イチオシするのに最高の季節です。

 

理由は2つ。

➀春はたまごの旬

②なのに相場価格は低め

ひとつずつご説明します。

 

➀千年前は卵は春だけだった

ニワトリさんが毎日

卵を産むようになったのは

そう古い話ではありません。

品種改良されてからです。

たとえば千年のむかしは、

ツバメやスズメと同じく鶏は

春先だけしか卵を産みませんでした。

 

なので毎日産むようになった今でも、

最も産卵のコンディションが良いのが

春の時期なんです。

 

俳句でも短歌でも、

卵の季語は「春」

 

イースターエッグだって

春でしょう?

 

フランスのオムレツ祭りもそうですが、

卵のイベントは春先に集中しています。

 

②相場価格の安定時期

一年を通してみると、

最も卵の相場が高いのは、

需要期の年末と5月連休前

鶏が減る2月と8月です。

 

逆に相場価格が下がる傾向が、

余りの出る1月と需要の減る8月前後

あとここ数年はそうでもないのですが

生産量が上がって需要の落ち着く

3月~4月上旬。これが、

相場の下がりやすい時期です。

 

ですので、たとえば、

『春の旬たまご料理フェア』

なんて企画は、

品質は良くて価格は抑えめ

つまり

粗利は取りやすく

お客さんの満足度も高まる

そんなタイミングなんです。

 

たまごは、通年して入手できる食材ですが、

じつは季節性のある

変化に富んでいる側面があるんです。

 

また、ストーリーとしても、

千年の昔に思いをはせる

ちょっとしたロマンですよね~。

 

小売店のお客様でも、

例年この時期に

飼料をちょっと切り替えたりしまして

「春の旬たまごフェア」を

企画します。

いつもすごい人気なんですよね~。

ぜひ、ご飲食店、

あなたのお店のファンの方々にも

「へ~!」という言葉と共に

たまごで季節のワクワクを

感じていただきませんか!?

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年02月16日

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

VTuberの潤羽るしあさんという方がいらっしゃいます。

スキャンダルでいま炎上中なんですね。

 

そこで、対抗するために

大勢の熱烈ファンが

#るしあ大好きだよ

というハッシュタグで

投稿をしたところ

自動翻訳で

#WeLoveRussia(ロシア大好き)

となってしまい、

 

『ロシアとウクライナが

一触即発の世界情勢で、日本が

「ロシア大好き」のメッセージを

トレンドになるくらい

たくさん出している…!?』

 

と、世界で驚きの反応が出ているんだとか。

 

うーん、面白いですね。

いや、笑いごっちゃありませんね。

 

こんな風に、

自動翻訳も含めて、

世界への拡散スピードが

尋常じゃなくなっています。

 

特定の人たちや

特定の国の文化に失礼な物言いは、

思ってもみない形で伝わるかもしれない

そう思って配慮しなくてはいけない

そんな世の中になりつつあるようです。

 

最近で言うと、

キムチの起源について

有名人が言及するたびに、

中国か韓国で「ウチの方が起源だ」

と炎上しています。

 

またたとえば、

中国のネットでは、

「チャーハン」の話がご法度の場合があります。

毛沢東の息子、毛岸英は朝鮮戦争で

亡くなっているのですが

その原因が

「チャーハンを作ったから、その火で見つかった」

というウワサがありまして、

この辺りのおはなしに

少しでも触れると

中国では即アウト。

 

日本で発信するからと言って、

ウッカリ戦争とチャーハンを

絡めて言及してしまうと

もめごとになる可能性があります。

 

おなじく

卵をつかった「マヨネーズ」は、

フランスとスペイン・イギリス

三国とも起源を主張して論争中です。

あなたのお店の

『フランス起源の自家製マヨネーズ♪』

みたいな表現が、

いらぬ争いを産む日がくるかもしれません。

 

たまごは宗教的なタブーが

少ない食材ですが、

それだけに食べられている国は

多岐にわたります。

 

ビルマのように卵=強壮剤の

イメージがあったり、

タイのように卵が性的な隠語

になっちゃっている場合もあります。

 

ウッカリはしょうがないですが、

せめて誰かを傷つけることの

ないようにしなくちゃいけませんね~。

 

なんだか大変な世の中ですが、

それだけに魅力も発信しやすいですよね!

 

まずは僕たちは、

身近なお客様限定の、

ローテクな

ニュースレターから今月も、

繁盛につながる情報発信をしてまいります。

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2022年02月15日

今日はバレンタインですね!

甘味にかかわる卵のお話を少し。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

 

小椋佳さんの

「甘いオムレツ」という歌があります。

 

けんかっ早くて身勝手で

子供に作るオムレツとカレーには

喜ぶだろうと砂糖をたっぷり入れてしまう

不器用な母を偲んで思い出す…

そんな歌詞です。

 

しみじみする歌ですが、

この「不器用」の代名詞となっている

甘いオムレツ、

 

繁盛メニューとして

非常に可能性があると思っています。

 

『甘いオムレツ』は

なにせ、歴史がめっちゃ古い。

 

というか、

オムレツの起源はそもそも

「甘いスイーツなオムレツ」

とも言えます。

 

ローマ時代全盛期(紀元前一世紀~)に

美食家アピキウスさんが書いた

世界最古の料理研究書

『料理大全(De re coquinaria)』に載っている

「オムレツ」のレシピは

ハチミツのたっぷり入った

コショウ入りのもの。

 

ちなみにアピキウスさんの

大好物だったとか。

 

コレ、当時の言葉で

「オウェメーレ(ハチミツ入りたまご)」

と呼ばれてまして、

 

これが転じたのが

「オムレツ」の語源だろう、

とも言われています。

 

ローマ人からしたら、

今のオムレツの方が

「甘くなくてビックリ!」

なんでしょうね。

 

◆海外ではフツーに甘いオムレツがある

ちなみに海外では

甘く焼いたオムレツに

ベリーのジャムをたっぷりかけたり

 

ちょっとパンケーキ的にして

中にバナナやキウィなどフルーツを

生クリームといっしょに

たっぷり入れた

『スイーツオムレツ』が一ジャンルとして

人気になっていたりします。

甘いのも食事も両方いける。

ちょうどパンケーキが甘味とベーコン等塩味

どちらも合うのに似ているかもしれません。

 

そういえば、日本でも

甘い玉子焼きがありますもんね。

オムレツだって甘くても良いんです。

 

◆低糖質スイーツとしての可能性

パンケーキとくらべて

『スイーツオムレツ』のメリットは、

「低糖質」が挙げられます。

いや、もちろん糖質は使いますが、

小麦分が少な目だったりして、

 

パンケーキや

ショートケーキよりも

「ヘルシーで美味しい」

そんなイメージの

人気カフェメニューにもなり得るんです。

 

これから流行ってくるかもしれません。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

(関連:たまご料理の魅せ方に歴史を乗せる(最古の玉子料理)たまごのソムリエコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 料理別・たまごのこだわり , オムレツ 2022年02月14日

飲食店さま、洋菓子店さま向けに書いてます。


こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

冬季オリンピック、面白いですね~。

 

美と技を競う競技も

面白いですが、

 

個人的には基準のわかりやすい

カーリングやタイムレース競技が

好きですね。

 

ところで最近「やるな!」、と思ったのが、

一昨日の金曜ロードショー。

放送していたのは

「クール・ランニング」(1993)でした。

雪の降らない常夏の国ジャマイカで

ボブスレー五輪代表を目指し

悪戦苦闘する男たちの話。

 

「五輪中の今みんな観たら面白いだろうな~。」

と思っていたタイミングでしたので、

ホント分かってるなぁ、日テレは!

という気持ちでした。

 

ちなみに僕の人生ベスト3に入る

お気に入り映画で、

英語で全てセリフが言えるくらい

百回を超えて観まくった映画です。

 

また、コロナ禍になって

どこへも行きにくいので

週にいちど家族で

レンタル映画を観る

「家庭内映画まつり」を

この二年続けているんですが、

先週観たのが

「ハクソー・リッジ」(2016)

武器の所持も訓練も拒否したまま

第二次世界大戦に参加し、

英雄になった男の話です。

 

どっちもスゴク面白いのですが、

この2本の映画に共通するのは

「実話」を元にしていること。

 

息子たちは

「エッ!?そうなの?」

と食い入るように

楽しんでいました。

 

いや、実際説得力ありますよね。

脚色込みだと分かっていても。

 

そして、このことは、

あなたのお店にも同じことが言えます。

それは、「ストーリー」です。

 

たとえ盛り上げ込みでも、

アツい開発秘話や

取り組む様子の物語は、

「実話」として

お店のドラマや伝説を

すごく底上げして

共感する人を増やしてくれます。

 

「こんなに手間がかかった。」

「これだけ種類をためしたんだよ。」

「ここだけは妥協できなかったんだ。」

みたいなストーリーは、

やっぱりワクワクしますよね~。

 

◆お店のこだわりに合う「83種たまご」だめし

ウチのお客様で言いますと、

「自慢の肉料理の旨味にいちばん合うたまごを20種類のたまごから選んだ」

「自家焙煎しているコーヒーの香りを邪魔せずまろやかな旨味の強いたまごを23種のたまごから選んだ」

「色味と香りのために、ハーブを食べさせた卵など厳選した2種類をブレンドして焼き上げた洋菓子です」

みたいな、「美味しさ」のために卵を選んでいただく

そんなストーリーを語ってくださる

お店さんがいらっしゃいます。

かなり反響があるとのことで、うれしい限りです。

 

どこにこだわって美味しいものができたのか

どんなドラマがあったのか

 

「へー!そりゃスゴイ」

と言ってもらえるあなたの実話

物語を、ぜひ語ってみませんか。

説得力ありますよ。

 

ちなみにボクは、

ご取材いただいた際に

チョット「盛って」話してみようかなぁ、

と思った事もあるのですが、

必ずカットされ、採用されたことがありません。

 

ホントに思っている事じゃないと

語るときの熱のこもり方が、

まったく違うんですね。

 

あと、スタッフに

「あれ、違いますよね?」

と言われちゃいますし。

 

今後もワクワクの真実

ストーリーとなる

仕事をしてまいります。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2022年02月13日