ニワトリといっしょに天国へ!【たまご鶏のことわざ その35】
こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。
たまご・鶏のことわざ、今回は中国から。
<一人が道を得れば鶏も犬も天に昇る(鶏犬昇天:けいけんしょうてん)>
これは『出世した人のおこぼれ(影響)で、まわりの親族まで出世すること』を表わします。
いやー、大学生の半数が「コネが重要」と応えるほどの“繋がり重視社会”な中国らしいお話しですねェ……
◆危機一髪!国王の脱出◆
これは、むかしむかし、「漢」という国を作った英雄・劉邦さんの孫に劉安さんという方がいらっしゃいまして、この方は海南という属地方の王様でしたが、故あって謀反を起こしちゃうんですね。
が、反乱前に発覚してしまい追い詰められてしまいます。 その絶体絶命の劉安さんに、間一髪!神仙が救いの手を差し伸べてくれるんですね。
神仙サマからありがたい霊薬をもらい(レシピを授かり自分で調合したとの伝説も)それを飲みほすと、なんと・・・! フワフワと体が浮き上がり、すんでのところを逃れ天に昇り、仙人となることができたんですね。
そして、その時!
同時に家で飼っていたニワトリさんとワンちゃんまでもがフワフワと浮きあがり、一緒に天まで昇っちゃったわけです。
このエピソードから、『一人が出世すると、たとえ能力が無くても親族や側近まで出世する』 という意味で使われるようになりました。
以前もお話ししましたとおり、『犬とニワトリ』というと“人間と最も近い動物の象徴”でして、“親族や側近”の比喩としてはうってつけのコンビなんですね。 ちなみに中国の古典では“犬鶏”と書いてあると「人が住んでいる村里」の事を表すくらいなんですね。
中国は、現代でも強いコネ社会なんだそうです。 これは、長い動乱が続いた事から敵味方をハッキリさせ「関係」を重視する風土ができあがったからだとも言われています。
仲間をだいじに。
そう考えると悪い事ばかりでもないのでしょうが、こと“政治”となるとそうはいきません。
日本は、この夏には参院選、全国いろんな方が出馬されます。 鶏犬昇天じゃなく、実力発揮のうえで、政策を戦わせてほしいものですね。
ここまでお読みくださって、ありがとうございます^^